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好きになれない2
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二階の角部屋の鍵を開けた真木に続いて中に入る。日和の住む学生マンションとさして変わらない広さの1LDK。日和も多くものを持つ方ではないが、更に上を行く殺風景さだ。生活していくための必要最低限、と言わんばかりにベッドとローテーブル。あとはパソコンくらいしか家電も家具もない。
「暖房、つけるから。適当にコート脱いで」
「あ、はい」
「かけるから、ちょうだい」
靴を脱いだところでコートを渡せば、さっとハンガーにかけて吊るされる。思えば真木は食事などの所作もきれいだ。しっかりと躾けられて育ったのだろうなと、ふとしたときに思う。だから、水原が言っていた「堅い家」というのも、想像はし易かった。
「すぐに温かくなるから」
その言葉通り、促がされるままローテーブルの前に座った日和の前髪を温風が撫ぜていく。廊下と一体化している台所からは、しゅんしゅんとお湯の沸く音がする。
小さく首を竦めたのが視界の端に留まったのか、ケトルの前に立っていた真木が笑った。
「日和は、本当に、寒いの駄目なんだな」
気負いのない雰囲気に、つられるようにして日和も肩から力が抜けた。
「俺の地元は、もうちょっと温かかったです。雪も降らなかったし」
「そう。俺の地元は、ここよりももう少し寒かったな。毎年、十センチは積もったよ、雪」
「へぇ」
「たまに五十センチとか積もるときもあって。そうなるとさすがに大変だったけど」
「羽山さんと同じなんでしたっけ」
「そう。と言っても、俺はもうぜんぜん帰ってないけど」
一瞬、日和は悩んだ。けれど、問う。
「なんで、ですか」
「居場所がないからかな」
マグカップに湯を注ぎながら、真木は淡々と答える。日和のほうは、一度も見なかった。
「帰りたいと思わないから、でもあるか。帰ったところで、煩わしいことしかないし。まぁ、だから」
自嘲じみた吐息と一緒に、真木が続ける。
「楽なほうに逃げてるだけだよ」
目の前に置かれたカップに、無言で日和は頭を下げた。指先を温めるように、両手で触れる。紅茶。彼が避けていた昔語り口にしたのは、なんでなんだろう。
「真木さんは、俺のなにが信じられないですか」
「案外、しつこいね。おまえも」
驚くでもなく真木が静かに笑った。手の中の水面を見つめながらの問いになってしまったけれど、どんな顔かは想像が付いた。次の言葉を発さない日和の代わりに真木が言う。
「おまえだったらさ、いくらでもいるでしょ、相手は。べつに、まぁ、女の子じゃなくても、男でも、おまえならいいって言うやつもいるかもしれないし。それなのに、なんでこんなのを好きだなんて思い込んだんだろうね」
「こんなのって……」
「大体、おまえ、男にそういうこと、できるわけ?」
日和はぱっと顔を上げた。
「それとも、なに。俺に抱いて欲しいの?」
揶揄う延長線の顔で、真木が眼を細める。滲み出す色めいた雰囲気に、泣きたいような気持になって、日和はぐっとカップに触れていた指先に力を込めた。感情を抑えて、声を吐き出す。
「どちらかと言うと、触りたいし、抱きたい、です」
「勃たないだろ」
「大丈夫です。実際、一回、勃ちましたから」
「……あ、そう」
白けた声で応じて、真木がマグカップに口を付けた。突き刺さるような沈黙が、胃に痛い。
――なんか、すごいこと言ってないか、俺。
ふと冷静になって振り返ってみると、なかなかにすごいことを口走ったような気がしてきた。引かれたかもしれない。
「あの」
意を決して顔を上げたのとほぼ同時に、カツン、とカップを机に置いた音がした。
「なら、試してみる?」
「え……」
「脱げよ。やってやるから」
なにを言われているのか、わからなかった。ただ、呆然とその顔を見つめているうちに、ゆっくりと近づいてくる。初めて見る、と。ただ、思った。そんな顔は、俺は知らない。そんな、誰かを誘うような。貶めるような。
「したかったんだろ」
気が付いたときには、背に柔らかいシーツの感触があった。背にしていたベッドに乗り上げるようにして押し倒されている。
「違うのか?」
日和の上で、真木が首を傾げる。呑まれるように、ただ日和は見ていた。視線が逸らせない。言葉は出なかった。
その日和を見とめて、真木がふっと笑った。鎖骨に触れていた指先が離れようとする。なんの名残もなく。
「だったら、止めとけ」
静かな声に、呪縛が解けていく。元通りの淡々とした声。
「おまえが、俺のどの面を見て、そんなふうに思ったのかは知らないけど。俺はおまえが好きだって思うような人間じゃないよ」
「っ、やめてください」
その手を、日和は掴んでいた。今、離したら、本当に最後だ。本能のようななにかが、背を押す。
真木は過分を求めない。そう思ったことを思い出していた。まるで、特別ななにかを持つことを恐れているように。
「そんなこと、言わないでください」
震えを押し込んだ声になった。見下ろしてくる瞳が見開かれたのは一瞬で、すぐにまた凪いだような色に戻る。この人の瞳は、もっと雄弁だったはずだった。
「俺は好きなんです。あなたが。あなただから」
「聞きたくない」
遮られたのは、なかったことにされたのは、これで三度目だ。静かで、それでいて強い頑なな声。
「聞きたくない」
それでも、と。紡ごうとした言葉を、同じ声が遮る。
「ちょ、……待っ――ぅ、……っん」
台詞を体現するように、覆いかぶさってきた唇がすべてを奪う。あの夜、日和が仕掛けたものよりも、ずっと、深かった。歯列を割って入ってきた舌先が舌を絡めとる。逃げを打とうとしていたはずのそれは、いつの間にか、応じ始めていた。もっと、と、身体の芯に熱が灯り始める寸前で、唐突に終わる。目の前で、濡れた唇が微笑を象っていく。
「煙草の匂い」
「真木さ……」
「吸うの?」
揶揄うような音だった。今のキスに深い意味もなにもなく、ただの気まぐれなのだというような音だった。
――なんで。
なんで、と思った。胸が、苦しい。
「真木さん」
精一杯が消えていく。俺の想いは、もうずっと宙に浮いたままだ。受け取られることも、拒否されることもないまま。ずっと、ずっと。
――好きなのに。
嫌いになんて、なれないのに。
「真木さんは、俺のなにがそんなに信じられないんですか」
誰かにこんな感情を向けたのははじめてだった。好きで、どうしようもなくて、腹が立って、そして、悔しくて、悲しい。
「なんで、そうやって、俺に見限らせるようなことばっかりするんですか」
手を掴んだまま、日和は一息に言いきった。ただ、知りたいだけだ。聞きたいだけだ。この人の口から。それのなにが駄目なのか、日和にはわからなかった。
日和の激情に圧されるように、真木の顔が揺れたような気がした。
「真木さん」
根比べの様相になっていることも自覚しながら、日和は繰り返した。逃がさない。逃がしたくない。視線を外したのは、真木の方だった。
「女が好きな男の言う『好き』なんて信じられるか」
感情のない声が吐き捨てる。
「それで痛い目を見るのは、いつもこっちだ」
その言葉に、日和は静かに息を呑んだ。ゆっくりと噛み砕こうとして、けれど、無理だった。
「あなたがどんな経験をしてきたのかなんて、俺は知りませんけど」
掴んだままの指先に、力が更に籠ったことも気が付いていた。きっと、痕になる。でも、それも無理だった。ふざけるな。
「その俺の知らない誰かと俺を一緒にして、俺の気持ちをなかったことにしないでください」
声が、震える。ふざけるな、と思った。ふざけるなよ。そんな理由で、――俺の知らない誰かの所為で、傷付くな。
「一人一人をしっかり見ろって。その子に誰かを重ねるようなことはするなって。いつも言ってくれていたのは、真木さんじゃないですか」
この人の過去になにがあったかなんて、日和は知らない。べつに、知らなくてもいい。今のこの人を、見て、知って、好きになった。それだけだ。
つぼみの子どもたちが、それぞれ独立した個人であるように。その個性を尊重して触れ合っているように。日和を、ただ日和として見て欲しかった。そして、その自分がした告白についての彼の答えが欲しかった。
真木の指が伸びてきた。日和の頬に触れる。
「泣くなよ」
困惑気味な声に、日和はやっと自分が泣いていることを知った。
「まるで俺が泣かしたみたいだろうが」
「みたいじゃなくて、そうなんですよっ」
子どもだと言われても否定できない有様だった。そして、この人は、最後のところで、結局、甘い。優しい。それが、たまらなく苦しかった。俺を見捨ててくれない。この一年を、なかったことにしてくれない。
「あんたが、俺を見てくれないから」
「日和」
呆れたような、あるいは諦めたような声だった。それでいて、どこまでも優しく落ちてくる。
「俺は、おまえがかわいいよ」
「……え?」
「おまえがいちばん、かわいい」
その瞳一杯に、自分の顔が映っている。抗えるわけがなかった。そのまま強く腕を引けば、簡単に身体が落ちてきた。だから、それが答えなのだと思うことにした。たまらなくて、頬に触れる。思っていたよりもずっと柔らかくて、なんだか子どもみたいで。顔を持ち上げて、キスをした。何度も、何度も。
