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第153話 発展
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商会に戻ると、皆は即座に建築の設計やら場所取りやらを話し合い始めた。
『…商人のやる気ってすごいなぁ。』
待つこと数時間
「終わったぜ兄貴!!」
「…俺のことか?」
「おうよ!!あっしは建築担当のウェイドだ!よろしくな!!」
「あ、ああ。」
力仕事をしているだけあって身体が大きく、その上顔がいかつい。
こういった人に兄貴と呼ばれると何となくむずがゆい。
「建築資材についてなんだが…予定通り兄貴に運んでもらってもいいか?」
「ああ。」
「助かるぜ!!じゃあ木材を…」
合計96軒の店が建つだけあって、必要な資材量が半端じゃない。
”アイテムボックス”のありがたみを改めてしみじみと感じた。
それから全ての資材を"アイテムボックス"に収納し終えた後、建築作業員計120人と集合した。
「準備できたぜ兄貴!!チャチャっと頼んます!!」
「お願いしやす!!!!!」
「あ、ああ。」
作業員たちのノリについて行けず、少し気後れしてしまった
気を取り直し、俺はヴァルハラ帝国に”領域転移”した。
「おぉ…やっぱり兄貴は凄いっす!!!」
「ありがとう。」
「よしお前等ーー!!!!!気合入れていくぞ!!!!!」
「おおおおおおお!!!!!」
商人達と話し合った結果、30軒は王都の商会と同じように巨大施設を作り、残りの66軒は商店街を二つ作り、そこに建てることに決まった。
玉座前の広場を中心にして作ることで、街全体を賑やかに見せる算段だ。
『街並みはこれでいいとして…配下たちのお金はどうするかな。』
商人達から海龍討伐報酬の商会買い物券を民たちも対象内にしていいと言われたが、それだと誰かしら要らないものまで爆買いしてしまいそうだ。
しかし、買い物券の総予算からして爆買いしても何十年かは持つだろう。
『…いや、それだと民たちの金銭感覚が鈍るから月ごとに予算を決めよう。』
メリルに聞いたところ、王都在住の一般市民一人の平均月収は金貨20枚だという。
しかし家賃と食費は浮くので、一人金貨10枚でいいだろう。
『全員に帳簿を書いてもらわないといけないな…それに財務大臣的な役職も欲しい…』
魔族の中で帳簿を管理できる人はいるだろうか…?
始めの内は商会で会計士を雇い、教育してもらった方がよさそうだ。
担当は…ルカたちデミデーモンにしよう。
彼女らは人数が他より多いだけでなく、死の魔力の研究をしているため皆知性が高い。
即戦力となるだろう。
「兄貴!!ここは危ないんで少し離れていてください!!」
「ん?あ、ああ。…ん!?」
考え事をしているうちに作業が非常に進んでおり、もう店が三軒完成していた。
「…早くないか?」
「おうよ!!あっしらは世界の中でも一流の建築士だかんな!!」
「そうだったのか…!!」
ヴァルハラ帝国発展に協力してくれている商人は役職しか覚えていなかったため、思わぬ掘り出し物を見つけた気分だ。
…本当に海龍討伐は何かと助かったな。
別に恩を売るなどといった思惑があって海龍を倒したのではないが、まあ結果オーライだ。
「じゃあウェイド、俺は商会に戻るが作業を頼む。何かあったらこの通信の魔道具で連絡してくれ。」
「わかりやした!!兄貴、お疲れ様っす!!!」
「お疲れ様でした!!!!!!!」
全員が急に作業を辞め、こちらを向いて挨拶してきたので驚いた。
面識もないというのに、相当慕われていたようだ。
『…さて、今後の計画を細かく立てるか。』
俺は商会に”転移”した。
商会にいる建築担当以外の商人と何時間もかけて会議をし、結果会計士だけでなく農業や魔術研究など、様々な教育担当を送ってくれることになった。
「本当に助かった…!!」
「気にしないでいいのよ!!それだけみんなが海龍を倒してくれたことに感謝してるんだから!」
「ああ…!!」
翌日
早速各教育係がヴァルハラ帝国に派遣され、それぞれ担当の種族のもとに就いた。
度々様子を見に行ったが、教育者は誰一人として魔族を恐れず丁寧に教えてくれていた。
そして一か月と数週間後
全ての店の建築を終え、同時に新人教育も一通り終了した。
「兄貴!!この街並みはあっしらの自信作でっせ!!…どうっすか?」
「ああ…!!本当によくやってくれたよ!!!」
位置取りの関係上屋敷を解体し、その後商店街の間に住宅街を作ってくれた。
おかげでヴァルハラ帝国の建築物数は一気に増え、今や王都に負けず劣らずの街並みだ。
俺みたいに建築技術しかない素人と違い、プロの建築はまさに芸術だ。
陽当たりや景色、風通しなども全て計算し、建築していたのだ。
…本当に凄まじい技術だ。
「…っ!!あざます!!!!お前等!!!兄貴に褒められたぞ!!!!」
「おおおおおおお!!!!!」
「今後も建築の予定があったら頼む。」
「任せてくだせぇ!!」
「教育係のみんなも本当に助かった。」
「いえいえ。私たちも魔族の方々に教えるという貴重な経験をさせていただきました。」
「それは良かった。」
