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貴方の幸せを願うから
ストーリー59
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夜になり、私は買い物を済ませて進藤さんを待っていた。
ピリリリリ……
ピリリリリ……
私のスマートフォンが鳴る。進藤さんかと思い着信を確認しないで急いでスマートフォンに出た。
「もしもし」
「もしもし明日香ちゃん。仕事は問題なくやってる?」
「……高瀬さん?」
「えっ何? そうだけど……何かガッカリしてない?」
「そんな事ないですよ」
まさか進藤さんと間違えてガッカリしました……なんて口が裂けても言えない。
「仕事は何とかなってますよ。あ、でも今日は美玲さんがいらしたので結構焦りました」
「美玲さん来たの? 何か言われた?」
「その時だけマイさんに社長秘書を代わってもらったので私は美玲さんに会ってないんですけどね」
「なんだ。てっきり三人鉢合わせで修羅場でもあったのかと思ったよ。つまんねー」
「うわぁ、高瀬さん意地悪ですね~」
「あはは、さっきガッカリされた仕返しだよ。まぁ何も無かったなら良かったじゃん。それよりさ……ケイスケは元気? いつもと変わりない?」
あれ? 何で私に進藤さんの事聞いてくるのだろう。もしかして、私達が別れる事を進藤さんから聞いたのかな。
「進藤さんはいつもと変わりないと思いますけど」
「ならいいんだ。じゃあ仕事頑張ってね。おやすみ、明日香ちゃん」
「はい、おやすみなさい」
会話が終わり通話を切る。 それと同時に今度は『ピンポン』と呼び鈴の音がした。
「私が出ていいのかな」
恐る恐るインターホンの画面を見る。部屋を訪ねてきたのは進藤さんだった。
「部屋まで迎えに来てくれたの?」
玄関のドアを開けて進藤さんに話しかける。スーツ姿のままだから仕事帰りかな。
「スマホに連絡したけど繋がらなかったぞ」
「本当? あっ今ちょうど高瀬さんと通話してたからかも」
「ナオトから連絡きたのか?」
「うん。仕事の確認と進藤さんはいつもと変わりないかって聞かれたけど……私達の事、話したりした?」
「いやナオトにも話はしてないが、何でアイツは俺の心配をするんだ? 変な奴だな」
話してないんだ。じゃあ電話での心配は何だったんだろう。
「とにかく家に帰ろう。腹減った」
進藤さんは買い物した袋を持ち、車に乗り込む。そして進藤さんのマンションへ向かった。
「じゃあパパッと作るから待ってて」
私はエプロンをつけて調理に取り掛かろうとした。
「明日香」
「えっ」
香水の香り……後ろから進藤さんがフワッと優しく抱きしめてきた。進藤さんの吐息が私の首筋にかかり、思わず声が出そうになる。
「あ、あの……進藤さん?」
「……充電完了。着替えてくる」
しばらくすると、私から離れて進藤さんは自分の部屋に入った。
「突然触れられるとドキドキするし、その後を期待しちゃうじゃない、もう」
私は頬を赤くしてボソッと小声で呟く。ちょっとした事で幸せを感じてしまい、改めて思い知らされる……私、めっちゃ進藤さんの事好きなんだと。
食事を終えて二人でコーヒーを飲みながらまったりと過ごしていた。
「ねぇ、久しぶりにゲームしない?」
「そうだな」
久しぶりにリビングの大画面テレビにゲーム機をセッティングしてカーレースのゲーム対決を始めた。
対決を始めたがやっぱり勝てない。何で進藤さんはこんなに強いんだ? その後も何度も挑戦するが一回も勝てなかった。
「ダメだぁ……最後くらい勝ちたかったな」
「最後って言うなよ」
「あっ」
寂しさ混じる進藤さんの言葉。そして私の言葉を振り払うかのように進藤さんの唇が私の口を塞ぐ。重なった唇が一回離れ見つめ合うと、私はその場に押し倒された。
