【完結】魔獣の公女様 

nao

文字の大きさ
上 下
28 / 28

28] 幸せな公女様

しおりを挟む



ケンウッド皇国に魔獣としてやって来てから3年の日々が過ぎました。
私は人間に戻り、シルフィ=ギュンターク侯爵令嬢になりました。
そして、ロイド殿下の婚約者になりました。
侯爵家では、お義父様に魔術を習い、時々 一緒に魔術研究所に通っています。
そして、皇城では皇太子妃教育を受けています。
毎日が楽しく、とても充実していました。
この3年、悲しい事も色々ありました。
マルコシアス帝国では、私は死んだものとされ、王太子殿下の婚約者だった事もあって、大々的に葬儀が行われました。
リディア=イースデールだった私は死んで、もう二度と国に帰る事が出来なくなり、リディア=イースデールとして、両親に会う事も出来なくなりました。
そして私は自分の手でナディアを小さな鳥に変え、放逐しました。
ナディアはアラン様を愛しすぎて、人としての道を踏み外してしまいました。
だから、ナディアの人としての人生を私の手で終わらせたのです。
小鳥になったナディアが、今、何処でどうしているのか、もう誰にも分かりません。
何処かの大空を今も自由に飛んでいてほしい…
心の何処かで、そう願う自分がいます。
塔からナディアが消えて、お父様はきっととても不安に思っているでしょう。
でも今、事の真実をお父様に伝えるつもりはありません。
いつか、お父様に真実を打ち明けられる日が来る事を願ってやみません。
せめて、私の無事だけでも知らせる事が出来ればと思いますが、今はまだそれも難しいでしょう。



◇ ◇ ◇


「さぁ、シルフィ様、完成です。」

ミリーの言葉に我に帰ります。

「とてもお綺麗ですよ、シルフィ様。赤い瞳も素敵ですね。」

「そう?おかしくない?なんだか気が強そうに見えるんだけれど…」

「そんな事ありませんよ。凛として、とても素敵です。」

「ありがとう、ミリー。」

今日、私はロイド殿下と結婚します。

今日は外国からも多くの来賓が訪れる為、私がイースデール公女と知る者もいるかもしれません。
だから瞳の色を変える事にしたのです。紫の瞳に赤い色を強めに出して、今、私は赤い瞳になっています。
あくまでも、私はリディアに良く似た別人なのです。
あれやこれやと物思いにふけっていると、部屋をノックする音がして、メイドがロイド殿下の来訪を告げました。
扉が大きく開かれ、真っ白い婚礼衣装を身に纏ったロイド殿下が入って来られました。
いつもは無造作に1つにくくっている金の髪を前髪を上げ、長い髪を後ろに流しています。
いつも以上にエメラルドの瞳をキラキラと輝かせて、両手を広げて私の元に向って来たかと思うと、あっと言う間にギュッと抱き締められました。
挨拶するヒマもありません。

「会いたかった、シルフィ。」

「殿下、皆んなが見てます。恥ずかしいですから…」

「ロイド。」

「えっ?」

「ロイドと呼んでくれるまで、離さない。」

私の顔は、見る見る真っ赤になり、もう恥ずかしくて気を失いそうです。
皆んなの前でなんて事をおっしゃるんでしょうか…

「ロ… ロイド様… 」

私はやっとの思いで、蚊の鳴くような声でロイド様と返しました。

「それで良い…」

そう言いながら私の頬にキスをします。
そして、いたずらっ子のように楽しそうに私の瞳をじっと見つめます。

「赤い瞳のシルフィも素敵だ。」

ボンッ!と 頭の中が爆発しました。

「シルフィは可愛いな。」

「もう!からかわないで下さいませ。」

「ゴメン、ゴメン。」

もう、恥ずかしすぎて、更に顔が熱く赤くなります。

ロイド様は、ゴメン ゴメンと謝りながら、私の手を取り、私の手の甲にキスをしました。
そして、キスからの上目使い!
ロイド様は私の心臓を止めるつもりでしょうか?
ロイド様に手を取られて、2人掛けのソファーにピッタリとくっついて座ります。
ロイド様が甘い!甘すぎます!

「ねぇ、シルフィ。」

「はい、ロイド様。」

ロイド様は私の手をニギニギといじりながら、何かを伝えようとして躊躇うような顔をしています。
どうしたんでしょうか?
何か問題があったのでしょうか?
私はじっとロイド様の言葉を待ちます。

