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第三部
パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 4 ③
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生徒会に行くのが憚られて、そうかといって、寮の部屋に籠ってしまうのも、なんとなく気が進まないとなると、教室を出たところで、時間を潰すことができるところはほとんど残されていなかった。
成瀬がいるとは限らないけれど、図書室はなんだか今日は行きにくい。
――あたりまえのことだし、中等部にいたときもそうだったと思うけど、寮が一緒でクラスが一緒って、本当に逃げ場がないんだな。
櫻寮の説明会で、茅野が言っていたとおりだ。
中等部のときにそこまで息苦しさを感じなかったのは、まともな人間関係を築いていなかったからに違いない。
幾度目になるのかわからない溜息を呑み込み、教室を出る。自分が居残っていることで四谷が戻ることができなくなっているのではないかという気が湧いたからだ。
グラウンドからは部活の声が聞こえてくるが、廊下は随分と静かだった。自分で思っていたよりも、長く残ってしまっていたのかもしれない。
最近はあまり遅い時間にひとりでいたくないから、という――たぶん、ではなく、自分を気遣ってくれていたのだろうけれど――四谷と放課後をともにしていたころが、どうしようもなく、ただ懐かしい。
でも、じゃあ、どこにいるんだろう。岡は問題はないと言っていたけれど、行人はどうしても心配だった。自分よりよほど危機管理能力が高いことは承知していたけれど、それでも。
いや、俺が心配することじゃ、本当にないんだろうけど。自分自身に内心で言い聞かせてみたものの堪えきれず、行人は今度こそ溜息をこぼした。
校内を歩いて、仮に姿を見かけたところで、なにを言っていいかもわかっていないのに。
……なにやってんだろうな、俺。
もう一度溜息を吐き、うつむいたまま廊下を進んでいた行人だったが、人にぶつかりそうになって、慌てて立ち止まった。
「すみませ……」
顔を上げた瞬間、謝罪の言葉が途切れる。予想外の相手で、ひさしぶりに間近で接した相手だったからだ。
――なんで、気づかなかったんだろ……。
向こうが自分に興味はないとわかっていても、お互いの自衛のために、用事がない限り、強いアルファには近づかないようにしていたのに。注意力が散漫になりすぎていたとしか思えない。
「向原先輩」
ぎこちない呼びかけに、呆れたを通り越した嫌そうな視線を返された気がしてしまった。とは言っても、表情が変わったわけでもなかったので、自分の思い込みの可能性も拭いきれないのだが。
成瀬がいるとは限らないけれど、図書室はなんだか今日は行きにくい。
――あたりまえのことだし、中等部にいたときもそうだったと思うけど、寮が一緒でクラスが一緒って、本当に逃げ場がないんだな。
櫻寮の説明会で、茅野が言っていたとおりだ。
中等部のときにそこまで息苦しさを感じなかったのは、まともな人間関係を築いていなかったからに違いない。
幾度目になるのかわからない溜息を呑み込み、教室を出る。自分が居残っていることで四谷が戻ることができなくなっているのではないかという気が湧いたからだ。
グラウンドからは部活の声が聞こえてくるが、廊下は随分と静かだった。自分で思っていたよりも、長く残ってしまっていたのかもしれない。
最近はあまり遅い時間にひとりでいたくないから、という――たぶん、ではなく、自分を気遣ってくれていたのだろうけれど――四谷と放課後をともにしていたころが、どうしようもなく、ただ懐かしい。
でも、じゃあ、どこにいるんだろう。岡は問題はないと言っていたけれど、行人はどうしても心配だった。自分よりよほど危機管理能力が高いことは承知していたけれど、それでも。
いや、俺が心配することじゃ、本当にないんだろうけど。自分自身に内心で言い聞かせてみたものの堪えきれず、行人は今度こそ溜息をこぼした。
校内を歩いて、仮に姿を見かけたところで、なにを言っていいかもわかっていないのに。
……なにやってんだろうな、俺。
もう一度溜息を吐き、うつむいたまま廊下を進んでいた行人だったが、人にぶつかりそうになって、慌てて立ち止まった。
「すみませ……」
顔を上げた瞬間、謝罪の言葉が途切れる。予想外の相手で、ひさしぶりに間近で接した相手だったからだ。
――なんで、気づかなかったんだろ……。
向こうが自分に興味はないとわかっていても、お互いの自衛のために、用事がない限り、強いアルファには近づかないようにしていたのに。注意力が散漫になりすぎていたとしか思えない。
「向原先輩」
ぎこちない呼びかけに、呆れたを通り越した嫌そうな視線を返された気がしてしまった。とは言っても、表情が変わったわけでもなかったので、自分の思い込みの可能性も拭いきれないのだが。
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