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【番外編】アレクセイXリリアーナ⑵
しおりを挟むアレクとの婚約が、正式に決まった。
婚約成立の初日、アレクはどんな顔して学園に来るのかな? なんて、思いながら、アレクがやって来るのを、待っていました。
「おはよう!アレク!」
早速、アレクの元に向かった。
「おう。」
あれ?それだけ?
アレクはそれだけ言って、さっさと席に着いてしまった。
それからも、アレクは ずっと私を避けています。
もしかして、アレクは、この婚約が 嫌だったのかな?
1週間たっても、アレクの態度は変わらないまま…
もう、心が折れそうです。
私から視線を外すアレクを、もう見たくない。
そう思った私は、いつの間にかアレクを避けるようになってしまいました。
「何やってるんだよ、リリ。」
「アル、そのセリフ、アレクにも言ってやってちょうだい。」
ついつい、拗ねたような言い方になってしまう…
「私… 勘違いしてたのかな… アレクも私の事、好きかも なんて、私の 勘違いだったのかな… アレクにとっては 私はただの 双子の片割れだったのかな…」
何だか、自分で言ってて悲しくなってきた。
「リリ、いつものリリらしくない。いつもの強気なリリは どこに行ったんだ?アレクの気持ちなんて、ここで想像してても わからないだろう?」
「そうね、そうよね。まだ 直接 アレクの気持ちを聞いていないわ。落ち込むのは、アレクの気持ちを聞いてからでも 遅くないよね。」
その日の午後、授業が 終わるのを待って、私は アレクに突撃した。
「アレク、ちょっと話があるの。ついて来てちょうだい。」
「リリ… わかった。」
私は、学園の奥庭にある 池の畔のガゼボに向かった。
ここなら、人目につきにくい。
「話をしましょう。」
アレクを 正面から見つめた。
「ゴクリ…」
アレクが生ツバを飲み込む音が、やけに響いた。
「アレク、私との婚約、嫌だった?」
「そんな事無い。」
「アレクにとって、私は ただの幼馴染だった?」
「違う。」
「じゃあ、何?」
「俺は…俺は自分が情けない。」
「どういう事?」
「俺は リリが好きだ。小さい頃からずっと… 貧乏でも いつだって前向きで、明るくて、強いお前が好きだ。でも、お前んとこの借金が無くなって、華々しく社交会にデビューして、縁談だって 星の数ほど申し込まれてるって知ってる、だから 俺 チョット 怖気づいたんだ。俺なんか 告白しても本当に良いのかな?って… 」
「アレク… 」
「でも… 俺達もう婚約者なんだな。だったらもう、誰の目も 気にする事なんて 無いんだよな。婚約者なんだから… 」
「そうだよ。私の大事な 婚約者だよ。」
「よし!もう 遠慮なんてしない!これからは ガンガン リリに気持を伝える事にする。他の奴らが 狙う隙なんて与えない。リリは 俺のものだ。」
「アレク… もう! 遅いよ! 私がどれだけ不安だったかわかる? もう 2度とこんな風に 私を避けるのは やめてよね! 」
「ゴメン リリ。もう 2度とお前を不安にさせないよ。俺は、リリが大好きだ。一生お前を大切にすると誓うよ。」
アレクの告白に真っ赤になって、うつむく私を、アレクは そっと抱きしめて、私の頭に、キスをしました。
それからのアレクは、私に宣言した通り、毎日、毎日、砂を吐きそうな甘い言葉をくれたのでした。
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