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第29話 家族との再会
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馬車に揺られること数日
「着いたぞ。ここがペンシルゴン家だ。」
「おぉ…!!ここが守護騎士様の…!!」
「おっきい屋敷だなぁ…!!」
数か月ぶりに家に帰ってきた。
あまり月日が経っていないというのに、とても懐かしい感じがした。
「この度は魔物征伐に協力して下さり、誠にありがとうございます。
私は現ペンシルゴン家領主、ジルベスター=ペンシルゴンです。以後お見知りおきを。」
『ジル兄様…!!俺が冒険者学校に通ってる間に領主を引き継いだのか…!!』
そんなことを考えていると、ジル兄様と目が合った。
『ちょっ、ジル兄様っ!?』
目が合うや否や、俺に向かってウインクしてきた。
周りにはばれてなさそうなので良かった…
「丁寧な挨拶、感謝する。俺は特待クラス担任、アランだ。よろしく頼む。」
「ええ。では案内しますので、こちらへどうぞ。」
ジル兄様についていくと、庭に案内された。
そこには既にたくさんの冒険者が来ており、大量のテントを立てて駐在していた。
「ここからは私が駐在の説明をします。私は現守護騎士、レイフィールド=ペンシルゴンです。
よろしくお願いします。」
『レイフ兄様…!!守護騎士になったってことは父上に模擬戦で勝ったのか…!!』
そんなことを考えていると、今度はレイフ兄様と目が合った。
『ちょっ、レイフ兄様まで!?』
目が合うや否や、こちらへ笑顔を向けてきた。
今回も周りにはばれてなさそうなので助かった。
「俺は特待クラス担任、アランだ。よろしく頼む。」
「では説明をします。まず…」
ジル兄様もそうだが、レイフ兄様は俺が家を出た時から一段と大人びていた。
やはりペンシルゴン家領主、現守護騎士を引き継いだからだろうか…?
それはさておき、レイフ兄様曰く魔物征伐開始予定日時は5日後とのことだ。
開始時刻まではペンシルゴン家の敷地内で自由行動していいらしい。
説明も終わったので、俺はパーティで集合すべくアランの元へ向かった。
「アラ…っ!!父上と会話中か…」
父上は不死身のアランに憧れていたというし、父上のためにもここはそっと離れておこう。
「…おい小僧、そこにいるな?」
「げっ…」
アランの鋭い気配察知に引っかかってしまった…
「…どうしたんだ?」
「ペンシルゴン家元領主兼守護騎士、ジョシュア=ペンシルゴンと軽く模擬戦をすることになった。
審判をしてくれ。」
父上の方に視線を送ると、笑顔で見返してきた。
父上のこんな笑顔は初めて見た。
楽しそうだし、ここは付き合おう。
「分かりました。場所は…?」
「奥にある礼拝堂の前で良いだろう。アラン殿、ついてきてくれ。」
「ああ。」
『うちの屋敷に礼拝堂があったのか…!あとで神様と少し話すか。』
父上の後を付いていくと、少し開けた場所に出た。
「戦闘音を出すと庭にいる冒険者たちが驚くかもしれない。アラン殿…如何しましょう?」
「そうだな…スキルなしの体術勝負ってのはどうだ?1撃受けた方が負けだ。」
「承知した。ではそこの生徒、審判を頼む。」
「はい。それでは…試合開始!!」
俺や兄様達との模擬戦では相手からの攻撃を待つ父上だが、今回は自分から仕掛けた。
間合いを詰め、左足で踏み込んで豪快な右ストレートを出した。
アランはそれを左腕で防ぎ、右足で父上の左脇腹を目掛けて蹴り上げた。
父上はそれをバックステップで避け、1度距離を取った。
「元とはいえ流石守護騎士…1撃が重いな。」
