41 / 46
主任×私×これから
ストーリー41
しおりを挟む
「あれ? 赤崎さんだ。新年早々会えるなんて俺達やっぱり特別な縁がありそうだね」
この聞き覚えのある爽やかな声……クルッと振り返ると高成さんがいた。
「高成さんも初詣ですか?」
「うん。友達と来たんだけど、赤崎さんが居るのが見えたからこっちに来てみた。清水さんと来たの?」
「えっ……えっと……」
蓮さんと来たなんて言えないし、返事に困る。どうしようと裕香と目を合わせた。高成さんはニコニコしながら私の返事を待っている。
「やっぱ美織じゃん。あけおめ~」
困っている私の後ろからまた聞き覚えのある声がする。パッと声のする方を見ると、やっぱり杉村さんがいた。
「杉村さんも初詣来てたんですか」
「まぁなって、何で高成がいるんだよ。あ~あ、新年早々嫌なもの見たわ」
「それはこっちのセリフだっつぅの。お前こそ邪魔だから早くどっか行けよ」
さっきまでニコニコしていた高成さんも、杉村さんを見ると敵対心を露わにした。本当に仲の悪い二人だな。それよりもまた変な状況になってきたしどうしよう。逃げ出したいよ。
高成さんと杉村さんの言い合いも段々ヒートアップしてきて、周りの参拝客も注目し始める。
恥ずかしいのもあるけど、私はただでさえ蓮さんと一緒にいれないストレスもあり、何だか腹が立ってきた。もうガツンと一発言ってやろうかな。
「またお前らか」
ガツンと言おうとした私の後ろから呆れたように声をかけてきたのは蓮さんだった。
「あっ主任も初詣ですか? あけましておめでとうございます」
蓮さん、助けに来てくれたんだ。高成さんと杉村さんはピタッと言い争いをやめて蓮さんに挨拶をする。
「新年の挨拶はいいが、お前らまた赤崎さんに迷惑かけてるんじゃないのか?」
「だってコイツが……」
高成さんと杉村さんは同時にお互いを指差し人のせいにしている。この二人、実は似た者同士かも。
蓮さんは二人の様子を見てフゥと一息つく。そして私の隣に立ち、事もあろうか人前で私の肩を抱き寄せ、私は蓮さんの方に引き寄せられた。
「言っておくが、美織は俺の彼女だからな。お前ら美織を口説くなら……覚悟しとけよ」
蓮さんの言葉を聞いて、時が止まったかのように周りが静かになる。もちろん私も何が起きたのか頭が回らず固まってしまった。
それから数秒後、蓮さんの言葉が頭に入ったのか今度は驚きの声や悲鳴が飛び交う。
「主任が赤崎さんと……!?」
「マジで!?」
「れれれれれれ蓮様、嘘でしょ!?」
私と蓮さんは痛い程の視線を浴びるが私はまだ頭が真っ白で、今何が起きてるか把握出来てない。
「あースッキリした。じゃあ家に帰ろうか、美織」
蓮さんはそう言うとみんなの言葉を全部スルーして、私の肩を抱いたまま歩き出し神社を後にした。
この聞き覚えのある爽やかな声……クルッと振り返ると高成さんがいた。
「高成さんも初詣ですか?」
「うん。友達と来たんだけど、赤崎さんが居るのが見えたからこっちに来てみた。清水さんと来たの?」
「えっ……えっと……」
蓮さんと来たなんて言えないし、返事に困る。どうしようと裕香と目を合わせた。高成さんはニコニコしながら私の返事を待っている。
「やっぱ美織じゃん。あけおめ~」
困っている私の後ろからまた聞き覚えのある声がする。パッと声のする方を見ると、やっぱり杉村さんがいた。
「杉村さんも初詣来てたんですか」
「まぁなって、何で高成がいるんだよ。あ~あ、新年早々嫌なもの見たわ」
「それはこっちのセリフだっつぅの。お前こそ邪魔だから早くどっか行けよ」
さっきまでニコニコしていた高成さんも、杉村さんを見ると敵対心を露わにした。本当に仲の悪い二人だな。それよりもまた変な状況になってきたしどうしよう。逃げ出したいよ。
高成さんと杉村さんの言い合いも段々ヒートアップしてきて、周りの参拝客も注目し始める。
恥ずかしいのもあるけど、私はただでさえ蓮さんと一緒にいれないストレスもあり、何だか腹が立ってきた。もうガツンと一発言ってやろうかな。
「またお前らか」
ガツンと言おうとした私の後ろから呆れたように声をかけてきたのは蓮さんだった。
「あっ主任も初詣ですか? あけましておめでとうございます」
蓮さん、助けに来てくれたんだ。高成さんと杉村さんはピタッと言い争いをやめて蓮さんに挨拶をする。
「新年の挨拶はいいが、お前らまた赤崎さんに迷惑かけてるんじゃないのか?」
「だってコイツが……」
高成さんと杉村さんは同時にお互いを指差し人のせいにしている。この二人、実は似た者同士かも。
蓮さんは二人の様子を見てフゥと一息つく。そして私の隣に立ち、事もあろうか人前で私の肩を抱き寄せ、私は蓮さんの方に引き寄せられた。
