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第234話 第4ダンジョン 90層ボス戦
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ゴゴゴゴゴという鈍い音を立てながら装飾が施されたボス部屋の扉を開けた。
そこは今まで同様全方位の壁に松明が掛けられており、それにより眩く照らされた少し広めの空間だった。
しかし、松明の炎が赤色ではなく青色をしていて何とも不気味な感じだ。
『新遺跡のドラゴンを彷彿とさせ…っ!!』
中に入ると、部屋の奥にある1つの物陰から凄まじい闘気のようなものが感じられた。
そこにいたのは体長2mほどのコボルドで、騎士団のティーナような純白の全身鎧と槍を装備していた。
そして鎧の周囲に青白いオーラのようなものを纏っている。
『事前情報と違うな…』
ギルド情報によれば、90層のボスはコボルド種の最高位存在にしてSランク魔物のコボルドデストロイヤーであるはずだ。
コボルドデストロイヤーはその名の通り破壊の限りを尽くす暴虐な存在で、漆黒の鎧を装備し赤黒いオーラを纏っているという。
しかし、今目の前にいるコボルドは情報とは真逆である。
『”鑑定”結果は…っ!!Sランク魔物コボルドヒーローだと!?』
コボルドヒーロー、その名の通りコボルド種における英雄である。
侵略者からコボルド種を守るためにどんな敵でも倒す存在だ。
ちなみに魔物学的にはコボルドデストロイヤーの亜種と分類されている。
「おいアルフレッド、あのオーラはなんだ!?」
「俺達で言うところの”闘気操術”だな…」
そう、何も”闘気操術”を使えるのは人族だけではない。
人族はTPを纏うことで、魔物は生命と力の根源である魔素を纏うことで己を強化しているのだ。
魔素を纏うことで出来る魔物は最低でもAランク冒険者と同等以上のステータス値を誇るという。
この個体のステータス値はスーとほとんど互角である。
唯一異なる点といえば、HPは敵が上回りTPはスーが上回っていることくらいだ。
武器や防具の性能差はあまり無いようなので、槍の技量差で決着が着くだろう。
「スー、1人で大丈夫か?」
「もっちろん~!」
「気を付けてくださいね。」
「うんっ!」
俺達4人は壁際まで下がり、スーはコボルドヒーローが対峙した。
するとコボルドヒーローは右手を差し出し、来いよと言わんばかりに手をくいっとして挑発した。
「いっくよ~!!!!!」
スーは最初から全力で”闘気操術”を行使し、まさに音速を超えんとするほどの速度で距離を詰めた。
そして間合いに入るや否や、槍Lv.8“テンペストスピア“を行使して強力な7撃を放った。
それもシステムアシスト軌道ではなく、自身で判断した箇所目掛けて攻撃している。
対するコボルドヒーローはその場で槍Lv.7”ダンシングスピア”を行使し、攻撃を回避またはいなしつつ反撃を狙っているようだ。
最初の2撃を最小限の動きで回避すると、続く3撃もいなして6撃目が来る前にスーの右横腹目掛けて突きを放った。
まさに驚くべき技量である。
だが、スーはその人並外れた動体視力で予備動作を見て反撃を感知していたようだ。
6撃目を放つ前に”テンペストスピア”を強制停止し、さらに”ダンシングスピア”にスキルチェインして迎撃態勢を取っていた。
スーの方も流石というべきか、コボルドヒーローに負けず劣らずの技量である。
「…っ!!まじかよ!」
コボルドヒーローの攻撃を回避しつつ一突きまたは攻撃をパリィしてできた隙へ一突きで決着すると思っていたのだが、予想は裏切られた。
コボルドヒーローはスーが即座に迎撃態勢を取ったことに気付き、攻撃の手を止めたのだ。
お互いに距離を取ると、スーとコボルドヒーローは口元に笑みを浮かべた。
今の攻防で息が上がったらしく、ボス部屋にはコボルドヒーローの乱れた呼吸だけが響いた。
その静寂を先に破ったのはコボルドヒーローだった。
槍Lv.6“ジェットスピア“を行使し、一瞬で間合いを詰めて強力な1撃を放った。
その攻撃は突風を引き起こすほど早く、常人では目で追えないほど早かった。
だが、スーは何やら残念そうな表情で溜め息をついていた。
いつも模擬戦が終わるときに一瞬だけ垣間見える表情と同じだ。
「…決着か。」
スーはコボルドヒーローの強力な1撃を槍Lv.2”スラッシュスピア”でパリィし、隙が出来たところへ槍Lv.9”フェイタルスピア”を行使した。
その超強力な1撃は純白の鎧を砕き、心臓部を貫いた。
大量にあったHPは1撃で8割以上削り取られ、コボルドヒーローは地面に倒れた。
そして満足げな表情で笑うと、出血による継続ダメージで魔石を残して靄になって消えた。
「終わったよ~」
「手強かったですね。」
「相手の最後の攻撃、オレにはパリィ出来そうもなかったぜ…」
「そうかな~?本気のアイリスくらいの早さだったよ~?」
「そ、それが難しいってことなのです。」
今まで数えきれないほどの魔物を倒してきたが、過去1番の技量の持ち主だったと断言できる。
もう少し体力があり、かつ最後に決着を急がなければもう少し善戦できていただろう。
是非4人と一緒に模擬戦をして鍛えたいと思う相手だった。
『…魔物だけど惜しい人材だったな。』
そこは今まで同様全方位の壁に松明が掛けられており、それにより眩く照らされた少し広めの空間だった。
しかし、松明の炎が赤色ではなく青色をしていて何とも不気味な感じだ。
『新遺跡のドラゴンを彷彿とさせ…っ!!』
中に入ると、部屋の奥にある1つの物陰から凄まじい闘気のようなものが感じられた。
そこにいたのは体長2mほどのコボルドで、騎士団のティーナような純白の全身鎧と槍を装備していた。
そして鎧の周囲に青白いオーラのようなものを纏っている。
『事前情報と違うな…』
ギルド情報によれば、90層のボスはコボルド種の最高位存在にしてSランク魔物のコボルドデストロイヤーであるはずだ。
コボルドデストロイヤーはその名の通り破壊の限りを尽くす暴虐な存在で、漆黒の鎧を装備し赤黒いオーラを纏っているという。
しかし、今目の前にいるコボルドは情報とは真逆である。
『”鑑定”結果は…っ!!Sランク魔物コボルドヒーローだと!?』
コボルドヒーロー、その名の通りコボルド種における英雄である。
侵略者からコボルド種を守るためにどんな敵でも倒す存在だ。
ちなみに魔物学的にはコボルドデストロイヤーの亜種と分類されている。
「おいアルフレッド、あのオーラはなんだ!?」
「俺達で言うところの”闘気操術”だな…」
そう、何も”闘気操術”を使えるのは人族だけではない。
人族はTPを纏うことで、魔物は生命と力の根源である魔素を纏うことで己を強化しているのだ。
魔素を纏うことで出来る魔物は最低でもAランク冒険者と同等以上のステータス値を誇るという。
この個体のステータス値はスーとほとんど互角である。
唯一異なる点といえば、HPは敵が上回りTPはスーが上回っていることくらいだ。
武器や防具の性能差はあまり無いようなので、槍の技量差で決着が着くだろう。
「スー、1人で大丈夫か?」
「もっちろん~!」
「気を付けてくださいね。」
「うんっ!」
俺達4人は壁際まで下がり、スーはコボルドヒーローが対峙した。
するとコボルドヒーローは右手を差し出し、来いよと言わんばかりに手をくいっとして挑発した。
「いっくよ~!!!!!」
スーは最初から全力で”闘気操術”を行使し、まさに音速を超えんとするほどの速度で距離を詰めた。
そして間合いに入るや否や、槍Lv.8“テンペストスピア“を行使して強力な7撃を放った。
それもシステムアシスト軌道ではなく、自身で判断した箇所目掛けて攻撃している。
対するコボルドヒーローはその場で槍Lv.7”ダンシングスピア”を行使し、攻撃を回避またはいなしつつ反撃を狙っているようだ。
最初の2撃を最小限の動きで回避すると、続く3撃もいなして6撃目が来る前にスーの右横腹目掛けて突きを放った。
まさに驚くべき技量である。
だが、スーはその人並外れた動体視力で予備動作を見て反撃を感知していたようだ。
6撃目を放つ前に”テンペストスピア”を強制停止し、さらに”ダンシングスピア”にスキルチェインして迎撃態勢を取っていた。
スーの方も流石というべきか、コボルドヒーローに負けず劣らずの技量である。
「…っ!!まじかよ!」
コボルドヒーローの攻撃を回避しつつ一突きまたは攻撃をパリィしてできた隙へ一突きで決着すると思っていたのだが、予想は裏切られた。
コボルドヒーローはスーが即座に迎撃態勢を取ったことに気付き、攻撃の手を止めたのだ。
お互いに距離を取ると、スーとコボルドヒーローは口元に笑みを浮かべた。
今の攻防で息が上がったらしく、ボス部屋にはコボルドヒーローの乱れた呼吸だけが響いた。
その静寂を先に破ったのはコボルドヒーローだった。
槍Lv.6“ジェットスピア“を行使し、一瞬で間合いを詰めて強力な1撃を放った。
その攻撃は突風を引き起こすほど早く、常人では目で追えないほど早かった。
だが、スーは何やら残念そうな表情で溜め息をついていた。
いつも模擬戦が終わるときに一瞬だけ垣間見える表情と同じだ。
「…決着か。」
スーはコボルドヒーローの強力な1撃を槍Lv.2”スラッシュスピア”でパリィし、隙が出来たところへ槍Lv.9”フェイタルスピア”を行使した。
その超強力な1撃は純白の鎧を砕き、心臓部を貫いた。
大量にあったHPは1撃で8割以上削り取られ、コボルドヒーローは地面に倒れた。
そして満足げな表情で笑うと、出血による継続ダメージで魔石を残して靄になって消えた。
「終わったよ~」
「手強かったですね。」
「相手の最後の攻撃、オレにはパリィ出来そうもなかったぜ…」
「そうかな~?本気のアイリスくらいの早さだったよ~?」
「そ、それが難しいってことなのです。」
今まで数えきれないほどの魔物を倒してきたが、過去1番の技量の持ち主だったと断言できる。
もう少し体力があり、かつ最後に決着を急がなければもう少し善戦できていただろう。
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