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第三部
パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 3 ⑤
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「あれ。もしかして、人払いしてくれてたりした?」
生徒会室の扉を開けた荻原が、室内を見渡して、そんなことを言う。少し困ったような笑顔に、皓太は席に座ったまま苦笑を返した。
「そういうタイミングだっただけ。もともと長居しない人たちだし」
成瀬たちがいたころから補佐をしていた二年生の先輩たちが残ってくれることになったことは、本当に助かっているのだが。あいかわらずの「やることはやるが必要以上に干渉しない」というあっさりとしたスタンスのままだ。
そういうところを見込んで篠原が選んだという話は聞いたことがあったので、さすがの選定眼だなぁと思うことにしている。最低限はそれで整うだろうけど、もう少し人数揃えろよ、というありがたい助言もいただいてはいるが、そこはまだ実現途中だ。
「あぁ、まぁ、たしかにそうだよね。でも、成瀬先輩たちはそのくらいの特別視されない距離感が楽だったんだろうね」
「たぶんね」
だから気にしないで大丈夫と答えると、扉を閉めた荻原が近づいてきた。事務仕事を手伝ってくれるときに使用している椅子を引いた荻原に続けて問いかける。
「それで? 話ってなんだった? このあいだ気にしてくれるって言ってた四谷のこと?」
「それもそうなんだけど。もうひとつ共有しておきたいことができて」
「共有?」
「うん。俺からというか、寮生委員会からというか。早い話が寮長から聞いた話なんだけど」
点呼の報告に行ったときに、ちょうどいいからって教えてくれたんだけど、と深刻ぶらない調子で荻原が説明をする。
「はっきり証拠があるわけじゃないし、公表するつもりはなかったとも言ってたんだけどさ。つまるところ、そういうことがあったかもしれないっていう一年のフロア長への引継ぎだったんだけど」
「うん」
「というか、榛名ちゃんが鍵なくしたっていう話は聞いてたけど、そのあと誰かに入られたかもしれなかったんだって?」
「え……、あぁ、いや」
黙っていたことを責められた気分になって、皓太は言葉を濁した。当時同じ寮生委員だった荻原に言わなかったことは事実だが、明確な証拠がなかった上に、被害があったかもしれない本人が被害を認めなかったからだ。……まぁ、すべて言い訳ではあるのだけれど。
「その、本当に『かもしれない』を出ない話だったというか……、茅野さんが公表するつもりはなかったって言ってたのも、たぶん、それが理由だったと思うんだけど。そもそも、榛名が申告してなくて。それに、俺の実費で鍵も付け替えてるし」
申告をしなかった理由もわかるので、なんとも言いづらいのだが。言い訳がましい理由を並べた皓太だったが、はたと話を戻した。
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