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第164話 新遺跡 ゴーレム討伐
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「まず俺が気配を殺してこの果物の液体をゴーレムにぶち撒ける。」
「ほぅ…妾の知らない技術じゃな?」
「師範と別れてから習得したので。次に、大理石が溶けるまでには少し時間がかかるからその時間はアイリスが稼いでくれ。ヘイトを買うタイミングはアイリスに任せる。」
「分かりました。」
「そして大理石に光沢が無くなったら、アイリスと交代する形で戦闘開始だ。怪我を負った場合はイザベルのいる後衛まで下がってくれ。」
「か、回復は任せるのです!!」
「ゴーレムは打撃に弱いはずだから、戦闘が始まったらサリーちゃんとイザベルの攻撃が重要になってくるな。」
「任せてちょうだ~い!!」
「ま、任せてなのです!!」
「イザベル、クレア、スーでゴーレムの攻撃を防いでくれ。」
「おう!!」
「師範は俺と後衛から斬撃を飛ばしてください。」
「了解じゃ!!」
まずは非常に地味な作業だが、”アイテムボックス”からバケツを取り出してその中にレモンのような果物を絞る。
予想以上に果汁が多く、計1.5Lほどの酸性水溶液が得られた。
「さて…作戦開始だ!!」
俺とアイリスを除いた5人が隊列を組むのを確認し、“迷彩偽装“を行使して自身の姿を不可視化した。
全員驚いている様子だったので、“迷彩偽装“について詰問される未来が見えた。
今回はゴーレム種が相手なので他の偽装スキルは行使しなくてもいいだろう。
というのも、この前ウルフに“迷彩偽装“で迫ったら視覚ではなく聴覚と嗅覚で攻撃されてしまったのだ。
これを生かして実験を繰り返した末に“無臭偽装“と“無音偽装“を習得した。
この先の罠は全て誤作動させたので、“魔物探知“で新手を警戒しつつ距離を詰めた。
通路を抜けて広い部屋に辿り着いたが、マーブルゴーレムに動きはない。
予想通りこのゴーレムは目で侵入者を確認次第行動を開始する典型的なパターンなのだ。
『…あっ。ゴーレムの身長高いから飛ばないと身体にはかけられないな。』
うっかりしていたことを反省しつつ、“無音偽装“を行使して吸血鬼の羽で飛翔した。
バレないまま距離を詰め、そして…
『おらぁ!!』
サリーちゃん達が攻撃するであろう胴体から足先まで、薄く広くなるように酸性水溶液をぶち撒けた。
ジュワジュワと音を立てながら真っ白な大理石が光沢を失ってゆく。
それと同時にマーブルゴーレムはこれを攻撃と判断し、ドスドスと動き始めた。
だが、俺を視認できないため探し回るだけで攻撃はしないようだ。
『“偽装“を駆使すれば攻撃されずにゴーレム討伐できるんじゃ…?一考の余地がありそうだ。』
そんなことを考えながら通路へ向かうと、タッタッタと軽い足音がこちらへ向かってきた。
その音源の正体はもちろんアイリスだ。
アイリスが広場に出ると同時にゴーレムが視認すると、デカい図体からは想像できない速さで腕を振って殴りかかった。
しかしアイリスの敏捷性の方が大きく上回っていたようで、綺麗な背面跳びで腕を飛び越えた。
ゴーレムはジュワジュワと音を立てながらアイリスの方へ身体を回転させようとして転倒した。
どうやら液体が関節部を溶かしていたようで、バランスを崩したようだ。
「皆さん、今で…」
「うぉぉぉらぁぁぁぁ!!!!」
アイリスが後方へ叫ぶ声を遮るようにしてサリーちゃんが雄叫びを上げながら向かってきた。
そして勢いを弱めずにゴーレムに強打し、10m以上ある巨体を殴り飛ばした。
『なっ…!?えぇ!?』
