オメガスレイヤーズ「第0話 破妖の天使」

草宗

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21、腹腔蹂躙

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「ゲヒ、ウヒヒヒッ!! ・・・脆い脆い・・・死にかけのオメガスレイヤーなんてこの程度だぁ・・・オメガペガサスぅ~・・・お友達が壊れていくのを、よ~く見ておくんだねぇ~・・・ッ!」

 ズボボボオオッ!! ドドドドオオオッ!!
 
 カルラの口のなかへ、二回りは大きなドロの巨体が、怒涛となって流れ込む。
 ネットに磔にされた華奢な肢体が、ビクビクと痙攣するのも構わず、注入は続いた。カルラからすれば、連続で、一瞬の休息も許されずイラマチオされるようなもの。
 
「オボぉ”っ!! オオオ”っ・・・んん”ん”お”オ”オ”オ”っ~~~っ!!! オオオ”オ”っ―――っ!!!」

 苦痛。嫌悪。悔しさ。そして、催す嘔吐。
 涙があふれるのを、もはやカルラは止めることが出来なかった。注がれる汚泥の勢いが強いため、吐きたくても逆流など許されない。
 
 2mを越える呪露の巨体を思えば、汚泥の総量は4、5トンはあってもおかしくはない。それらが当然、153㎝、38㎏しかないカルラの体内に入りきるわけもない。
 
 腐敗の汚物が咽喉を通過する苦しさと、腹腔が重くなる実感に耐えながら、カルラは次なる深刻な事態が間近に迫っていることを悟っていた。
 
 ・・・ぎゅる・・・ぐぎゅるるる・・・・・・
 
 ヘドロに覆われた、お臍の周囲。
 くびれた腰回りで、虫の鳴くような音色が響く。本当の音の発生源が、内部に収まった腸にあることは、当然カルラはわかっている。
 
「・・・ウヒヒヒッ・・・!! 風天使さまともあろう者が・・・神聖な学び舎でスカトロシーンのお披露目とはねぇ~~・・・ッ!! こりゃあ、死にたくなるのも当然かもなぁ~~・・・」

「っ!! んん”ん”っ――っ!!! んおオ”っ、オオオオ”っ―――っ!!!」

 涙を撒き散らし、ブンブンとカルラは首を横に振った。
 このまま大量の汚泥が注がれ続ければどうなるか、自明の理であった。間もなく、口から侵入して小腸、さらには大腸までカルラの消化器官を埋め尽くした呪露は、お尻の穴から突き抜けようとしている。
 
 あくまで、カルラの肛門から飛び出すのは〝流塵〟の肉体だ。それは思うがままに妖化屍に蹂躙されたが故の結末であり、いわゆるスカトロとは意味が異なる。
 
 とはいえ。
 お尻から大量の液状物質を噴射する、その光景がいかにブザマか、カルラはわかっている。
 死にたい、と思った。死んだ方がマシだと、一刻も早くトドメを刺せと、心底からプライドの高い女子高生戦士は願った。
 
 だが、懇願を口にしたくても、ヘドロが詰まった状態では満足に言葉を発することなどできない。
 ボロボロと涙を流しながら、瀕死の身体で懸命に下腹部に力をこめる。排泄を抑えようとするだけで、カルラの抵抗は精一杯であった。
 
「んん~~? ・・・おやおや・・・足掻いてもムダってのに・・・頑張るねぇ~、カルラちゃ~~ん・・・・・・じゃあご褒美をあげようかなぁ~・・・」

 ボゴンンッ!!
 
