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第一章 ハッピー婚約破棄ライス
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「パウラ~! お米を買ってきましたわ~!」
新居に入るとあれから一時間も経っていないのに、ほとんどきれいに片づいていましたわ。流石はパウラ。
有能ゆえにわたしのお供をさせられてしまった不憫属性にキュンと来ますわ。
「できあいのものでいいとあれほど言ったのに?」
「わたしは嫌だと心の奥底で言いましたわ!!」
「せめて口に出していただきたい……そちらの子どもたちは、荷物持ちをしてくださったのですね。それでは駄賃をあげないと」
「でも。こういうのってお金をあげてしまうと、あとで元締めに巻き上げられてこの子たちの手元には残らないものではありませんの?」
子どもたちが顔を見交わしますわ。
やっぱりこの世界でもそういうことはあるみたいです。
「お嬢様はそういう謎の知識をどこで仕入れてくるのですか……?」
「わたし、賢いですもの!」
「はいはい。それで、どうするおつもりなんですか?」
「わたしの作った料理でこの子たちの献身に報いたいと思いますわ!!」
「……恩を仇で返す、と?」
パウラったら基本的には優秀なのに、たまに言葉の意味がわからないのか使い方を間違えるのがチャームポイント。
「あなたたち! お腹いっぱいご飯を食べていきなさい!」
「えーっ。それってまずい麦じゃん」
「麦じゃないしまずくありませんわ! まずいと感じる舌がおかしいんですわ!」
「お腹いっぱい食べられるなら……ミリはいいと思うよ、お兄ちゃん」
「ミリがそう言うなら、いいか」
この子たちは兄妹だったらしいですわ。
あんまり似ていないけれど、似ていない姉妹にならわたしにも心当たりがありましてよ。わたしと妹。
ガリガリさで言えばわたしとどっこいどっこいだから、いっぱい食べさせてあげなくてはならないですわね。
「それではまずは……精米から始めますわ!」
「せいまい、ってなんだ?」
「玄米も嫌いじゃありませんわ。だけどわたし、白米が食べたい気分なんですの!!」
「だからせいまいって――ああ、精麦のことか」
わたしの仕草を見て兄の方が得心したように頷いた。
「お兄ちゃん、奥に杵と臼があるみたい」
「おう。ちゃっちゃとやっちまうか。腹いっぱい食うために」
「頑張りますわよ~!」
腕まくりしていると、何故か妹の方に行く手を阻まれた。
「だめ。お姉ちゃんは危ないから近づかないで」
「ミリの言う通りだ。マジでこっち来んな。しっしっ」
「扱いがひどくないかしら!?」
「いえ、二人とも正しいお嬢様の扱い方を既にマスターしているようです」
「パウラったら冗談がきついですわ!」
「冗談など微塵も申し上げてはおりませんが??」
疎外感を覚えて部屋の隅で膝を抱えて座っていると、兄妹が発泡スチロールでできているのかと見まがうような扱い方で杵と臼を引っ張ってきましたわ。
そんなに軽いのならわたしでも扱えそうですわね。
だけど、木でできたその大きさの杵と臼がそんなに軽いわけがあります……?
「だんだん白くなってきました~!」
「これっ、くらいで、いいか!?」
ドスドス重たい音を響かせながら、兄妹が交代で休むことなく搗き続けてくれました。
「すごいですわ! 真っ白になっていますわ! 二人とも力が強いんですのね」
「……そりゃ、なあ」
「お姉ちゃんに比べたらね……」
「アッハイ」
リーンバルト王国の上流階級の令嬢はマジで死にかけみたいなものだから仕方ないんですの。鶏ガラチキンなんですの。
とはいえ、人力でやって十分もかからないとは思いませんでしたわ。
この世界の空気ってプロテインが含まれているのかもしれませんわね。何しろ剣と魔法の世界ですしね。
「それじゃあまずはお米を研ぎますわ。お米は水を吸いますから、綺麗で美味しいお水で洗うのがいいんですの」
「井戸もあるし、ミリが水を汲んでくるね」
「それからしばらく浸けてお水を吸わせてから、ふっくら炊き上げるんですの!」
「まだ時間がかかるのかよ。おれ、ちょっと魔法を使えるんだけど、魔法で短縮とかできねーの?」
「ふむ……お米に水を吸わせてもちっとさせる必要があるんですの……水をぬるま湯にしてみたり、圧力をかけるとか……?」
「ぬるま湯に、圧力ね。わかった」
ミリちゃんが井戸から桶いっぱいの水を汲んできてくれました。
ですが、そのままお水をそそいでぐるぐる回し出してしまったので、流石にここはわたしが手を出さなければならないようですわね。
「ミリちゃん、違いますわ。それではお米が研げていません」
「とぐ……? お米を洗うんじゃないんですか?」
「洗うのは間違いありませんわ。表面を削るイメージですの。ちょっと貸してくださいませ」
不安そうな顔をするミリちゃんの手から桶を受け取る――ことができずに地面に置いてもらい、腕まくりした手で米と米を研ぎあわせます。
ジャッジャッと米同士が擦れ合う懐かしい音と感触に、それだけで涙がちょちょぎれますわ。
「お嬢様が謎に手慣れている……」
「うふふ! わたしってば何でもできる才女ですので!」
「はいはい」
ちょっと鼻高々になっただけで流されるので、これまで何をしても前世の知識があるとかバレたことがありませんの。
世の中って結構みんな適当に生きているものなんですのね。
「何度も水を替えながらこれをやるんですの。お米は水を吸ってしまうから、白く濁った水を吸わないように」
「それじゃ、このお水はもう捨てた方がいいんですね?」
「そうですわ! でもお米の研ぎ汁は美容にいいし掃除にも使えるので、捨ててしまうのはもったいない気もしますわね」
パウラがすかさずミリちゃんに研ぎ汁を壺に入れるよう指示を出しています。
米粒を流さないよう研ぎ汁を移すミリちゃんも真剣な眼差し。
いいですわね。階級も年齢も違いますけど、女同士の結束を感じますわ!
