悲しい恋 【完結】

nao

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悲しい恋 〜if こぼれ話〜

① 吸血鬼

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「あー さっぱりした。」

湯上がりのレオが、とっても色っぽい。

「はい、レオ」

私は、冷たいレモン水をレオに渡す。

「ありがとう レミィ。」

ゴクゴクと喉を鳴らしながら、美味しそうにレモン水を、飲み干す。

「はぁーっ、生き返る。」

ポタポタと、髪の先から、水の雫が落ちる。

「レオ、座って。髪 拭いてあげる。」

ドレッサーの前のスツールにレオを座らせ、柔らかいタオルで、レオの髪の水分を拭いてゆく。

「レオ、気持ちいい?」

鏡の中のレオに問いかける。

「ああ、とっても気持ちいい。」

そう言って、うっとりと目を細める。
そんなレオが色っぽくて、ドキドキしてしまう。

レオの髪を拭きながら、レオのアザにそっと触れる。
そして、ピン!と ひらめいた。

私は、芝居がかった口調で、

「レオ、美しいあなた。その血をわたくしに捧げ、我が眷属となるがいい。」

そう言って、レオのアザに吸血鬼のように歯を立てて、噛みつくふりをして、鏡の中のレオに微笑む。

「仰せのままに、愛しい方·····」

私にされるまま、レオがその首を差し出す。 

私はそのまま、レオのアザにキスをする。

すると、急にレオがクルッと反転して、両足の間に私を挟み込み、私の腰を抱く。

「キャア!レオ、待って 待って!」

「いいや、待てないよ。」

ヤバイ!レオの色気がヤバイです。

レオはそのまま、私を縦抱っこして立ち上がり、ズンズンと寝室に向かって、歩いてゆく。

そして、パタンと、寝室の扉が閉められた。

今夜も、私は愛しい旦那様にトロトロに溶かされるのでした。






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