1 / 2
第1話 ベランダ
しおりを挟む
目が覚めた。
ズキズキと痛む頭を抑え、じめじめとした朝にため息をして身体を起こす。
「もう朝、、、、、、、」
雀が早く起きろと急かすように鳴く。
軋むベットを横目にくたびれたサンダルを踏んでベランダに出た。
太陽が無くなったら起きなくていいのかな
なんて
タバコを出しながら毎日同じことを考える。
---------------------
流行りの黒いスーツ
お気に入りの革の靴
血色に近い色のリップ
身につけると気が引き締まるというより、憂鬱な気分が体にまとわりついた様な感覚になる。
「いってきまーす」
家の外に出ると平凡で見飽きた風景が広がっている。
公園で話す老人たち
うさぎのように跳ねるランドセル
静かに流れる川の水
気が重そうな私
こんな生活はいつまで続くのだろうか。
会社についた。
コーヒーとタバコの匂いが混ざっていて、異臭どころではない空間が出来上がっている。
もう慣れたけど。
「華夏ちゃーーーーん、今日も可愛いねぇ。良かったらランチ一緒に行かなーい?」
聞くだけで気が抜けそうになる声ときつい香水の匂い。課長だ。
「課長さん奥さんいますよね。私と行ったらまた怒られちゃいますよ?」
「そんなのぜーんぜん大丈夫だからぁ。僕はもっと若い女の子と一緒にお話したいよー、」
と肩に手を回してきた。
背中からうなじにかけて鳥肌がたつ
気持ち悪い。
課長は奥さんより若い女の子なら誰でもいいらしく、他の課まで手を出しているらしい。給湯室のお局3人組が話しているのを聞いたことがある。
私は課長の手を振り払ってトイレに駆け込んだ。吐いた。何も出ないのに吐いた。
「この会社、、辞めよ。」
2話に続く
ズキズキと痛む頭を抑え、じめじめとした朝にため息をして身体を起こす。
「もう朝、、、、、、、」
雀が早く起きろと急かすように鳴く。
軋むベットを横目にくたびれたサンダルを踏んでベランダに出た。
太陽が無くなったら起きなくていいのかな
なんて
タバコを出しながら毎日同じことを考える。
---------------------
流行りの黒いスーツ
お気に入りの革の靴
血色に近い色のリップ
身につけると気が引き締まるというより、憂鬱な気分が体にまとわりついた様な感覚になる。
「いってきまーす」
家の外に出ると平凡で見飽きた風景が広がっている。
公園で話す老人たち
うさぎのように跳ねるランドセル
静かに流れる川の水
気が重そうな私
こんな生活はいつまで続くのだろうか。
会社についた。
コーヒーとタバコの匂いが混ざっていて、異臭どころではない空間が出来上がっている。
もう慣れたけど。
「華夏ちゃーーーーん、今日も可愛いねぇ。良かったらランチ一緒に行かなーい?」
聞くだけで気が抜けそうになる声ときつい香水の匂い。課長だ。
「課長さん奥さんいますよね。私と行ったらまた怒られちゃいますよ?」
「そんなのぜーんぜん大丈夫だからぁ。僕はもっと若い女の子と一緒にお話したいよー、」
と肩に手を回してきた。
背中からうなじにかけて鳥肌がたつ
気持ち悪い。
課長は奥さんより若い女の子なら誰でもいいらしく、他の課まで手を出しているらしい。給湯室のお局3人組が話しているのを聞いたことがある。
私は課長の手を振り払ってトイレに駆け込んだ。吐いた。何も出ないのに吐いた。
「この会社、、辞めよ。」
2話に続く
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ひきこもり瑞祥妃は黒龍帝の寵愛を受ける
緋村燐
キャラ文芸
天に御座す黄龍帝が創りし中つ国には、白、黒、赤、青の四龍が治める国がある。
中でも特に広く豊かな大地を持つ龍湖国は、白黒対の龍が治める国だ。
龍帝と婚姻し地上に恵みをもたらす瑞祥の娘として生まれた李紅玉は、その力を抑えるためまじないを掛けた状態で入宮する。
だが事情を知らぬ白龍帝は呪われていると言い紅玉を下級妃とした。
それから二年が経ちまじないが消えたが、すっかり白龍帝の皇后になる気を無くしてしまった紅玉は他の方法で使命を果たそうと行動を起こす。
そう、この国には白龍帝の対となる黒龍帝もいるのだ。
黒龍帝の皇后となるため、位を上げるよう奮闘する中で紅玉は自身にまじないを掛けた道士の名を聞く。
道士と龍帝、瑞祥の娘の因果が絡み合う!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一人じゃないぼく達
