上 下
83 / 186

第83話 武闘大会 開始

しおりを挟む
翌朝、ギルドでテレサと待ち合わせをして武闘国家に向かった。



「ダグラス君、紹介したのは私だけど本当にここでいいの?」



「?ああ。武闘大会に参加してみたいしな!」



「じゃあよかった!実はここってあまり治安が良くないんだよね…」



「そうなのか…まあ俺は気にしないから大丈夫だ。」



その後ギルドに到着してギルマスと話し、事情説明を終えた。



「俺はファビオだ!ギルマスだが気軽に話しかけてくれ!!」



「分かった。俺はダグラスだ。よろしくファビオ!」



「ああ!ところで、ここに書いてあることは本当か?」



「??何が書いてあるんだ?」



ファビオが1度周囲を見渡し、耳元で囁いた。



「これだよ!海龍を倒したとかスタンピードを1人で制圧したとか!」



「ああ。」



「っ!?そうか!!お前さん、Aランク昇格試験を受けられるがどうする?」



「じゃあ武闘大会に参加するからそれが終わったら頼む。」



「そういうことなら話が早い!!合格条件は武闘大会ベスト16入賞でどうだ?」



「分かった。それで頼む!」



わざわざ昇格試験を受けなくて済むのは楽で嬉しいが、武闘大会参加者の強さに左右される。

まあまあ自信はあるが、世界中から強者が集まるそうなので緊張している。



「それで、申し込みはもうしたか?」



「いや、まだだ。」



「そうか!じゃあ俺の方でやっておこう!」



「ありがとう。」



それから俺は”疲労軽減”スキルに頼って睡眠時間をぎりぎりまで削り、ビッグスライムを倒しまくって2週間で”物理攻撃無効”と”二刀流”がSランクになった。



『順調だな…!!』



そろそろ武闘大会の締め切りが近いので一旦ファビオのところに確認へ向かった。

決して信用していないという分けてはないが、心配になったのだ。



「おうダグラス!!久しぶりだな!!」



「ああ。ところでファビオ、俺の申し込みはもうしてくれたのか?」



「おう!!これがお前さんの参加番号だ。」



「ありがとう。」



番号は2256だった。



「なぁファビオ、この番号は先着順か?」



「ああ!今年は例年より参加人数が多いがまぁお前さんなら大丈夫だろう!!」



「ありがとう。」



それから俺は森林フィールドに向かった。



『あと2週間で”魔法武闘士”もSランクにあげたいが…』



そろそろ対人戦の経験を積みたいのだ。

俺が持ってる対人戦経験といえば師匠との訓練やハワードとの模擬戦くらいしかない。



『まぁそうは言っても対人戦ができる場所もないし気にしなくていいか!』



森林の奥に進んでいくと、サイクロプスAを見つけた。

非常に大きく、宿1軒分くらいの大きさがあった。



『思ってたよりでかいな…』



サイクロプスに”威圧”をかけてみると、その刹那右ストレートが飛んできた。



「っ!?」



俺は左に大きく跳躍して避けた。

その巨体が繰り広げる攻撃は暴風を伴っており、普通の人間では近づけないだろう。



『まさか脊髄反射で攻撃してくるとは…』



サイクロプスはここらで最強の魔物なので、初めて感じた恐怖に驚いたのだろうか。

そんなことを考えていると、大きな1つ目からビームのようなものが放たれた。



『っ!?あの目ビーム出るのか!?』



俺は咄嗟に盾で防いだが、特に衝撃もなにもなかった。



『…ん?なんだ?』



サイクロプスの攻撃は他になさそうなので、俺は”魔法武闘”で倒した。

”鑑定&略奪”してみると、”邪眼F”というスキルを習得した。

効果は目から邪眼のレーザーを放ち、当たった相手にランダムでデバフをかけるようだ。



『ランダムかぁ…一応ランク上げしておくか。』



ランダムは運任せなので、戦術に組み込めないので不便なのだ。



それから2週間トロール系とサイクロプスを倒しまくり、”魔法武闘”、トロール系から得られる”超再生”と”魔法攻撃耐性”はSランクになり、”邪眼”はAランクになった。

キングトロールとは遭遇できなかったので、”魔法攻撃無効”のスキル上げはできなかった。



『まあまあ上出来だな…』



もう辺りが真っ暗で静けさに満ちてきたので、俺は屋敷に帰った。



明日からついに武闘大会が始まる。

俺は期待と不安を抱きながら眠った。



翌朝、俺は武闘国家の中央にある闘技場に向かった。



「あ、ダグラス君!!そろそろ説明が始まるよ!!」



「おはようテレサ!じゃあ行ってくる。」



「頑張って!!」



「ああ!!」



闘技場の広大な観客席は全て人で埋まっていた。

参加者は闘技場の中に集まるようだ。

俺は前の人について闘技場の中に入った。



「それじゃあ始めるぞ!!!お前ら準備はいいかぁーーー!!!!」



「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生王子の異世界無双

海凪
ファンタジー
 幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。  特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……  魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!  それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

処理中です...