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第125話 古代文明都市 vsドラゴン型②

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ドラゴン型は身体を右に大きく旋回し、こちらへ顔を向けた。

真正面から対峙すると、威圧感が半端なものではない。



『俺に囮役が務まるのか…!?』



師範の強力な攻撃の方がドラゴン型にとって脅威度が高い。

師範が満足に攻撃できるようにするためには、逃げ回るだけでは不足している。



『…”ノヴァディザスター”で斬撃を放ちながら逃げるしかないか。』



そんなことを考えていると、早速左前足を上げて俺を踏み潰そうとしてきた。

右へ跳躍することで難なく回避し、目を狙って斬撃を放った。



『ちっ…!!目まで頑丈なのかよ…』



「グギャァァァァァァァァァ!!!!!」



今度は勢いよく首を前に伸ばし、嚙みつき攻撃をしてきた。

俺は左へ跳躍して回避し、すれ違いざまに首を斬りつけた。



『痛ってぇぇ!!やっぱり直接攻撃はなしだな…』



攻撃が通っている様子はあまりないが、囮役は十分にできているようだ。

ドラゴン型を挟んだ向こう側から金属の擦れる甲高い音が何度も聞こえてくる。



「はぁぁぁぁ!!!」



何度も何度も“ノヴァディザスター“を顔面へ行使し続けた。

だが、師範の攻撃を脅威と見なして再び師範の方を向いた。



『ちっ…あまり囮役の時間保てなかったな…』



再び役割交代だ。

俺はただひたすら右翼の付け根に斬撃を放ち続けた。



それから囮役と攻撃役を繰り返すこと5回。



「グギャァァァァァァァァァ!!!!!」



『…っ!!翼が…!!』



「弟子よ、回避に努めるのじゃ!!」



「はい!!」



何とか付け根を1/4くらいまで斬ることができたのだが…

俺たちの作戦に気付いたのか、翼を広げて浮遊し出した。



『ちっ…風が強い…!!』



10m程ある翼は羽ばたくだけで風圧が凄まじく、気を抜くと吹き飛ばされそうだ。

師範はドラゴン型より上空を飛ぶことで、その風圧を回避しているようだ。



ヘイトが師範へ向いているので、何とか堪えつつ“ノヴァディザスター“を行使した。

放った斬撃は風を切り裂いて一直線に進み、ドラゴン型のつばさに直撃した。



『おぉ…!!これは嬉しい誤算だな!!』



ただ、進行中に風を切り裂いているせいで威力は若干落ちているようだ。



「グギャァァァァァァァァァ!!!!!」



『…っ!!おいおいまじかよ!!』



ちょろちょろ逃げ回りながら攻撃してくる師範にイラついたのだろうか?

ドラゴン型は徐々に熱を帯び、そして口内が赤く光ってゆく。

…そう、ブレスだ。



「…師範!!ブレスです!!」



「お主は下顎を叩いて口を閉じるのじゃ!!」



「は、はい!!」



おそらくブレスを口内で爆発させ、自爆させる算段だろう。

とはいえ“ジェットスマッシュ“を受けても微動だにしなかったのに、どうやって口を閉じさせればいいのだろうか?



『…腹を括るか。』



ドラゴン型はブレスの準備でじっとしている。

俺はブレスを放つ直前を見切りつつ、“闘気操術“のTP操作に意識を割いた。



全身に循環させているTP9,000を全て足に集中させ、地面にヒビが入るほど踏み込み超高速で下顎の真下へ跳んだ。



だが、もちろん負荷に耐えられるはずがなく…

俺の両足は筋肉が千切れて弾け飛び、血が溢れ出している。



「くっ…おぉぉぉぉぉ!!!」



今度はTP9,000を全てを上半身、特に両腕に集中させてドラゴン型の下顎に両手剣Lv.4“インパクト“を行使した。

渾身の1撃は見事に決まり、開いた口を閉じさせるどころかアッパーを食らったように仰け反った。



「グギャァァァァァ!!!!」



「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」



作戦はうまくいったが、その代償は大きかった。

両手両足の筋肉が弾け飛び、上半身の筋肉は千切れてだらーんとしている。



俺は急いで“アイテムボックス“から回復薬Sを取り出して飲み、なんとか傷を回復した。

無理をしている自覚はあったが、今回は本当に死ぬかと思った。



だが大怪我を負ったのはドラゴン型も同じだった。

口内で爆発を起こしたブレスは、その熱で腹から顔がドロドロに溶けていた。



「良くやったのじゃ!!後は妾に任せるのじゃよ!!」



追撃を恐れたドラゴン型は溶けつつある身体に鞭を打ち、尻尾で師範を攻撃した。

師範はそれを予想していたようで、その場で防御系スキルである片手剣Lv.5“ブレイドダンス“を行使して尻尾攻撃をいなした。



続けて両手剣Lv.8“マキシマムファング“を溶けて柔らかくなった心臓部へ行使した。

最初の強力な2撃で皮膚を切り裂き、そして体内に入りつつ放った残りの9連撃で心臓の機械を破壊した。



「グギャッ、グギギギ…ガガガ…」



ドラゴン型は轟音とともに地面に倒れ、動かなくなった。



「勝った…のか?」



「うむ!!お主もこれでドラゴンスレイヤーじゃな!!」



「…疲れたぁぁぁぁ!!!」



最後の攻撃で精も根も尽き果て、地べたに倒れ込んだ。



「お疲れ様なのじゃ!!」



念のため“機械探知“を行使したが、反応は完全に消滅していた。

俺は心から安心しきり、脱力して泥のように眠った。
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