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第231話 第4ダンジョン トラップハウス
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まずはトラップハウスに挑戦する資格を示すために部屋を隠している仕組みを解く必要がある。
”罠探知”で罠の場所を突き止め、”罠解除”を行使して難なくクリアした。
すると、サラサラと土壁の一部が砂のように崩れ落ちて入り口が現れた。
「じゃあ行ってくる。」
「気を付けてね~」
「ああ。」
皆に手を振って入り口を抜け…ようとしたが歩みを止めた。
足元に極細のワイヤートラップが仕掛けられていたのだ。
ワイヤーの続く先は左右の壁で、引っかかると腰に毒矢が飛んでくる仕組みのようだ。
『初っ端からなかなかのものだな…』
トラップハウスは誰が作ったのか不明だが、非常に意地が悪いことで知られている。
人が油断するであろうところへ的確に罠が仕掛けられているからだ。
こんな話がある。
ある男性が即死級トラップハウスの罠を全て解除すると、目の前に宝箱が現れた。
どのトラップハウスでも完全攻略すると報酬の宝箱が現れるので、その男性は喜び宝箱に手を伸ばした。
そして宝箱に触れた次の瞬間、真っ赤な血しぶきと共に男性の手が宙を舞った。
その宝箱は完全攻略した報酬ではなく、最後の罠として配置された高レベルのミミックだったのだ。
人間は目標を達成するその瞬間、大きな油断が生まれる。
トラップハウスはその一瞬を突いたのだ。
『…気を引き締めて挑もう。』
ワイヤートラップを解除し、今度こそトラップハウスの入り口を抜けて中に入った。
そこは奥に敷かれている何色ものタイル以外は一見何もない空間だが、至る所に罠が仕掛けられている。
そして部屋の最奥には何やらボタンのようなものがポツンとおいてある。
『あれを押せばいいのか?…いや、あれも罠だ。』
ひとまず目の前にある罠から順番に解除していこう…と思ったがそれは悪手のようだ。
この部屋は罠が連動しており、正しい順番で解除しなければ他の罠が発動する仕組みになっている。
例えば目の前にある落とし穴を解除すれば、左右から斧が降りかかってくるといった具合だ。
『面倒くさいな。まずは罠の連動を正確に見極める必要があるのか…』
こちらの罠を解除したら向こうの罠が発動するため、向こうの罠を先に解除する必要がある。
向こうの罠を解除したらさらにあちらの罠が発動するため、あちらの罠を先に解除する必要がある。
あちらの罠を解除したら…(以下略)
と、まるで大掛かりなパズルを解いているような気分だ。
最悪罠が発動しても身体能力である程度は何とかなりそうだが、無事に済むとは言い切れない。
数十分かけて部屋の中をよく観察し、何とか罠の連動を把握した。
『部屋の最奥にあるボタンからか…まさかあれが最初だとはな…』
まずは落とし穴に落ちないよう右回りで有効範囲を避けつつ慎重に歩く。
この落とし穴は土の床と完全にカモフラージュされており、さらに落ちた先には巨大な針山があるため常人であれば重傷は免れられない。
俺は吸血鬼の羽で飛べば助かるだろうが、飛翔する種族用に天井にも連動している罠が仕掛けられているため気を付ける必要がある。
1歩1歩落ち着いて足を運び、落とし穴の真横まで到達した。
ここには足元に極細のワイヤーが仕掛けられており、引っかかると左右から斧が襲い掛かってくる。
まずは利き足である右足をゆっくり持ち上げ、ワイヤーをまたいで向こうに足を着いた。
続いて右足に重心を傾けて左前をゆっくり持ち上げ、こちらもワイヤーをまたいだ。
そしてその勢いのまま残りの半円を進んで落とし穴をくぐり抜けた。
『ふぅ…これで三分の一か…』
次は地面にばら撒かれた地雷の数々だ。
地上ではグリフィン伯爵家しか火薬を扱っていないのに、まさかダンジョン内にあるとは思わなかった。
とはいえ火薬量が少ないうえに金属片が混ざっていないため、せいぜい足を火傷する程度で済むだろう。
前世で使われていた地雷に比べれば何倍も生易しいものだ。
”罠探知”で爆弾が埋められている箇所を正確に把握し、避けて歩く。
そして数m進み、地雷原の中心部分まで到達した。
ここにはスパイもので出てくる赤外線センサーのように空中にワイヤーが仕掛けられている。
だが他の罠と連動せず独立しており、さらに引っかかって発動する斧や毒矢なども設置されていない。
効果を調べるべく試しに”アイテムボックス”から紙片を取り出してワイヤーにぶつけてみた。
すると紙片に一瞬光が走った後、ワイヤーに触れていた部分から火が付いた。
どうやらこれらのワイヤーには電流かなにかが流れているのだろう。
俺は戦闘のために鍛えた柔軟な身体を駆使し、何とか1度も触れることなくワイヤー帯を潜り抜けた。
そして残り半分の地雷原も踏まずに進み、一息ついた。
『これで三分の二…』
最後は名前が良く分からない5色のタイルが敷かれた謎の罠だ。
”鑑定”によると赤、胡桃、竜胆、褐色、緑の5色らしい。
間違った色の順番でタイルを踏むと、天井から槍の雨が降ってくるようだ。
『普通赤、青、緑、黄、紫とかだよな…ってか胡桃とか竜胆とか知らんし。』
今までの罠から法則性を導き出すのかと思い考えるも、全然思いつかない。
俺は頭が固いので、こういった問題はクレアやスーの方が得意だ。
『あか、かっしょく、くるみ…っ!!しりとりになってるのか!!』
今までの罠の難易度に比べたら思いのほか簡単な気がする。
これすら罠かと他の法則性を考えるも、思いつかないのでこれが正解だろう。
念のため頭上に盾を構えながらしりとりの順にタイルを踏み、何事もなく無事にボタンの前に到着した。
『さて…そしたら順番に解除していくか。』
そこからはただ順番に”罠解除”を行使するだけの作業だった。
全ての罠を解除し終えると、部屋の中央に宝箱が出現した。
”探知”系スキルを駆使した結果、これはある男性の話とは異なりただの宝箱のようだ。
5人で一緒に見ようと思い、”アイテムボックス”に収納してトラップハウスを出た。
”罠探知”で罠の場所を突き止め、”罠解除”を行使して難なくクリアした。
すると、サラサラと土壁の一部が砂のように崩れ落ちて入り口が現れた。
「じゃあ行ってくる。」
「気を付けてね~」
「ああ。」
皆に手を振って入り口を抜け…ようとしたが歩みを止めた。
足元に極細のワイヤートラップが仕掛けられていたのだ。
ワイヤーの続く先は左右の壁で、引っかかると腰に毒矢が飛んでくる仕組みのようだ。
『初っ端からなかなかのものだな…』
トラップハウスは誰が作ったのか不明だが、非常に意地が悪いことで知られている。
人が油断するであろうところへ的確に罠が仕掛けられているからだ。
こんな話がある。
ある男性が即死級トラップハウスの罠を全て解除すると、目の前に宝箱が現れた。
どのトラップハウスでも完全攻略すると報酬の宝箱が現れるので、その男性は喜び宝箱に手を伸ばした。
そして宝箱に触れた次の瞬間、真っ赤な血しぶきと共に男性の手が宙を舞った。
その宝箱は完全攻略した報酬ではなく、最後の罠として配置された高レベルのミミックだったのだ。
人間は目標を達成するその瞬間、大きな油断が生まれる。
トラップハウスはその一瞬を突いたのだ。
『…気を引き締めて挑もう。』
ワイヤートラップを解除し、今度こそトラップハウスの入り口を抜けて中に入った。
そこは奥に敷かれている何色ものタイル以外は一見何もない空間だが、至る所に罠が仕掛けられている。
そして部屋の最奥には何やらボタンのようなものがポツンとおいてある。
『あれを押せばいいのか?…いや、あれも罠だ。』
ひとまず目の前にある罠から順番に解除していこう…と思ったがそれは悪手のようだ。
この部屋は罠が連動しており、正しい順番で解除しなければ他の罠が発動する仕組みになっている。
例えば目の前にある落とし穴を解除すれば、左右から斧が降りかかってくるといった具合だ。
『面倒くさいな。まずは罠の連動を正確に見極める必要があるのか…』
こちらの罠を解除したら向こうの罠が発動するため、向こうの罠を先に解除する必要がある。
向こうの罠を解除したらさらにあちらの罠が発動するため、あちらの罠を先に解除する必要がある。
あちらの罠を解除したら…(以下略)
と、まるで大掛かりなパズルを解いているような気分だ。
最悪罠が発動しても身体能力である程度は何とかなりそうだが、無事に済むとは言い切れない。
数十分かけて部屋の中をよく観察し、何とか罠の連動を把握した。
『部屋の最奥にあるボタンからか…まさかあれが最初だとはな…』
まずは落とし穴に落ちないよう右回りで有効範囲を避けつつ慎重に歩く。
この落とし穴は土の床と完全にカモフラージュされており、さらに落ちた先には巨大な針山があるため常人であれば重傷は免れられない。
俺は吸血鬼の羽で飛べば助かるだろうが、飛翔する種族用に天井にも連動している罠が仕掛けられているため気を付ける必要がある。
1歩1歩落ち着いて足を運び、落とし穴の真横まで到達した。
ここには足元に極細のワイヤーが仕掛けられており、引っかかると左右から斧が襲い掛かってくる。
まずは利き足である右足をゆっくり持ち上げ、ワイヤーをまたいで向こうに足を着いた。
続いて右足に重心を傾けて左前をゆっくり持ち上げ、こちらもワイヤーをまたいだ。
そしてその勢いのまま残りの半円を進んで落とし穴をくぐり抜けた。
『ふぅ…これで三分の一か…』
次は地面にばら撒かれた地雷の数々だ。
地上ではグリフィン伯爵家しか火薬を扱っていないのに、まさかダンジョン内にあるとは思わなかった。
とはいえ火薬量が少ないうえに金属片が混ざっていないため、せいぜい足を火傷する程度で済むだろう。
前世で使われていた地雷に比べれば何倍も生易しいものだ。
”罠探知”で爆弾が埋められている箇所を正確に把握し、避けて歩く。
そして数m進み、地雷原の中心部分まで到達した。
ここにはスパイもので出てくる赤外線センサーのように空中にワイヤーが仕掛けられている。
だが他の罠と連動せず独立しており、さらに引っかかって発動する斧や毒矢なども設置されていない。
効果を調べるべく試しに”アイテムボックス”から紙片を取り出してワイヤーにぶつけてみた。
すると紙片に一瞬光が走った後、ワイヤーに触れていた部分から火が付いた。
どうやらこれらのワイヤーには電流かなにかが流れているのだろう。
俺は戦闘のために鍛えた柔軟な身体を駆使し、何とか1度も触れることなくワイヤー帯を潜り抜けた。
そして残り半分の地雷原も踏まずに進み、一息ついた。
『これで三分の二…』
最後は名前が良く分からない5色のタイルが敷かれた謎の罠だ。
”鑑定”によると赤、胡桃、竜胆、褐色、緑の5色らしい。
間違った色の順番でタイルを踏むと、天井から槍の雨が降ってくるようだ。
『普通赤、青、緑、黄、紫とかだよな…ってか胡桃とか竜胆とか知らんし。』
今までの罠から法則性を導き出すのかと思い考えるも、全然思いつかない。
俺は頭が固いので、こういった問題はクレアやスーの方が得意だ。
『あか、かっしょく、くるみ…っ!!しりとりになってるのか!!』
今までの罠の難易度に比べたら思いのほか簡単な気がする。
これすら罠かと他の法則性を考えるも、思いつかないのでこれが正解だろう。
念のため頭上に盾を構えながらしりとりの順にタイルを踏み、何事もなく無事にボタンの前に到着した。
『さて…そしたら順番に解除していくか。』
そこからはただ順番に”罠解除”を行使するだけの作業だった。
全ての罠を解除し終えると、部屋の中央に宝箱が出現した。
”探知”系スキルを駆使した結果、これはある男性の話とは異なりただの宝箱のようだ。
5人で一緒に見ようと思い、”アイテムボックス”に収納してトラップハウスを出た。
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