「言っておくが、美織は俺の彼女だからな。お前ら美織を口説くなら……覚悟しとけよ」
蓮さんの言葉を聞いて、時が止まったかのように周りが静かになる。もちろん私も何が起きたのか頭が回らず固まってしまった。
それから数秒後、蓮さんの言葉が頭に入ったのか今度は驚きの声や悲鳴が飛び交う。
「主任が赤崎さんと……!?」
「マジで!?」
「れれれれれれ蓮様、嘘でしょ!?」
私と蓮さんは痛い程の視線を浴びるが私はまだ頭が真っ白で、今何が起きてるか把握出来てない。
「あースッキリした。じゃあ家に帰ろうか、美織」
蓮さんはそう言うとみんなの言葉を全部スルーして、私の肩を抱いたまま歩き出し神社を後にした。
0
お気に入りに追加
159
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?
キミノ
恋愛
職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、
帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。
二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。
彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。
無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。
このまま、私は彼と生きていくんだ。
そう思っていた。
彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。
「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」
報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?
代わりでもいい。
それでも一緒にいられるなら。
そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。
Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。
―――――――――――――――
ページを捲ってみてください。
貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。
【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。
クリスマスに咲くバラ
篠原怜
恋愛
亜美は29歳。クリスマスを目前にしてファッションモデルの仕事を引退した。亜美には貴大という婚約者がいるのだが今のところ結婚はの予定はない。彼は実業家の御曹司で、年下だけど頼りになる人。だけど亜美には結婚に踏み切れない複雑な事情があって……。■2012年に著者のサイトで公開したものの再掲です。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
けいこ
恋愛
カフェも併設されたオシャレなパン屋で働く私は、大好きなパンに囲まれて幸せな日々を送っていた。
ただ…
トラウマを抱え、恋愛が上手く出来ない私。
誰かを好きになりたいのに傷つくのが怖いって言う恋愛こじらせ女子。
いや…もう女子と言える年齢ではない。
キラキラドキドキした恋愛はしたい…
結婚もしなきゃいけないと…思ってはいる25歳。
最近、パン屋に来てくれるようになったスーツ姿のイケメン過ぎる男性。
彼が百貨店などを幅広く経営する榊グループの社長で御曹司とわかり、店のみんなが騒ぎ出して…
そんな人が、
『「杏」のパンを、時々会社に配達してもらいたい』
だなんて、私を指名してくれて…
そして…
スーパーで買ったイチゴを落としてしまったバカな私を、必死に走って追いかけ、届けてくれた20歳の可愛い系イケメン君には、
『今度、一緒にテーマパーク行って下さい。この…メロンパンと塩パンとカフェオレのお礼したいから』
って、誘われた…
いったい私に何が起こっているの?
パン屋に出入りする同年齢の爽やかイケメン、パン屋の明るい美人店長、バイトの可愛い女の子…
たくさんの個性溢れる人々に関わる中で、私の平凡過ぎる毎日が変わっていくのがわかる。
誰かを思いっきり好きになって…
甘えてみても…いいですか?
※after story別作品で公開中(同じタイトル)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる