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11 取り調べ
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「私は何も知りませんわ!」
「では、スカーリン家の別邸が使われていたのはなぜですか?」
「そんな事、私も知りませんわ。あそこは元々取り壊す予定で使われていなかったのですから、ゴロツキが入り込んで勝手をしていたのでしょう。」
「一緒に捕まった オルガノ男爵令嬢があなたに頼まれたと言っていますが…」
「あぁ、下位クラスの男爵令嬢ですね、彼女が何故そんな事を言ったのかは知りませんが、他にも私を慕って下さる方はとても多いのです。私が少し、困ったわと言うだけで、私の為にと暴走してしまう方が時々いるので、私も困っておりますのよ。」
「では、スカーリン家の私兵がいた事はどう説明されますか?お嬢様から、別邸の警護につくようにと指示があったと聞きましたが?」
「そんな指示 出した覚えはありません。」
「拘束した男達は大金を持っていました。依頼された半金だそうですが、成功のあかつきには残り半分が支払われると言っております。スカーリン家の紋章が入った袋にはいっていました。」
「私は知りません。これは冤罪ですわ。誰かが我が家を落とし入れようとしているのですわ!」
毅然とした態度で否定を続ける令嬢。
ここまで 証拠が揃っているのにまだ、言い逃れぎ出来ると思っているのか?
「団長。」
「どうした?」
外に立たせていた騎士が中に入って来て、私に耳打ちする。
「それが…スカーリン侯爵が…」
部下に呼ばれて 別室のスカーリン侯爵の元へ向う。
「頼む!ペトラに会わせてくれ!」
私の顔を見るなり、侯爵が懇願して来た。
「それは出来ません。ペトラ嬢は現在 取り調べ中です。これから 他の証人、証拠など捜査も進んで行きます。しばらくこちらで、ペトラ嬢の身柄をお預かりする事になるでしよう。侯爵にも色々お話を伺わなければなりません。勿論 ご自宅にも捜査の手は入ります。これは、侯爵の所有する屋敷で起きた事件なのです。モルガン伯爵からも 徹底的に調べるよう陛下にも訴状が上がっております。知らないでは、済まないのですよ。」
「そんな…」
侯爵はその場に崩れ落ち、身の破滅に今にも死にそうだった。
✢✢✢
Sスカーリン侯爵
それから ペトラの指示だったという証拠が次々と上がり、実行犯が投獄されていった。
ゴロツキに依頼をした商人。
大金を作る為、宝石を売りに行った侍女。
男に襲われる縁起をした男爵令嬢。
屋敷を用意し、鍵を渡した侍従。
そのすべてがペトラの指示を白状した。
我が家はもうお終いだ。
モルガン嬢が無事だった事がせめてもの救いだ。
ペトラの起こした事件は瞬く間に社交会に広がり、私達はもう王都に住む事も叶わない。
ペトラはおそらく極刑となるだろう。
たかが男の為に馬鹿な娘だ。
何故、私はあの子の恋をもっと早く諦めさせ無かったのだろう。
あれ程あの男と結婚させろと五月蝿かったのに。
さっさと政略結婚でもさせて、国外にでもやっておけばよかった。
今更だが…
そして、事件から1ヶ月。
我が家は 侯爵から子爵に身分を落とされモルガン家に対する借金の精算と、慰謝料で全財産の殆どを売り払う事になった。
領地も半分になってしまった。
アニカはペトラが仕出かした事件で一気に老け込み、老婆のようになってしまった。
今は領地の屋敷で ただぼーーーーっと座って毎日を過ごしている。
息子の妻は離縁し、子供を置いて実家に帰ってしまった。
しょうが無い、元々金目当ての政略結婚だったのだから。
金の切れ目が縁の切れ目というやつだ。
少しの情も残っていなかったのか、孫はまだ、たったの3歳だと言うのに。
薄情な事だ。
ペトラはまだ学生だった事もあり、一生出られない最北の修道院へ入れられた。
もしも そこでも素行が悪ければ、毒杯を賜わることになるだろう。
恐らく、人知れず消され、病死と発表される。
あそこは そういう所だ。
美しく成長した一人娘。
私は殊の外ペトラに甘かった。
それが、いけなかったのか…
悔やんでも 悔やみきれない。
私は娘の育て方を間違えてしまった。
目を瞑れば、「お父さま」と可愛らしく私に手を延ばすペトラの姿が目に浮かぶ。
私は声を殺し、1人、執務室で涙を流した。
「では、スカーリン家の別邸が使われていたのはなぜですか?」
「そんな事、私も知りませんわ。あそこは元々取り壊す予定で使われていなかったのですから、ゴロツキが入り込んで勝手をしていたのでしょう。」
「一緒に捕まった オルガノ男爵令嬢があなたに頼まれたと言っていますが…」
「あぁ、下位クラスの男爵令嬢ですね、彼女が何故そんな事を言ったのかは知りませんが、他にも私を慕って下さる方はとても多いのです。私が少し、困ったわと言うだけで、私の為にと暴走してしまう方が時々いるので、私も困っておりますのよ。」
「では、スカーリン家の私兵がいた事はどう説明されますか?お嬢様から、別邸の警護につくようにと指示があったと聞きましたが?」
「そんな指示 出した覚えはありません。」
「拘束した男達は大金を持っていました。依頼された半金だそうですが、成功のあかつきには残り半分が支払われると言っております。スカーリン家の紋章が入った袋にはいっていました。」
「私は知りません。これは冤罪ですわ。誰かが我が家を落とし入れようとしているのですわ!」
毅然とした態度で否定を続ける令嬢。
ここまで 証拠が揃っているのにまだ、言い逃れぎ出来ると思っているのか?
