オメガスレイヤーズ ~カウント5~ 【究極の破妖師、最後の闘い】

草宗

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74、ケガレ殺し

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「ゲヒッ、ヒヒヒッ・・・!! お目覚めかぁい、オメガヴィーナスぅ~・・・よく見なよぉ、お前がだらしないから・・・妹ちゃんがイキまくってるよぉ~・・・」

 天音の髪を掴んで顔を起こしながら、同時に〝流塵”の呪露は郁美を包んだ泥の塊を蠕動させた。
 姉に見せつけるように、妹のバストと股間を揉みしだく。ただの愛撫ではない。郁美の肢体は内側と外側、両面から『ケガレ殺し』の強壮興奮剤で肉欲を過剰に高められているのだ。乙女の細胞は淫らに火照り、液体を直接塗布された皮膚は、性感が剥き出しになっている。
 
 鋭すぎる、快感だった。
 処女の郁美が経験したことのない、法外な悦楽。甘く、痺れるような快感に、容易く絶頂を迎える。
 
「んはあ”ア”ぁッ~~ッ!! はぎゅう”ぅ”ッ!! ア”・アア”ッ・・・はじ、けッ!! はじけちゃツ・・・う”ッ・・・!! カラ、ダっ・・・蕩けちゃ、う”ぅ”っ~~ッ!!!」

 つい先程、昇天したばかりというのに。
 覚醒した天音の目の前で、郁美の股間は再び潮を吹いた。グニュグニュと蠢く灰色の泥から、霧吹きのように飛沫が撒かれる。
 
「む、胸ぇっ~~ッ!! こ、股間を・・・っ!! とってぇ、千切り取ってぇッ――ッ!! こん、なッ、こんな狂いそうになるならぁッ・・・引き千切ってぇッ――ッ!! 胸も股間もゼンブ毟り取ってェッ~~ッ!!」

 押し寄せる快楽に、すでに郁美の脳は思考すらままならない。
 無意識のうちに、美乙女は叫び続けていた。嬌声をあげてはいけない、そうわかっていても大脳が激しすぎる刺激に麻痺してしまい、意志で抑えることができない。
 天音が見つめるその前で、郁美は涙を流してイキ続けた。
 
「・・・いく、み・・・ッ! ・・・郁美ッ・・・!! 郁美ィッ――ッ!!」

 焦点の定まらぬオメガヴィーナスの瞳が、ハッキリと映像を結んでいく。悪夢のような光景を、その網膜に焼きつけていく。
 〝オーヴ”のロープに亀甲縛りにされ、さらに両手を縛られて天井から吊るされた光女神。ヴィーナスの名に相応しい美貌が、怒りと動揺で赤く染まる。
 スーツ越しに見てもわかるほどに、左右のアバラ骨はボコボコと砕け折れているが、激痛すら忘れているかのようであった。
 
「なんだ、コイツ? まだ紫水晶の破片がお腹に埋まってるってのに・・・随分元気じゃん」

 イラッとした様子を隠しもせず、〝覇王”絶斗が吐き捨てる。
 
「死にそうに痛いくせに、なんで我慢してんの? もっと泣き喚けよ、つまんないな」

「まあまあ、絶斗くん~~・・・オメガヴィーナスが苦しむのは・・・これから先のお楽しみだよぉ~」

 下卑た笑いを響かせたのは、天音の両肩周りに堆積した、汚泥の妖化屍であった。
 垂れ落ちた灰色のヘドロは、Dカップを誇る天音の美乳を左右ともに完全に包み込んでいる。くしくも、愛撫を受ける郁美のバストと全く同じ状態だった。原型は2mを越す小山のような巨躯だけに、分割しても、姉妹を同時に陵辱するだけの容量は十二分にある。
 郁美を凌辱しつつ、〝流塵”の呪露は天音をも嬲るつもりなのだ。ヘドロの妖魔ならではの離れ業が、餓鬼妖に選ばれたこのバケモノには出来る。
 
