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「第八話 ユリ武伝 ~海棲の刺客~」
20章
しおりを挟む“・・・せめて・・・・・エリだけは・・・・・・助けるから・・・・・・”
闘いの選択肢を奪われたユリにできるのはただひとつ。
すうっとグリーンのビキニに覆われた姉の乳房を撫でる。
決して大きくはないが、少女らしいなだらかな曲線は、初々しさに満ちて青い果実の芳香を醸す。顔だけでなく、肉付きまで寸分違わぬ双子の身体は、ユリに己の肢体を愛撫する奇妙な錯覚を覚えさせた。
掌にすっぽりと収まる乳房を優しくこねる。瑞々しい弾力は己のものと変わらなかった。確かな温もりを伝える薄い丘に、仄かな愛着の念すら沸いてくる。破れた水着から覗く乳首を、指でツンツンとついてみる。心なしかピクリと反応するエリ。桃色の突起を軽く摘まんで回すと、みるみるうちに固く尖ってくる。
“エリ・・・私に・・・・・・反応してるのね・・・・・・”
悪のいいなりになる屈辱。津波のように押しよせる悔しさのなかに、確かに潜む、双子の姉を辱める背徳感。己の手によって、エリを感じさせる禁断の悦びが、無意識のうちにムクムクと起きあがっているのか。
尖った乳頭をくりくりとこね回してみる。幾多の陵辱地獄のなかで、肉体で知った、ユリ自身が感じる責め手。双子の姉は、失神したまま腰を浮かせ、姉妹揃って感度が同じであることを示す。
“おねえちゃん・・・やっぱり、こうされると・・・・・・キュンってなっちゃうの?”
ふたつの掌をつかって、双乳を揉み回す。指を白肌に這わせ、ゆっくりと熱を昂ぶらせていく。小さな乳輪と屹立した乳首は薄い桃色。我が姉ながら美しい素肌を、愛しげにユリは撫で回す。固い突起をこね、押し沈め、引っ張り上げると、エリの眉根はピクピクと震えた。
「可愛らしい美少女姉妹の絡み、これほど素敵なショーを見逃す手はないですねぇ」
煩悩を隠そうともしない変態教師の声も、今のユリには届かない。
3人の悪鬼に囲まれて、環視されるなか、黙々と姉をイカせるための愛撫を続ける。
“ごめん・・・ごめんなさい、エリ・・・・・・でも、これであなただけは・・・助けられる・・・・・・”
赤い舌がチロリと覗く。
数瞬のためらいの後、妹の小さなベロは、エリの右乳首をペロリと舐めた。
生温かい感覚が電撃となってエリを貫く。妹による愛ある責めは、失われた姉の意識を取り戻した。
ペロペロペロペロ・・・
子犬のように、ユリの舌が何度もエリの小豆を舐め上げる。幼さを残した少女が、上目遣いで赤い舌を出し入れする光景は、なんとも扇情的であった。すっかり唾液に濡れた乳頭は尖りきって、今にも飛び出そうだ。カッと眼を見開いたエリの肢体は反りあがり、疾走する快感に細身が捻れる。
「はふッ・・・はぁぁんんッッ・・・・・・!!」
“感じてる? 感じてるのね、エリ・・・・・・このまま、私が・・・イカせてあげるからね・・・”
たまらなく恥知らずなことを我ながら思う・・・ユリの脳裏で自虐が渦巻く。
イカせるなんてはしたない言葉・・・それも肉親のエリに対して思うなんて。
だが、今のユリはなりふり構っていられなかった。 姉の乳首を舐めるという、狂いそうに恥かしい行為。それが姉を救う唯一の方法と信じて、ひたすら妹は愛撫を続ける。
パクッと、桃色の唇は小豆の突起を咥えた。
口の中で姉のコリコリに固くなった乳首を転がす。胸の頂点が生温かい粘液に包まれる感覚に、たまらずエリは声をあげていた。
「ふひゃあああッッッ?!! んはアッ!! ううううッッ~~ッッ!!」