 重々しい響きがして、カルラの腹部が内側から盛り上がる。
 殴られたのだ。内臓の、なかから。胃も腸も埋め尽くした、呪露によって。
 
「おぼオ”オ”っ!? ・・・おぶぅ”っ!! ・・・オオオ”っ・・・!!」

 苦悶の叫びと鮮血が、ドロを頬張るカルラの唇から漏れ出た。
 切れ長の瞳が、裏返りかかる。激痛とショックとで、ポニーテール少女はガクガクと痙攣する。
 
 もう、どうしようもないほど。
 私は・・・アリサは、〝流塵〟の呪露に弄ばれ、嬲られているのだ。風のオメガスレイヤーに選ばれ、究極の破妖師になったはずなのに。
 
 自由な風であった自分は、完膚なきまで叩き潰され、堕ちたのだとオメガカルラは悟った。
 
「・・・も・・・ぉ”・・・っ・・・!! ・・・もう”・・・ゆっ・・・!!」

 辛うじて何かの言葉を紡ごうとした瞬間、カルラの腹部は数か所で一斉に内側から膨らんだ。
 
 ドボオオッ!! ボコオッ、ボコボコッ!! ズドオオッ!!
 
 胃で、腸で。呪露の拳が内側から、華奢な風天使を破壊する。
 デコボコに変形するカルラの腹部。体表を突き破って、なにかが飛び出そうな凄惨な光景に、ペガサスの顔は蒼白となった。
 
「やッ・・・やめてェッ――ッ!! カ、カルラちゃんが・・・死んじゃうッ!! も、もうやめてェッ――ッ!!」

 ブジュッ!! ブシュウウッ!! ・・・ブジュジュッ・・・!!
 
 泡立った真っ赤な吐瀉物が、カルラの口の端からぐじゅぐじゅとこぼれ出る。
 美少女の瞳はいまや、完全に白目を剥いていた。身体の内部から、腹部へ受ける容赦ない殴打。オメガ粒子を失ったカルラが、悶絶の末に失神に至っても無理はない。
 
「ゲヒヒヒヒィッ!! ・・・オメガカルラぁ~~・・・ッ!! 地獄を見るのは・・・まだまだこれからなんだよぉ~~・・・ッ!!」

 ブチイィィッ!!
 
 今までとは異なる音色が、イビツに変形した風天使のお腹で響く。
 裏返っていたカルラの瞳が、カッと正常に戻る。焼け付くような腹腔の痛みと、アバラに宿る重い疼きでカルラは悟った。意識を失っていた今の一瞬で、体内の呪露になにをされたか。内臓への直接パンチではなく、餓鬼妖がどんな蹂躙を狙っているのか。
 
 〝跳弾〟の剛武によって粉砕された肋骨。そのなかで、腸の壁に突き刺さっていた骨片を、小腸内のヘドロが引き入れたのだ。自らの汚泥のなかへ。腸壁を突き破って。
 腹腔内に収まった内臓を切り裂かれ、スレンダーな少女のお腹は灼熱を注がれたかのごとき激痛に覆われた。
 
「ん”ぶぅ”っ!? ん”オ”オ”っ・・・おぼオ”オ”オ”ォ”っ~~~っ!!!」

「ゲヒッ、ウヒャヒャヒャヒャアッ――ッ!! ・・・自分の骨でぇっ・・・!! 腹のなかをズタズタになれる気分はどうだぁ~い・・・っ!? ・・・オメガカルラぁ~っ!!」

 バレーネットに大の字で磔にされた肢体が、ピンと全身を突っ張らせる。くぐもった絶叫を迸らせて、オメガカルラは瞳から涙を、唇から鮮血を撒き散らした。
 ドジュウ”ッ!! と肉を抉る音色が鳴ったのは、一瞬。
 大きくポニーテールを揺らした萌黄の風天使は、トドメとなる一撃を浴びた事実を知った。
 
 臍の穴から、白い骨が飛び出している。
 
 砕け折れ、先の尖ったアバラ骨を、呪露はナイフのように使ってカルラのお腹を突き刺したのだ。内部から。完全に骨が、体外に飛び出す勢いで。
 
「ア”ガァ”っ・・・!? ・・・オボオ”オ”っ―――っ!!!」

「ゲヘヒィッ!! ウヒヒヒッ・・・!! まるで臍の穴に栓してるみたいだなぁ~~、この骨・・・!? 抜いてやるよぉッ・・・この栓抜いたら・・・シャンパンみたいに派手に中身が出そうだねぇ~~・・・?」

 カルラのお腹は内側だけでなく、体表もヘドロの怪物に覆われている。
 意志を持つ灰色の泥は、臍から突き出した鋭利な骨を、躊躇なく引き抜いた。
 
 ブシュウ”ッ!! ブジュジュッ!! ・・・ブシャアアアッ~~ッ!!
 