「水が濁らなくなったらお鍋に入れて、水に浸けてしばらく置いておくんですの。水が染みこんだら炊き上げますわ!」
「おれの魔法の出番だな」
鍋にお米を移した後、ミリちゃんの兄が何をしているのかはよくわかりませんでしたが、害はなさそうです。
しかしこの年齢で魔法が使えるって、かなりすごいことですの。
わたしは英才教育を受けましたが、さっぱり使いものにはなりませんでしたわ!
なんでこの子たちはストリートチルドレンなんてやっているんですの??
まあ、わたしのような善良極まりない真人間が国を追放されることもあるおかしな世界です。色んなことがあるのでしょうね。
さて、水と米を入れたらぴくりとも動かせなくなった鍋を竈に置いてもらい、火を付けてもらいましたわ。
わたし、お米をジャッジャッって一回やっただけで、他には何もしていませんわね。
「お米の最高にいい匂いがしてきたからもうなんでもいいですわーッ!!」
お米が炊けてそこにあるならば、誰の助けを借りようともよかろうなのですわ!!
――その時、扉がガタンと不吉に大きな音を立てて開いたのでした。
新居に入るとあれから一時間も経っていないのに、ほとんどきれいに片づいていましたわ。流石はパウラ。
有能ゆえにわたしのお供をさせられてしまった不憫属性にキュンと来ますわ。
「できあいのものでいいとあれほど言ったのに?」
「わたしは嫌だと心の奥底で言いましたわ!!」
「せめて口に出していただきたい……そちらの子どもたちは、荷物持ちをしてくださったのですね。それでは駄賃をあげないと」
「でも。こういうのってお金をあげてしまうと、あとで元締めに巻き上げられてこの子たちの手元には残らないものではありませんの?」
子どもたちが顔を見交わしますわ。
やっぱりこの世界でもそういうことはあるみたいです。
「お嬢様はそういう謎の知識をどこで仕入れてくるのですか……?」
「わたし、賢いですもの!」
「はいはい。それで、どうするおつもりなんですか?」
「わたしの作った料理でこの子たちの献身に報いたいと思いますわ!!」
「……恩を仇で返す、と?」
パウラったら基本的には優秀なのに、たまに言葉の意味がわからないのか使い方を間違えるのがチャームポイント。
「あなたたち! お腹いっぱいご飯を食べていきなさい!」
「えーっ。それってまずい麦じゃん」
「麦じゃないしまずくありませんわ! まずいと感じる舌がおかしいんですわ!」
「お腹いっぱい食べられるなら……ミリはいいと思うよ、お兄ちゃん」
「ミリがそう言うなら、いいか」
この子たちは兄妹だったらしいですわ。
あんまり似ていないけれど、似ていない姉妹にならわたしにも心当たりがありましてよ。わたしと妹。
ガリガリさで言えばわたしとどっこいどっこいだから、いっぱい食べさせてあげなくてはならないですわね。
「それではまずは……精米から始めますわ!」
「せいまい、ってなんだ?」
「玄米も嫌いじゃありませんわ。だけどわたし、白米が食べたい気分なんですの!!」
「だからせいまいって――ああ、精麦のことか」
わたしの仕草を見て兄の方が得心したように頷いた。
「お兄ちゃん、奥に杵と臼があるみたい」
「おう。ちゃっちゃとやっちまうか。腹いっぱい食うために」
「頑張りますわよ~!」
腕まくりしていると、何故か妹の方に行く手を阻まれた。
「だめ。お姉ちゃんは危ないから近づかないで」
「ミリの言う通りだ。マジでこっち来んな。しっしっ」
「扱いがひどくないかしら!?」
「いえ、二人とも正しいお嬢様の扱い方を既にマスターしているようです」
「パウラったら冗談がきついですわ!」
「冗談など微塵も申し上げてはおりませんが??」
疎外感を覚えて部屋の隅で膝を抱えて座っていると、兄妹が発泡スチロールでできているのかと見まがうような扱い方で杵と臼を引っ張ってきましたわ。
そんなに軽いのならわたしでも扱えそうですわね。
だけど、木でできたその大きさの杵と臼がそんなに軽いわけがあります……?
