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第177話 蟲のダンジョン 上層①
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それから安全地帯で“魔法分解“の実験を行った。
効果は発動中及び発動後の魔法に対し、魔法を魔力に霧散して無効化することができるという。
死魔法”デスタッチ”を応用したものと効果が似ている。
ただし、魔法の規模が大きくなればなるほど分解までの時間が長くなるという。
また、込める魔力量が多ければ多いほど分解するまでの時間が短くなるらしい。
『戦っていて厄介だっただけあるな…』
一息つき、消費したMPやTPが自動回復し終えたので21層に向かった。
そこは砂漠のフィールドで、蟻の魔物の姿が見えた。
『…ん?また蟻か…?』
そんなことを思っていると、蟻がどんどん砂漠の中に沈んでいった
そして、底まで沈んだと思ったら蟻の身体の一部がこちらまで飛んできた。
『…っ!?!?食われたのか…!?!?』
底に魔物がいると考え“レーダー“を行使すると、地中深くに反応があった。
『なるほどな…蟻地獄の魔物か。』
つまり、この21層は自然にできた罠で溢れているということだ。
『それにしても砂は歩きにくいし暑いし罠多そうだし…魔法使って移動するか。』
俺は風属性魔法で宙に浮かび、そして周囲に展開している結界の中で氷属性魔法を行使して涼んだ。
これなら快適に砂漠のフィールドを進める。
それから数十分かけて一通り“マッピング“を終えたが、宝箱が一つも見つからなかった。
蟻の時と同様に、今度は蟻地獄の魔物の巣の中に沈んでいるのだろう。
『…倒すか。』
先程捕食された蟻の様子から察するに、蟻地獄の魔物の罠は巣から出ようとして足掻けば足掻くほど底に沈んでいく仕組みらしい。
となれば、地上に誘い出して倒すのが有効だろう。
『…でもどうやって誘い出す?』
餌の代わりを用意しようにも、魔物の死体は持っていない。
この層にいる蟻の魔物を捕まえて利用しても良いが…手間がかかり過ぎる。
『…いや、誘い出さずに巣ごと崩壊させた方が早いな。』
俺は風属性魔法でより上空に飛翔し、氷属性魔法“アイスジャベリン“を巣穴の底に放った。
魔法が当たったが仕留めきれなかったようで、蟻地獄の魔物は巣から身体を出して反撃に転じた。
『なっ…!でかいな…』
蟻の魔物を一口で捕食していたのである程度の大きさは予想していたが…
まさか十数mあるとは思わなかった。
蟻地獄の魔物は遠距離の攻撃手段が無いようで、ただこちらを睨んでくる。
俺は躊躇なく氷属性魔法“アイスジャベリン“を、蟻地獄の魔物が死ぬまで行使した。
『ふぅ…なかなかHP高かったな…』
蟻地獄の魔物に近づいて“鑑定“したが、便利そうな魔物スキルを習得していなかったので、“略奪“はしなかった。
風属性魔法で周囲の砂を飛ばしながら巣の中に入ってみると、やはり宝箱が埋もれていた。
その宝箱に“罠探知“を行使すると、“毒魔法“のときと同じくらい頑丈な罠が仕掛けられていた。
『これは期待大だな…!!』
俺は“罠解除“を行使して罠を無効化し、ゆっくりと宝箱の蓋を開けた。
中身は“雷属性魔法“のスクロールだった。
『おぉ…!新魔法だ…!!』
俺はすぐさまSP消費して“雷属性魔法“をSランクまで習得した。
この“雷属性魔法“は、全ての魔法攻撃に“パラライズ“の効果が付与されるようだ。
“パラライズ“が敵にかかる確率は限りなく低いが、それでも無いよりはマシだろう。
早速蟻地獄の魔物で試してみよう。
近くにあった巣に向かって雷属性魔法“ライトニングジャベリン“を放った。
すると、まるで本物の雷のような轟音を響かせながら巣に雷の槍が落ちた。
落ちた先は一帯が暗く焦げ、蟻地獄の魔物は直撃した表皮が焦げてパラパラと崩れていった。
『おぉ…なかなか威力あるな…!音はうるさいし派手だけど…格好良いな!』
いかにもファンタジーな感じで子供心をくすぐられる。
それからフィールドにいた全ての蟻地獄の魔物を倒し、巣穴を漁った。
宝箱は四つ見つかり、うち二つは“〇〇のリング“系ではずれだったが、もう二つは“レジストリングS“という指輪だった。
効果は、二つとも状態異常耐性60%増、防御力10%減というものだ。
『“状態異常耐性“習得してるから要らないなぁ…誰かにあげるか。』
何か見落としをしていないか確かめるため攻略本を開くと、思わぬ事実に出会った。
「これは独断と偏見だが、蟲のダンジョンで最も攻略が困難だったのは21層である。21層で足踏みをして経験を積んだものは、簡単に22~30層を攻略できるだろう。」
とのことだ。
『まじか…確かに“アイスジャベリン“数発耐えられたしな。まあ執筆者の独断と偏見らしいし気にしなくていいか。』