「団長。」
「どうした?」
外に立たせていた騎士が中に入って来て、私に耳打ちする。
「それが…スカーリン侯爵が…」
部下に呼ばれて 別室のスカーリン侯爵の元へ向う。
「頼む!ペトラに会わせてくれ!」
私の顔を見るなり、侯爵が懇願して来た。
「それは出来ません。ペトラ嬢は現在 取り調べ中です。これから 他の証人、証拠など捜査も進んで行きます。しばらくこちらで、ペトラ嬢の身柄をお預かりする事になるでしよう。侯爵にも色々お話を伺わなければなりません。勿論 ご自宅にも捜査の手は入ります。これは、侯爵の所有する屋敷で起きた事件なのです。モルガン伯爵からも 徹底的に調べるよう陛下にも訴状が上がっております。知らないでは、済まないのですよ。」
「そんな…」
侯爵はその場に崩れ落ち、身の破滅に今にも死にそうだった。
✢✢✢
Sスカーリン侯爵
それから ペトラの指示だったという証拠が次々と上がり、実行犯が投獄されていった。
ゴロツキに依頼をした商人。
大金を作る為、宝石を売りに行った侍女。
男に襲われる縁起をした男爵令嬢。
屋敷を用意し、鍵を渡した侍従。
そのすべてがペトラの指示を白状した。
我が家はもうお終いだ。
モルガン嬢が無事だった事がせめてもの救いだ。
ペトラの起こした事件は瞬く間に社交会に広がり、私達はもう王都に住む事も叶わない。
ペトラはおそらく極刑となるだろう。
たかが男の為に馬鹿な娘だ。
何故、私はあの子の恋をもっと早く諦めさせ無かったのだろう。
あれ程あの男と結婚させろと五月蝿かったのに。
さっさと政略結婚でもさせて、国外にでもやっておけばよかった。
今更だが…
そして、事件から1ヶ月。
我が家は 侯爵から子爵に身分を落とされモルガン家に対する借金の精算と、慰謝料で全財産の殆どを売り払う事になった。
領地も半分になってしまった。
アニカはペトラが仕出かした事件で一気に老け込み、老婆のようになってしまった。
今は領地の屋敷で ただぼーーーーっと座って毎日を過ごしている。
息子の妻は離縁し、子供を置いて実家に帰ってしまった。
しょうが無い、元々金目当ての政略結婚だったのだから。
金の切れ目が縁の切れ目というやつだ。
少しの情も残っていなかったのか、孫はまだ、たったの3歳だと言うのに。
薄情な事だ。
ペトラはまだ学生だった事もあり、一生出られない最北の修道院へ入れられた。
もしも そこでも素行が悪ければ、毒杯を賜わることになるだろう。
恐らく、人知れず消され、病死と発表される。
あそこは そういう所だ。
美しく成長した一人娘。
私は殊の外ペトラに甘かった。
それが、いけなかったのか…
悔やんでも 悔やみきれない。
私は娘の育て方を間違えてしまった。
目を瞑れば、「お父さま」と可愛らしく私に手を延ばすペトラの姿が目に浮かぶ。
私は声を殺し、1人、執務室で涙を流した。
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