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「第十一話 東京決死線 ~凶魔の右手~」

23章

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「ククク・・・どうした? もうオシマイか? この程度でくたばるようでは、カスどもを助けるなどとてもとても・・・」

「・・・ぐぶッ・・・や、やめて・・・・・・ください・・・・・・お、お願い・・・・・・」

「フン、ならば土下座でもして頼むのがスジではないのか?」

 3つの三日月で構成された不快な笑みのマスクが、その黄金の輝きを増したかのようだった。
 見下す魔人の足元で、青と銀の魅惑的なボディがのろのろと動き出す。四つん這いの体勢になったナナの肢体は、垂れるショートカットで顔を隠したまま、しばしブルブルと小刻みに震え続ける。
 
「どうしたァッ、土下座はできんのか?! そういうことならあいつらを一人残らず・・・」

「ま、待って! い、今、やります・・・」

 メフェレスの足元で、ファントムガール・ナナが正座をする。両手をつく。
 青銅の悪鬼に平伏した守護天使が、土下座を完成し地に額を擦りつける。
 
「無言のままか? 懇願の台詞はどうしたァッ?! 誠意が足りぬわ、誠意がッ!!」

 白砂利の参拝路に顔がつくほど頭を下げている少女戦士の後頭部を、容赦なく魔人の足が踏みつける。ギュリギュリと足を捻るたび、青のショートカットが掻き乱れていく。
 
「あ、あたしはどうなっても・・・いいです・・・・・・皆さんを・・・助けて・・・ください・・・」

 なんということだ。こんな無惨な光景を見ることになるなんて。
 原宿から表参道に至る直線の通りに連なった、逃げ遅れた人々。立ち止まり傍観することを強制された彼らの視界には、一様に悪に土下座する巨大な聖なる少女の姿が映っている。正義の敗北。絶望的な事態。抵抗も許されず蹂躙を甘受する青いファントムガールの死は、このままでは確実にやってくる。しかし、守護天使は自分たち人間を守るために苦痛を受け入れているのだ。死を迎えようとしているのだ。ファントムガールが犠牲になることで、もしかしたら自分たちは助かるかもしれない。卑怯、卑劣・・・そんな謗りを受けるのは十分理解している、それでも・・・愛らしい女神を応援しつつ、どこかでその死を願う汚い己れが消えてくれない。醜い己れを自覚しながら見ねばならない処刑ショー。良心を持った人間にとって、これほど残酷な仕打ちはなかった。
 私たちのためにごめんなさい、ファントムガール。でも、でも・・・
 絶望と希望、こんな気持ちで可憐な少女が苦しむ姿を見詰めねばならないなんて。
 99.9%確定した死の運命のなか、かすかな望みが守護天使の犠牲と引き換えに繋がっている。その事実に、通りにひしめきあった人の群れは、声を失って立ちすくむしかなかった。
 
「フハハハ、まあ悪くない答えだ。いいか、ファントムガール・ナナ? 貴様の答え次第でこの何百というカスどもの命は吹き飛ぶぞ。足りない脳みそでよ~く考えて動くことだ。さて、次は四つん這いになってもらおうか」

 主従関係を結んだように、Sラインを描いた見事なプロポーションが、指示通りに肢体を動かす。メフェレスの眼前で四つん這いになったナナ。ショートカットを垂らしたまま顔を上げないでいることが、聖少女にできるせめてもの抵抗のようであった。
 その抵抗も青い髪を鷲掴んだマヴェルによって、容易く破られる。グイとキュートな猫顔を上向かされるナナ。八の字に寄った眉根と固く噛み締められた口元とが、真正直な天使の悔しさを露わにしていた。
 
「なァに~、その顔。相変わらず生意気ィィ~~。でもそんな表情、いつまでできるだろうねェェ~~?」

 ピンク色に発光する、ふたつの手。
 魔豹の手を目の前で見せ付けられた瞬間、これから起こる責め苦を悟ったナナの容貌がヒクリと引き攣る。
 
「あんたの感じるとこはゼ~~ンブ把握済みィィ~!! 天使様のAVショー、トーキョー人に拝ませてやりなァ~!」

 百戦錬磨の淫手が、張りと光沢のある銀色の肢体を撫で回す。四つん這い状態のナナは無防備といってよかった。胸、臍、腋の下、股間・・・マヴェルのソフトな愛撫が全身に染み渡っていく。皮膚という皮膚に埋まった敏感なセンサーが桃色光線で掘り起こされ、芽吹いたごとくヒクヒクと反応している。艶のある表面を豹女の指が這うたびに起こる淫靡な摩擦音。先程オルガスムに達したばかりというのに、水蜜肉の細胞を火照らすモゾモゾした疼きは、全身から湧き上がってきていた。
 光る掌が通った跡には、ピンク色の薄膜がぼんやりと仄光っている。
 いまやファントムガール・ナナの圧倒的な美桃肉は、その全身を魔性の媚淫光に包まれてしまっていた。
 
