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錬金術師の誘惑
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あれからカレンはジークに自分のポーションとその鑑定結果を見せたが、それでもジークが身に纏う諦念は揺るがなかった。
「そういえばカレン、知ってる? 無魔力素材によって作るポーションで一番有名なのは、毒なんだよ」
カレンに鑑定結果を見せられたジークはそう言った。
「ほら、錬金術って、素材への理解がなければポーションは作れないでしょう。鑑定すれば女神が与えた名前を見られる魔法植物と違って、無魔力植物を理解するのは難しい。でも、毒なら獣に与えて死ねばそれとわかる」
無魔力の素材で作ったポーションなんて、カレンは存在も知らなかった。
前世を覚えているカレンだけのチートかと思いきや、情報を制限されていただけらしい。
「どのような死に方をするかで分類できて、理解も進む。理解が進めばポーションにできる。ポーション未満で生成を止めれば、鑑定に引っかからない毒物も作れるし……どういうわけか無魔力素材のポーションは鑑定に引っかからない毒を持たせながら、別の魔法効果を持つポーションに見せかけることもできるんだって」
そう言ってカレンのポーションを見たジークは、ほとんどカレンのポーションを『熱を下げる』という効果を持っているように見せかけた強力な麻薬だと信じ込んでいるらしかった。
その構造はカレンもすぐに理解した。
たとえばベラドンナという毒は神経毒で、麻痺や錯乱状態を引き起こす。
でも、これを目に点眼すると黒目が大きくなるので、昔の貴婦人が自分を美しく見せるために目薬として使ったと、前世大好きだったロマンス系の小説で読んだことがある。
この効果のうち、『瞳を大きくする』という部分だけがポーション化していて、神経毒は魔法としてではなく植物として残っているのなら、それはジークの言うような毒々しいポーションになるだろう。
つまり、蜂蜜レモンを熱を下げるポーションにしても、他の色々な効能も残っていて、栄養にもなるのだ。
参考になるなあと思ったのもつかの間だ。
無魔力素材のポーションとは、成分をわかって作っているカレン以外の人間にとっては恐ろしい博打である。
よくFランク錬金術師が作るこんなポーションをジークに飲ませたなと思ったものの――それ以外に手の打ちようがもうないから、彼らも試してみるしかないのだ。
それだけこの家の人々が切羽詰まっているということを、カレンは理解していなかった。
理解して、頭を抱えて、この数日。
妥協はしないと決めた以上、カレンはジークとぶつからなければならない。
カレンはジークが朝食を食べ終わるのを見届けると話を切り出した。
「お話があるのですが、少々よろしいでしょうか?」
「構わないよ。カレンのポーションのおかげで体も楽だしね」
ジークはうっすらと微笑んだ。
カレンが何を言い出すつもりなのかと、どこか余裕の表情で待ち構えるジークに、カレンは一呼吸置いたあと言った。
「ジーク様は、血筋の祝福のせいで何もできずにいる自分を役立たずだと思っておいでですね?」
「カレン様、なんてことを!?」
何よりもまず、サラが叫んだ。
ジークは笑顔を強ばらせ、固まっている。
「自分を役立たずだなんて思っているから、夜中に平民のわたしたちなどを起こしてしまったことごときで謝ったりするんです」
「ジーク様がお心の優しいお方だからです!」
「それもあるんでしょうけれど、そうは聞こえませんでした」
あの夜ジークが口にしたのは、無力感にまみれたあらゆる感情を押し殺すような響きの謝罪。
どうして子どもがそんなふうに謝るのか、一瞬ぎょっとしてしまうほどだった。
だから、カレンはジークに生き延びる気力がないことに気がついたのだ。
ジークが笑顔を消してカレンを見上げた。
「カレン、たとえぼくが本当にそう思っていたとしても、表だってエーレルト伯爵家の次期後継者であるぼくを侮辱するなら無事では済ませられないよ?」
「エーレルト伯爵家の後継者になるつもりはあるんですね。助かるとは思っていらっしゃらないのに」
「カレン」
幼く、体も弱っているのに人を従わせる響きのある声だ。
それ以上言えば容赦はしないと、言外に伝わってくる。
そんなジークとカレンの間に、サラが立ち塞がった。
「カレン様、あなた様はジーク様に大変よい影響をもたらしてくださっていますが、エーレルト伯爵家に仕える使用人としてこれ以上は看過できません。あなた様はFランクの錬金術師です。どうぞ、ご自身の身の程を弁えてください」
ジークが「Fランク……」と茫然と呟いていた。
今日まで知らなかったらしい。
この世界においてFランクは、ゴミ同然。
だからこそ当初、カレンは妥協するつもりだった。
「わたしだってこんなことを言うつもりはありませんでしたよ、サラさん。だって、相手は貴族です。不興を買わない程度に大人しく、自分の役目をコツコツとこなして帰るつもりでした」
「そうすればよかったのに」
ジークが吐き捨てるように言う。
そんなジークを見下ろして、カレンは言った。
「ジーク様を助けるため、まずはその勘違いから訂正させていただきます」
「……勘違い?」
ライオスの例がある。八歳から十四歳。
試行錯誤を繰り返すこと六年。
あの時と同じようにすればジークは助かるという確信が、カレンにはある。
だが、絶対に生きてやるという執念に満ちていたライオスとジークとでは違い過ぎる。
六年は、絶望し続けるには長すぎる。
「きっとわたしがいくら口であなたは役立たずなんかじゃないと言ったところで、信じてはくださらないでしょう。もしかしたらサラさんが言っても、ご両親のお言葉でも」
ライオスもそうだった。ジークもそうなのだろう。
暗い目つきで睨みつけてくる。相手が高位貴族の子どもだと思うと背筋に震えが走るので、カレンは考えないようにした。
「だからジーク様、あなたにできることがあると、証明します」
カレンはジークのベッドの横の机の上に書類を広げた。
サラは油断ない目つきでカレンを見張っていたものの、邪魔はしなかった。
「錬金術ギルドのギルド員から送ってもらった、過去の錬金術師の論文の題名の一覧表です。わたしはまだFランクなので中を見る許可がありませんが、誰がどのような研究をして、どんな栄誉を与えられたかくらいは見ることができます」
カレンがこの数日で、ナタリアに手紙を出して用意してもらったリストである。
ジークがその中の一枚を手にとり、うろんな眼差しでカレンを見上げた。
「『影響圏外における薬草の栽培』『魔物素材のポーション活用』『ポーションの品質向上のための魔石の使用実験』……これが何? 有名な実験だね。ぼくには何の関係もないように思えるけど」
「それぞれの実験に協力された貴族の方の名前も載っていますが、ご存じですか?」
「当然だよ。貴族社会でもその功績を認められた、高名な家だ。ぼくが血筋の祝福に倒れているから何も知らないとでも思った? 体が起こせた頃は、後継者教育だって受けていたんだ」
噛みつくような口調で言うジークに、カレンはにんまりと笑った。
ジークがビクっと体を震わせた。
教育で学んでいたなら、よりその価値を理解するだろう。
カレンは戸惑うジークに甘やかに囁いた。
「ジーク様も高名な方々と一緒に名前を連ねてみたいと思いませんか?」
「は?」
「そうですね、題名は『血筋の祝福の副作用を抑えるために効果的な無魔力素材ポーションの研究』なんてどうですか? もちろん、ポーションを実際に試すジーク様が協力者として名前を連ねるんです。そんなあなたが役立たずのはずがない」
いずれ、ポーションについては研究の成果として発表しようと思っていた。
錬金術師としてのカレンの実績となるだろう。
だが、その協力を貴族のジークに要請するつもりはなかった。
Fランクごときが貴族に研究協力のお願いなんて……と、そう思っていた。
ジークのために遠慮したわけじゃない。
ただ、カレンはどうせ受け入れられるわけがない、と日和ったのだ。
つまり、カレンはまた妥協しようとしていた。
でもジークがこの調子ならば、ジーク本人のためになる、と説得できる。
これから大勢の人を助けられるかもしれない研究に名を連ねておいて、自分を役立たずだなんて思うことはなくなるだろう。
カレンの研究に貴族のジークの名前を使えれば、研究成果が認められやすくなる。
「護国の研究の協力者として、エーレルト伯爵家の歴史に残る誇らしい人間になりたくありませんか?」
カレンは全力で誘いをかけた。
カレンが本気で成し遂げたいと願っていることだからこそ、ジークにとっても賭ける価値が生まれるのだ。