押し倒された後も深く激しく唇を刺激し合う。そしてこのまま……と思っていたが、進藤さんは起き上がり理性を取り戻すかのように呼吸を整え始めた。
ピリリリリ……
ピリリリリ……
私のスマートフォンが鳴る。進藤さんかと思い着信を確認しないで急いでスマートフォンに出た。
「もしもし」
「もしもし明日香ちゃん。仕事は問題なくやってる?」
「……高瀬さん?」
「えっ何? そうだけど……何かガッカリしてない?」
「そんな事ないですよ」
まさか進藤さんと間違えてガッカリしました……なんて口が裂けても言えない。
「仕事は何とかなってますよ。あ、でも今日は美玲さんがいらしたので結構焦りました」
「美玲さん来たの? 何か言われた?」
「その時だけマイさんに社長秘書を代わってもらったので私は美玲さんに会ってないんですけどね」
「なんだ。てっきり三人鉢合わせで修羅場でもあったのかと思ったよ。つまんねー」
「うわぁ、高瀬さん意地悪ですね~」
「あはは、さっきガッカリされた仕返しだよ。まぁ何も無かったなら良かったじゃん。それよりさ……ケイスケは元気? いつもと変わりない?」
あれ? 何で私に進藤さんの事聞いてくるのだろう。もしかして、私達が別れる事を進藤さんから聞いたのかな。
「進藤さんはいつもと変わりないと思いますけど」
「ならいいんだ。じゃあ仕事頑張ってね。おやすみ、明日香ちゃん」
「はい、おやすみなさい」
会話が終わり通話を切る。 それと同時に今度は『ピンポン』と呼び鈴の音がした。
「私が出ていいのかな」
恐る恐るインターホンの画面を見る。部屋を訪ねてきたのは進藤さんだった。
「部屋まで迎えに来てくれたの?」
玄関のドアを開けて進藤さんに話しかける。スーツ姿のままだから仕事帰りかな。
「スマホに連絡したけど繋がらなかったぞ」
「本当? あっ今ちょうど高瀬さんと通話してたからかも」
「ナオトから連絡きたのか?」
「うん。仕事の確認と進藤さんはいつもと変わりないかって聞かれたけど……私達の事、話したりした?」
「いやナオトにも話はしてないが、何でアイツは俺の心配をするんだ? 変な奴だな」
話してないんだ。じゃあ電話での心配は何だったんだろう。
「とにかく家に帰ろう。腹減った」
進藤さんは買い物した袋を持ち、車に乗り込む。そして進藤さんのマンションへ向かった。
「じゃあパパッと作るから待ってて」
私はエプロンをつけて調理に取り掛かろうとした。
「明日香」
「えっ」
香水の香り……後ろから進藤さんがフワッと優しく抱きしめてきた。進藤さんの吐息が私の首筋にかかり、思わず声が出そうになる。
「あ、あの……進藤さん?」
「……充電完了。着替えてくる」
しばらくすると、私から離れて進藤さんは自分の部屋に入った。
「突然触れられるとドキドキするし、その後を期待しちゃうじゃない、もう」
私は頬を赤くしてボソッと小声で呟く。ちょっとした事で幸せを感じてしまい、改めて思い知らされる……私、めっちゃ進藤さんの事好きなんだと。
食事を終えて二人でコーヒーを飲みながらまったりと過ごしていた。
「ねぇ、久しぶりにゲームしない?」
「そうだな」
久しぶりにリビングの大画面テレビにゲーム機をセッティングしてカーレースのゲーム対決を始めた。
対決を始めたがやっぱり勝てない。何で進藤さんはこんなに強いんだ? その後も何度も挑戦するが一回も勝てなかった。
「ダメだぁ……最後くらい勝ちたかったな」
「最後って言うなよ」
「あっ」
寂しさ混じる進藤さんの言葉。そして私の言葉を振り払うかのように進藤さんの唇が私の口を塞ぐ。重なった唇が一回離れ見つめ合うと、私はその場に押し倒された。
押し倒された後も深く激しく唇を刺激し合う。そしてこのまま……と思っていたが、進藤さんは起き上がり理性を取り戻すかのように呼吸を整え始めた。
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