「うくゥッッ・・・はふッ・・・んああッ・・・」

 首から下、指先から足の裏まであらゆる箇所を愛撫されるウブな純粋天使。
 衆人環視のなか、銀と青の女神が洩らすのは明らかな喘ぎであった。耐えなくてはならない。だが理性を遥かに凌駕する魔悦がナナの脳裏を蕩けさす。怒涛となって押し寄せる快楽に、ナナは自分が何者かすら忘れかけた。
 四つん這いになっても形ひとつ崩れない胸の双房を、強く光ったふたつの手が鷲掴む。
 引き攣るような嬌声。抜群の運動神経を誇るグラマラスな肢体が突っ張る。
 メロンのようなバストを揉みしだきながら、人差し指の腹でマヴェルは先端の突起を弄り続けた。執拗に。魔性の艶技で。守るべき人々の見詰めるなか、巨大な少女戦士は己の興奮を教えるように、痛々しいほど乳首を尖り立たせる。
 
「あらァ~~、正義の女神様がこんなにイヤらしく乳首たたせちゃっていいのォ~? 気持ちいいならいいって言っちゃいなァ~~」

 誰が、言うもんか。恍惚のなかにも怒りを散らした表情を、魔豹に向けるナナ。
 その瞬間、マヴェルの長く伸びた青い毒爪が、天使の胸の先端からズブズブと突き入れられる。
 
「ぐあああアアアアッッッーーーーッッッ!!!!」

「おいおい、まだわかってねえのかァ~~? てめえの態度ひとつで原宿の人口が減るっての。それともあいつらの首ィ~、ひとつづつ目の前で千切って欲しいィ~?」

「やッ、やめてェッ・・・わッ、わかりました・・・ちゃ、ちゃんと言うこと・・・聞きますッ!」

「よォ~~し、いいコよォ、子猫ちゃ~~ん♪ ご褒美をあげようじゃなァ~い」

 水蜜桃のバストに深く侵入した毒爪の先から、ピンクの魔光がナナの体内に注ぎ込まれる。
 
「うべえはあああァァァッッーーーーッッッ!!! ひゃふううゥゥッッ!! ひゃめッ、ひゃめへええッッーーーッッ!!!」

「あはははは♪ オッケェ~~、やめたげる」

 ズボリと右手の爪だけを引き抜く魔豹。しかしその手は、休むことなく銀色の皮膚を這いながら下腹部へと向かっていく。
 
「ふああッッ?!! ひゃめッ、ひゃめッ・・・そんなァァッッ~~ッッ、そこはやめへェェッッーーーッッ!!!」

「あんたらの下腹部のクリスタルはァ~~、子宮と合体した『エデン』と繋がってるんだったねェ~? 女の象徴である子宮と、ファントムガールの身体そのものの根源である『エデン』・・・ここに性的な快感を直接打ち込んだらァ、女神様はどんな嬌態を見せてくれるのォ~~?」

 ゲラゲラと笑う『闇豹』の五本の爪が伸びる。ピンクの魔光が行き渡っていく。
 下腹部のクリスタルへの性的攻撃。それは苦痛にも近い悦楽の拷問。
 幾多の命の身代わりとなった健気な天使に、迫る地獄を避けることはできなかった。

 ブスブスブスブスブス
 
 クリスタルの周囲に埋まる五本の爪。
 下腹部の肉ごと包み込まれた性卵の水晶体に、魔悦の淫光が容赦なく放射される。
 
「ふぎゃあああああああアアアアアアッッッッーーーーッッッッ!!!! んあああッッーーッッ!!! んぎゅああああああアアアッッッーーーッッッッ!!!!」

 轟く女神の絶叫は、狂死の運命すら思わせた。
 絶頂のその先を、さらに突き破るかのような昇天。
 ブッシュウウウウウッッッーーーッッッ!!! 股間から噴き出した聖水が、森の樹林にスコールの雨を降らす。
 快感と呼ぶには凄まじすぎる衝撃に貫かれ、純情な少女の意識は霧のように吹き散らされていた。
 数瞬後、意識が戻ってくるたびに途方もない官能の激流が何度も何度もナナを極みに連れ去る。繰り返される絶頂、失神、覚醒。イキっぱなし状態に陥った聖天使の全身が、汗と涎で濡れ光る。腰を振り、Sラインのボディをビクンビクンと踊らせ続ける哀れな少女。半開きになった唇から可愛らしい小さな舌が、ダラリと垂れ下がる。
 
 明治神宮を舞台に、森の真ん中で展開されるファントムガール・ナナ、淫らな痴態ショー。
 ハツラツとした健康美を誇る乙女の充満ボディが、救うべき人類の目の前で官能に屈して乱れ狂う。
 
「クハハハハ! 惨め! ファントムガール・ナナ、なんと惨めな生物なことか!」

 青いショートカットを鷲掴んだメフェレスが、いまだ痙攣をやめぬ巨大美少女の顔を上げさせる。
 混濁する意識のなか、ナナの瞳は突き出された鼻先の“モノ”をはっきりと映し出していた。
 青銅の鎧の間から、太く長く伸びた漆黒の棍棒。
 人間の性器の面影を色濃く残した魔人のイチモツが、悦楽地獄のさなかにあるナナの眼前に差し出されている。
 
