私のかわいい婚約者【完結】

nao

文字の大きさ
上 下
33 / 34

【番外編】アレクセイXリリアーナ⑵

しおりを挟む


アレクとの婚約が、正式に決まった。

婚約成立の初日、アレクはどんな顔して学園に来るのかな? なんて、思いながら、アレクがやって来るのを、待っていました。

「おはよう!アレク!」

早速、アレクの元に向かった。

「おう。」

あれ?それだけ?

アレクはそれだけ言って、さっさと席に着いてしまった。

それからも、アレクは ずっと私を避けています。

もしかして、アレクは、この婚約が 嫌だったのかな?

1週間たっても、アレクの態度は変わらないまま…

もう、心が折れそうです。

私から視線を外すアレクを、もう見たくない。

そう思った私は、いつの間にかアレクを避けるようになってしまいました。

「何やってるんだよ、リリ。」

「アル、そのセリフ、アレクにも言ってやってちょうだい。」

ついつい、拗ねたような言い方になってしまう…


「私… 勘違いしてたのかな… アレクも私の事、好きかも なんて、私の 勘違いだったのかな… アレクにとっては 私はただの 双子の片割れだったのかな…」

何だか、自分で言ってて悲しくなってきた。

「リリ、いつものリリらしくない。いつもの強気なリリは どこに行ったんだ?アレクの気持ちなんて、ここで想像してても わからないだろう?」

「そうね、そうよね。まだ 直接 アレクの気持ちを聞いていないわ。落ち込むのは、アレクの気持ちを聞いてからでも 遅くないよね。」

その日の午後、授業が 終わるのを待って、私は アレクに突撃した。

「アレク、ちょっと話があるの。ついて来てちょうだい。」

「リリ… わかった。」

私は、学園の奥庭にある 池の畔のガゼボに向かった。
ここなら、人目につきにくい。

「話をしましょう。」

アレクを 正面から見つめた。

「ゴクリ…」

アレクが生ツバを飲み込む音が、やけに響いた。

「アレク、私との婚約、嫌だった?」

「そんな事無い。」

「アレクにとって、私は ただの幼馴染だった?」

「違う。」

「じゃあ、何?」

「俺は…俺は自分が情けない。」

「どういう事?」

「俺は リリが好きだ。小さい頃からずっと… 貧乏でも いつだって前向きで、明るくて、強いお前が好きだ。でも、お前んとこの借金が無くなって、華々しく社交会にデビューして、縁談だって 星の数ほど申し込まれてるって知ってる、だから 俺 チョット 怖気づいたんだ。俺なんか 告白しても本当に良いのかな?って… 」

「アレク… 」

「でも… 俺達もう婚約者なんだな。だったらもう、誰の目も 気にする事なんて 無いんだよな。婚約者なんだから… 」

「そうだよ。私の大事な 婚約者だよ。」

「よし!もう 遠慮なんてしない!これからは ガンガン リリに気持を伝える事にする。他の奴らが 狙う隙なんて与えない。リリは 俺のものだ。」

「アレク… もう! 遅いよ! 私がどれだけ不安だったかわかる? もう 2度とこんな風に 私を避けるのは やめてよね! 」

「ゴメン リリ。もう 2度とお前を不安にさせないよ。俺は、リリが大好きだ。一生お前を大切にすると誓うよ。」



アレクの告白に真っ赤になって、うつむく私を、アレクは そっと抱きしめて、私の頭に、キスをしました。

それからのアレクは、私に宣言した通り、毎日、毎日、砂を吐きそうな甘い言葉をくれたのでした。










しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。

尾道小町
恋愛
登場人物紹介 ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢  17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。 ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。 シェーン・ロングベルク公爵 25歳 結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。 ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳 優秀でシェーンに、こき使われている。 コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳 ヴィヴィアンの幼馴染み。 アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳 シェーンの元婚約者。 ルーク・ダルシュール侯爵25歳 嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。 ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。 ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。 この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。 ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。 ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳 私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。 一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。 正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?

【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる

kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。 いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。 実はこれは二回目人生だ。 回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。 彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。 そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。 その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯ そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。 ※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。 ※ 設定ゆるゆるです。

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました

さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。 王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ 頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。 ゆるい設定です

【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。

つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。 彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。 なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか? それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。 恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。 その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。 更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。 婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。 生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。 婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。 後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。 「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。

幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。

秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚 13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。 歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。 そしてエリーゼは大人へと成長していく。 ※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。 小説家になろう様にも掲載しています。

僕は君を思うと吐き気がする

月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

婚約者は私を愛していると言いますが、別の女のところに足しげく通うので、私は本当の愛を探します

早乙女 純
恋愛
 私の婚約者であるアルベルトは、私に愛しているといつも言いますが、私以外の女の元に足しげく通います。そんな男なんて信用出来るはずもないので婚約を破棄して、私は新しいヒトを探します。

処理中です...