子連れの界渡り

みき

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耳を赤く染めたロルフさんを見て笑いが込み上げてきた私。 

照れを隠しているつもりのロルフさんに一応笑いを我慢してみるが・・・





由「・・・ぷっ、ふふふ。」



ダメだ。
笑いが止められない。



ロ「おい。」
とロルフさんに咎められるけど、



由「すみません・・・ふふ。」
と笑い混じりの謝罪になってしまう。



そんな時、横から視線を感じそちらを見ると、先程からシーツを両手で持ったまま立っていた男性が私を凝視していた。


言葉を発するでもなく、ただ見つめてくるだけの男性に私は戸惑い、軽く会釈だけしておく。

すると、男性からも会釈が返された。
が、その後は、また黙って見つめてくるだけ。


そんな私たちを見てか、ロルフさんが

ロ「こいつはこのギルドのサブマスターでアルフレットだ。」
と男性、アルフレットさんを紹介してくれた。


ア「馬族のアルフレットです。」
とロルフさんに促され、爽やかスマイルで自己紹介した。




はぅっ!


イケメンの爽やかスマイル!!
眩しい~



由「ご、五ノ井 由紀です。」
とイケメンの爽やかスマイルに眩しさを感じながら私も自己紹介した。



その間もロルフさんは優愛にご飯を食べさせていたので、優愛はお腹がいっぱいになったらしい。


こくんっ


かくんっ


と首が下がる。

目も閉じかかってる。



ロ「もう寝る時間だな。」
とロルフさんが優愛を横抱きに持ち替え、ソファーから立ち上がった。

由「ぁ、すみません。私が」
とロルフさんから優愛を受け取ろうと腰を浮かせたが、ロルフさんは首を横に振ってそれを止めた。

ロ「俺が寝かせてくるから、ユキはそのまま食事を続けてくれ。」
とロルフさんは優愛を横抱きにしたまま隣の部屋(たぶん寝室)の戸がある方へ歩いて行ってしまった。

先程、アルフレットさんがシーツを落としていたところだ。


由「すみません。ありがとうございます。」
とスタスタと行ってしまったロルフさんに慌ててお礼を言った。


歩く速度は速いが荒々しさはなく、程よい揺れで優愛は既に夢の中。


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