「肋骨グチャグチャでもぉ~・・・内臓ザクザクでも死なないオメガヴィーナスぅ~・・・だけどさぁ、『純血』とか『純潔』とかを失ったらさぁ~・・・究極の破妖師もどうなるのかなぁ~?」

 ゲヒゲヒと、呪露は笑い続けた。泥のなかに、深紅の三日月が3つ浮かんで目口となる。
 白銀のスーツが破れて露出したバストを、覆い包むドロドロの粘液。そしてフレアミニの下に履いたアンスコには〝オーヴ”を含んだ麻縄が食い込み、秘裂の形を浮かび上がらせている。
 
 呪露は乳房を揉み潰し、縛姫の亀甲縛りは股間の陰唇を責め立てる格好。
 鏡合わせのように、向かい合って吊るされた四乃宮家の姉妹。類稀な美貌を持つふたりが、ともに敏感な箇所を嬲られているのは、決して偶然ではなかった。
 
「・・・やめッ・・・やめてッ! ・・・郁美は・・・関係ない・・・ッ!! 私を、私だけを・・・殺せばいいわッ! 好きにすればいいッ!!」
 
 苦渋に顔を歪ませ、オメガヴィーナスは叫ぶ。スーパーパワーを封じられ、その命も風前の灯火となった光女神が・・・もっとも苦しむ方法を、六道妖は熟知していた。
 
 互いが凌辱されているのを、見せつけているのだ。
 天音にとっては守るべき妹が、郁美にとっては敬愛する姉が、すぐ眼前で犯されている。しかも、自身と同じような状態で。
 これほどのショックと苦痛はないはずだった。その気になれば、紫水晶の一突きで殺せるオメガヴィーナスを、苦しめるだけ苦しめて処刑するつもりなのだ。ついでに『征門二十七家』の血を継ぐ妹も、亡き者にしておく。
 
 そっくりな姉妹に、互いが陵辱される様子を見せつけるのは、衝撃を与えることだけが理由ではなかった。
 もうひとつ。オメガヴィーナスを効率よく、地獄に堕とす効果がある。
 
「あふう”っ・・・アアア”ッ!! お姉ちゃッ・・・んんあああ”あ”ア”ッ~~ッ!!」

「郁美ィッ、いくッ・・・!! ひぐう”ぅ”ッ・・・!! くうう”う”ッ~~ッ!!」

 妹の淫らな悶絶ぶりに・・・見ている天音の鼓動が、ドキドキと高鳴る。
 同じ顔をした郁美の嬌声が、切なげな表情が、まるで自らが発しているような錯覚。郁美が受けている快感が、天音の肢体に刷り込まれてくるかのようだ。
 共鳴してしまっていた。郁美への愛撫を。感じている、法悦を。
 
 元々女性は、他者に己を重ねやすい動物であった。ドラマの主人公に、自分を置き換えてしまう。友人の悩みを聞くうちに、己も泣けてきてしまう。
 痛みも、苦しみも、悦びも・・・そして性の快楽も。共感しやすいのだ。AV女優のSEXを見て、自身が犯されているような錯覚をする。
 
 ましてその相手が、血を分けた妹ならば。双子のように、瓜二つの容姿ならば尚更のこと。
 しかも天音は、実際に郁美と同じ、乳房と股間に悦楽を送られている。錯覚と現実とがリンクして、確かな刺激を刻み込まれているのだ。
 
「ハアっ・・・ハアっ・・・ハアっ・・・!! うぐう”ぅ”っ・・・!! うう”ッ!!」

「ヒョッ・・・キヒヒヒッ!! オメガヴィーナスよ・・・鋭かった表情が、随分と蕩けてきたのではないか? ・・・怒りを上回る昂りに・・・麻痺してきたかのう?」

 嘲る骸頭を睨み付けようにも、天音の瞳は切なげに垂れてしまう。
 枯れ枝のような指が持つ、古びた壺。それが危険なものだと本能が察しても、緊縛されたオメガヴィーナスに回避の手段はない。
 
(うあ”・・・ああ”ア”っ・・・!! 胸、と・・・股間・・・い、郁美も・・・こんな痺れるような刺激を・・・受けているの? ・・・いえ、あの子はこの何倍、も・・・? ・・・これ以上・・・乳首やアソコを・・・刺激されたらっ・・・!? わ、私はもう・・・っ!!)