「アラン殿も…流石元Sランク冒険者だ。」
「今後はこちらから…行くぞ!!」
左右に身体を動かしながら距離を詰め、瞬間的に速度を上げて父上の懐に入った。
「なっ…!!」
父上は咄嗟に両腕を前に出し、攻撃を防ごうとした。
これにより、視線の先に腕があるため死角が生まれてしまった。
アランはそれを狙っていたようで、死角を利用して横へ移動した。
そして左足を振り上げ、父上の右脇腹に直撃した。
「そこまで!!勝者、アラン!!」
「くっ…!参った。」
「こんな手強い相手と戦ったのは久しぶりだ。」
「そうか。そこの生徒、付き合わせて悪かったな。」
「いえ。ところで礼拝堂で祈りを捧げてもよろしいでしょうか?」
「構わない。」
「ありがとうございます。アラン、少し待っていてもらえるか?」
「ああ。」
俺は礼拝堂に入り、祈りを捧げた。
『ア、アルフレッドさん!?早いお帰りですが…どうしたのですか?』
「実は…」
俺は魔物征伐に駆り出されることになった事情を説明した。
『なるほど…私としてもアルフレッドさんを失うわけにはいきません…』
「何かスキルをいただくことは可能ですか?」
『天界の制約上難しいですね…あ、でもアルフレッドさんのおかげでランクが上がったんです!
そのお礼という形なら…!!』
「神様のランク…ですか?」
『はい!例えば信者の増加やお供え物、世界の救済によって神としてのランクが上がるんです!
今回は魔物征伐に対して素晴らしい対応をしたとして、全能神様にランクを1つ上げていただいたんです!!』
「なるほど…それは良かったですね!」
『は、はい!!なので1つだけなら何でも与えられます!』
「そうですね…では”探知”のスキルをください。」
『分かりました。…はい、これで習得したはずです。』
「ありがとうございます。では戻って魔物征伐の準備をしますね。」
『き、気を付けてくださいね!!絶対に命を落とさないように…!!』
「ありがとうございます。」
そう言って真っ白な空間から現実に戻った。
「着いたぞ。ここがペンシルゴン家だ。」
「おぉ…!!ここが守護騎士様の…!!」
「おっきい屋敷だなぁ…!!」
数か月ぶりに家に帰ってきた。
あまり月日が経っていないというのに、とても懐かしい感じがした。
「この度は魔物征伐に協力して下さり、誠にありがとうございます。
私は現ペンシルゴン家領主、ジルベスター=ペンシルゴンです。以後お見知りおきを。」
『ジル兄様…!!俺が冒険者学校に通ってる間に領主を引き継いだのか…!!』
そんなことを考えていると、ジル兄様と目が合った。
『ちょっ、ジル兄様っ!?』
目が合うや否や、俺に向かってウインクしてきた。
周りにはばれてなさそうなので良かった…
「丁寧な挨拶、感謝する。俺は特待クラス担任、アランだ。よろしく頼む。」
「ええ。では案内しますので、こちらへどうぞ。」
ジル兄様についていくと、庭に案内された。
そこには既にたくさんの冒険者が来ており、大量のテントを立てて駐在していた。
「ここからは私が駐在の説明をします。私は現守護騎士、レイフィールド=ペンシルゴンです。
よろしくお願いします。」
『レイフ兄様…!!守護騎士になったってことは父上に模擬戦で勝ったのか…!!』
そんなことを考えていると、今度はレイフ兄様と目が合った。
『ちょっ、レイフ兄様まで!?』
目が合うや否や、こちらへ笑顔を向けてきた。
今回も周りにはばれてなさそうなので助かった。
「俺は特待クラス担任、アランだ。よろしく頼む。」
「では説明をします。まず…」
ジル兄様もそうだが、レイフ兄様は俺が家を出た時から一段と大人びていた。
やはりペンシルゴン家領主、現守護騎士を引き継いだからだろうか…?
それはさておき、レイフ兄様曰く魔物征伐開始予定日時は5日後とのことだ。
開始時刻まではペンシルゴン家の敷地内で自由行動していいらしい。
説明も終わったので、俺はパーティで集合すべくアランの元へ向かった。
「アラ…っ!!父上と会話中か…」
父上は不死身のアランに憧れていたというし、父上のためにもここはそっと離れておこう。
「…おい小僧、そこにいるな?」
「げっ…」
アランの鋭い気配察知に引っかかってしまった…
「…どうしたんだ?」
「ペンシルゴン家元領主兼守護騎士、ジョシュア=ペンシルゴンと軽く模擬戦をすることになった。
審判をしてくれ。」
父上の方に視線を送ると、笑顔で見返してきた。
父上のこんな笑顔は初めて見た。
楽しそうだし、ここは付き合おう。
「分かりました。場所は…?」
「奥にある礼拝堂の前で良いだろう。アラン殿、ついてきてくれ。」
「ああ。」
『うちの屋敷に礼拝堂があったのか…!あとで神様と少し話すか。』
父上の後を付いていくと、少し開けた場所に出た。
「戦闘音を出すと庭にいる冒険者たちが驚くかもしれない。アラン殿…如何しましょう?」
「そうだな…スキルなしの体術勝負ってのはどうだ?1撃受けた方が負けだ。」
「承知した。ではそこの生徒、審判を頼む。」
「はい。それでは…試合開始!!」
俺や兄様達との模擬戦では相手からの攻撃を待つ父上だが、今回は自分から仕掛けた。
間合いを詰め、左足で踏み込んで豪快な右ストレートを出した。
アランはそれを左腕で防ぎ、右足で父上の左脇腹を目掛けて蹴り上げた。
父上はそれをバックステップで避け、1度距離を取った。
「元とはいえ流石守護騎士…1撃が重いな。」
「アラン殿も…流石元Sランク冒険者だ。」
「今後はこちらから…行くぞ!!」
左右に身体を動かしながら距離を詰め、瞬間的に速度を上げて父上の懐に入った。
「なっ…!!」
父上は咄嗟に両腕を前に出し、攻撃を防ごうとした。
これにより、視線の先に腕があるため死角が生まれてしまった。
アランはそれを狙っていたようで、死角を利用して横へ移動した。
そして左足を振り上げ、父上の右脇腹に直撃した。
「そこまで!!勝者、アラン!!」
「くっ…!参った。」
「こんな手強い相手と戦ったのは久しぶりだ。」
「そうか。そこの生徒、付き合わせて悪かったな。」
「いえ。ところで礼拝堂で祈りを捧げてもよろしいでしょうか?」
「構わない。」
「ありがとうございます。アラン、少し待っていてもらえるか?」
「ああ。」
俺は礼拝堂に入り、祈りを捧げた。
『ア、アルフレッドさん!?早いお帰りですが…どうしたのですか?』
「実は…」
俺は魔物征伐に駆り出されることになった事情を説明した。
『なるほど…私としてもアルフレッドさんを失うわけにはいきません…』
「何かスキルをいただくことは可能ですか?」
『天界の制約上難しいですね…あ、でもアルフレッドさんのおかげでランクが上がったんです!
そのお礼という形なら…!!』
「神様のランク…ですか?」
『はい!例えば信者の増加やお供え物、世界の救済によって神としてのランクが上がるんです!
今回は魔物征伐に対して素晴らしい対応をしたとして、全能神様にランクを1つ上げていただいたんです!!』
「なるほど…それは良かったですね!」
『は、はい!!なので1つだけなら何でも与えられます!』
「そうですね…では”探知”のスキルをください。」
『分かりました。…はい、これで習得したはずです。』
「ありがとうございます。では戻って魔物征伐の準備をしますね。」
『き、気を付けてくださいね!!絶対に命を落とさないように…!!』
「ありがとうございます。」
そう言って真っ白な空間から現実に戻った。
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