日中につぼみで感じるような太陽の匂いではない、夜の匂いがした。
「暖房、つけるから。適当にコート脱いで」
「あ、はい」
「かけるから、ちょうだい」
靴を脱いだところでコートを渡せば、さっとハンガーにかけて吊るされる。思えば真木は食事などの所作もきれいだ。しっかりと躾けられて育ったのだろうなと、ふとしたときに思う。だから、水原が言っていた「堅い家」というのも、想像はし易かった。
「すぐに温かくなるから」
その言葉通り、促がされるままローテーブルの前に座った日和の前髪を温風が撫ぜていく。廊下と一体化している台所からは、しゅんしゅんとお湯の沸く音がする。
小さく首を竦めたのが視界の端に留まったのか、ケトルの前に立っていた真木が笑った。
「日和は、本当に、寒いの駄目なんだな」
気負いのない雰囲気に、つられるようにして日和も肩から力が抜けた。
「俺の地元は、もうちょっと温かかったです。雪も降らなかったし」
「そう。俺の地元は、ここよりももう少し寒かったな。毎年、十センチは積もったよ、雪」
「へぇ」
「たまに五十センチとか積もるときもあって。そうなるとさすがに大変だったけど」
「羽山さんと同じなんでしたっけ」
「そう。と言っても、俺はもうぜんぜん帰ってないけど」
一瞬、日和は悩んだ。けれど、問う。
「なんで、ですか」
「居場所がないからかな」
マグカップに湯を注ぎながら、真木は淡々と答える。日和のほうは、一度も見なかった。
「帰りたいと思わないから、でもあるか。帰ったところで、煩わしいことしかないし。まぁ、だから」
自嘲じみた吐息と一緒に、真木が続ける。
「楽なほうに逃げてるだけだよ」
目の前に置かれたカップに、無言で日和は頭を下げた。指先を温めるように、両手で触れる。紅茶。彼が避けていた昔語り口にしたのは、なんでなんだろう。
「真木さんは、俺のなにが信じられないですか」
「案外、しつこいね。おまえも」
驚くでもなく真木が静かに笑った。手の中の水面を見つめながらの問いになってしまったけれど、どんな顔かは想像が付いた。次の言葉を発さない日和の代わりに真木が言う。
「おまえだったらさ、いくらでもいるでしょ、相手は。べつに、まぁ、女の子じゃなくても、男でも、おまえならいいって言うやつもいるかもしれないし。それなのに、なんでこんなのを好きだなんて思い込んだんだろうね」
「こんなのって……」
「大体、おまえ、男にそういうこと、できるわけ?」
日和はぱっと顔を上げた。
「それとも、なに。俺に抱いて欲しいの?」
揶揄う延長線の顔で、真木が眼を細める。滲み出す色めいた雰囲気に、泣きたいような気持になって、日和はぐっとカップに触れていた指先に力を込めた。感情を抑えて、声を吐き出す。
「どちらかと言うと、触りたいし、抱きたい、です」
「勃たないだろ」
「大丈夫です。実際、一回、勃ちましたから」
「……あ、そう」
白けた声で応じて、真木がマグカップに口を付けた。突き刺さるような沈黙が、胃に痛い。
――なんか、すごいこと言ってないか、俺。
ふと冷静になって振り返ってみると、なかなかにすごいことを口走ったような気がしてきた。引かれたかもしれない。
「あの」
意を決して顔を上げたのとほぼ同時に、カツン、とカップを机に置いた音がした。
「なら、試してみる?」
「え……」
「脱げよ。やってやるから」
なにを言われているのか、わからなかった。ただ、呆然とその顔を見つめているうちに、ゆっくりと近づいてくる。初めて見る、と。ただ、思った。そんな顔は、俺は知らない。そんな、誰かを誘うような。貶めるような。
「したかったんだろ」
気が付いたときには、背に柔らかいシーツの感触があった。背にしていたベッドに乗り上げるようにして押し倒されている。
「違うのか?」
日和の上で、真木が首を傾げる。呑まれるように、ただ日和は見ていた。視線が逸らせない。言葉は出なかった。
その日和を見とめて、真木がふっと笑った。鎖骨に触れていた指先が離れようとする。なんの名残もなく。
「だったら、止めとけ」
静かな声に、呪縛が解けていく。元通りの淡々とした声。
「おまえが、俺のどの面を見て、そんなふうに思ったのかは知らないけど。俺はおまえが好きだって思うような人間じゃないよ」
「っ、やめてください」
その手を、日和は掴んでいた。今、離したら、本当に最後だ。本能のようななにかが、背を押す。
