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まさかのWデート
ストーリー37
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『少し時間取れないか?』
えっ、何だろう…
進藤さんからの突然のメッセージに思わず心が動揺する。返信どうしよう。後から返信しようか、いやでも既読ついちゃってるし……あぁ、早くしないと高瀬さんが部屋に来ちゃう。
『また後で連絡します』
取り敢えず高速で返信をしてスマートフォンを置き、手の痛みも忘れドライヤーで髪を乾かした。
ーー コンコン
ドアを開けると、救急箱を持った高瀬さんが戻ってきた。
「お手数おかけします」
「いいって。この後は明日香ちゃんどうするの?」
包帯を巻きながらちらっと私の顔を見てくる。
「疲れたからベッドで横になろうかな」
「たくさん昼寝してたけど、寝れる? はい、おしまいっと」
包帯を巻き終わると、高瀬さんは救急箱を片付けてスクッと立ち上がった。
「寝れなくて暇な時はいつでも呼んでいいからね。じゃあおやすみ」
高瀬さんは手を振りながら笑顔で部屋を出て行った。そして私は再びスマートフォンを手に取る。
どうしよう。
しばらくスマートフォンとにらめっこして、進藤さんにメッセージを送った。
『今、時間取れます』
するとすぐに既読がついた。そして返信がきた。
『今から外に来れるか?』
『はい』
『ホテルの入り口で待ってる』
『分かりました』
メッセージのやり取りが終わると、また着替えて部屋のドアを少しだけ開けて顔を出し、廊下に知り合いがいないか確認する。
誰もいないのを確認すると、私は足早にホテルの入り口に向かった。
ホテルの入り口に着き、入り口から外に出る。夜は少しひんやりとした風がそよそよと吹いていた。
「わざわざ悪かったな」
入り口の横を見ると進藤さんがいた。気のせいか、元気がないように見える。
「どうしたんですか?」
私は進藤さんの近くに駆け寄る。
「……少し歩くか」
そう言うと、進藤さんは砂浜の方に向かって歩き出した。私も進藤さんについて行く。
進藤さんは何も喋らず、私達は沈黙の中ただゆっくりと歩いた。
進藤さん、何か変だ。どうしたんだろう。
少し歩くと、進藤さんは立ち止まり砂の上にどかっと座り込んだ。今日は満月に近い月が空にある。その月明かりが私達を照らし出してくれた。
座り込んだ進藤さんは考え事をしているのか、下を向いたままだ。私も進藤さんの隣に座り、話をしてくれるのを波の音を聞きながら静かに待った。
「……手、大丈夫か?」
「はい、全然大丈夫です」
「悪かったな。俺が強引にナンパ男の手を引き離したせいで怪我させて」
「そんな気にしないで下さい。悪いのはあの男達ですから」
それからまた沈黙が続いた。やっぱり何かおかしい。
また波の音を聞いていると、進藤さんが私の肩を自分の方へ抱き寄せる。私の胸はドキドキしていた。
「……明日香」
「は、はい」
名前を呼ばれて少し動揺する。
「良かったな……これで最後だ」
誰もいない砂浜で、私達は唇を重ねる。
唇が離れると、私の頭をポンとする。薄暗くてよく分からないが、進藤さんは優しいけどどこか切なそうな表情をしているように見えた。
「ホテルに帰るか」
進藤さんは立ち上がり、私に手を差し出してくれた。その手に掴まり私も立ち上がる。
そしてまたお互い何も喋らず、手を繋いだままゆっくりと砂浜を歩いた。
私は聞きたい事があったが、怖くて聞けなかった。
良かったって…何?
これで最後って…どういう意味?
えっ、何だろう…
進藤さんからの突然のメッセージに思わず心が動揺する。返信どうしよう。後から返信しようか、いやでも既読ついちゃってるし……あぁ、早くしないと高瀬さんが部屋に来ちゃう。
『また後で連絡します』
取り敢えず高速で返信をしてスマートフォンを置き、手の痛みも忘れドライヤーで髪を乾かした。
ーー コンコン
ドアを開けると、救急箱を持った高瀬さんが戻ってきた。
「お手数おかけします」
「いいって。この後は明日香ちゃんどうするの?」
包帯を巻きながらちらっと私の顔を見てくる。
「疲れたからベッドで横になろうかな」
「たくさん昼寝してたけど、寝れる? はい、おしまいっと」
包帯を巻き終わると、高瀬さんは救急箱を片付けてスクッと立ち上がった。
「寝れなくて暇な時はいつでも呼んでいいからね。じゃあおやすみ」
高瀬さんは手を振りながら笑顔で部屋を出て行った。そして私は再びスマートフォンを手に取る。
どうしよう。
しばらくスマートフォンとにらめっこして、進藤さんにメッセージを送った。
『今、時間取れます』
するとすぐに既読がついた。そして返信がきた。
『今から外に来れるか?』
『はい』
『ホテルの入り口で待ってる』
『分かりました』
メッセージのやり取りが終わると、また着替えて部屋のドアを少しだけ開けて顔を出し、廊下に知り合いがいないか確認する。
誰もいないのを確認すると、私は足早にホテルの入り口に向かった。
ホテルの入り口に着き、入り口から外に出る。夜は少しひんやりとした風がそよそよと吹いていた。
「わざわざ悪かったな」
入り口の横を見ると進藤さんがいた。気のせいか、元気がないように見える。
「どうしたんですか?」
私は進藤さんの近くに駆け寄る。
「……少し歩くか」
そう言うと、進藤さんは砂浜の方に向かって歩き出した。私も進藤さんについて行く。
進藤さんは何も喋らず、私達は沈黙の中ただゆっくりと歩いた。
進藤さん、何か変だ。どうしたんだろう。
少し歩くと、進藤さんは立ち止まり砂の上にどかっと座り込んだ。今日は満月に近い月が空にある。その月明かりが私達を照らし出してくれた。
座り込んだ進藤さんは考え事をしているのか、下を向いたままだ。私も進藤さんの隣に座り、話をしてくれるのを波の音を聞きながら静かに待った。
「……手、大丈夫か?」
「はい、全然大丈夫です」
「悪かったな。俺が強引にナンパ男の手を引き離したせいで怪我させて」
「そんな気にしないで下さい。悪いのはあの男達ですから」
それからまた沈黙が続いた。やっぱり何かおかしい。
また波の音を聞いていると、進藤さんが私の肩を自分の方へ抱き寄せる。私の胸はドキドキしていた。
「……明日香」
「は、はい」
名前を呼ばれて少し動揺する。
「良かったな……これで最後だ」
誰もいない砂浜で、私達は唇を重ねる。
唇が離れると、私の頭をポンとする。薄暗くてよく分からないが、進藤さんは優しいけどどこか切なそうな表情をしているように見えた。
「ホテルに帰るか」
進藤さんは立ち上がり、私に手を差し出してくれた。その手に掴まり私も立ち上がる。
そしてまたお互い何も喋らず、手を繋いだままゆっくりと砂浜を歩いた。
私は聞きたい事があったが、怖くて聞けなかった。
良かったって…何?
これで最後って…どういう意味?
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