驚いて困惑している間にクレア達は隊列を組み直し、俺とアイリスも戻った。
その間にゴーレムはパラパラと身体の欠片を落としながら立ち上がった。
何もなかったかのように立ち上がったが、その傷は決して小さくはなかった。
サリーちゃんが殴った下腹部は拳の跡を中心に半径2mほどまでヒビが入り、さらにHPは1/3くらい減少した。
「戦闘開始!!作戦通りの陣形だ!!」
アイリスは敏捷性を活かして攻撃を回避、スーは動体視力を活かして攻撃をいなし、クレアは力を活かして真正面から攻撃を止める。
そして攻撃直後の隙にサリーちゃんとイザベルが膝を狙って打撃を与えている。
俺と師範は射線が通った時と5人が攻めあぐねた時に援護射撃的な攻撃を加える。
『ちっ…流石に硬いな…』
戦闘開始から20分ほどが経過した。
マーブルゴーレムは2人の攻撃で足に損傷が出来ては身体から大理石を移動して修復されるため、致命傷は与えられずにいた。
だが地面や壁の大理石からは修復できないため体長は5m程まで縮み、HPもあと1.5割程度まで減っている。
「サリーちゃん!!トドメだ!!」
「うぉぉぉらぁぁぁぁ!!!!」
雄叫びと共に胸部へドロップキックを与えると、マーブルゴーレムの身体はボロボロと崩れていった。
そしてゴーレムが崩壊していく様子をじっと見つめる静寂のなか、核が地面に落ちてカツンという音が響いた。
「かっ…勝ったぞー---!!!!」
「ふぅ…”探知”に反応は無いみたいだし、ここで一旦休憩にするぞ。」
「まさかここまで頑丈だとは思わなかったよ~よく頑張ったあたし!!」
「そうじゃな…さて、弟子よ。」
「なんですか?」
「姿を消した種明かしをしてもらうのじゃ。」
「あ、それオレも気になる!!」
「私もです!!」
「分かった分かった…」
それから休憩がてら”探知”について詰問された。
そのせいで、残念ながら俺にとっては休憩にならなかったが。
ちなみに”探知”の能力については嘘を交えつつ話した。
「ほぅ…妾の知らない技術じゃな?」
「師範と別れてから習得したので。次に、大理石が溶けるまでには少し時間がかかるからその時間はアイリスが稼いでくれ。ヘイトを買うタイミングはアイリスに任せる。」
「分かりました。」
「そして大理石に光沢が無くなったら、アイリスと交代する形で戦闘開始だ。怪我を負った場合はイザベルのいる後衛まで下がってくれ。」
「か、回復は任せるのです!!」
「ゴーレムは打撃に弱いはずだから、戦闘が始まったらサリーちゃんとイザベルの攻撃が重要になってくるな。」
「任せてちょうだ~い!!」
「ま、任せてなのです!!」
「イザベル、クレア、スーでゴーレムの攻撃を防いでくれ。」
「おう!!」
「師範は俺と後衛から斬撃を飛ばしてください。」
「了解じゃ!!」
まずは非常に地味な作業だが、”アイテムボックス”からバケツを取り出してその中にレモンのような果物を絞る。
予想以上に果汁が多く、計1.5Lほどの酸性水溶液が得られた。
「さて…作戦開始だ!!」
俺とアイリスを除いた5人が隊列を組むのを確認し、“迷彩偽装“を行使して自身の姿を不可視化した。
全員驚いている様子だったので、“迷彩偽装“について詰問される未来が見えた。
今回はゴーレム種が相手なので他の偽装スキルは行使しなくてもいいだろう。
というのも、この前ウルフに“迷彩偽装“で迫ったら視覚ではなく聴覚と嗅覚で攻撃されてしまったのだ。
これを生かして実験を繰り返した末に“無臭偽装“と“無音偽装“を習得した。
この先の罠は全て誤作動させたので、“魔物探知“で新手を警戒しつつ距離を詰めた。
通路を抜けて広い部屋に辿り着いたが、マーブルゴーレムに動きはない。
予想通りこのゴーレムは目で侵入者を確認次第行動を開始する典型的なパターンなのだ。