何より自分自身のために妥協をやめたカレンの誘惑だからこそ、ジークは呑まれた顔で、ごくりと息を呑んだ。
「そういえばカレン、知ってる? 無魔力素材によって作るポーションで一番有名なのは、毒なんだよ」
カレンに鑑定結果を見せられたジークはそう言った。
「ほら、錬金術って、素材への理解がなければポーションは作れないでしょう。鑑定すれば女神が与えた名前を見られる魔法植物と違って、無魔力植物を理解するのは難しい。でも、毒なら獣に与えて死ねばそれとわかる」
無魔力の素材で作ったポーションなんて、カレンは存在も知らなかった。
前世を覚えているカレンだけのチートかと思いきや、情報を制限されていただけらしい。
「どのような死に方をするかで分類できて、理解も進む。理解が進めばポーションにできる。ポーション未満で生成を止めれば、鑑定に引っかからない毒物も作れるし……どういうわけか無魔力素材のポーションは鑑定に引っかからない毒を持たせながら、別の魔法効果を持つポーションに見せかけることもできるんだって」
そう言ってカレンのポーションを見たジークは、ほとんどカレンのポーションを『熱を下げる』という効果を持っているように見せかけた強力な麻薬だと信じ込んでいるらしかった。
その構造はカレンもすぐに理解した。
たとえばベラドンナという毒は神経毒で、麻痺や錯乱状態を引き起こす。
でも、これを目に点眼すると黒目が大きくなるので、昔の貴婦人が自分を美しく見せるために目薬として使ったと、前世大好きだったロマンス系の小説で読んだことがある。
この効果のうち、『瞳を大きくする』という部分だけがポーション化していて、神経毒は魔法としてではなく植物として残っているのなら、それはジークの言うような毒々しいポーションになるだろう。
つまり、蜂蜜レモンを熱を下げるポーションにしても、他の色々な効能も残っていて、栄養にもなるのだ。
参考になるなあと思ったのもつかの間だ。
無魔力素材のポーションとは、成分をわかって作っているカレン以外の人間にとっては恐ろしい博打である。
よくFランク錬金術師が作るこんなポーションをジークに飲ませたなと思ったものの――それ以外に手の打ちようがもうないから、彼らも試してみるしかないのだ。
それだけこの家の人々が切羽詰まっているということを、カレンは理解していなかった。
理解して、頭を抱えて、この数日。
妥協はしないと決めた以上、カレンはジークとぶつからなければならない。
カレンはジークが朝食を食べ終わるのを見届けると話を切り出した。
「お話があるのですが、少々よろしいでしょうか?」
「構わないよ。カレンのポーションのおかげで体も楽だしね」
ジークはうっすらと微笑んだ。
カレンが何を言い出すつもりなのかと、どこか余裕の表情で待ち構えるジークに、カレンは一呼吸置いたあと言った。
「ジーク様は、血筋の祝福のせいで何もできずにいる自分を役立たずだと思っておいでですね?」
「カレン様、なんてことを!?」
何よりもまず、サラが叫んだ。
ジークは笑顔を強ばらせ、固まっている。
「自分を役立たずだなんて思っているから、夜中に平民のわたしたちなどを起こしてしまったことごときで謝ったりするんです」
「ジーク様がお心の優しいお方だからです!」
「それもあるんでしょうけれど、そうは聞こえませんでした」
あの夜ジークが口にしたのは、無力感にまみれたあらゆる感情を押し殺すような響きの謝罪。
どうして子どもがそんなふうに謝るのか、一瞬ぎょっとしてしまうほどだった。
だから、カレンはジークに生き延びる気力がないことに気がついたのだ。
ジークが笑顔を消してカレンを見上げた。
「カレン、たとえぼくが本当にそう思っていたとしても、表だってエーレルト伯爵家の次期後継者であるぼくを侮辱するなら無事では済ませられないよ?」
「エーレルト伯爵家の後継者になるつもりはあるんですね。助かるとは思っていらっしゃらないのに」
「カレン」
幼く、体も弱っているのに人を従わせる響きのある声だ。
それ以上言えば容赦はしないと、言外に伝わってくる。
そんなジークとカレンの間に、サラが立ち塞がった。
「カレン様、あなた様はジーク様に大変よい影響をもたらしてくださっていますが、エーレルト伯爵家に仕える使用人としてこれ以上は看過できません。あなた様はFランクの錬金術師です。どうぞ、ご自身の身の程を弁えてください」
