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第113話 古代文明都市 博物館物色

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数分後



『ふぅ…これで恐竜型機械生命体の死体は全部回収したな。』



恐竜型機械生命体も大変貴重な代物だ。

俺はできるだけ関節部を斬り落とし、修復できそうな感じで倒したが…

師範が頭部やら心臓部を粉砕してしまったのは少し勿体なく感じる。



『…まあなかなかの強敵だったし仕方ないか。』



切り替えてショーケースの中身を物色しよう。

師範は既に目を輝かせてあちこち見て回っているので、俺も童心に返ってショーケースを見て回った。



「弟子よ、何やら良さげな腕輪があるのじゃ!!こっちには耳飾りも!!」



「おぉ…!!どっちもエンチャントが付いてますね!!」



「むっ、お主”鑑定”もできるのじゃな。」



「あっ。」



しまった。

貴重なものばかりで気分が浮かれ、油断していた。



「で、でも等級は低いですよ?」



「エンチャントの有無が分かる時点で最高等級じゃろう…?」



「あっ…」



「ふむ…妾は他言しないから安心するのじゃよ。」



「ありがとうございます…!!」



「”アイテムボックス”といい”鑑定”といい…お主は商人の才能があるのじゃな。」



「自分でもそう思います。…ん?」



「どうしたのじゃ?」



「今王冠を見つけたんですけど、その内側に鍵が張り付けられていたんです。」



「むっ、それは間違いなく重要な物じゃ!!大事にしまっておくのじゃぞ!!」



「はい!!」



科学技術が発展した建物だというのに、その鍵はまるで地上の門の鍵のようだ。

今までの扉の鍵は虹彩認証だったというのに…



それはさておき、鉄のように見えるが材質がよくわからない。

長い間放置されているのに、全く錆びたり酸化していないのだ。



『どこで使うのかもよくわからないし…とりあえず収納しておくか。』



「そうじゃ!!弟子よ、せっかくじゃしここにあるアーティファクト全部の”鑑定”頼んだのじゃ!!」



「多いですけど…分かりました。」



それから師範はアーティファクトを拾っては持ってきて、俺はただ黙々と”鑑定”してその情報を紙に書き出していった。



数時間後



「やっと終わったぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」



「よく頑張ったのじゃ。」



「ありがとうございます…」



合計169点の”鑑定”作業を終えた。

指輪や腕輪などの装飾品がほとんどで、中には飾る用の剣や宝石などもあった。



「ふむ…なかなか使えそうな物が多いのじゃな。」



「そうですね。大体のアーティファクトはエンチャントが付与されてましたし。」



「…うむ、妾達で装備するのじゃ!!」



「いいんですか…!?貴重なアーティファクトですよ…!?」



「敵もだんだん強くなっておるし、死んだら元も子もないじゃろう。それに地上に出る前に装備を外せばばれないのじゃ。」



「確かに…ではお言葉に甘えて!!」



当然ながら、”鑑定”しながら装備したくてうずうずしていた。

目の前にアーティファクトが大量にあったら付けたくならないわけがない。



『どれにしようかなぁ…?これとこれとこれと…』



見た目がかっこいいものや高スペックなものが多く、なかなか決められない。



「む…悩んでおるようじゃな。」



「師範…!!もう決めたんですか!?」



「妾は力不足を感じておらぬし、見た目重視で選んだのじゃ。」



師範はあまり派手目にならないように指輪と耳飾り、首飾りの3つしか選ばなかったようだ。

今まではあどけない幼女といった雰囲気だったが、どこか大人びた雰囲気を醸し出すようになった。



「いいですね…!!その指輪も耳飾りも、なかなか使えそうですし。」



「うむ!!今日はここで泊まる予定じゃし、ゆっくり選ぶのじゃ。」



「はい。ありがとうございます…!!」



気を遣ってくれて、本当に助かった。

まだたくさん時間があるので、ゆっくり選ぼう。



『…おっ、この黒革で出来た手袋良さげだな!!指輪10個付けたら流石に派手か…?いや、俺は見た目より強さ重視だ!!でもな…』



悩み続けること数時間



『…よし、これで決まりだな!!』



俺が選んで装備したのは以下の9種類計14個である。



1.”ブラックナックルグローブ”:鋼鉄の突起が付いた黒革の手袋。STR+30

2.”バイタリティーリング”×2:緑色の宝石が付いた指輪。VIT+10(2つで+20)

3.”デクステリティリング”×2:赤色の宝石が付いた指輪。DEX+10(2つで+20)

4.”アジリティーリング”×2:青色の宝石が付いた指輪。AGI+10(2つで+20)

5.”インテリジェンスリング”×2:紫色の宝石が付いた指輪。INT+10(2つで+20)

6.”ラッキーリング”×2:黄色の宝石が付いた指輪。LUK+10(2つで+20)

7.”タイフーンイヤリング”:黄緑色の羽が付いた耳飾り。1日1回、自動で風のベールを出して着用者を奇襲から守る。(ex:遠距離からの弓攻撃)

8.”ボウラーブレスレット”:金色の腕輪。1日1回、任意で大地を操って防壁を作れる。

9.”バイタルネックレス”:ハート形のアンティーク時計が付いた首飾り。致命傷を受けた際、ダメージを代わってくれる。(ただし、1度発動すると壊れる。)



『両手両腕、両耳に胸まで…装飾品付け過ぎか?』



とはいえ、指輪系は少し変だが手袋の内側に付けているので目立たない。

腕輪と首飾りも服で隠れて見えないので、実質見えているのは耳飾りだけである。



『見た目はそこまで変じゃないよな…?師範に見てもらうか。』



師範を探しに、博物館を歩き回った。

ずっと”鑑定”作業をしていたので分からなったが、なかなか広くて雰囲気の良い場所だ。



『…風が吹いてないか?密閉空間なのにどうして…?』



まるで誘われるかのように風が来ている場所へ足を運んだ。

するとそこには2mほどの古びた扉と、その前に師範が立っていた。



「むっ、お主もここに誘われたんじゃな。」



「多分…っ!!師範!!」



「なんじゃ?」



「さっきの鍵、この扉じゃないですか!?」



「むっ!!言われてみれば確かに…試してみるのじゃ!!」



「はい!!」



”アイテムボックス”から鍵を取り出して鍵穴に刺して回した。

すると、ガチャッという音とともにロックが開いた。
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