自由になった右手を股間に、残る左手を左の乳房にユリは伸ばす。これまでの闘いで刻まれた悦楽の手練。肉体が覚えた性の技が、今度は己の手によって姉の身に再現されるのだ。
未発達ながら、ユリの肉体の感度は高い。
特に胸のふたつの頂点と股間の真珠、この3箇所への愛撫が破壊的な快楽を催すことを、ユリは身をもって体験済みであった。
その複雑で深い官能の三重奏を、無惨な姿に変わり果てた姉に敢行する。
「きゃううううぅぅッッ~~~ッッ?!! んへああッッ・・・ゆ、ユリィィィ・・・?!!」
ムズ痒いまでの焦燥感。背筋を走る切迫した不可思議な感覚の名が、快感であることをエリは後に知る。苦痛と汚辱に堕ちていた彼女の意識は、新たな色責めによってハッキリと覚醒していた。妹の手による愛撫は優しく、それまでの陵辱の荒々しさとは一線を画していた。まるで未体験の快感・・・生まれて初めて味わう官能の妙味に、エリの意識は混乱する。
「ゆ、ユリィィィ・・・ひゃめッ・・・やめッッ・・・な、なん・・・でぇぇ・・・??」
「お、お姉ちゃん・・・・・・ごめん・・・ごめんね・・・・・・」
喋りながらもユリの指は乱れることをやめず、赤い舌は桃色の突起に絡まり続ける。
左手は白い乳房をこねながら頂点をつまみ、右手はクレヴァスをなぞりつつ包皮に包まれた蕾を弄る。優しいゆえに、少女の愛撫はエリに電撃のごとき激しい悦楽を与えた。特に唾液まみれの舌に舐めあげられる乳首は、全身が突っ張るほどの快楽をもたらす。
思春期真っ只中の美少女姉妹は、脱皮したての蝶にも同じ。柔らかな肉に包まれた剥き出しの神経を愛撫されるのは、敏感と呼ぶには余りある激しい刺激を少女に与える。オトナの女では味わえぬ、少女ならではの鋭い快楽に、エリは喘ぐことしか許されない。
「はふうッッ!!・・・へああッッ!!・・・んああッッ!!・・・」
「・・・エ、エリ・・・・・・そんなに・・・気持ちいい・・・・・・の・・・?・・・」
責めるユリの頬がポゥッ、と紅潮する。
自分と同じ顔、同じ身体をした少女が、己の手によって感じ、喘いでいる。
誰よりも大切な姉を辱める、屈辱的な行為。それをしなければならぬ己の無力が悔しいのに、大好きな姉を悦ばせていることに密かな満足を感じていることを、ユリは漠然と自覚し始めていた。
“お姉ちゃん・・・・・・そんなに悦んで・・・くれるの・・・・・?・・・”
倒錯した想いに飲まれかけた瞬間、白のビキニに包まれたユリの胸に、2本の手が伸びる。
「あはアアッッ?!!」
「ゆ、ユリ・・・・・・」
舌の動きが止まった間隙を縫って、エリの手は下から妹の乳房に伸びていた。
形が変形するほど強く握り締める。幾度となくイカされ、とっくに搾り尽くされたはずのユリの体内深くから、愛液がじんわりと滲んだ。伝わってくる厳しさと温かさ。同じ強く握られるのでも、他人からでは味わえない感覚が、ユリの奥深くに官能の火をつける。
「お、お姉ちゃ・・・・・・」
「ユリ・・・・・・」
姉の掌が、妹の乳房を揉みしだく。
性のことなどまるで知らないエリの愛撫は、巧みな強弱でユリの脳髄を貫く。傍から見れば稚拙な技巧も、ユリにはたまらない刺激を掘り起こしていた。双子ならではの感覚の一致。パズルのピースが合うように、ユリにピッタリの官能の波動を、エリは察知しているのだ。
そしてそれは、逆のことも言えた。
乳首とクリトリスを摘まんでいたユリの指が動きを早める。
ユリの責めもまた、エリの官能のツボにピタリと一致する。経験したことのない未曾有の快楽の津波。己のものとは思えぬほどに、エリの肉体は捻れ、反り、よがり狂う。クライマックスを迎えた愛撫に、獣のような鳴き声をエリはあげる。
“お姉ちゃん・・・お姉ちゃんッ!! このまま、このままイッて!!”