ジークが「Fランク……」と茫然と呟いていた。
今日まで知らなかったらしい。
この世界においてFランクは、ゴミ同然。
だからこそ当初、カレンは妥協するつもりだった。
「わたしだってこんなことを言うつもりはありませんでしたよ、サラさん。だって、相手は貴族です。不興を買わない程度に大人しく、自分の役目をコツコツとこなして帰るつもりでした」
「そうすればよかったのに」
ジークが吐き捨てるように言う。
そんなジークを見下ろして、カレンは言った。
「ジーク様を助けるため、まずはその勘違いから訂正させていただきます」
「……勘違い?」
ライオスの例がある。八歳から十四歳。
試行錯誤を繰り返すこと六年。
あの時と同じようにすればジークは助かるという確信が、カレンにはある。
だが、絶対に生きてやるという執念に満ちていたライオスとジークとでは違い過ぎる。
六年は、絶望し続けるには長すぎる。
「きっとわたしがいくら口であなたは役立たずなんかじゃないと言ったところで、信じてはくださらないでしょう。もしかしたらサラさんが言っても、ご両親のお言葉でも」
ライオスもそうだった。ジークもそうなのだろう。
暗い目つきで睨みつけてくる。相手が高位貴族の子どもだと思うと背筋に震えが走るので、カレンは考えないようにした。
「だからジーク様、あなたにできることがあると、証明します」
カレンはジークのベッドの横の机の上に書類を広げた。
サラは油断ない目つきでカレンを見張っていたものの、邪魔はしなかった。
「錬金術ギルドのギルド員から送ってもらった、過去の錬金術師の論文の題名の一覧表です。わたしはまだFランクなので中を見る許可がありませんが、誰がどのような研究をして、どんな栄誉を与えられたかくらいは見ることができます」
カレンがこの数日で、ナタリアに手紙を出して用意してもらったリストである。
ジークがその中の一枚を手にとり、うろんな眼差しでカレンを見上げた。
「『影響圏外における薬草の栽培』『魔物素材のポーション活用』『ポーションの品質向上のための魔石の使用実験』……これが何? 有名な実験だね。ぼくには何の関係もないように思えるけど」
「それぞれの実験に協力された貴族の方の名前も載っていますが、ご存じですか?」
「当然だよ。貴族社会でもその功績を認められた、高名な家だ。ぼくが血筋の祝福に倒れているから何も知らないとでも思った? 体が起こせた頃は、後継者教育だって受けていたんだ」
噛みつくような口調で言うジークに、カレンはにんまりと笑った。
ジークがビクっと体を震わせた。
教育で学んでいたなら、よりその価値を理解するだろう。
カレンは戸惑うジークに甘やかに囁いた。
「ジーク様も高名な方々と一緒に名前を連ねてみたいと思いませんか?」
「は?」
「そうですね、題名は『血筋の祝福の副作用を抑えるために効果的な無魔力素材ポーションの研究』なんてどうですか? もちろん、ポーションを実際に試すジーク様が協力者として名前を連ねるんです。そんなあなたが役立たずのはずがない」
いずれ、ポーションについては研究の成果として発表しようと思っていた。
錬金術師としてのカレンの実績となるだろう。
だが、その協力を貴族のジークに要請するつもりはなかった。
Fランクごときが貴族に研究協力のお願いなんて……と、そう思っていた。
ジークのために遠慮したわけじゃない。
ただ、カレンはどうせ受け入れられるわけがない、と日和ったのだ。
つまり、カレンはまた妥協しようとしていた。
でもジークがこの調子ならば、ジーク本人のためになる、と説得できる。
これから大勢の人を助けられるかもしれない研究に名を連ねておいて、自分を役立たずだなんて思うことはなくなるだろう。
カレンの研究に貴族のジークの名前を使えれば、研究成果が認められやすくなる。
「護国の研究の協力者として、エーレルト伯爵家の歴史に残る誇らしい人間になりたくありませんか?」
カレンは全力で誘いをかけた。
カレンが本気で成し遂げたいと願っていることだからこそ、ジークにとっても賭ける価値が生まれるのだ。
何より自分自身のために妥協をやめたカレンの誘惑だからこそ、ジークは呑まれた顔で、ごくりと息を呑んだ。
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