オメガスレイヤーズ ~カウント5~ 【究極の破妖師、最後の闘い】

草宗

文字の大きさ
上 下
9 / 82

9、噛みつき

しおりを挟む
 
「惨めなものだな」

 離れて見ていたローブの男が、ボツリと呟く。
 
「キイッヒッヒッヒィッ~~ッ!! やはりいろいろと甘い! 甘いのう! ほりゃあ、ケガレどもよ。光の女神さまを貪るチャンスじゃぞォ!」

 遠巻きに眺めていたリビングデッドたちが、骸頭の合図で一斉に動いた。
 仰向けの女神に飛び掛かる。究極戦士も、今は頑丈が取り柄なだけの美しきドールだ。
 
 ガブッ! ガブウッ、ガブッ! ガブガブッ!
 
 首筋に二体が噛みつき、続けて乳房に噛みついた。
 二の腕、太腿、脇腹と、ゾンビどもが次々と白銀の美乙女に牙を立てる。野犬のように噛みついていく。
 160cmを少し越える天音の肢体に、十体以上の死者が、煩悩を剥き出しにして喰らいつく。白銀と紺青の女神が、ミイラのごとき集団に覆い尽される。
 
 家族にすれば、地獄のような光景だった。
 スーパーヒロインになったはずの肉親が、ゾンビの群れに噛まれているのだ。腕・脚はおろか、首筋も乳房も内股も。
 肉を引き千切らんと、ケガレどもは幾度も牙を食い込ませる。鋼鉄の身体を誇るが故に、何度も、何か所も、死者に噛まれるオメガヴィーナス。
 素肌はおろかスーツにも損傷は見られないが、その光景はまともに見られるものではなかった。
 
「・・・・・・ぅ”・・・ぁ”・・・・・・」
 
「四肢は〝ディアボロハンド”で抑えてある。意識を戻したところで、そやつに反撃は不可能じゃ。もっと遊んでいいんじゃぞ、ケガレども!」

 わずかな反応を天音が示す。呼応するように、ケガレの一部も動いた。
 乳房を貪っていたものが、食い込ませた牙を抜くや・・・紫の舌を長く伸ばし、ベロベロと舐め始める。
 
「・・・んぅっ!? ・・・ぅ”っ・・・!」

 白銀の女神がビクリと背中を仰け反らせる。
 構わず二体のゾンビは、舌を這わせた。ぷくりと浮き上がった、先端の蕾。白銀のスーツに影を落とすふたつの突起に、腐敗した舌が念入りに唾液を絡ませる。
 ソフトボールのようなふたつの膨らみに、濡れ光る乳首が尖り立つ。
 アンデッドに覆われたなか、白銀の双丘だけが浮き上がるのは、煽情的な光景だった。
 
「はア”っ・・・! あはぁ”っ・・・!!」

「フヒヒヒッ・・・感度良好じゃのう、オメガヴィーナス。下のほうも遊んでやるがよい」

 ぴちゃ・・・くちゅ・・・ベロベロベロ・・・
 
 紺青のフレアミニが捲られ、白銀の生地に包まれた女神の股間が露わになる。
 クレヴァスがつくる淡い縦の翳を、ケガレの長い舌が舐めあげた。
 執拗にぴちゃぴちゃとねぶる。
 肛門から、陰唇上部の過敏な萌芽にかけて。下から上へと、何度も舌先が擦りあげる。
 大の字に固定されたオメガヴィーナスの乳首が、秘裂が、汚らわしいゾンビに思うがまま貪られていく。
 
「うぅ”っ!! んくっ・・・!! んはア”ッ、ああア”ア”ッ~~ッ!!」

 背中でアーチを描き、光の女神は絶叫した。
 胸の頂点を屹立させ、ピクピクと震えるその姿は、明らかに苦痛ではない感覚に悶えていた。
 
「キィッ~~ヒッヒッヒィッ~~ッ!! やはり小娘はウブじゃなッ、オメガヴィーナス!」

 唾液で濡れ光る、乳房と股間をヒクつかせ。
 オメガヴィーナス=四乃宮天音は、背を仰け反らせたまま喘ぎ続けた。
 両目に刺さった〝慧眼”の指は、いまだ外れないでいる。
 暗闇のなかで、全身を噛まれる痛みと局部に注がれる刺激とは、より鋭さをもって天音を襲っていた。
 