「どうすればいいか、わかるなあ?」

 ファントムガールが涙を流せないことに、藤木七菜江は感謝した。
 胸の内、溢れ出した大量の涙を誰にもみられずに済む少女の銀色の猫顔は、悲哀と無念と屈辱に彩られた、明らかな泣き顔に歪んでいた。
 
“・・・くや・・・し・・・い・・・・・・悔しい・・・・・・悔しいよ・・・”

「どうした、ファントムガール・ナナ? 別に殴りかかってきてもいいのだぞ。ムシケラどもが数百匹、消えてなくなるだけの話だ」

“あたしが・・・汚れれば・・・みんなは助かる・・・・・・あたしひとり・・・メチャメチャにされれば・・・罪のないこの人たちは死なずに・・・済む・・・”

 グイと漆黒の肉棒が柔らかな唇に押し付けられる。
 最後まで口を開こうとはしないナナの抵抗を嘲笑うように、魔人の魔羅は強引に少女の口腔に突き入れられた。
 
「あがッッ?!! おぼおオッッ・・・ゴボボ・・・」

「このメフェレスが弱いだとッ?! 人間どもを助ければ貴様の勝ちだとッ?! 生意気な口をもう一度開いてみろッ、どうしたナナッ?! 陰茎を旨そうに咥えたその醜い姿、よーく見てもらうがいいッ!!」

 銀色の女神の顔のうちで、七菜江の涙はとめどなく流れ続けた。
 魔人の剛直は咽喉奥にまで達し、気管から歯茎までを埋め尽くした。窒息と圧迫の苦しみにこみ上げる嘔吐感。ゆっくりとグラインドする肉棒が、女神の口腔内を穢していく。グボグボと奇妙な音が、銀色の咽喉奥から響いてくる。
 血と涎で濡れていたナナの口内に、魔人のカウパー腺が混ざっていく。
 挿入された巨大な異物のせいで、小さなナナの舌は剛直が出し入れされるたびにグニャグニャと翻弄された。
 生温かい適度な粘液と刺激によって、劣情の昂ぶりは間もなく射出の時を迎えた。
 
 ビクビクッ、ビクンッ
 
 メフェレスの腰の震動と合わせるように、膝立ち状態の聖少女の肢体が小刻みに揺れる。
 大量に発射された白濁のザーメンがナナの口腔を満たす。生臭いニオイが鼻孔の奥を鋭く突く。粘つく感覚と嫌悪感に思わず胃の中身とともに全てを吐き出しそうになる。
 
「飲み込め。一滴でもこぼせば、人間どもを殺す」

 口内射精のショックに引き裂かれた聖天使の心を、悪鬼はさらに虐げた。
 ゴクリという嚥下の音。
 許せまじ魔人の白濁汚液を胃の腑に流し込んだナナは、壮絶な苦痛に耐え忍んできたタフネスぶりが嘘のように、ガクリと弱々しくしゃがみこんだ。
 
「まだだ、ファントムガール・ナナ。貴様らはこの程度では楽にさせん」

 再びの強制フェラチオが少女の咽喉を貫く。
 マヴェルの魔悦煉獄と精神を弄ぶメフェレスの嗜虐。
 何百人という人々の命と引き換えに身を差し出した青き守護天使は、もはや抵抗の素振りすら見せることなくぐったりとしたまま悪の暴虐を受け入れる。
 二度目の放射寸前、青銅の魔人は怒張した漆黒ペニスをグボリと引き抜いた。
 
 バチイッ!! バシッ!!
 
 水鉄砲のごとく発射されたスペルマはつい先程放出があったとは思えぬ量と勢いで、アイドル並みの可憐さを振り撒く美少女の顔面を汚す。
 ほとんど銀色の素顔が見えぬほど粘つく白濁液を浴びた守護天使は、しゃがみこんだ姿勢のままピクリとも動かない。ただボトボトと、顔から精子を垂れ落すのみ。
 高らかな悪の哄笑が、脱力した光の女神を包む。
 勝負は、あった――。もうあたしは、こいつらの思い通りに心も身体も蹂躙されるしかない・・・
 迫り来る処刑の時を覚悟し、ナナの肢体から抗う力の全てが抜け落ちていった。
 
「ククッ・・・クハハハ! よく目に焼き付けろ、人間ども! 我がペニスをしゃぶり、淫靡に腰を振る守護天使の姿を。これがこのメフェレスとファントムガール、本当の力の差だァッ!」

 魔人の吐き捨てたツバがビチャリと顔を叩いても、白砂の地面に尻をついて座り込んだ少女戦士はピクリとも反応することはなかった。
 見下す悪魔と平伏す天使。生きることを諦めたかのように、白濁の汚物にまみれたファントムガール・ナナは、卑劣な敵の侮蔑の言葉をただ黙って浴び続けている。
 気高き戦女神の姿は、もはや巨大な少女のどこにも見受けられなかった。今のナナはレイプされた女子高生そのもの。純粋な少女の心は絶望と無念の想いで塗り潰されている。
 複雑な心境で残酷すぎる展開を眺めていた人々の目にも、首都で初めて開戦された正邪の聖戦の結末は明らかであった。
 
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