「実はイースデール大公に君の事を知らせたんだ。」

「えっ?」

「私の名で、公女らしき女性を、保護していると連絡したんだ。」

「そ… それで 返事は… 」

「―――――――…」

「ロイド様?」

「返事は『おそらく人違いでしょう。』と、『娘は死んで、もう葬儀も済んでいます』と…」

「―――――そうですか…」

「シルフィ、大公の手紙には、こうもあった『貴国で保護された女性は幸運でした。どうか私達の娘の分も大切にして差し上げてください』と…」

「お父様が…」

「あぁ、おそらく大公は全て分かっていて真実を言えないのだと思う。でも君の無事を知ってきっと喜んでいるはずだ。」

涙が、後から後から溢れて止まりません。
お父様は今、どれ程お辛い気持ちを抱えているのかと思うと、胸が張り裂けそうです。
ロイド様が泣いている私の涙を拭い、瞼に、頬に、額に、優しく口づけを落として下さいます。
そして、ふんわりと包み込むように私を抱き締めて下さいました。
お父様、今日私はロイド様の妻になります。
今、私はこの国で大切にされ、とても幸せに過ごしています。
いつか又、お父様に会える日も来るでしょう。
どうか、それまでお元気で。



◇ ◇ ◇



外は爽やかな風が吹き、青い空の広がる気持ちの良い日です。
大神殿には皇国中の貴族が集まり、式の始まりを今か今かと待っています。
ロイド様の告白に涙でぐしょぐしょになってしまった私はミリーにロイド様と共に散々しかられ、癒しの魔法で泣き顔を整え、もう一度化粧をし直す事になってしまいました。
その間、ロイド様は部屋から追い出され、ジュリアス様に

「こんな日に花嫁を泣かすような事を言うなんて!」

と更に叱られていました。

「さぁ、出来ましたよシルフィ様。もう泣かないで下さいね。」

「えぇ、ゴメンナサイ ミリー、もう泣かないわ。」

控室で私を待っていたロイド様が私を見て、ニッコリと笑います。
美しい刺繍で飾られたヴェールを私の顔を隠すように下ろして下さいます。
皇国では花嫁の素顔は夫のものと言う事で、ヴェールは私室に入るまで取らないのが慣例だそうです。 
でも、全く見えない訳でなく、ヴェールはとても薄くて、花嫁の顔がうっすらと透けて見えるように作られています。
ロイド様にエスコートされ、大神殿の礼拝堂に向かいます。
全ての王族、貴族、神官が並ぶ中、2人で祭壇に向かい、誓いの言葉を述べ、結婚誓約書にサインをします。
魔法契約が結ばれ、誓約書が燃え上がり、婚姻が成立しました。
これで、今日から私はロイド様の妻です。
婚姻の儀式が終わると、大神殿に集まった全ての人から祝辞をいただきます。
王族から順に私達にお祝いの言葉をいただいて、全員が神殿から退出したら、私達と2人で馬車に乗り込み、皇城まで王都をパレードするそうです。

まず、皇帝陛下と王妃様にお祝いの言葉をいただきます。
二人共とても喜んで下さいました。
それから順に、王族、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、騎士爵と祝辞を受け、最後に大神官様に祝辞をいただいて、私達も礼拝堂から出て、外で待つ皇国民の前に立ちました。
私達の姿を見た国民から耳が壊れるかと思う程の歓声が上がりました。
馬車までの道には神官達が両脇にズラリと並び、馬車まで敷かれたレッドカーペットの上を2人で進んで行きます。
屋根の無い真っ白な4頭立ての馬車に真っ白な馬が繋がれています。
白い薔薇で飾られた馬車はなんて可愛らしいのでしょう。
2人で並んで座り、皇城に向けて出発しました。
皇都の一番大きな通りをゆっくりとパレードします。通りの両側には私達を一目見ようと、多くの国民が詰めかけていました。
国民の歓声に応えて手を振ります。
すると…

「あぁ、来てくれたようだ…」

ポソリとロイド様が呟きました。

「? ロイド様?」


「シルフィ、右側の建物の2階を見て。フレッドがいるのが分かる?」

「フレッド様ですか?」

私はロイド様の言われた方向にフレッド様を探しました。

「あ…!ロイド様、あれは…」

(まさか…そんな…)

フレッド様の隣にお父様とお母様の姿が見えます…

「実は観光のつもりでパレードだけでも見に来ないかと打診してみたんだ。来てくれるかどうかはわからなかったけれど、どうやら来てくれたようだ…」

(あぁ…お父様…お母様…)

私は泣かないように、
笑顔を貼り付けて、2人に向って手を振りました。

「わ――――――っ!!」

と言う、一際大きな歓声が上がり、2階、3階から顔を覗かせていた他の人々も私に向って手を振り替えしてくれます。
勿論、お父様とお母様も…

「ロイド様、あそこにお父様とお母様が…」

「あぁ…」

「二人共 元気そうです。」

「あぁ、良かった。」

お父様、お母様、元気そうで良かった。

私が国を追われて3年、私の事も、ナディアの事も全ての秘密を飲み込み、隠蔽する事しか出来なかったお二人はどれ程辛い想いをされた事でしょう。
お父様達の心の内を思うと、胸が塞がる思いがします。

