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第115話 契約
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「ダグラス様、この度は本当にありがとうございました…!おかげでこの森は安泰です…!!」
「それはよかった。」
「まさか満タンにしてくれるなんで思いませんでしたよ…!!」
「え…?てっきり俺は満タンにしてくださいって頼まれてるのかと…」
「わたしは現状を改善できるだけでも…と思ってたんですが…ふふふっ!!お互いに色々誤解してたみたいですね!!」
「そうだな!!」
大変な重労働だったが、貴重な体験だったので経験できて良かったと思う。
「じゃあそろそろ俺は家に帰るよ。」
「えっと…うちに泊まっていきませんか…?」
「そうだな…ちょっと家の人に聞いてくるから待っててくれ。」
俺は少し静かなところに移動し、通信の魔道具でリヴェリアに連絡した。
「リヴェリア、俺だ。」
「随分遅くなってるみたいだけど大丈夫?」
「ああ。それで、急なんだが今日精霊の森に泊まって来てもいいか?」
「…えっ!?…精霊の森に!?何があったのか明日説明して頂戴ね。」
「分かった。じゃあまた。」
「ええ。」
確かに外との交流をできるだけ避けている精霊の森に突然泊まることになったと言ったら、誰しもが驚くことだろう。
リヴェリアの驚いた顔が容易に想像できた。
「おかえりなさい。それで、どうでしたか…?」
「泊まってきていいってさ。」
「良かった…!!」
心なしかドライアドが紅潮しているような気がする。
先程酒を飲んでいたから、きっと酔っぱらっているのだろう。
「それと、明日一度家に帰ってから戻ってくるんだが…その時にパーティメンバーを連れてきてもいいか?」
「…手紙を書いた人ですか?」
「ああ。」
「分かりました。フィンに用があるようなので、フィンも呼んでおきますね。」
「ありがとう。」
「いえ!!それじゃあわたしの家に行きましょう!!」
やけにドライアドのテンションが高い気がする。
これが普通なのかもしれないが、家に呼ぶことといい何か企んでいるのだろうか。
「着きました!上がってください!!」
「ああ。邪魔する。」
家の中は人間の家と特に変わったところが見当たらない。
生活水準はほとんど変わらないのだろうか。
「ダグラス様~~!!!」
「なっ…なに!?」
突然飛びついてきて、そのままベッドに押し倒された。
『もしかして俺はここで一線を越えてしまうのか…?』
そんなことを思い、恥ずかしく思いながらも顔を上げるとドライアドはとても真剣な顔をしていた。
「ダグラス様!!是非私と契約してください!!」
「契約って…精霊魔法の?」
「そうです!きっとお役に立てるはずです!!」
とても意気込んでいるが、そもそもドライアドは精霊に分類されるのだろうか。
「…詳しく知らないんだが、ドライアドは精霊の一種なのか?」
「はい!一応上位精霊に分類されています!!」
上位精霊というように、精霊はランク分けされている。
大精霊>上位精霊>下位精霊>妖精となっている。
なお、契約する相手の質によってはランクが上がるらしい。
『ということはドライアドはランクアップ目当てで契約を申し込んでいるのか…?』
そんな打算的な付き合いに応えるつもりはない。
「…どうして俺と契約したいんだ?」
「それは…強くて憧れたからです!!」
「ランクアップが目的じゃなく?」
「それは…確かに無いとは言えません。でも憧れて、尊敬しているのは事実です!!」
試しに以前習得した”看破”スキルを行使してみたが、特に何も引っかからなかった。
ということはこれは本音で話しているようだ。
「…分かった。」
「本当ですか!?ありがとうございます!!!」
ドライアドが喜ぶと同時に、外が何やら騒がしくなった。
「なんだ…?」
すると、たくさんの精霊たちが家に押し入ってきた。
「長ばっかりずるい!!!!私たちとも契約してよ!!!」
「そうだよ!!!私たちもダグラス様が好きなんだから!!!」
”看破”を行使したが、どうやら全員本音のようだ。
こんなにも慕われるのは非常に嬉しいが、どこかくすぐったいような心地がする。
「分かった…じゃあ公平に全員契約するか。」
「本当!?ありがとう!!」
「ああ!」
契約はただ名前を付けて魔力を流すだけなのだが、俺にとっては重労働だった。
なぜなら俺のネーミングセンスは絶望的だからだ。
「本当に名前は何でもいいんだな…?」
「うん!!」
「分かった。…じゃあお前の名前はエーワンだ!お前はエーツー、お前は…」
そして妖精を含め、総勢276名との契約を終えた。
精霊魔法は契約している精霊が強いほど、量が多いほど強力なものとなるため、ウィンウィンだった。