少し休憩した後、気を取り直して22層へ上った。
効果は発動中及び発動後の魔法に対し、魔法を魔力に霧散して無効化することができるという。
死魔法”デスタッチ”を応用したものと効果が似ている。
ただし、魔法の規模が大きくなればなるほど分解までの時間が長くなるという。
また、込める魔力量が多ければ多いほど分解するまでの時間が短くなるらしい。
『戦っていて厄介だっただけあるな…』
一息つき、消費したMPやTPが自動回復し終えたので21層に向かった。
そこは砂漠のフィールドで、蟻の魔物の姿が見えた。
『…ん?また蟻か…?』
そんなことを思っていると、蟻がどんどん砂漠の中に沈んでいった
そして、底まで沈んだと思ったら蟻の身体の一部がこちらまで飛んできた。
『…っ!?!?食われたのか…!?!?』
底に魔物がいると考え“レーダー“を行使すると、地中深くに反応があった。
『なるほどな…蟻地獄の魔物か。』
つまり、この21層は自然にできた罠で溢れているということだ。
『それにしても砂は歩きにくいし暑いし罠多そうだし…魔法使って移動するか。』
俺は風属性魔法で宙に浮かび、そして周囲に展開している結界の中で氷属性魔法を行使して涼んだ。
これなら快適に砂漠のフィールドを進める。
それから数十分かけて一通り“マッピング“を終えたが、宝箱が一つも見つからなかった。
蟻の時と同様に、今度は蟻地獄の魔物の巣の中に沈んでいるのだろう。
『…倒すか。』
先程捕食された蟻の様子から察するに、蟻地獄の魔物の罠は巣から出ようとして足掻けば足掻くほど底に沈んでいく仕組みらしい。
となれば、地上に誘い出して倒すのが有効だろう。
『…でもどうやって誘い出す?』
餌の代わりを用意しようにも、魔物の死体は持っていない。
この層にいる蟻の魔物を捕まえて利用しても良いが…手間がかかり過ぎる。
『…いや、誘い出さずに巣ごと崩壊させた方が早いな。』
俺は風属性魔法でより上空に飛翔し、氷属性魔法“アイスジャベリン“を巣穴の底に放った。
魔法が当たったが仕留めきれなかったようで、蟻地獄の魔物は巣から身体を出して反撃に転じた。
『なっ…!でかいな…』
蟻の魔物を一口で捕食していたのである程度の大きさは予想していたが…
まさか十数mあるとは思わなかった。
蟻地獄の魔物は遠距離の攻撃手段が無いようで、ただこちらを睨んでくる。
俺は躊躇なく氷属性魔法“アイスジャベリン“を、蟻地獄の魔物が死ぬまで行使した。
『ふぅ…なかなかHP高かったな…』
蟻地獄の魔物に近づいて“鑑定“したが、便利そうな魔物スキルを習得していなかったので、“略奪“はしなかった。
風属性魔法で周囲の砂を飛ばしながら巣の中に入ってみると、やはり宝箱が埋もれていた。
その宝箱に“罠探知“を行使すると、“毒魔法“のときと同じくらい頑丈な罠が仕掛けられていた。
『これは期待大だな…!!』
俺は“罠解除“を行使して罠を無効化し、ゆっくりと宝箱の蓋を開けた。
中身は“雷属性魔法“のスクロールだった。
『おぉ…!新魔法だ…!!』
俺はすぐさまSP消費して“雷属性魔法“をSランクまで習得した。
この“雷属性魔法“は、全ての魔法攻撃に“パラライズ“の効果が付与されるようだ。
“パラライズ“が敵にかかる確率は限りなく低いが、それでも無いよりはマシだろう。
早速蟻地獄の魔物で試してみよう。
近くにあった巣に向かって雷属性魔法“ライトニングジャベリン“を放った。
すると、まるで本物の雷のような轟音を響かせながら巣に雷の槍が落ちた。
落ちた先は一帯が暗く焦げ、蟻地獄の魔物は直撃した表皮が焦げてパラパラと崩れていった。
『おぉ…なかなか威力あるな…!音はうるさいし派手だけど…格好良いな!』
いかにもファンタジーな感じで子供心をくすぐられる。
それからフィールドにいた全ての蟻地獄の魔物を倒し、巣穴を漁った。
宝箱は四つ見つかり、うち二つは“〇〇のリング“系ではずれだったが、もう二つは“レジストリングS“という指輪だった。
効果は、二つとも状態異常耐性60%増、防御力10%減というものだ。
『“状態異常耐性“習得してるから要らないなぁ…誰かにあげるか。』
何か見落としをしていないか確かめるため攻略本を開くと、思わぬ事実に出会った。
「これは独断と偏見だが、蟲のダンジョンで最も攻略が困難だったのは21層である。21層で足踏みをして経験を積んだものは、簡単に22~30層を攻略できるだろう。」
とのことだ。
『まじか…確かに“アイスジャベリン“数発耐えられたしな。まあ執筆者の独断と偏見らしいし気にしなくていいか。』
少し休憩した後、気を取り直して22層へ上った。
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