『…あっ。ゴーレムの身長高いから飛ばないと身体にはかけられないな。』
うっかりしていたことを反省しつつ、“無音偽装“を行使して吸血鬼の羽で飛翔した。
バレないまま距離を詰め、そして…
『おらぁ!!』
サリーちゃん達が攻撃するであろう胴体から足先まで、薄く広くなるように酸性水溶液をぶち撒けた。
ジュワジュワと音を立てながら真っ白な大理石が光沢を失ってゆく。
それと同時にマーブルゴーレムはこれを攻撃と判断し、ドスドスと動き始めた。
だが、俺を視認できないため探し回るだけで攻撃はしないようだ。
『“偽装“を駆使すれば攻撃されずにゴーレム討伐できるんじゃ…?一考の余地がありそうだ。』
そんなことを考えながら通路へ向かうと、タッタッタと軽い足音がこちらへ向かってきた。
その音源の正体はもちろんアイリスだ。
アイリスが広場に出ると同時にゴーレムが視認すると、デカい図体からは想像できない速さで腕を振って殴りかかった。
しかしアイリスの敏捷性の方が大きく上回っていたようで、綺麗な背面跳びで腕を飛び越えた。
ゴーレムはジュワジュワと音を立てながらアイリスの方へ身体を回転させようとして転倒した。
どうやら液体が関節部を溶かしていたようで、バランスを崩したようだ。
「皆さん、今で…」
「うぉぉぉらぁぁぁぁ!!!!」
アイリスが後方へ叫ぶ声を遮るようにしてサリーちゃんが雄叫びを上げながら向かってきた。
そして勢いを弱めずにゴーレムに強打し、10m以上ある巨体を殴り飛ばした。
『なっ…!?えぇ!?』
驚いて困惑している間にクレア達は隊列を組み直し、俺とアイリスも戻った。
その間にゴーレムはパラパラと身体の欠片を落としながら立ち上がった。
何もなかったかのように立ち上がったが、その傷は決して小さくはなかった。
サリーちゃんが殴った下腹部は拳の跡を中心に半径2mほどまでヒビが入り、さらにHPは1/3くらい減少した。
「戦闘開始!!作戦通りの陣形だ!!」
アイリスは敏捷性を活かして攻撃を回避、スーは動体視力を活かして攻撃をいなし、クレアは力を活かして真正面から攻撃を止める。
そして攻撃直後の隙にサリーちゃんとイザベルが膝を狙って打撃を与えている。
俺と師範は射線が通った時と5人が攻めあぐねた時に援護射撃的な攻撃を加える。
『ちっ…流石に硬いな…』
戦闘開始から20分ほどが経過した。
マーブルゴーレムは2人の攻撃で足に損傷が出来ては身体から大理石を移動して修復されるため、致命傷は与えられずにいた。
だが地面や壁の大理石からは修復できないため体長は5m程まで縮み、HPもあと1.5割程度まで減っている。
「サリーちゃん!!トドメだ!!」
「うぉぉぉらぁぁぁぁ!!!!」
雄叫びと共に胸部へドロップキックを与えると、マーブルゴーレムの身体はボロボロと崩れていった。
そしてゴーレムが崩壊していく様子をじっと見つめる静寂のなか、核が地面に落ちてカツンという音が響いた。
「かっ…勝ったぞー---!!!!」
「ふぅ…”探知”に反応は無いみたいだし、ここで一旦休憩にするぞ。」
「まさかここまで頑丈だとは思わなかったよ~よく頑張ったあたし!!」
「そうじゃな…さて、弟子よ。」
「なんですか?」
「姿を消した種明かしをしてもらうのじゃ。」
「あ、それオレも気になる!!」
「私もです!!」
「分かった分かった…」
それから休憩がてら”探知”について詰問された。
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ちなみに”探知”の能力については嘘を交えつつ話した。
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