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第37話 魔物征伐 野営
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「疲れたぁ…小僧、一応周囲の警戒を頼む。」
「ああ。」
今回の戦闘は流石に体に応えたようで、ほとんどの者が地面に座り込んでいる。
辛うじてまだ動けそうなのはアランパーティ全員とレイフ兄様、俺くらいだ。
「今新手の敵が来たらまずいな…広めに”探知”したいが負荷が大きい。どうにかならないか…?」
解決策を考えながら、ひとまず半径100mに設定して2階層をぐるっと回った。
「よし…2階層に魔物はもういないな…じゃあ実験してみるか!」
”探知”はおそらく設定した距離と探知した数量が負荷に関係している。
距離を広くしたいのなら数量を減らして設定すれば負荷が減るという仮説だ。
「”気配探知”は味方も反応するからな…」
俺に敵対する存在だけを探知すればいいのだが…
敵対の有無はシステムを利用しても判断することが難しいらしい。
「…仕方ないから純粋に”魔物探知”でいいか。」
ピロンッ!とシステム音が鳴り、ステータスウィンドウの派生スキル欄に”魔物探知”が追加された。
”魔物探知”の弱点はあくまで魔物の反応しか得られないことだ。
アランの授業で習ったのだが、ダンジョンには時に悪魔族と呼ばれる種族が存在しているそうだ。
悪魔族…それは他の全種族に対して異常なほど憎悪の念を抱いている種族である。
魔物に力を与えて進化させたり、知恵を与えて他種族を攻撃する…全種族の敵だ。
そのうえ悪魔族は単体でも強い力を持っているらしい。
悪魔族には等級があり、最低の下級悪魔でも危険度C以上とのことだ。
「…そうだ!”魔物探知”と”罠探知”は同時使用できるのか…?」
試しに半径10mに設定して行使してみた。
「おぉ…おぉぉ!!!成功だ!」
”探知”を細分化し、必要に応じて同時使用すれば済むということになる。
これで負荷の問題はある程度解決した。
「あとは派生スキルを細かく分類して習得するだけだな…!!」
色々と役立ちそうなものを考えながら、討伐軍の元へ戻った。
警戒に行くときはほとんどの者が座り込んでいたにも関わらず、戻ると全員が立ち上がっていた。
『回復速度凄まじいな…中にはアラフォーもいるのに…』
この世界の年齢はあまり参考にならなそうだ。
「どうだった?」
「2階層にはもういなかった。」
「そうか…!レイフィールド殿に伝えてくる。小僧は少し休んでおけ。」
「そうするよ…」
寝転がって身体を休めながら、帰り道に思いついた派生スキルを次々習得していった。
”動物探知”に”悪魔族探知”、”盗賊探知”、”犯罪者探知”など様々だ。
『改めて思うが…”探知”ってチートすぎるな。』
まだまだ可能性に満ち溢れている。
”探知”を極めれば極めるほど、強くなれるような気がする。
『それに…別スキルの同時使用も実験してみたいしな。』
帰り道に思いついたのだが、もしかすると”探知”と”鑑定”を同時に行使することで”探知”で見つけた個体を”鑑定”して遠くからステータスを知ることができるかもしれない。
そうなれば自分より強い敵と遭遇する事態を避けられ、生存確率を高めることができる。
「アル…?どうしてそんな難しそうな顔をしているんだ?」
「あ、レイフィールド殿。少し考え事をしていました…」
「今は2人だけだから楽に話していいぞ。」
「ありがとうございます…!!」
「連絡に来たんだが…今良いか?」
「はい。」
「そろそろダンジョンに入ってから15時間が経つ。外はもう真っ暗だろうな。」
「もうそんなに…!?」
探索や戦闘をしていると、時間の流れが早く感じる。
眠気は皆無だが…これからを考えても身体は休ませた方が良さそうだ。
「うん。そこで、兵士達の疲労も溜まってきているからここで野宿をすることにしたんだ。」
「なるほど…分かりました!」
「ところでアル…いつの間にあんな強くなったんだ?」
「レイフ兄様こそ…いつの間に立派な守護騎士になったんですか?」
「はははっ!お互い様だな!」
「そうですね!」
「実は工面して…アルとの2人部屋にしたんだ。今晩語り明かそうじゃないか!」
「はい!そうしましょう!!」
それからテントの設置や夕食の供給などを行い、野宿の準備をした。
収納時から時間の経過がない”アイテムボックス”の魔道具を持って来たおかげで、夕食はペンシルゴン家の出来立てほやほや料理だった。
冒険者は基本的にパンと干し肉を携帯し、それを工夫して夕食にするらしい。
1度干し肉を食べてみたことがあるのだが、前世のビーフジャーキーと比べるとやはり血生臭くて不味かった。
『本当に”アイテムボックス”の魔道具があって良かった…』
寮の料理も美味しいのだが、やはり実家の料理は格別だ。
家族との思い出を想起し、テントでレイフ兄様と語り合った。
翌朝
「…っ!!!」
巨大な揺れが起き、すぐさま目を覚ました。
この世界で地震を経験するのは初めてだ。
…いや、ここはダンジョンの中だ。
ダンジョン内で揺れを感じるということは…
「…っ!!まさか魔物によるものか!?!?」
俺は急いで半径300mに設定して真下に向けて”魔物探知”、”悪魔族探知”を行使した。
