悲しい恋 【完結】

nao

文字の大きさ
上 下
24 / 29
悲しい恋 〜if もしもの物語〜

⑺ いつまでも幸せに

しおりを挟む
青く澄み渡る空を、見上げる。

「お天気で良かったね レオ!」

「あぁ、今日で学園に向かうのも最後だと思うと、何だか寂しいな。」

2人で学園に向かう馬車に揺られながら、馬車の小さな窓から 青空を見上げる。

今日は、2人の卒業式だ。

2人共、優秀な成績を残し、学園を卒業する。

僕は、卒業後は、領地に戻り、ライ兄上の手伝いをする事になっている。

そして、1ヶ月後、僕とレミィの結婚式を、領地で行う事になっている。

相変わらず、僕はレミィの事が大好きだし、レミィも僕の事が大好きだ。

こんな、醜いアザを持って生まれた僕をこんなに愛してくれる女の子が存在するなんて、今でも信じられない思いで、一杯だ。

「これは、神様が私に レオが私の『運命の人』だよってわかるように付けてくれた印なの。」

レミィは、いつだって そう言いながら、愛しそうに、僕のアザに触れ、そっと キスをしてくれる。

その度、僕は 嬉しくて、切なくて、愛しくて、レミィをそっと抱き締める。

愛しさが、溢れてくる。






卒業式から1ヶ月。
今日は僕達の結婚式だ。

ヴィトゲンシュタイン家が治める領地にある、1番大きな教会で、式を挙げる。

空は晴れ渡り、領民達が、僕達の結婚を祝う為、沿道に詰めかけていた。

レミィは、真っ白なウェディングドレスを身に纏い、色とりどりのバラで作られたブーケを持って、僕の隣に立っている。

2人で結婚誓約書にサインをして、誓いのキスを交わす。

両親や、兄上達家族に祝福されて、2人の結婚式はつつがなく終える事が出来た。

街をパレードしながら、屋敷に戻る。

たくさんの領民に祝福され、花びらの舞う中、2人で真っ白な4頭の馬に引かれた馬車に乗って、沿道を埋める領民達に手を振りながら、ゆっくりと屋敷に戻った。

屋敷では、夜会の準備がされ、一族の者や、近隣の貴族達に祝って貰った。

幸せな、幸せな1日だった。



そして、その夜、僕達は 名実ともに、夫婦となった。

僕の腕の中で、幸せそうに笑うレミィが、愛しくてたまらない。

僕は、これからも、ずっと レミィを愛し続ける。

一生、死が2人を別つまで。

いや、死んでもずっと、レミィただ1人だけを愛すると誓うよ。

そして、何度生まれ変わっても、きっと又、レミィを愛するよ。

僕にはレミィだけだから。

レミィ、僕が君を幸せにするからね。




ずっと、ずっと愛してるよ。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

痛みは教えてくれない

河原巽
恋愛
王立警護団に勤めるエレノアは四ヶ月前に異動してきたマグラに冷たく当たられている。顔を合わせれば舌打ちされたり、「邪魔」だと罵られたり。嫌われていることを自覚しているが、好きな職場での仲間とは仲良くしたかった。そんなある日の出来事。 マグラ視点の「触れても伝わらない」というお話も公開中です。 別サイトにも掲載しております。

ガネス公爵令嬢の変身

くびのほきょう
恋愛
1年前に現れたお父様と同じ赤い目をした美しいご令嬢。その令嬢に夢中な幼なじみの王子様に恋をしていたのだと気づいた公爵令嬢のお話。 ※「小説家になろう」へも投稿しています

こんな姿になってしまった僕は、愛する君と別れる事を決めたんだ

五珠 izumi
恋愛
僕たちは仲の良い婚約者だった。 他人の婚約破棄の話を聞いても自分達には無縁だと思っていた。 まさか自分の口からそれを言わなければならない日が来るとは思わずに… ※ 設定はゆるいです。

悪役令嬢の涙。

美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
  父と母が事故で亡くなり、叔父たちの元で慎ましく生きてきたティア。しかし、学園の夏休みに一日早く帰宅すると、父たちの死が叔父たちによって計画されたものだと知った。  そして今度は自分が公爵であるカイルの元へ嫁いだあと、今度はカイルを殺害するという計画を知ってしまう。  大好きなカイルを守るために、悪役令嬢になることで円満に婚約破棄をしてもらおうと決意するティア。  泣きたくなる気持ちを押さえ、断罪シーンへと向かった。

【完結】美しい人。

❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」 「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」 「ねえ、返事は。」 「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」 彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。

【完結】名ばかり婚約者だった王子様、実は私の事を愛していたらしい ~全て奪われ何もかも失って死に戻ってみたら~

Rohdea
恋愛
───私は名前も居場所も全てを奪われ失い、そして、死んだはず……なのに!? 公爵令嬢のドロレスは、両親から愛され幸せな生活を送っていた。 そんなドロレスのたった一つの不満は婚約者の王子様。 王家と家の約束で生まれた時から婚約が決定していたその王子、アレクサンドルは、 人前にも現れない、ドロレスと会わない、何もしてくれない名ばかり婚約者となっていた。 そんなある日、両親が事故で帰らぬ人となり、 父の弟、叔父一家が公爵家にやって来た事でドロレスの生活は一変し、最期は殺されてしまう。 ───しかし、死んだはずのドロレスが目を覚ますと、何故か殺される前の過去に戻っていた。 (残された時間は少ないけれど、今度は殺されたりなんかしない!) 過去に戻ったドロレスは、 両親が親しみを込めて呼んでくれていた愛称“ローラ”を名乗り、 未来を変えて今度は殺されたりしないよう生きていく事を決意する。 そして、そんなドロレス改め“ローラ”を助けてくれたのは、名ばかり婚約者だった王子アレクサンドル……!?

巻き戻り令嬢、最愛の旦那様を殺そうと思います

ひなクラゲ
恋愛
 また何も出来なかった……  これで何度目だろう…  私では貴方を救えない…  ならばせめて私の手で貴方を殺そうと思います……  前半に少し残酷な処刑シーンがありますので、R15にしてあります

この婚姻は誰のため?

ひろか
恋愛
「オレがなんのためにアンシェルと結婚したと思ってるんだ!」 その言葉で、この婚姻の意味を知った。 告げた愛も、全て、別の人のためだったことを。

処理中です...