あおい夜
キャラ文芸
ぼくの父親は黒い羽根が生えている烏天狗だ。
ぼくの父親は寂しがりやでとっても優しくてとっても美人な可愛い人?妖怪?神様?だ。
大きな山とその周辺がぼくの父親の縄張りで神様として崇められている。
父親の近くには誰も居ない。
参拝に来る人は居るが、他のモノは誰も居ない。
父親には家族の様に親しい者達も居たがある事があって、みんなを拒絶している。
ある事があって寂しがりやな父親は一人になった。
ぼくは人だったけどある事のせいで人では無くなってしまった。
ある事のせいでぼくの肉体年齢は十歳で止まってしまった。
ぼくを見る人達の目は気味の悪い化け物を見ている様にぼくを見る。
ぼくは人に拒絶されて一人ボッチだった。
ぼくがいつも通り一人で居るとその日、少し遠くの方まで散歩していた父親がぼくを見つけた。
その日、寂しがりやな父親が一人ボッチのぼくを拐っていってくれた。
ぼくはもう一人じゃない。
寂しがりやな父親にもぼくが居る。
ぼくは一人ボッチのぼくを家族にしてくれて温もりをくれた父親に恩返しする為、父親の家族みたいな者達と父親の仲を戻してあげようと思うんだ。
アヤカシ達の力や解釈はオリジナルですのでご了承下さい。
後宮の偽物~冷遇妃は皇宮の秘密を暴く~
山咲黒
キャラ文芸
偽物妃×偽物皇帝
大切な人のため、最強の二人が後宮で華麗に暗躍する!
「娘娘(でんか)! どうかお許しください!」
今日もまた、苑祺宮(えんきぐう)で女官の懇願の声が響いた。
苑祺宮の主人の名は、貴妃・高良嫣。皇帝の寵愛を失いながらも皇宮から畏れられる彼女には、何に代えても守りたい存在と一つの秘密があった。
守りたい存在は、息子である第二皇子啓轅だ。
そして秘密とは、本物の貴妃は既に亡くなっている、ということ。
ある時彼女は、忘れ去られた宮で一人の男に遭遇する。目を見張るほど美しい顔立ちを持ったその男は、傲慢なまでの強引さで、後宮に渦巻く陰謀の中に貴妃を引き摺り込もうとする——。
「この二年間、私は啓轅を守る盾でした」
「お前という剣を、俺が、折れて砕けて鉄屑になるまで使い倒してやろう」
3月4日まで随時に3章まで更新、それ以降は毎日8時と18時に更新します。
椿の国の後宮のはなし
犬噛 クロ
キャラ文芸
※毎日18時更新予定です。
架空の国の後宮物語。
若き皇帝と、彼に囚われた娘の話です。
有力政治家の娘・羽村 雪樹(はねむら せつじゅ)は「男子」だと性別を間違われたまま、自国の皇帝・蓮と固い絆で結ばれていた。
しかしとうとう少女であることを気づかれてしまった雪樹は、蓮に乱暴された挙句、後宮に幽閉されてしまう。
幼なじみとして慕っていた青年からの裏切りに、雪樹は混乱し、蓮に憎しみを抱き、そして……?
あまり暗くなり過ぎない後宮物語。
雪樹と蓮、ふたりの関係がどう変化していくのか見守っていただければ嬉しいです。
※2017年完結作品をタイトルとカテゴリを変更+全面改稿しております。
みちのく銀山温泉
沖田弥子
キャラ文芸
高校生の花野優香は山形の銀山温泉へやってきた。親戚の営む温泉宿「花湯屋」でお手伝いをしながら地元の高校へ通うため。ところが駅に現れた圭史郎に花湯屋へ連れて行ってもらうと、子鬼たちを発見。花野家当主の直系である優香は、あやかし使いの末裔であると聞かされる。さらに若女将を任されて、神使の圭史郎と共に花湯屋であやかしのお客様を迎えることになった。高校生若女将があやかしたちと出会い、成長する物語。◆後半に優香が前の彼氏について語るエピソードがありますが、私の実体験を交えています。◆第2回キャラ文芸大賞にて、大賞を受賞いたしました。応援ありがとうございました!
2019年7月11日、書籍化されました。

下っ端妃は逃げ出したい
都茉莉
キャラ文芸
新皇帝の即位、それは妃狩りの始まりーー
庶民がそれを逃れるすべなど、さっさと結婚してしまう以外なく、出遅れた少女は後宮で下っ端妃として過ごすことになる。
そんな鈍臭い妃の一人たる私は、偶然後宮から逃げ出す手がかりを発見する。その手がかりは府庫にあるらしいと知って、調べること数日。脱走用と思われる地図を発見した。
しかし、気が緩んだのか、年下の少女に見つかってしまう。そして、少女を見張るために共に過ごすことになったのだが、この少女、何か隠し事があるようで……

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる