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「第四話 邪悪哄笑 ~魔呪の虜囚~
3章
しおりを挟む「うあああああああ―――――ッッッッ!!!!」
銀の天使の反撃は、魔女のひと動きで、容易く阻止されてしまった。
人形に刺さった長い針を、グルっとひねっただけ。それだけで、ファントムガールはあられもなく叫び、あまりの苦痛に全身を突っ張らせて硬直させる。
“ううぅぅ・・・・な、なんて痛み・・・なの・・・・・・おかしくなってしまいそう・・・・・”
「ぅぁあああ・・・・・・・あぐぅぅぅ・・・・・・・・はあぁぁぁ・・・・・・」
「無駄よ・・・あなたの血・・・髪・・・そして愛液・・・呪人形に必要な要素は・・・全て手に入れた・・・・・・あなたは私には・・・・・絶対に・・・・勝てない・・・・・・」
再びグルリと針を捻るマリー。
「うわあああああああ―――――ッッッッ!!!! ぐあああああ―――ッッッッ!!!!」
両腕で可憐なプロポーションを抱えこみ、身が裂けんばかりの激痛に大地をのたうち回るファントムガール。銀色の鮮やかな皮膚は、瞬く間に茶色に汚れ、シルクに輝く長い髪は、泥にまみれてボサボサになっていく。
「かッ・・・体がァッッ・・・バ、バラバラになりそうぅぅ・・・・・・ぐぐううぅッ!!」
想像を絶する痛み。くノ一として痛みに耐性をつける修行もしてきた里美だが、こんな苦しみは受けたことがない。全身の皮膚を、筋肉を、神経繊維を、血管を、骨を、錆びたギザギザの刃物で剥がされていく。そんな苦痛が一度に襲ってきているのだ。
うつ伏せに倒れた女神が、土を掻き毟り、大地に爪跡を残していく。地に平伏したまま、ファントムガールは悶え続ける。
“こッ・・・このままでは・・・・狂ってしまう・・・・・私、狂ってしまう・・・・”
「く、苦しい・・・・・・・あああぁあァァ・・・・・・・・」
極限の痛みは、里美の口から真実を洩れさせる。激痛に翻弄される守護天使の声は、哀れみを感じさせずにはいられない。
だが、とっくの昔に悪魔に魂を売った魔女が取り出したのは――
もう一本の、針。
「!!!」
もうひとつのクリスタル、下腹部へのそれへと、なんの躊躇もなく打ちこまれる長い黒の針。
「!!!!! ふあああああああ―――――ッッッッッ!!!!!」
鈴のような里美の声が、大絶叫となって空を駆ける。
崩れたブリッジの姿勢で、銀色の天使は肉の橋を造っていた。肩とつま先だけをつけ、折り曲がらんばかりに背を反らし、ファントムガールが断末魔に揺らぐ。
壊れた、ファントムガール。
極度の激痛に、肉体は硬直し切り、悶絶のオブジェを完成させていた。奇妙なポーズは、精神はともかく、肉体は、激痛の前に崩壊したことを、誰の目にも明らかにしている。
ビク・・・ビク・・・ビク・・・ビクビクッ・・・ビクン・・・ビクン・・・
痙攣続ける紫の右手が、ゆっくりと天に向かって差し上る。
戦士としての本能が、わずかな反抗を試みようとしているのか? 敗北した少女の心が、助けを呼んでいるのか?
不意にその手が握り締められ、スレンダーな銀色の肢体は、グイっと強引に立たせられる。
仲間が救出に来てくれた??
痛みに麻痺した里美の脳裏に浮ぶ、かすかな希望。
しかし、残酷な現実が、少女戦士を絶望に突き落とす。
「メ、メフェレス・・・・・・・・・」
天使の腕を掴み、無理矢理に立たせたのは、青銅の鎧に身を包んだ悪魔だった。
油圧式の機械のように、太いチューブが出たり入ったりしている、禍禍しい姿。全体のバランスは、西洋の鎧に似ていた。頭頂と肘・膝には、鋭い角がついている。三日月が3つ貼りついた、黄金のマスク。周囲の空気すら凍らせる、圧倒的な負の臭い。
最大にして、最凶の魔人・メフェレスが、ついに再び、その悪魔に魅入られた姿を、聖天使にとっては最悪のタイミングで現したのだ。
「ワハハハハ! ファントムガールよ、いいザマだなあ!」
久しぶりに宿敵の前に立った、青銅の悪魔だが、闘うというには、あまりに正義の代表者は、傷つきすぎていた。右手一本で吊り下げられ、すでに虫の息のファントムガールは、ダラリと垂れ下がっているのみ。
「マリーの黒魔術はいかがかな? これまでの闘いで集めてきた血や愛液が、ようやく役に立ったというわけだ。もはや、貴様は、我々の敵ではない。奴隷だ!」
背後から華奢な身体を抱きすくめ、メフェレスの両手が少女戦士の豊かな膨らみを包み込む。柔らかな肉球が、強力に握りつぶされ変形する。
「あくぅッ!・・・・・くはァッ・・・・・・・・」
機械のようなゴツイ掌が、ボウ・・・とピンク色に光り出す。桃色の靄に包まれた手が、形のいい少女の果実を、舐めるように揉みまわす。脳天を衝き抜けた痛みに自失していた正義の少女が、下半身から湧きあがってくる熱に、思わず声をあげる。銀色の艶やかな唇が、妙な色気を醸し出す。
「ククク・・・三ケタは女を抱いてきたオレの技・・・工藤吼介とままごとしているような幼い貴様が、耐えられるわけがなかろう?」
ピンク色のジェルに包まれたような、生暖かい感触が、美少女の双房を過敏にしていく。柔らかく、うねっている。温かいヒルが、性感帯をなぞるように、ジリジリと蠢く。青銅の掌が銀の隆起を這いずると、みるみるうちに官能の電撃が、超美少女の背中を貫く。先程まで激痛にのたうっていた女神の細胞が、新たな刺激によって、桜色に染まっていく。
「ううぅぅ・・・・・メ、メフェレス・・・・・・こ、こんなことをしても・・・・ムダよ・・・」
「ククク、負け惜しみにしては無理があるのではないか、ファントムガール? 以前、オレの技で、何度もイカされたことを忘れたわけではあるまい」
メフェレスのピンクに光る手。官能の魔界に引き摺りこむ、その淫靡な技は、久慈仁紀が経験してきた性の体験の賜物であった。彼が多くの女性を悦ばせてきた、自信と技。それがそのまま、ミュータントとなった今でも役立っているのだ。
くノ一である里美だが、性的な訓練というものはほとんど行っていなかった。父親が、女を武器にすることをよしとしなかったためだ。おかげで、男顔負けの身体能力を有する里美だが、一方で、性的な攻撃への耐性は、ほぼついていないという弱点があった。
こと性的な攻撃に関しては、メフェレスの指摘通り、まさしく大人と子供ほどの差が、両者にはあったのだ。
ファントムガールの芸術的な曲線を、青銅の指がゆるく、じっくりと嬲るうちに、変化が現れてくる。小豆のような突起が、隆起の頭頂に出現し始めていた。里美が久慈に弄ばれるのは、これが初めてではないが、常にいいように遊ばれてしまう少女戦士であった。
「あうぅッ・・・・くうッッ・・・・・・・・はあうッッ・・・・・・」
「何度抱いてもい~~いカラダだ・・・ほれ、喘ぐがいい」
頂きに現れた突起を、指の腹でクリクリとこねまわす。指が動くたびに、聖なる戦士の可愛らしい突起は、上に下に折れ曲がる。優しいながらも急激な刺激は、稲妻となって美少女の先端を灼く。
「あくうッッ!!・・・・・・・くあああ・・・・・・・ああぅぅ・・・・・・」
“ダ、ダメとわかっているのに・・・こ、声が出てしまう・・・・・あうぅぅ・・・・む、胸が・・・・・わ、私の胸が・・・こ、壊されて・・・・・・しまう・・・・・”
尖った指が先端を軽くつつく。それだけで、股間に熱い電撃が走る。マグマのようにたぎる下腹部を、里美は自覚せずにはいられなかった。
「ワハハ! だいぶ発情してきたようだな。そーれ、踊り狂え」
果実を包む手の発光が増す。
掌にすっぽり収まるサイズの、形のよいバストがピンク色に覆われる。両乳首は人差し指と中指で挟みこまれ、性感のツボを確実に刺激するよう、こねられる。里美の胸の突起は、もはや狂わんばかりの悦楽を送り続ける、故障部品と化してしまっていた。
「ぎゃひいいィィッッ??! うはああッッ!! うあああああ――――ッッッッ!!!!」
銀色の少女が叫ぶ。
ファントムガールが踊り舞う。
18歳の少女の限界を超えた刺激が、五十嵐里美の脳細胞を破壊していく。そよぐ風にすら、反応してしまう全身。たまらない愛撫にさらされ、溺れたように、手足をジタバタともがく。助けを求めて、折れ曲がった指で空中を掻き毟る。地球を守る戦士が、ただ胸を揉まれているだけで、何もできずに、悪に翻弄されている。
紫のグローブが、青銅の手を掴む。無駄だった。単純な力の差が、女と男の間にはあった。吸いついたように離れない掌は、必死で抵抗すればするほど、ますます強い刺激を送ってくる。
「??!」
里美に襲いかかる官能の魔獣は、一匹だけではなかった。
メフェレスに支配されているはずの乳房に、さらなる愛撫が重ねられていることに、聖少女は気付いた。同時にふたりに胸を弄られるような、不可思議な感覚。メフェレスひとりの愛撫にさえ、燃えるように火照らされてしまっているというのに、乳首を押しこまれるのと、引っ張られるのとを、一度に味わせらて、里美に残る理性は消し去る寸前となる。
「はふひゃあッッッ!!! ふはあああッッ・あッ・あ・ああ・・・・・・マ、マリー・・・・・」
ファントムガールの人形が、魔女によって遊ばれている。
胸の膨らみを、親指でクリクリとこね回している。その度に、守護天使に切ない劣情が襲いかかる。黒魔術が与えるものは、痛みだけでなかったのだ。官能の怒涛に引き攣る少女を楽しんで、クリクリクリクリ、人形の胸の果実は撫で回され続ける。
“こ、こんなの・・・・・・・もう・・・・・耐えられな・・・・・・い・・・・・・”
「わ、私・・・・・・・もう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ガク―――ン
全身を脱力させる銀の天使。
金色の髪が、サラサラと地面に向かって流れていく。細いうなじが、艶やかに光る。
胸を鷲掴みにされて支えられた身体が、つま先立ちになっている。全体重が豊かな隆起にかかることで、襲いくる刺激は加速されたが、全身を官能に絡め取られた少女には、もうどうすることもできなかった。
ボトボトと、なにかが垂れる音。
失神すら許されず、弄られ続ける聖戦士の口から、大量の白い泡が零れ続けていた。
そして、股間からは、透明な粘着質な液体が、トロトロと落ちていく。
「ウワハハハハ! 惨めだな、ファントムガール! このままお前は、あと60分、嬲り尽くしてやろう」
ファントムガールにせよ、ミュータントにせよ、その変身時間は60分程度が限界である。それ以上は、機能停止を意味した。
それまでに変身を解かねばならないが、何らかの拘束下においては、寄生体『エデン』が拒否をするため、できない。
つまり、今の里美は、変身解除すらできず、1時間たっぷりと精を尽くされた挙句、死を迎えねばならない状況にあった。
そして、そこからの脱出が不可能であることを、誰よりも悟っているのは、里美自身であった。
「ククク・・・抵抗することすら、できなくなったか。呆気ないものだ」
青銅の魔人の蔑みに、液体の零れる音と、銀の痙攣だけが応える。
その時だった。
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