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第127話 スクロール
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イワンを倒してから5日が経った。
城を中心とした半径50km以内の探索を終えた。
また、その際イワンが構えていたと思われる拠点を見つけた。
…まあもぬけの殻だったのでそのまま放置しておくことにしたが。
「ダグラス様、周囲はどういった様子でしたでしょうか?」
「半径30km地点までは何の魔物もいなかった。それ以降はオーガやスケルトン、ゴブリンとか様々な魔物の生息地だった。」
「なるほど…」
「どうして近くに生息しないのか分かるか?」
「おそらくダグラス様の強者の雰囲気を本能で感じとっているのでしょう。」
「そうなのか。」
確かに魔物は弱肉強食の世界に身を置いているので、危機管理能力が高いとされている。
実際に見るのは初めてだが、大したものだ。
「ねーねー!そんなことよりどうしてグレイとダグラス様は知り合いだったの?」
「あー…それは宝の地図が示す場所がグレイの城で…ってあ!!!宝!!!」
完全に宝のことを忘れていた。
そもそも宝を回収するためにグレイの城を攻めたというのに。
「宝…ですか?」
「ああ。グレイ、何か心当たりはないか?」
「いえ…」
「そうか。」
心当たりがないのなら、もしかしたら地中に埋まってたりするのかもしれない。
そもそも、その宝の地図が嘘だったという可能性も出てきた。
「一度見に行こう。」
「分かりました。城の内部は私めが案内いたします。」
「助かる。」
「ちょっとあたしを除け者にしないでよー!!!」
「あ、ああ。すまない。リリスはルカと共にヴァルハラを守ってくれ。」
「分かったわ!」
俺はグレイを連れて”転移”した。
あの時のことを思い出して罪悪感が蘇ってきたが、グレイは水に流そうとしていたので気にしないでおこう。
「そういえばグレイ、ここはこのままにしておくのか?」
「そうですね…特に使い道がありませんが…」
「良い城だからな。せっかくなら第二の拠点にしないか?」
「…承知いたしました。しかし、どのようなときに使うのですか?」
「そうだなぁ…例えば他の魔王候補者に俺たちの拠点を誤魔化すときとか?」
「なるほど…確かに使えそうですね。」
威厳を保つためグレイに言わないが、最悪ヴァルハラが危険な時の避難場所にも活用するつもりだ。
…まあそのときは俺が死ぬときだろうが。
「ダグラス様、宝の地図を一度見せてもらっても良いでしょうか?」
「ああ。」
俺は”アイテムボックス”から地図を取り出し、グレイに渡した。
「ここで間違いないようですね。では一度、城内を案内いたします。」
「ああ。」
それから時間をかけて城を探しまわったが、なかなか見つからない。
「…城内はここで最後か。ここは…?」
「宝物庫でございます。…部下が勝手に作って管理していた場所です。」
「…そうか。」
宝物庫のドアを開けると、そこは金銀財宝で溢れかえっていた。
「すごいな…」
「私めも…まさかこれほどになっていたとは知りませんでした…」
「所有権は全てグレイに渡すが…どうする?」
「全てダグラス様に献上いたします。」
「ありがとう。」
全て”アイテムボックス”にしまい、”鑑定”した。
しかし、金や装飾品ばかりで宝と思われる物は見つからなかった。
「ダグラス様、地面に隠し扉がございます。」
「…財宝に埋もれていたのか。」
罠を警戒して”罠探知”を行使したが、何も仕掛けられていなかった。
「…開けるぞ?」
「お気をつけください。」
「ああ。」
ギィ…と音を立てながらゆっくりと開けた。
すると、隠し扉の中は1平方メートルほどの空間で、古びた箱が一つぽつんと置いてあった。
”罠探知”を行使してみると、罠は既に発動していた。
『…おかしいな。』
”鑑定”してみると、その罠は毒針を飛ばすものだったようだ。
この箱の中身は空であるはずが高い。
「…グレイ、以前部下が毒にかかったことはあったか?」
「はい。確か箱を開けて…っ!!その箱が?」
「多分な。その時毒にかかった部下はどうなった?」
「毒回復ポーションで治しました。その後箱を危険視して部下にしまうよう言ったのです。」
「そうか。…開けるぞ。」
「はい。」
箱の中身は古びた紙の巻物一つだった。
「これは…スクロールか?」
「おそらく。見るのは初めてでございます。」
「…俺もだ。」
以前フィオナ先生に見せてもらった文献によると、スクロールに似せた罠を生産していた時期があった。
それは開けるとデバフがかかるスクロールで、一番酷いものは周辺10m内にいた者全てを毒状態にさせたらしい。
「グレイ、離れてくれ。」
「はっ!」
グレイと20mほど距離を取ると、俺はそのスクロールを開けた。
すると、ピロン!!というステータス音がした。
ステータスを見てみると、”召喚魔法F”というのが増えていた。
宝の地図はどうやら本物だったようだ。
城を中心とした半径50km以内の探索を終えた。
また、その際イワンが構えていたと思われる拠点を見つけた。
…まあもぬけの殻だったのでそのまま放置しておくことにしたが。
「ダグラス様、周囲はどういった様子でしたでしょうか?」
「半径30km地点までは何の魔物もいなかった。それ以降はオーガやスケルトン、ゴブリンとか様々な魔物の生息地だった。」
「なるほど…」
「どうして近くに生息しないのか分かるか?」
「おそらくダグラス様の強者の雰囲気を本能で感じとっているのでしょう。」
「そうなのか。」
確かに魔物は弱肉強食の世界に身を置いているので、危機管理能力が高いとされている。
実際に見るのは初めてだが、大したものだ。
「ねーねー!そんなことよりどうしてグレイとダグラス様は知り合いだったの?」
「あー…それは宝の地図が示す場所がグレイの城で…ってあ!!!宝!!!」
完全に宝のことを忘れていた。
そもそも宝を回収するためにグレイの城を攻めたというのに。
「宝…ですか?」
「ああ。グレイ、何か心当たりはないか?」
「いえ…」
「そうか。」
心当たりがないのなら、もしかしたら地中に埋まってたりするのかもしれない。
そもそも、その宝の地図が嘘だったという可能性も出てきた。
「一度見に行こう。」
「分かりました。城の内部は私めが案内いたします。」
「助かる。」
「ちょっとあたしを除け者にしないでよー!!!」
「あ、ああ。すまない。リリスはルカと共にヴァルハラを守ってくれ。」
「分かったわ!」
俺はグレイを連れて”転移”した。
あの時のことを思い出して罪悪感が蘇ってきたが、グレイは水に流そうとしていたので気にしないでおこう。
「そういえばグレイ、ここはこのままにしておくのか?」
「そうですね…特に使い道がありませんが…」
「良い城だからな。せっかくなら第二の拠点にしないか?」
「…承知いたしました。しかし、どのようなときに使うのですか?」
「そうだなぁ…例えば他の魔王候補者に俺たちの拠点を誤魔化すときとか?」
「なるほど…確かに使えそうですね。」
威厳を保つためグレイに言わないが、最悪ヴァルハラが危険な時の避難場所にも活用するつもりだ。
…まあそのときは俺が死ぬときだろうが。
「ダグラス様、宝の地図を一度見せてもらっても良いでしょうか?」
「ああ。」
俺は”アイテムボックス”から地図を取り出し、グレイに渡した。
「ここで間違いないようですね。では一度、城内を案内いたします。」
「ああ。」
それから時間をかけて城を探しまわったが、なかなか見つからない。
「…城内はここで最後か。ここは…?」
「宝物庫でございます。…部下が勝手に作って管理していた場所です。」
「…そうか。」
宝物庫のドアを開けると、そこは金銀財宝で溢れかえっていた。
「すごいな…」
「私めも…まさかこれほどになっていたとは知りませんでした…」
「所有権は全てグレイに渡すが…どうする?」
「全てダグラス様に献上いたします。」
「ありがとう。」
全て”アイテムボックス”にしまい、”鑑定”した。
しかし、金や装飾品ばかりで宝と思われる物は見つからなかった。
「ダグラス様、地面に隠し扉がございます。」
「…財宝に埋もれていたのか。」
罠を警戒して”罠探知”を行使したが、何も仕掛けられていなかった。
「…開けるぞ?」
「お気をつけください。」
「ああ。」
ギィ…と音を立てながらゆっくりと開けた。
すると、隠し扉の中は1平方メートルほどの空間で、古びた箱が一つぽつんと置いてあった。
”罠探知”を行使してみると、罠は既に発動していた。
『…おかしいな。』
”鑑定”してみると、その罠は毒針を飛ばすものだったようだ。
この箱の中身は空であるはずが高い。
「…グレイ、以前部下が毒にかかったことはあったか?」
「はい。確か箱を開けて…っ!!その箱が?」
「多分な。その時毒にかかった部下はどうなった?」
「毒回復ポーションで治しました。その後箱を危険視して部下にしまうよう言ったのです。」
「そうか。…開けるぞ。」
「はい。」
箱の中身は古びた紙の巻物一つだった。
「これは…スクロールか?」
「おそらく。見るのは初めてでございます。」
「…俺もだ。」
以前フィオナ先生に見せてもらった文献によると、スクロールに似せた罠を生産していた時期があった。
それは開けるとデバフがかかるスクロールで、一番酷いものは周辺10m内にいた者全てを毒状態にさせたらしい。
「グレイ、離れてくれ。」
「はっ!」
グレイと20mほど距離を取ると、俺はそのスクロールを開けた。
すると、ピロン!!というステータス音がした。
ステータスを見てみると、”召喚魔法F”というのが増えていた。
宝の地図はどうやら本物だったようだ。
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