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臨時のお仕事
ストーリー48
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「俺なんて全然寝れなくて寝不足だよ」
「なんか、すみません」
高瀬さんは笑いながらコーヒーを入れてくれた。
「俺が仕事に行ってる間は、自主勉強しててね。勝手に部屋の本やノート見ていいから」
「分かりました」
「あっでも、あんまり部屋を物色するとエロいものがいっぱい出てくるから気をつけてね」
「……はい」
もう、高瀬さんは何でこんな事をサラッと言えちゃうんだろう。取り敢えず、本棚以外は触らないようにしなきゃ。
そして高瀬さんは仕事へ行き、私は自主勉強を始めた。高瀬さんのノートを見ると、綺麗に仕事に関する事がまとめられている。努力したんだなっと仕事面では高瀬さんを尊敬した。
二日間の勉強を終え、明日からはいよいよ会社での実践が始まる。もちろん考えるだけで緊張するが、進藤さんに会えると思うと胸が高鳴った。
ドキドキして寝れない……と思っていたが、私は今日もぐっすり寝ていた。
朝になり私はスーツに着替え、いつもより念入りに化粧をする。そして髪を一つにまとめ鏡でチェックした。
「よし、完璧」
「明日香ちゃん、準備出来た?」
「はい」
「じゃあ行こうか」
高瀬さんと一緒に最寄りの駅から電車に乗り会社へ向かう。
「あの、一緒に通勤して大丈夫ですか?」
私は満員に近い電車の中でコソッと高瀬さんに声をかける。
「大丈夫っしょ。気になるなら明日から時間ずらす?」
同じ会社の人に見られても大丈夫なのかなという心配をしたが、私が気にし過ぎてるのだろうか。
そしてついに会社へ到着した。
「まずは秘書課に案内するね。ついてきて」
会社ビルの中に入り、そして懐かしい受付嬢の視線……私はにっこりと笑顔で受付嬢に挨拶をして、高瀬さんとエレベーターに乗った。
そしてエレベーターを降りるとすぐ目の前に秘書課がある。
「高瀬課長、おはようございます」
秘書課に入ると、ふんわりウェーブの長い髪にばっちりメイクの大人系女子が満面の笑みで高瀬さんに挨拶をしてきた。
「おはようございます、宮川さん」
高瀬さんもにっこり笑顔で挨拶をする。仕事スイッチが入ったみたいだ。
「皆さん、少しこっちを向いてもらっていいですか?」
高瀬さんの一言で全員が高瀬さんと私の方を向く。秘書課だけあって女性ばかりだ。
「昨日お話した臨時で社長秘書を務めて下さる水沢 明日香さんです。短い間ですが色々教えてあげて下さいね」
「水沢です。ご指導よろしくお願いします」
私は深々とお辞儀をする。
「水沢さんね。高瀬課長、私達にお任せ下さい」
さっきの大人系女子が張り切って高瀬さんに話しかける。多分この人、高瀬さんの事……。
「流石は宮川さん。水沢さん、彼女はこの秘書課をまとめてくれてる『宮川 華奈子』さん。頼れる人だから分からない事あったら何でも聞いて下さい」
「はい、よろしくお願いします」
「水沢さんは鈴里さんの隣の机を使って下さい。鈴里さん」
「はい」
高瀬さんに呼ばれ手を挙げる女性がいる。彼女が鈴里さんか。私は鈴里さんの隣に座る。鈴里さんはショートボブがよく似合う綺麗系の女性だ。
「よろしくお願いします」
私が挨拶すると、鈴里さんはじぃっと私をガン見してきた。何だろう。
「ねぇ……どこかで会ったことない?」
「……?初めてお会いしたと思いますけど」
「そうよね。ごめん、気にしないで」
「はい」
返事はしたものの初対面のはず。こんなに綺麗な人なら忘れるはずないし。
「なんか、すみません」
高瀬さんは笑いながらコーヒーを入れてくれた。
「俺が仕事に行ってる間は、自主勉強しててね。勝手に部屋の本やノート見ていいから」
「分かりました」
「あっでも、あんまり部屋を物色するとエロいものがいっぱい出てくるから気をつけてね」
「……はい」
もう、高瀬さんは何でこんな事をサラッと言えちゃうんだろう。取り敢えず、本棚以外は触らないようにしなきゃ。
そして高瀬さんは仕事へ行き、私は自主勉強を始めた。高瀬さんのノートを見ると、綺麗に仕事に関する事がまとめられている。努力したんだなっと仕事面では高瀬さんを尊敬した。
二日間の勉強を終え、明日からはいよいよ会社での実践が始まる。もちろん考えるだけで緊張するが、進藤さんに会えると思うと胸が高鳴った。
ドキドキして寝れない……と思っていたが、私は今日もぐっすり寝ていた。
朝になり私はスーツに着替え、いつもより念入りに化粧をする。そして髪を一つにまとめ鏡でチェックした。
「よし、完璧」
「明日香ちゃん、準備出来た?」
「はい」
「じゃあ行こうか」
高瀬さんと一緒に最寄りの駅から電車に乗り会社へ向かう。
「あの、一緒に通勤して大丈夫ですか?」
私は満員に近い電車の中でコソッと高瀬さんに声をかける。
「大丈夫っしょ。気になるなら明日から時間ずらす?」
同じ会社の人に見られても大丈夫なのかなという心配をしたが、私が気にし過ぎてるのだろうか。
そしてついに会社へ到着した。
「まずは秘書課に案内するね。ついてきて」
会社ビルの中に入り、そして懐かしい受付嬢の視線……私はにっこりと笑顔で受付嬢に挨拶をして、高瀬さんとエレベーターに乗った。
そしてエレベーターを降りるとすぐ目の前に秘書課がある。
「高瀬課長、おはようございます」
秘書課に入ると、ふんわりウェーブの長い髪にばっちりメイクの大人系女子が満面の笑みで高瀬さんに挨拶をしてきた。
「おはようございます、宮川さん」
高瀬さんもにっこり笑顔で挨拶をする。仕事スイッチが入ったみたいだ。
「皆さん、少しこっちを向いてもらっていいですか?」
高瀬さんの一言で全員が高瀬さんと私の方を向く。秘書課だけあって女性ばかりだ。
「昨日お話した臨時で社長秘書を務めて下さる水沢 明日香さんです。短い間ですが色々教えてあげて下さいね」
「水沢です。ご指導よろしくお願いします」
私は深々とお辞儀をする。
「水沢さんね。高瀬課長、私達にお任せ下さい」
さっきの大人系女子が張り切って高瀬さんに話しかける。多分この人、高瀬さんの事……。
「流石は宮川さん。水沢さん、彼女はこの秘書課をまとめてくれてる『宮川 華奈子』さん。頼れる人だから分からない事あったら何でも聞いて下さい」
「はい、よろしくお願いします」
「水沢さんは鈴里さんの隣の机を使って下さい。鈴里さん」
「はい」
高瀬さんに呼ばれ手を挙げる女性がいる。彼女が鈴里さんか。私は鈴里さんの隣に座る。鈴里さんはショートボブがよく似合う綺麗系の女性だ。
「よろしくお願いします」
私が挨拶すると、鈴里さんはじぃっと私をガン見してきた。何だろう。
「ねぇ……どこかで会ったことない?」
「……?初めてお会いしたと思いますけど」
「そうよね。ごめん、気にしないで」
「はい」
返事はしたものの初対面のはず。こんなに綺麗な人なら忘れるはずないし。
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