子連れの界渡り

みき

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幕間〜その後の・・・〜

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早速、冷蔵庫から唐揚げとマカロニサラダのタッパーを取り、常備している缶ビールも取り出した。



唐揚げをレンジで温めている間に居間へと移動し、ニ◯リで買った一人用座椅子に座る。



“プシュッ”


缶ビールを開け、一気に缶の半分を飲み干す。

「あ"ぁぁぁ~うめぇ!」




缶をテーブルに置くと、由紀の名前だけが書かれた離婚届に目がとまる。


自分の欄は後で書くとして、今はさきに腹ごしらえ。


サラダが入ってるタッパーの蓋を開けてから気づく。
箸を持ってくるのを忘れた。


箸を取りにキッチンへ行くのは面倒。
いつもの癖で

「箸~!」
とキッチンへ向かって言う。

でも、キッチンには誰もいない。
いつもだったら由紀が「はい」と箸を持ってきて渡してくれる。
そんな由紀ももうここにはいない。


チッ
舌打ちをして重い腰を上げてキッチンへと箸を取りに行く。

タイミング良く

“チンッ”とレンジで温めていた唐揚げが出来上がった。


箸を持った手で温めたタッパーに触れた。

「あっつ!」


カチャッカチャン
熱さに驚いて箸を落とした。


チッ
失敗が続いて苛立ち、また舌打ちをする。


落ちてしまった箸を洗うのも億劫でまた新たに別の箸を取り出す。


今度は失敗しないように右袖を手先まで伸ばしてからタッパーを持つ。





居間へ戻り、暖房をつけ、録画しておいたバラエティー番組を見ながらの晩酌。


いつもなら子供が寝てるからと小さい音で見るが、今日からそんな気遣いも必要なく、今日はいつもより大きい音量で見る。

晩酌もいつもはお風呂に入ってからと由紀に小言を言われる。
そんな小言を言う由紀ももういない。

好きなことを好きな時にやれる解放感と幸福感で先ほどの苛立ちも忘れる。



気分が良く、いつもは缶ビール1本で止められているが2本3本とビールがすすむ。


そして、いつのまにか照明や暖房、テレビをつけたまま寝てしまった。


本人は気づいてないが、お酒に滅法弱い。
缶ビール2本飲んだら顔を赤くし、貧乏ゆすりのような揺れ方し、次の日はなかなか起きない。


だから、いつもは由紀が缶ビール1本で止めてくれていた。







☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


次話からまた本編に戻ります。
今後も元旦那の話を本編の合間合間にいれていこうと思います。





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