姉の嬌声が妹の理性を狂わせる。
屈辱なのか、狂喜なのか、もはやわからない。ただ、姉を昇天させることを目指して、天才柔術少女の細い指は、白い肌を踊り回る。
「きゃひいいいいぃぃぃッッッ?!!」
今度の絶叫は、ユリの唇から洩れた。
責めに終始して疎かになった肉体に、姉の反撃の悦手が襲いかかっていた。
コチコチに固く尖った右の乳首と、男でいうならば勃起状態となったクリトリスを可憐な指が摘まみ、90度に折り曲げている。痛みと、そして快感と。不意に降りかかった姉の責め手に、ユリの背中がビクンと弓なりに反りあがる。
肉親による愛撫は、ユリの全身を稲妻に打たれたように痺れさせ、一心に行っていた奉仕の動きを止めさせる。攻守交代。一瞬にして、責める側は、責められる側へと立場を変えていた。貫く官能に小刻みに震える瑞々しいモデル体型に、姉の逆襲が始まる。
股間の突起を摘まんでいた指の残りが、水着を通して浮びあがった秘裂に挿し込まれる。
白のビキニの上からでもハッキリとわかる尖った乳頭を、今度は姉が口に含む。生温かな粘液は、懐かしさすら感じさせるほどに心地良い。もう一方の先端は、2本の指に挟まれて弄ばれている。先程まで仕掛けていた3点責めを逆にかけられ、いまだ媚薬の残る幼い肢体は、尽きない火照りと滴りに占められていく。
「うひゃあああぅぅぅッッッ~~~ッッ!! ひゃッ、やめッ・・・お姉ちゃんんんッッ~~・・・・・・ひゃめへえェェェッッッ~~ッッッ!!」
姉の逆襲はユリにとっては予想外の何モノでもない。
己の手により乱れるエリの姿は予想していたが、まさかその姉が仕返しをしてくるなど、想像だにしなかった。色責めとはいえ、攻撃を受けることに、武道家の血が反応し逆襲に転じたのか?
それともまさか・・・妹の愛撫に溺れるあまり、色欲に捕らわれ本能の赴くがままに反応してしまったのか?
いずれにせよエリの反撃は、ユリにとっては不都合でしかなかった。散々陵辱された身体の疼きが再燃するだけでなく、姉を助けるという本来の目的が達せられなくなってしまう。
「あふうッッ・・・んんんあああッッ・・・やめッ・・・てェェ~~ッッ・・・・・・お姉ちゃぁぁぁんん・・・・・・お願いィッ・・・だからああ・・・はあアぁぁッッ!!」
「ゆ、ユリ・・・・・・私が・・・堕としてあげるから・・・・・・」
潤んだ瞳と桃色に上気した頬でエリが言う。
女としての芯から火照っている表情。明らかに官能に飲まれたエリの目的が、妹の昇天にあることはもはや明白であった。
されるがままに嬲られているユリの肢体が、下の姉に覆い被さっていく。
妹戦士の必死の抵抗であった。心のどこかで姉による愛ある嬲りに果てることを望みながらも、その姉を救うために玉砕覚悟の反撃を試みる。
エリに覆い被さるユリ。抱き合う形になった美少女姉妹は、互いの美乳の先端をピタリとくっつけて、肢体を揺らして擦りつけ合う。
「んんんひゃああああッッッ~~~~ッッッ!!!」
「くひゅううううううぅぅぅッッッ~~~~ッッッ!!!」
責めるも極楽、受けるも極楽。
どちらがどちらを責めてるかも、感じているのは責め手か受け手かもわからぬ、心中愛撫。
上下対称な2組の乳房が、グニャグニャと変形し、互いの頂点を摩擦し合う。同じ官能の波長を持つ青い果実が、互いを犠牲にしあって責め合っている。かけがえのない存在が己の手によって喘ぎ、官能に歪んだ顔を目前に見せている。かけがえのない存在によって喘がされ、官能に歪んだ己の顔を見られている。悶える姉妹の姿に興奮する自分がいて、悶える自分に興奮する姉妹の姿がある・・・劣情のハウリング効果。際限なく増大する火照りに、武道姉妹の内圧が爆発しそうに高まっていく。
“お姉ちゃんんんッッッ!!! イッて! お願いィィィッッ、イッてェェッ!!”
