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第二章 依存
1話 寂しい
しおりを挟む「あ"ッ♡♡は、ぁ"♡♡イ"ぐッ♡♡♡とぉまッ♡♡とぉまぁ♡♡♡」
「ん、愛してるよ、琳冬♡」
「あ"ッ♡♡おりぇもっ♡おれも、あいしてう♡♡」
あれからほぼ毎日抱かれ、俺は大学に行ってない。しかし、燈真は大学で相変わらず浮気しているらしい。
「琳冬、明日は彼女連れて来るからここで待ってて?」
「…ぇ、彼女、?俺と一緒に居てくれないの?」
「毎日一緒にいるだろ?明日だけ我慢して」
「…わかった」
「いい子。大人しくしててね?」
「…うん」
抱きしめられ、頭を撫でられる。少しでも燈真と一緒にいたくて、燈真の背中に腕を回す。
「…琳冬?ご飯作るから離して」
「…やだ、もう少しだけ」
「琳冬」
「やだ」
ぐりぐりと燈真の胸に頭を押し付ける。
本当は俺だけを見て欲しい、俺だけを…
「琳冬、もういい?そろそろ離して、邪魔」
「ぅ…ごめ、なさい……」
燈真は俺の顔を見ずに部屋を出ていく。心臓が痛い。寂しい。捨てられたくない。
「ぅう…ぐすっ」
寂しさに耐えきれず、俺は布団を頭から被る。燈真の匂いに包まれ、少しは安心する。それでもやっぱり足りない。
「琳冬、ご飯できたよ…琳冬?」
「…いらない」
「いらない?どうして…」
「…別に、食欲ない」
俺は布団に蹲りながら言う。
「琳冬?そんなことないでしょ?ほら、顔見せて」
「ぅ…ひぐっ、、」
無理矢理布団を引き剥がされ、眩しさに目を細める。
「なんで泣いてるの?」
「さみし、の、、とぅま、ぎゅ、して…?」
「はぁ…後でね。早く食べよ」
「ぁ…」
面倒くさがられた…やっぱり、俺のこと、好きじゃない、、?いや、そんなことはないハズ。
そうだ、俺より彼女の方が好きなんだ…
「…琳冬、食べないの?まさか本当に食欲ない?」
「…んーん、食べる、、燈真のご飯、やっぱり美味しいね」
「そうだろ?彼女も美味しいって言ってくれたんだ、笑顔がかわいくてさ……ッ琳冬?」
俺はガタッと席を立つ。燈真の惚気けなんて聞きたくもない。こんなの、、
「俺のこと、嫌い?」
「全く、何を言い出すのかと思ったら…早く食べなよ」
「ッ…もういらない、、ごちそうさま」
「琳冬?」
「燈真、お風呂入るから首輪とって」
俺は座ってる燈真の横に立つ。
「…わかったよ」
「ん、ありがと、今日は1人で寝るね」
「え、琳冬?」
俺は首輪を燈真の部屋に置いてから風呂場に向かう。できるだけ早く身体を綺麗にし、あがって髪を乾かす。
そのままの足で自室に向かい、鍵をかける。
コンコン
「琳冬?一緒に寝よ、抱きしめてあげるよ?琳冬、出ておいで。寂しかったんだろ?」
「やだ、1人で寝る」
「琳冬…さっきのこと気にしてるの?ごめんね、2人きりなのに彼女の話し出されるの嫌だったよね、謝るから出ておいで?」
「…じゃあ、明日もずっと一緒にいてくれる?」
「それとこれは違うでしょ?調子に乗らないで。いいから鍵開けて?」
「…やだ」
「ちょっ、琳冬!?」
燈真の声を聞かずに布団に潜る。そのまま俺は泣きながら眠りに落ちた。
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