これで本格的に国として機能し始めることができる。
さあ、人族と魔族が共存できる国造りを始めよう。
『…商人のやる気ってすごいなぁ。』
待つこと数時間
「終わったぜ兄貴!!」
「…俺のことか?」
「おうよ!!あっしは建築担当のウェイドだ!よろしくな!!」
「あ、ああ。」
力仕事をしているだけあって身体が大きく、その上顔がいかつい。
こういった人に兄貴と呼ばれると何となくむずがゆい。
「建築資材についてなんだが…予定通り兄貴に運んでもらってもいいか?」
「ああ。」
「助かるぜ!!じゃあ木材を…」
合計96軒の店が建つだけあって、必要な資材量が半端じゃない。
”アイテムボックス”のありがたみを改めてしみじみと感じた。
それから全ての資材を"アイテムボックス"に収納し終えた後、建築作業員計120人と集合した。
「準備できたぜ兄貴!!チャチャっと頼んます!!」
「お願いしやす!!!!!」
「あ、ああ。」
作業員たちのノリについて行けず、少し気後れしてしまった
気を取り直し、俺はヴァルハラ帝国に”領域転移”した。
「おぉ…やっぱり兄貴は凄いっす!!!」
「ありがとう。」
「よしお前等ーー!!!!!気合入れていくぞ!!!!!」
「おおおおおおお!!!!!」
商人達と話し合った結果、30軒は王都の商会と同じように巨大施設を作り、残りの66軒は商店街を二つ作り、そこに建てることに決まった。
玉座前の広場を中心にして作ることで、街全体を賑やかに見せる算段だ。
『街並みはこれでいいとして…配下たちのお金はどうするかな。』
商人達から海龍討伐報酬の商会買い物券を民たちも対象内にしていいと言われたが、それだと誰かしら要らないものまで爆買いしてしまいそうだ。
しかし、買い物券の総予算からして爆買いしても何十年かは持つだろう。
『…いや、それだと民たちの金銭感覚が鈍るから月ごとに予算を決めよう。』
メリルに聞いたところ、王都在住の一般市民一人の平均月収は金貨20枚だという。
しかし家賃と食費は浮くので、一人金貨10枚でいいだろう。
『全員に帳簿を書いてもらわないといけないな…それに財務大臣的な役職も欲しい…』
魔族の中で帳簿を管理できる人はいるだろうか…?
始めの内は商会で会計士を雇い、教育してもらった方がよさそうだ。
担当は…ルカたちデミデーモンにしよう。
彼女らは人数が他より多いだけでなく、死の魔力の研究をしているため皆知性が高い。
即戦力となるだろう。
「兄貴!!ここは危ないんで少し離れていてください!!」
「ん?あ、ああ。…ん!?」
考え事をしているうちに作業が非常に進んでおり、もう店が三軒完成していた。
「…早くないか?」
「おうよ!!あっしらは世界の中でも一流の建築士だかんな!!」
「そうだったのか…!!」
ヴァルハラ帝国発展に協力してくれている商人は役職しか覚えていなかったため、思わぬ掘り出し物を見つけた気分だ。
…本当に海龍討伐は何かと助かったな。
別に恩を売るなどといった思惑があって海龍を倒したのではないが、まあ結果オーライだ。
「じゃあウェイド、俺は商会に戻るが作業を頼む。何かあったらこの通信の魔道具で連絡してくれ。」
「わかりやした!!兄貴、お疲れ様っす!!!」
「お疲れ様でした!!!!!!!」
全員が急に作業を辞め、こちらを向いて挨拶してきたので驚いた。
面識もないというのに、相当慕われていたようだ。
『…さて、今後の計画を細かく立てるか。』
俺は商会に”転移”した。
商会にいる建築担当以外の商人と何時間もかけて会議をし、結果会計士だけでなく農業や魔術研究など、様々な教育担当を送ってくれることになった。
「本当に助かった…!!」
「気にしないでいいのよ!!それだけみんなが海龍を倒してくれたことに感謝してるんだから!」
「ああ…!!」
翌日
早速各教育係がヴァルハラ帝国に派遣され、それぞれ担当の種族のもとに就いた。
度々様子を見に行ったが、教育者は誰一人として魔族を恐れず丁寧に教えてくれていた。
そして一か月と数週間後
全ての店の建築を終え、同時に新人教育も一通り終了した。
「兄貴!!この街並みはあっしらの自信作でっせ!!…どうっすか?」
「ああ…!!本当によくやってくれたよ!!!」
位置取りの関係上屋敷を解体し、その後商店街の間に住宅街を作ってくれた。
おかげでヴァルハラ帝国の建築物数は一気に増え、今や王都に負けず劣らずの街並みだ。
俺みたいに建築技術しかない素人と違い、プロの建築はまさに芸術だ。
陽当たりや景色、風通しなども全て計算し、建築していたのだ。
…本当に凄まじい技術だ。
「…っ!!あざます!!!!お前等!!!兄貴に褒められたぞ!!!!」
「おおおおおおお!!!!!」
「今後も建築の予定があったら頼む。」
「任せてくだせぇ!!」
「教育係のみんなも本当に助かった。」
「いえいえ。私たちも魔族の方々に教えるという貴重な経験をさせていただきました。」
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さあ、人族と魔族が共存できる国造りを始めよう。
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