ギュルリと上にあるユリの身体が回転する。
頭とつま先の位置を、瞬時に逆さまに変えたユリ。グリーンの水着に包まれた股間にユリの頭が、白い水着に包まれたクレヴァスにエリの頭が近寄る。
じっとりとすでに濡れ湿った股間の食い込みに、姉妹は同時に赤い舌を突き入れた。
「ッッッ~~~~ッッッ!!! んんんんッッッ―――ッッッ!!!」
ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ・・・
ビクビクと痙攣する全身に構わず、相手の秘裂を舐め上げる武道姉妹。
子犬の舌が激しく上下する。脊髄を貫く桃色の衝撃に細胞を染められつつも、眼前の敵を滅ぼすかの勢いで、全身全霊を込めた愛撫を相手に送り合う。
「これは素晴らしいッ!! 美少女姉妹の69とはッ!」
「ハハハハハッッ!! これぞホントの姉妹愛だな!」
“おッ・・・お姉ちゃあああぁぁぁッッ―――ッッッんんんッッ!!!!”
「ひゃああああああああッッッ―――ッッッ・・・・・・」
絶叫の迸りは、姉妹同時に出た。
上の少女も下の少女も三日月のごとく反りあがる。
ビクビクッッと全身を震わせたかと思うと、姉妹の股間から白い噴水が水着を割って噴き出した。
互いの聖水が、愛する姉妹の顔面を濡らす。白い湯気が、もうもうとたちこめる。
ビチャビチャビチャビチャ・・・
飛沫が床に撥ねあがる音が途絶えたとき、ドシャリという落下音とともに、美少女姉妹の肉体は重なり合って、広いベッドに突っ伏していた。
「フン・・・残念だったな、西条エリ。妹をイカせたら、ユリの命は助けてやる約束だったが・・・お前もイッてしまったのなら不合格だ」
「フハハハ、そういうことだ、ユリ。貴様も不合格だ」
騙されたことを悟った姉妹の瞳から、スゥッと涙がこぼれる。
だが、もはや濁った瞳には、なにも映っていないかのようだった。
長い睫毛をつけた目蓋が、ゆっくり、ゆっくりと閉じられていく。
完全に瞳を閉じたとき、双子の柔術姉妹は、ついに動かなくなった。
「終わったな、西条姉妹」
満足げに唇の端を吊り上げる兵頭英悟を、片手をあげて久慈が制す。
「まだだ。西条ユリは仕留めても、ファントムガール・ユリアは殺してはいない」
数時間前には宿っていた脅えの光を消し去った久慈の両眼が、不敵さを取り戻して三日月に歪む。
「シェル、そしてクトル。ファントムガール・ユリアを、人類の目の前で八つ裂きにしてくるがいい」
ぐったりと脱力したおさげ髪の少女を、両脇からハゲ中年と凶悪な格闘家が抱え起こす。
涎と愛液とローションとに濡れた白い妖精は、瞳を閉じ、口を半開きにした惨めな姿のまま、ズルズルと魔宴が終わったホテルの一室から運び出されていった。
巨大な守護天使を待ちうける、処刑場へと。
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