 瞳を無意識のうちに潤ませ、ハアハアと荒い吐息を繰り返す天音。
 その顎をグイと掴み、強引に唇を開かせたのは、弁髪の武人だった。
 
「あぐう”っ!? がああ”ッ・・・!?」

「フン。〝オーヴ”とやらで力を失った貴様は、これほどに無力か。骸頭、指示通り、口をこじ開けてやったぞ」

「ヒョホホホホ・・・弱ったとはいえ、儂の腕力ではまだ手に余るのでなあ。助かったぞ、虎狼よ。これでオメガヴィーナスの『純潔』も、間もなく失われようて」

 手にした壺の中身を、骸頭は一息に天音の咽喉奥に流し込んだ。
 胃を満たしていく、黒い液体。異臭を放つ秘薬が、オメガヴィーナスの細胞に染みわたっていく。
 同時に〝百識”の怪老は、残る性欲促進剤を光女神の頭から注いだ。
 
 びちゃあっ・・・ボトトッ・・・バチャアッ・・・!!
 
「んう”ッ・・・くっ・・・!? ・・・ア”・・・アアア”っ・・・!?」

「キヒッ、ヒィーッヒッヒッヒッ!! 『ケガレ殺し』の秘薬、お味はいかがじゃッ、オメガヴィーナスッ!! オメガ粒子を消耗し、肉体を破壊されたヌシに・・・耐えられるかのうッ!!」

 緑に光る麻縄に縛られ、黒い強壮液で全身を濡らした、白銀と青のスーパーヒロイン。
 見る間に天音の美貌が、桃色に染まる。表情が引き攣り、ガクガクと痙攣する。
 
「アアア”ア”ッ・・・!! んあハアア”ア”ア”ァ”ッ~~~ッ!!! あぎいイイ”イ”ッ――ッ!! イッ、イッちゃッ・・・イッちゃう”う”ぅ”ッ――ッ!! 胸ぇッ――ッ!! アソコがァッ!! ・・・ハジケてしまう”ぅ”ッ~~ッ!!!」

 流し込まれる電撃のような官能に、オメガヴィーナスは絶叫した。
 耐えられるような、快楽ではなかった。快感の激しさに、乳首や秘裂が爆発するかのようだ。
 少女のように、白銀の光女神は悶え叫んだ。そこには、かつて妖化屍が畏怖した、最強の破妖師の姿はない。
 
「ヒョホホホホォッ~~ッ!! 呆気ないものじゃなッ、オメガヴィーナス!? 妹と変わらぬ悶えぶりではないかッ! やはり性への攻撃は、そこらの小娘以下じゃて!」

「郁美ッ、郁美ィッ――ッ!! こんな、こんな酷い仕打ちをッ・・・!! 私だけにッ、私だけにしてェッ――ッ!! こんな狂いそうな刺激はッ・・・郁美にはやめてェッ――ッ!! 死んでしまう”ぅ”ッ――ッ!!」

 涙を流し、涎を飛ばし、愛液を内股に滴らせて・・・天音は懇願する。揉み潰される乳房に美貌を蕩けさせ、食い込む亀甲縛りに全身を痙攣させて。
 妹を襲う壮絶な快楽が、今、実際に天音を襲っている。こんな痺れを、郁美も甘受しているかと思うと堪らなかった。細胞が火照り、燃え溶けそうだ。
 淫靡にヨガリながらも、オメガヴィーナスは妹のために願った。それだけが、破妖師として生きることを選んだ、天音にできる意地だった。

 
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