「う”っ! んぅ”っ~~ッ!! ・・・んああ”――っ・・・!!」

 代わる代わる、ケガレの群れは白銀の女神を舐め続けた。
 ふたつの乳首と股間の秘所。聖なるスーツに隠された敏感地点を、集中して嬲る。しゃぶる。こね回す。
 両親と妹が見ている眼の前で、四乃宮天音の瑞々しい肉体が、死者の愛撫に穢されていく。
 
「ヌシが闘い慣れる前に襲ったのは、大正解だったようじゃなァ~。ケガレの不浄な舌でも、十分女神さまは感じるようじゃ。気持ちよすぎて集中できんかの?」

「はあっ・・・! あ”ッ・・・! あァ”ッ・・・!」

「骸頭よ、あまり遊んでいる余裕はないぞ」

「わかっておるわい。究極戦士の嬌声をもうしばし堪能したいところじゃが・・・そろそろ始末といくかのう」

 〝ディアボロハンド”がプラチナブロンドの髪を掴む。そのまま光の女神を吊り上げる。
 いまだ止まぬ雨のなか、四肢をだらりと垂らしたオメガヴィーナスが、宙空に浮いた。
 首筋に二体。二の腕、脇腹、太腿、ふくらはぎと、乙女の肉に牙を食い込ませたケガレどもが、ともにぶらぶらと垂れ下がった。
 愛撫に精を出していた者たちは、乳房と股間に噛みつきながら、チロチロと舌を這わせている。
 噛む力だけで己の体重を支え切るなど、ゾンビならではの芸当だろう。
 
 白銀と青を身に纏った麗しきスーパーヒロインに、10体以上もの死者が喰らいついた凄惨な光景。
 先程までの無敵ぶりがウソのように、黒魔術に囚われたオメガヴィーナスは、力無く〝悪魔の掌”に吊り下げられている。
 
「真ん中から、二つに引き裂いてやろうぞ」

 一対の悪魔の手が、プラチナブロンドの女神の、両腕をそれぞれ握る。
 幼児がオモチャの人形で、遊ぶかのようだった。
 強烈な力で、左右に引っ張る。オメガヴィーナスの腕が、ピンと水平に伸びた。
 
「うぐぅ”ッ!! くうゥッ・・・!!」

 ギチ・・・ミシミシ・・・メリィッ・・・
 
 白銀のスーツの腕で、肩で、腹部で、嫌な音色が鳴る。
 悪魔に両腕を引かれ、激痛に背を突っ張らせたオメガヴィーナスの姿は、くしくも十字架に掛けられたかのようであった。
 家族たちの目前で、今、四乃宮天音の肉体が引き裂かれようとしている。
 
 ブチッ・・・ミリミリッ・・・ミリィッ・・・ブチブチッ!!
 
「ッァ”!! ・・・ンゥ”ッ・・・!! ッッ~~~ッ!!」

「お、お姉ちゃんッ・・・!! うああッ――ッ、もうやめてぇッ~~ッ!!」

「ヒョホホホホッ!! 最強のオメガスレイヤーとやらも、大したことはなかったのう!」

 魔術で召喚した〝ディアボロハンド”に、骸頭が渾身の力を込める。
 青と白銀の女神の全身が、ビクンッ! と大きく痙攣した。
 
 オメガヴィーナスの両目に刺さっていた骨だけの右手が、ボトリと大地に抜け落ちた。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

エスカレーター・ガール

転生新語
SF
 永遠不変の一八才である、スーパーヒロインの私は、決戦の直前を二十代半ばの恋人と過ごしている。  戦うのは私、一人。負ければ地球は壊滅するだろう。ま、安心してよ私は勝つから。それが私、エスカレーター・ガールだ!  カクヨム、小説家になろうに投稿しています。  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330660868319317  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5833ii/

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔法少女になれたなら【完結済み】

M・A・J・O
ファンタジー
【第5回カクヨムWeb小説コンテスト、中間選考突破!】 【第2回ファミ通文庫大賞、中間選考突破!】 【第9回ネット小説大賞、一次選考突破!】 とある普通の女子小学生――“椎名結衣”はある日一冊の本と出会う。 そこから少女の生活は一変する。 なんとその本は魔法のステッキで? 魔法のステッキにより、強引に魔法少女にされてしまった結衣。 異能力の戦いに戸惑いながらも、何とか着実に勝利を重ねて行く。 これは人間の願いの物語。 愉快痛快なステッキに振り回される憐れな少女の“願い”やいかに―― 謎に包まれた魔法少女劇が今――始まる。 ・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...