「だんだん白くなってきました~!」
「これっ、くらいで、いいか!?」
ドスドス重たい音を響かせながら、兄妹が交代で休むことなく搗き続けてくれました。
「すごいですわ! 真っ白になっていますわ! 二人とも力が強いんですのね」
「……そりゃ、なあ」
「お姉ちゃんに比べたらね……」
「アッハイ」
リーンバルト王国の上流階級の令嬢はマジで死にかけみたいなものだから仕方ないんですの。鶏ガラチキンなんですの。
とはいえ、人力でやって十分もかからないとは思いませんでしたわ。
この世界の空気ってプロテインが含まれているのかもしれませんわね。何しろ剣と魔法の世界ですしね。
「それじゃあまずはお米を研ぎますわ。お米は水を吸いますから、綺麗で美味しいお水で洗うのがいいんですの」
「井戸もあるし、ミリが水を汲んでくるね」
「それからしばらく浸けてお水を吸わせてから、ふっくら炊き上げるんですの!」
「まだ時間がかかるのかよ。おれ、ちょっと魔法を使えるんだけど、魔法で短縮とかできねーの?」
「ふむ……お米に水を吸わせてもちっとさせる必要があるんですの……水をぬるま湯にしてみたり、圧力をかけるとか……?」
「ぬるま湯に、圧力ね。わかった」
ミリちゃんが井戸から桶いっぱいの水を汲んできてくれました。
ですが、そのままお水をそそいでぐるぐる回し出してしまったので、流石にここはわたしが手を出さなければならないようですわね。
「ミリちゃん、違いますわ。それではお米が研げていません」
「とぐ……? お米を洗うんじゃないんですか?」
「洗うのは間違いありませんわ。表面を削るイメージですの。ちょっと貸してくださいませ」
不安そうな顔をするミリちゃんの手から桶を受け取る――ことができずに地面に置いてもらい、腕まくりした手で米と米を研ぎあわせます。
ジャッジャッと米同士が擦れ合う懐かしい音と感触に、それだけで涙がちょちょぎれますわ。
「お嬢様が謎に手慣れている……」
「うふふ! わたしってば何でもできる才女ですので!」
「はいはい」
ちょっと鼻高々になっただけで流されるので、これまで何をしても前世の知識があるとかバレたことがありませんの。
世の中って結構みんな適当に生きているものなんですのね。
「何度も水を替えながらこれをやるんですの。お米は水を吸ってしまうから、白く濁った水を吸わないように」
「それじゃ、このお水はもう捨てた方がいいんですね?」
「そうですわ! でもお米の研ぎ汁は美容にいいし掃除にも使えるので、捨ててしまうのはもったいない気もしますわね」
パウラがすかさずミリちゃんに研ぎ汁を壺に入れるよう指示を出しています。
米粒を流さないよう研ぎ汁を移すミリちゃんも真剣な眼差し。
いいですわね。階級も年齢も違いますけど、女同士の結束を感じますわ!
「水が濁らなくなったらお鍋に入れて、水に浸けてしばらく置いておくんですの。水が染みこんだら炊き上げますわ!」
「おれの魔法の出番だな」
鍋にお米を移した後、ミリちゃんの兄が何をしているのかはよくわかりませんでしたが、害はなさそうです。
しかしこの年齢で魔法が使えるって、かなりすごいことですの。
わたしは英才教育を受けましたが、さっぱり使いものにはなりませんでしたわ!
なんでこの子たちはストリートチルドレンなんてやっているんですの??
まあ、わたしのような善良極まりない真人間が国を追放されることもあるおかしな世界です。色んなことがあるのでしょうね。
さて、水と米を入れたらぴくりとも動かせなくなった鍋を竈に置いてもらい、火を付けてもらいましたわ。
わたし、お米をジャッジャッって一回やっただけで、他には何もしていませんわね。
「お米の最高にいい匂いがしてきたからもうなんでもいいですわーッ!!」
お米が炊けてそこにあるならば、誰の助けを借りようともよかろうなのですわ!!
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