「アバア”っ!? アアア”ア”ア”っ~~~っ!!! アガア”ア”ア”っ―――っ!!!」

 悲痛な風天使の叫びとともに、赤い血潮が噴水のごとく飛び散った。カルラの口と、貫通した臍の穴から。
 折れた自身の骨で、自らの腹部を貫かれる――衝撃的な光景に、ギリギリで踏ん張っていた、カルラの最後の一線がブツリと切れた。
 
 ブジュウウウッ・・・!!
 
 口、臍の穴に続き、3つ目の穴から鮮血が噴き出す。
 アナルだった。
 拘束され、大きく開脚した、しなやかな太ももの根本。黄色のフレアミニに隠された股間の中央から、シャワーを全開にしたように鮮血が噴霧される。
 
「・・・ゲヒッ!! ・・・ゲヒヒヒヒィッ――ッ!! ・・・オメガカルラの貫通ショー・・・これで完成ぃ~~・・・ッ!!」

 グジュグジュと、粘着質な音を奏でて。
 カルラの肛門を割り裂いて飛び出るものは、赤い血だけではなかった。
 灰色の汚泥。
 口から侵入した〝流塵〟の呪露は、ついに消化器官の旅を踏破したのだ。フレアミニの奥、黄色のアンスコをずらして、3つの赤い三日月を持つ顔がカルラのお尻から這い出てくる。
 哀れな風天使の股間からは、鮮血とヘドロとがまとめて噴き出た。
 
 ブジュジュッ・・・ドボドボドボオォッ!! ・・・ブジョロロオオォッ!!
 
「オボオ”っ・・・!! オ”っ・・・!! オオ”・オボブゥ”っ・・・!!」

 次々と汚泥がアナルを通過するたび、フレアミニをまとった少女の細腰が、電撃に打たれたようにビクビクと引き攣る。
 容赦なく肉体を破壊されたというのに、肛虐が引き起こすほのかな悦楽に、カルラは反応してしまっていた。いや、破壊されたからこそ、肉悦に耐えられない、というべきか。
 
 5トンに迫る大量の腐臭汚泥が、カルラの口から肛門までを支配する。
 強引に咽喉をこじ開け、風天使の内部を通ってお尻から出ていく。イラマチオから始まり、アナル姦まで。スレンダーな少女戦士の肢体を、隅々まで穢し、貫通する。
 
 穴の開いたお臍からも、ヘドロの塊は流れ出た。
 口と、臍と、アナル。3つの箇所を、同時に呪露は姦淫しているのだ。傷口を抉られる苦痛と愛撫による快感が一斉に襲うのだから、瀕死のカルラには堪らない。
 
 ビグビグビグゥッ!! ビクンビクンッ!! ビグビグビグヒグピクッ・・・!!
 
「や、やめてェッ――ッ!! カルラッ、カルラちゃんがッ!! ・・・亜梨沙ちゃんが本当に死んじゃうッ!! もうやめてェッ――ッ!! モネが、モネが代わりになるからッ!!」

 隣で壊れたように痙攣するカルラの姿に、オメガペガサスは絶叫した。
 端正な美貌を歪ませ、白目を剥いてカルラは悶え踊っている。意識はとうに、虚無に飲まれているようだった。満足に思考もできぬ状態だというのに、オメガカルラは苦痛と快楽に身を震わせていた。
 
「オーホッホッホッ!! お前のその惨めな姿ッ・・・それが見たかったんだよぉ、オメガカルラッ!! でもねぇ、呪露ッ・・・」

「・・・ゲヒヒヒッ・・・わかってるぜぇ~~・・・ここで終わらせたんじゃあ、面白くないよねぇ~~・・・ッ!!」

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