真木は過分を求めない。そう思ったことを思い出していた。まるで、特別ななにかを持つことを恐れているように。
「そんなこと、言わないでください」
震えを押し込んだ声になった。見下ろしてくる瞳が見開かれたのは一瞬で、すぐにまた凪いだような色に戻る。この人の瞳は、もっと雄弁だったはずだった。
「俺は好きなんです。あなたが。あなただから」
「聞きたくない」
遮られたのは、なかったことにされたのは、これで三度目だ。静かで、それでいて強い頑なな声。
「聞きたくない」
それでも、と。紡ごうとした言葉を、同じ声が遮る。
「ちょ、……待っ――ぅ、……っん」
台詞を体現するように、覆いかぶさってきた唇がすべてを奪う。あの夜、日和が仕掛けたものよりも、ずっと、深かった。歯列を割って入ってきた舌先が舌を絡めとる。逃げを打とうとしていたはずのそれは、いつの間にか、応じ始めていた。もっと、と、身体の芯に熱が灯り始める寸前で、唐突に終わる。目の前で、濡れた唇が微笑を象っていく。
「煙草の匂い」
「真木さ……」
「吸うの?」
揶揄うような音だった。今のキスに深い意味もなにもなく、ただの気まぐれなのだというような音だった。
――なんで。
なんで、と思った。胸が、苦しい。
「真木さん」
精一杯が消えていく。俺の想いは、もうずっと宙に浮いたままだ。受け取られることも、拒否されることもないまま。ずっと、ずっと。
――好きなのに。
嫌いになんて、なれないのに。
「真木さんは、俺のなにがそんなに信じられないんですか」
誰かにこんな感情を向けたのははじめてだった。好きで、どうしようもなくて、腹が立って、そして、悔しくて、悲しい。
「なんで、そうやって、俺に見限らせるようなことばっかりするんですか」
手を掴んだまま、日和は一息に言いきった。ただ、知りたいだけだ。聞きたいだけだ。この人の口から。それのなにが駄目なのか、日和にはわからなかった。
日和の激情に圧されるように、真木の顔が揺れたような気がした。
「真木さん」
根比べの様相になっていることも自覚しながら、日和は繰り返した。逃がさない。逃がしたくない。視線を外したのは、真木の方だった。
「女が好きな男の言う『好き』なんて信じられるか」
感情のない声が吐き捨てる。
「それで痛い目を見るのは、いつもこっちだ」
その言葉に、日和は静かに息を呑んだ。ゆっくりと噛み砕こうとして、けれど、無理だった。
「あなたがどんな経験をしてきたのかなんて、俺は知りませんけど」
掴んだままの指先に、力が更に籠ったことも気が付いていた。きっと、痕になる。でも、それも無理だった。ふざけるな。
「その俺の知らない誰かと俺を一緒にして、俺の気持ちをなかったことにしないでください」
声が、震える。ふざけるな、と思った。ふざけるなよ。そんな理由で、――俺の知らない誰かの所為で、傷付くな。
「一人一人をしっかり見ろって。その子に誰かを重ねるようなことはするなって。いつも言ってくれていたのは、真木さんじゃないですか」
この人の過去になにがあったかなんて、日和は知らない。べつに、知らなくてもいい。今のこの人を、見て、知って、好きになった。それだけだ。
つぼみの子どもたちが、それぞれ独立した個人であるように。その個性を尊重して触れ合っているように。日和を、ただ日和として見て欲しかった。そして、その自分がした告白についての彼の答えが欲しかった。
真木の指が伸びてきた。日和の頬に触れる。
「泣くなよ」
困惑気味な声に、日和はやっと自分が泣いていることを知った。
「まるで俺が泣かしたみたいだろうが」
「みたいじゃなくて、そうなんですよっ」
子どもだと言われても否定できない有様だった。そして、この人は、最後のところで、結局、甘い。優しい。それが、たまらなく苦しかった。俺を見捨ててくれない。この一年を、なかったことにしてくれない。
「あんたが、俺を見てくれないから」
「日和」
呆れたような、あるいは諦めたような声だった。それでいて、どこまでも優しく落ちてくる。
「俺は、おまえがかわいいよ」
「……え?」
「おまえがいちばん、かわいい」
その瞳一杯に、自分の顔が映っている。抗えるわけがなかった。そのまま強く腕を引けば、簡単に身体が落ちてきた。だから、それが答えなのだと思うことにした。たまらなくて、頬に触れる。思っていたよりもずっと柔らかくて、なんだか子どもみたいで。顔を持ち上げて、キスをした。何度も、何度も。
日中につぼみで感じるような太陽の匂いではない、夜の匂いがした。
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