15 / 64
第一章 愛の重さ
14話 ありがとう
しおりを挟む「燈真ぁ、今度燈真の家行っていい?ウチ燈真の家でシたいなぁ」
「いいよ、じゃあ今度の金曜日はどう?そうしたら土曜日も一緒にいれるよね」
「やった!燈真大好き!じゃあ、金曜日はウチの家、迎えに来てよ」
「わかったよ」
「って言う訳だから、金・土はどこか泊まって。琳冬が家に居ると邪魔だから」
大学から帰って来た燈真がただいまも言わずに放った言葉はこんなことだった。
恋人に邪魔って、普通言うか?いや、今の燈真の中の恋人はその彼女か。
「なんなら日曜日も帰って来なくていいよ。琳冬が居るとずっとくっ付いて来るから暑いし」
「…わかった」
嫌なら嫌って言えばいいのに。本当は、ずっと俺のこと追い出したかったのかな…?
日曜日も帰って来なくていいって、、それもう月曜日からも帰って来づらいじゃん。
「俺、一人暮らしする」
「あっそ、好きにすれば?オレに報告する必要ないだろ、それ」
「…ごめん」
燈真は少し俺を睨んでから洗面所に向かった。俺は行き先を変え、自分の部屋に行く。
荷造りをするために。
(これは置いてく、あ、これは持ってこ。燈真に貰った首輪、は…置いていこ。あと合鍵も置いて、、そうだ、盗聴器と発信機。どこかな…)
俺はトランクに必要な物を詰めていく。服やら何やら探したが、盗聴器と発信機は見当たらない。
(…服じゃない、とすると、、靴か)
俺は玄関に行き、燈真が居ないことを確認する。シャワーの音が聞こえるので風呂に入っているのだろう。
カパッ
(あ、あった…)
盗聴器は見当たらないが、発信機らしきものが靴底を開けたとこにある。俺はそれを取り出し、靴を直してから自室に戻る。
(よし、準備完了!後は…家だな。明日から探し初めて、金・土・日はホテルに泊まろう)
俺は発信機、合鍵、首輪を机の引き出しの中に入れる。
「琳冬~?飯食べよって…それ、2日分にしては大荷物じゃないか?」
「ん、気にしないで!食べよ、今日の夜ご飯なに~?」
「今日は琳冬の好きなオムライスだよ」
「やったぁ!燈真大好きっ!」
俺は燈真に抱きつきながら言う。
「ん、はいはい」
「ぁ…ごめん」
「え?なにが…」
「早く食べよ!」
「…うん」
俺、すぐ居なくなるからね、後少しだけ待ってて。
「琳冬?どうかした?」
「ううん、なんでもない!燈真の作ったオムライス美味しいよ」
今まで、たくさんの幸せをありがとう。
応援ありがとうございます!
15
お気に入りに追加
326
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる