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第192話 第18ダンジョン 上層攻略②
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10層のボス部屋で軽く昼食を取り、食休みを終えた。
「さて…先に進むか、それともいつも通りここで模擬戦をしていくかどっちがいい?」
「オレは模擬戦!」
「まだ時間的に早いので、私は20層か30層で模擬戦をしたいです。」
「あたしはアイリスに賛成~」
「ボ、ボクも。」
「じゃあクレアには悪いが先に進もう。」
「おう!全然いいぜ!」
記録の扉の登録だけ行い、11層へ続く階段を上った。
到着すると同時に“邪神教徒探知“を全体に行使したが、反応はなかった。
『…下層には降りてきてないようだな。』
それから探知系ユニークスキルを駆使して順調に進み、18層に到着した。
そこは無機質な壁や天井はいつも通りだが、1つ違う点がある。
「あと2層でボス戦…何か聞こえませんか?」
「いや…少なくとも“邪神教徒探知“には反応がないな。」
“盗賊探知“や“犯罪者探知“も行使してみたが、反応はない。
話し声が聞こえるのは間違いないので、派生スキル“冒険者探知“を習得して行使すると6つの反応があった。
屈強な男達が装備を固めているので間違いなく同業者だろう。
『次なる犠牲者か…?』
もし彼らが何らかの魔道具やスキルで邪神教徒達に観測されていた場合、接触すると俺達にも注意が向くかもしれない。
若干とはいえ疲労は溜まっている上に上層の記録の扉を登録していない今、行動を起こすわけにはいかない。
仕方ないが彼らは無視して見殺しにするしかないだろう。
せめて邪神教徒の手から逃れられるのを祈ることしかできない。
「…念のため息を潜めて進むぞ。」
「はいなのです。」
“冒険者探知“を駆使して彼らと遭遇しないように道を選び、じわじわと進んでいった。
クレアがじれったそうにしていたが、アイリスが抑えてくれたおかげで騒がしくなることはなかった。
『19層へ向かう階段まであと少しだが…彼らの背後をすり抜ける必要があるな。』
現在地は18層の中間地点辺りで、あと3回曲がり角を曲がったら彼らと出くわしてしまう。
悩んでいると、彼らが階段とは真逆で行き止まりの道へ歩み始めた。
「…少し急ぐぞ。」
「ぉぉぉ…」
「グールなのです?」
「…多分な。遠くにいるみたいだし、無視して進むぞ。」
彼らの動きが止まったので、今微かに聞こえた声はおそらく宝箱を見つけて喜んだ声だろう。
イザベルにグールと勘違いされていて笑いそうになったが、深呼吸してなんとか堪えた。
彼らが行く先々の魔物を倒しているおかげで1度も魔物に遭遇することなく19層に到着した。
そして彼らと距離を取るべく、速やかに最短ルートを進んで20層のボス部屋へ到着した。
「…開けるぞ。」
「おう!」
ゴゴゴと重い扉を押し開けると、中には体長6mほどあるノソノソとした巨人、Bランク魔物のウォートロールがいた。
だが通常種より一回り身体が大きく、目も赤く血走っている。
おそらくトロール種の厄介なユニークスキル”再生”も効果が高まっているだろう。
「作戦1だ!!」
「はい!」
作戦1とはイザベルとクレアがヘイトを買ってそれぞれタンクの役割を担い、俺達で攻撃を加える。
つまるところいつも通りの隊列で戦うだけだ。
「グオォォォ!!!」
ウォートロールはイザベル目掛けて殴打したが、回避型タンクの速度に翻弄されて当たらない。
隙ができたところへクレアが両手剣Lv.1“スラッシュ“を行使し、SSランク武器の性能も相まって綺麗に右腕を切り落とした。
切り落とされた腕は靄になって消え、それと同時に切断部がまるで水が沸騰しているかようにブクブクと再生し始めた。
「再生する暇を与えるな!!」
そう言い終わるころには切り落とされた腕が完全に再生していた。
通常種の何十倍もの速さで、かつ再生部分の筋肉が先程よりも隆起している。
どうやら再生すればするほど再生した部位が強化されていく厄介な性質を持つようだ。
「同時攻撃で仕留めろ!!」
掛け声に合わせてアイリスがヘイトを買って隙を作り、そこへイザベルが棍棒Lv.5”スタンブラント”でウォートロールをスタン状態にした。
そしてクレアが両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”、スーが槍Lv.9”スピアディザスター”、俺が弓Lv.5”バーストアロー”を同時に行使した。
無数の斬撃と無数の突きでウォートロールの身体は粉々になり、そこへ放たれた矢は細切れの身体に突き刺さるとともに爆発した。
「…やったのです?」
「ああ。」
黒煙が立ち消えると、そこには大きな魔石だけがあった。
”鑑定”で死ぬ様子を観察していたが、吸血鬼と同じシステムでHPを消費して再生していたらしい。
爆発で空いた傷を再生しようと10万あったHPを残り100まで削ったが、それでも足りなかったようで出血による継続ダメージで死んだ。
「ふぅ…さて、今日はここで模擬戦して帰るか。」
「おう!!待ってたぜ!!」
それから夕方まで3時間ほど思い切り身体を動かし、皆は今日も今日とて満足感を得たようだ。
18層で見つけたパーティーは扉をくぐる直前にここへ辿り着き、ボス部屋の前で準備をしていた。
彼らがボス戦に成功することを願いながらパーティーハウスへ帰った。
「さて…先に進むか、それともいつも通りここで模擬戦をしていくかどっちがいい?」
「オレは模擬戦!」
「まだ時間的に早いので、私は20層か30層で模擬戦をしたいです。」
「あたしはアイリスに賛成~」
「ボ、ボクも。」
「じゃあクレアには悪いが先に進もう。」
「おう!全然いいぜ!」
記録の扉の登録だけ行い、11層へ続く階段を上った。
到着すると同時に“邪神教徒探知“を全体に行使したが、反応はなかった。
『…下層には降りてきてないようだな。』
それから探知系ユニークスキルを駆使して順調に進み、18層に到着した。
そこは無機質な壁や天井はいつも通りだが、1つ違う点がある。
「あと2層でボス戦…何か聞こえませんか?」
「いや…少なくとも“邪神教徒探知“には反応がないな。」
“盗賊探知“や“犯罪者探知“も行使してみたが、反応はない。
話し声が聞こえるのは間違いないので、派生スキル“冒険者探知“を習得して行使すると6つの反応があった。
屈強な男達が装備を固めているので間違いなく同業者だろう。
『次なる犠牲者か…?』
もし彼らが何らかの魔道具やスキルで邪神教徒達に観測されていた場合、接触すると俺達にも注意が向くかもしれない。
若干とはいえ疲労は溜まっている上に上層の記録の扉を登録していない今、行動を起こすわけにはいかない。
仕方ないが彼らは無視して見殺しにするしかないだろう。
せめて邪神教徒の手から逃れられるのを祈ることしかできない。
「…念のため息を潜めて進むぞ。」
「はいなのです。」
“冒険者探知“を駆使して彼らと遭遇しないように道を選び、じわじわと進んでいった。
クレアがじれったそうにしていたが、アイリスが抑えてくれたおかげで騒がしくなることはなかった。
『19層へ向かう階段まであと少しだが…彼らの背後をすり抜ける必要があるな。』
現在地は18層の中間地点辺りで、あと3回曲がり角を曲がったら彼らと出くわしてしまう。
悩んでいると、彼らが階段とは真逆で行き止まりの道へ歩み始めた。
「…少し急ぐぞ。」
「ぉぉぉ…」
「グールなのです?」
「…多分な。遠くにいるみたいだし、無視して進むぞ。」
彼らの動きが止まったので、今微かに聞こえた声はおそらく宝箱を見つけて喜んだ声だろう。
イザベルにグールと勘違いされていて笑いそうになったが、深呼吸してなんとか堪えた。
彼らが行く先々の魔物を倒しているおかげで1度も魔物に遭遇することなく19層に到着した。
そして彼らと距離を取るべく、速やかに最短ルートを進んで20層のボス部屋へ到着した。
「…開けるぞ。」
「おう!」
ゴゴゴと重い扉を押し開けると、中には体長6mほどあるノソノソとした巨人、Bランク魔物のウォートロールがいた。
だが通常種より一回り身体が大きく、目も赤く血走っている。
おそらくトロール種の厄介なユニークスキル”再生”も効果が高まっているだろう。
「作戦1だ!!」
「はい!」
作戦1とはイザベルとクレアがヘイトを買ってそれぞれタンクの役割を担い、俺達で攻撃を加える。
つまるところいつも通りの隊列で戦うだけだ。
「グオォォォ!!!」
ウォートロールはイザベル目掛けて殴打したが、回避型タンクの速度に翻弄されて当たらない。
隙ができたところへクレアが両手剣Lv.1“スラッシュ“を行使し、SSランク武器の性能も相まって綺麗に右腕を切り落とした。
切り落とされた腕は靄になって消え、それと同時に切断部がまるで水が沸騰しているかようにブクブクと再生し始めた。
「再生する暇を与えるな!!」
そう言い終わるころには切り落とされた腕が完全に再生していた。
通常種の何十倍もの速さで、かつ再生部分の筋肉が先程よりも隆起している。
どうやら再生すればするほど再生した部位が強化されていく厄介な性質を持つようだ。
「同時攻撃で仕留めろ!!」
掛け声に合わせてアイリスがヘイトを買って隙を作り、そこへイザベルが棍棒Lv.5”スタンブラント”でウォートロールをスタン状態にした。
そしてクレアが両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”、スーが槍Lv.9”スピアディザスター”、俺が弓Lv.5”バーストアロー”を同時に行使した。
無数の斬撃と無数の突きでウォートロールの身体は粉々になり、そこへ放たれた矢は細切れの身体に突き刺さるとともに爆発した。
「…やったのです?」
「ああ。」
黒煙が立ち消えると、そこには大きな魔石だけがあった。
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「ふぅ…さて、今日はここで模擬戦して帰るか。」
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18層で見つけたパーティーは扉をくぐる直前にここへ辿り着き、ボス部屋の前で準備をしていた。
彼らがボス戦に成功することを願いながらパーティーハウスへ帰った。
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