今日、こうしてロイド様のお陰で、私の幸せな姿を見せる事が出来て良かったと心からロイド様に感謝します。
二人共、少しでも心の負担が減る事を願って止みません。

「ロイド様、ありがとうございます。本当にありがとうございます。」

「シルフィ、さぁ 城までもう少しだ、後一踏ん張り、まだまだ多くの民が私達の姿を一目見ようと待っている。」

「はい、ロイド様。私 幸せです。今日のこの風景を一生忘れる事は無いでしょう。全部、ロイド様のお陰です。」

「私も幸せだ。これからも一生君を大切にする。愛してる、シルフィ。」

ロイド様はそう言うと、私のヴェールをほんの少し持ち上げると、そっと触れるだけの口づけを下さいました。
そして、大通りは一際大きな歓声に包まれました。









            完




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


最後まで読んでいただきありがとうございます。
いいね、お気に入り、とても嬉しかったです。
とても励みになりました。
また、次の作品も読んでもらえると嬉しいです。

ありがとうございました。😌





しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。

光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。 昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。 逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。 でも、私は不幸じゃなかった。 私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。 彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。 私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー 例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。 「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」 「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」 夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。 カインも結局、私を裏切るのね。 エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。 それなら、もういいわ。全部、要らない。 絶対に許さないわ。 私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー! 覚悟していてね? 私は、絶対に貴方達を許さないから。 「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。 私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。 ざまぁみろ」 不定期更新。 この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。

お前など家族ではない!と叩き出されましたが、家族になってくれという奇特な騎士に拾われました

蒼衣翼
恋愛
アイメリアは今年十五歳になる少女だ。 家族に虐げられて召使いのように働かされて育ったアイメリアは、ある日突然、父親であった存在に「お前など家族ではない!」と追い出されてしまう。 アイメリアは養子であり、家族とは血の繋がりはなかったのだ。 閉じ込められたまま外を知らずに育ったアイメリアは窮地に陥るが、救ってくれた騎士の身の回りの世話をする仕事を得る。 養父母と義姉が自らの企みによって窮地に陥り、落ちぶれていく一方で、アイメリアはその秘められた才能を開花させ、救い主の騎士と心を通わせ、自らの居場所を作っていくのだった。 ※小説家になろうさま・カクヨムさまにも掲載しています。

モブで可哀相? いえ、幸せです!

みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。 “あんたはモブで可哀相”。 お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?

【完結】「聖女として召喚された女子高生、イケメン王子に散々利用されて捨てられる。傷心の彼女を拾ってくれたのは心優しい木こりでした」

まほりろ
恋愛
 聖女として召喚された女子高生は、王子との結婚を餌に修行と瘴気の浄化作業に青春の全てを捧げる。  だが瘴気の浄化作業が終わると王子は彼女をあっさりと捨て、若い女に乗 り換えた。 「この世界じゃ十九歳を過ぎて独り身の女は行き遅れなんだよ!」  聖女は「青春返せーー!」と叫ぶがあとの祭り……。  そんな彼女を哀れんだ神が彼女を元の世界に戻したのだが……。 「神様登場遅すぎ! 余計なことしないでよ!」 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※他サイトにも投稿しています。 ※カクヨム版やpixiv版とは多少ラストが違います。 ※小説家になろう版にラスト部分を加筆した物です。 ※二章に王子と自称神様へのざまぁがあります。 ※二章はアルファポリス先行投稿です! ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※小説家になろうにて、2022/12/14、異世界転生/転移・恋愛・日間ランキング2位まで上がりました! ありがとうございます! ※感想で続編を望む声を頂いたので、続編の投稿を始めました!2022/12/17 ※アルファポリス、12/15総合98位、12/15恋愛65位、12/13女性向けホット36位まで上がりました。ありがとうございました。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

天才第二王子は引きこもりたい 【穀潰士】の無自覚無双

柊彼方
ファンタジー
「この穀潰しが!」 アストリア国の第二王子『ニート』は十年以上王城に引きこもっており、国民からは『穀潰しの第二王子』と呼ばれていた。 ニート自身その罵倒を受け入れていたのだ。さらには穀潰士などと言う空想上の職業に憧れを抱いていた。 だが、ある日突然、国王である父親によってニートは強制的に学園に通わされることになる。 しかし誰も知らなかった。ニートが実は『天才』であるということを。 今まで引きこもっていたことで隠されていたニートの化け物じみた実力が次々と明らかになる。 学院で起こされた波は徐々に広がりを見せ、それは国を覆うほどのものとなるのだった。 その後、ニートが学生ライフを送りながらいろいろな事件に巻き込まれるのだが…… 「家族を守る。それが俺の穀潰士としての使命だ」 これは、穀潰しの第二王子と蔑まれていたニートが、いつの日か『穀潰士の第二王子』と賞賛されるような、そんな物語。

【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!

加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。 カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。 落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。 そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。 器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。 失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。 過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。 これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。 彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。 毎日15:10に1話ずつ更新です。 この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。

「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?

白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。 「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」 精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。 それでも生きるしかないリリアは決心する。 誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう! それなのに―…… 「麗しき私の乙女よ」 すっごい美形…。えっ精霊王!? どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!? 森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。

処理中です...