「なっ…!!」
「アル、どうした!?」
「直下280m…おそらく4階層で魔物が大移動を始めました…!!率いているのは…悪魔族です!!」
「ああ。」
今回の戦闘は流石に体に応えたようで、ほとんどの者が地面に座り込んでいる。
辛うじてまだ動けそうなのはアランパーティ全員とレイフ兄様、俺くらいだ。
「今新手の敵が来たらまずいな…広めに”探知”したいが負荷が大きい。どうにかならないか…?」
解決策を考えながら、ひとまず半径100mに設定して2階層をぐるっと回った。
「よし…2階層に魔物はもういないな…じゃあ実験してみるか!」
”探知”はおそらく設定した距離と探知した数量が負荷に関係している。
距離を広くしたいのなら数量を減らして設定すれば負荷が減るという仮説だ。
「”気配探知”は味方も反応するからな…」
俺に敵対する存在だけを探知すればいいのだが…
敵対の有無はシステムを利用しても判断することが難しいらしい。
「…仕方ないから純粋に”魔物探知”でいいか。」
ピロンッ!とシステム音が鳴り、ステータスウィンドウの派生スキル欄に”魔物探知”が追加された。
”魔物探知”の弱点はあくまで魔物の反応しか得られないことだ。
アランの授業で習ったのだが、ダンジョンには時に悪魔族と呼ばれる種族が存在しているそうだ。
悪魔族…それは他の全種族に対して異常なほど憎悪の念を抱いている種族である。
魔物に力を与えて進化させたり、知恵を与えて他種族を攻撃する…全種族の敵だ。
そのうえ悪魔族は単体でも強い力を持っているらしい。
悪魔族には等級があり、最低の下級悪魔でも危険度C以上とのことだ。
「…そうだ!”魔物探知”と”罠探知”は同時使用できるのか…?」
試しに半径10mに設定して行使してみた。
「おぉ…おぉぉ!!!成功だ!」
”探知”を細分化し、必要に応じて同時使用すれば済むということになる。
これで負荷の問題はある程度解決した。
「あとは派生スキルを細かく分類して習得するだけだな…!!」
色々と役立ちそうなものを考えながら、討伐軍の元へ戻った。
警戒に行くときはほとんどの者が座り込んでいたにも関わらず、戻ると全員が立ち上がっていた。
『回復速度凄まじいな…中にはアラフォーもいるのに…』
この世界の年齢はあまり参考にならなそうだ。
「どうだった?」
「2階層にはもういなかった。」
「そうか…!レイフィールド殿に伝えてくる。小僧は少し休んでおけ。」
「そうするよ…」
寝転がって身体を休めながら、帰り道に思いついた派生スキルを次々習得していった。
”動物探知”に”悪魔族探知”、”盗賊探知”、”犯罪者探知”など様々だ。
『改めて思うが…”探知”ってチートすぎるな。』
まだまだ可能性に満ち溢れている。
”探知”を極めれば極めるほど、強くなれるような気がする。
『それに…別スキルの同時使用も実験してみたいしな。』
帰り道に思いついたのだが、もしかすると”探知”と”鑑定”を同時に行使することで”探知”で見つけた個体を”鑑定”して遠くからステータスを知ることができるかもしれない。
そうなれば自分より強い敵と遭遇する事態を避けられ、生存確率を高めることができる。
「アル…?どうしてそんな難しそうな顔をしているんだ?」
「あ、レイフィールド殿。少し考え事をしていました…」
「今は2人だけだから楽に話していいぞ。」
「ありがとうございます…!!」
「連絡に来たんだが…今良いか?」
「はい。」
「そろそろダンジョンに入ってから15時間が経つ。外はもう真っ暗だろうな。」
「もうそんなに…!?」
探索や戦闘をしていると、時間の流れが早く感じる。
眠気は皆無だが…これからを考えても身体は休ませた方が良さそうだ。
「うん。そこで、兵士達の疲労も溜まってきているからここで野宿をすることにしたんだ。」
「なるほど…分かりました!」
「ところでアル…いつの間にあんな強くなったんだ?」
「レイフ兄様こそ…いつの間に立派な守護騎士になったんですか?」
「はははっ!お互い様だな!」
「そうですね!」
「実は工面して…アルとの2人部屋にしたんだ。今晩語り明かそうじゃないか!」
「はい!そうしましょう!!」
それからテントの設置や夕食の供給などを行い、野宿の準備をした。
収納時から時間の経過がない”アイテムボックス”の魔道具を持って来たおかげで、夕食はペンシルゴン家の出来立てほやほや料理だった。
冒険者は基本的にパンと干し肉を携帯し、それを工夫して夕食にするらしい。
1度干し肉を食べてみたことがあるのだが、前世のビーフジャーキーと比べるとやはり血生臭くて不味かった。
『本当に”アイテムボックス”の魔道具があって良かった…』
寮の料理も美味しいのだが、やはり実家の料理は格別だ。
家族との思い出を想起し、テントでレイフ兄様と語り合った。
翌朝
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…いや、ここはダンジョンの中だ。
ダンジョン内で揺れを感じるということは…
「…っ!!まさか魔物によるものか!?!?」
俺は急いで半径300mに設定して真下に向けて”魔物探知”、”悪魔族探知”を行使した。
「なっ…!!」
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