『適当に名前つけちゃったが本当に良かったのか…?』
そんな罪悪感を感じ、なかなか寝付けなかった。
「それはよかった。」
「まさか満タンにしてくれるなんで思いませんでしたよ…!!」
「え…?てっきり俺は満タンにしてくださいって頼まれてるのかと…」
「わたしは現状を改善できるだけでも…と思ってたんですが…ふふふっ!!お互いに色々誤解してたみたいですね!!」
「そうだな!!」
大変な重労働だったが、貴重な体験だったので経験できて良かったと思う。
「じゃあそろそろ俺は家に帰るよ。」
「えっと…うちに泊まっていきませんか…?」
「そうだな…ちょっと家の人に聞いてくるから待っててくれ。」
俺は少し静かなところに移動し、通信の魔道具でリヴェリアに連絡した。
「リヴェリア、俺だ。」
「随分遅くなってるみたいだけど大丈夫?」
「ああ。それで、急なんだが今日精霊の森に泊まって来てもいいか?」
「…えっ!?…精霊の森に!?何があったのか明日説明して頂戴ね。」
「分かった。じゃあまた。」
「ええ。」
確かに外との交流をできるだけ避けている精霊の森に突然泊まることになったと言ったら、誰しもが驚くことだろう。
リヴェリアの驚いた顔が容易に想像できた。
「おかえりなさい。それで、どうでしたか…?」
「泊まってきていいってさ。」
「良かった…!!」
心なしかドライアドが紅潮しているような気がする。
先程酒を飲んでいたから、きっと酔っぱらっているのだろう。
「それと、明日一度家に帰ってから戻ってくるんだが…その時にパーティメンバーを連れてきてもいいか?」
「…手紙を書いた人ですか?」
「ああ。」
「分かりました。フィンに用があるようなので、フィンも呼んでおきますね。」
「ありがとう。」
「いえ!!それじゃあわたしの家に行きましょう!!」
やけにドライアドのテンションが高い気がする。
これが普通なのかもしれないが、家に呼ぶことといい何か企んでいるのだろうか。
「着きました!上がってください!!」
「ああ。邪魔する。」
家の中は人間の家と特に変わったところが見当たらない。
生活水準はほとんど変わらないのだろうか。
「ダグラス様~~!!!」
「なっ…なに!?」
突然飛びついてきて、そのままベッドに押し倒された。
『もしかして俺はここで一線を越えてしまうのか…?』
そんなことを思い、恥ずかしく思いながらも顔を上げるとドライアドはとても真剣な顔をしていた。
「ダグラス様!!是非私と契約してください!!」
「契約って…精霊魔法の?」
「そうです!きっとお役に立てるはずです!!」
とても意気込んでいるが、そもそもドライアドは精霊に分類されるのだろうか。
「…詳しく知らないんだが、ドライアドは精霊の一種なのか?」
「はい!一応上位精霊に分類されています!!」
上位精霊というように、精霊はランク分けされている。
大精霊>上位精霊>下位精霊>妖精となっている。
なお、契約する相手の質によってはランクが上がるらしい。
『ということはドライアドはランクアップ目当てで契約を申し込んでいるのか…?』
そんな打算的な付き合いに応えるつもりはない。
「…どうして俺と契約したいんだ?」
「それは…強くて憧れたからです!!」
「ランクアップが目的じゃなく?」
「それは…確かに無いとは言えません。でも憧れて、尊敬しているのは事実です!!」
試しに以前習得した”看破”スキルを行使してみたが、特に何も引っかからなかった。
ということはこれは本音で話しているようだ。
「…分かった。」
「本当ですか!?ありがとうございます!!!」
ドライアドが喜ぶと同時に、外が何やら騒がしくなった。
「なんだ…?」
すると、たくさんの精霊たちが家に押し入ってきた。
「長ばっかりずるい!!!!私たちとも契約してよ!!!」
「そうだよ!!!私たちもダグラス様が好きなんだから!!!」
”看破”を行使したが、どうやら全員本音のようだ。
こんなにも慕われるのは非常に嬉しいが、どこかくすぐったいような心地がする。
「分かった…じゃあ公平に全員契約するか。」
「本当!?ありがとう!!」
「ああ!」
契約はただ名前を付けて魔力を流すだけなのだが、俺にとっては重労働だった。
なぜなら俺のネーミングセンスは絶望的だからだ。
「本当に名前は何でもいいんだな…?」
「うん!!」
「分かった。…じゃあお前の名前はエーワンだ!お前はエーツー、お前は…」
そして妖精を含め、総勢276名との契約を終えた。
精霊魔法は契約している精霊が強いほど、量が多いほど強力なものとなるため、ウィンウィンだった。
『適当に名前つけちゃったが本当に良かったのか…?』
そんな罪悪感を感じ、なかなか寝付けなかった。
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