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第75話 アーティファクト

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攻撃を受けていくうちに、俺はだんだん戦闘に慣れていった。



『そろそろ反撃したいな…』



悪魔は絶えず攻撃してくるので、無理にこちらから攻撃しに行くよりカウンターを狙おうと思う。



『…今だ!!』



悪魔が強い7連撃を行使してきたので、その攻撃に合わせて俺は片手剣”レイドストリーム”を行使した。

レイドストリームの13連撃のうち7撃を槍スキルの相殺に、残りの5撃を悪魔に直撃させた。



「ぐあぁぁ!!!」



”リミットブレイク”の影響で防御力は上がったものの、防御をしなかったのでクリティカルしたようだ。



「ここまでか…」



”リミットブレイク”の効果が切れたようだ。



「おい人間、名は何という?」



「ダグラスだ。」



「そうか…俺様は悪魔の中でも最弱の部類に入る。

俺様より強い奴がゴロゴロいることをゆめゆめ忘れないことだな!!」



そう言うと悪魔は黒い霧になって消えた。



『今ので最弱か…もっと強くならないとな。』



もしあのグリズリーという悪魔から他の悪魔へと俺のことが広がっていったとしたら、これから厄介なことになりそうだ。



『というか、殺したはずなのに霧になって消えたな…』



悪魔は霧となって消えるだけで、死という概念が無いのかもしれない。



『せめて”鑑定&略奪”したかったな…』



ないものねだりしても仕方ないので、俺はギルドに帰った。



「あいつが帰ってきたぞ…!!」



会議参加者が急いでギルドに入っていった。

すると、今度はポールがドアを蹴り飛ばして出てきた。



「ダグラス、あいつは…?」



「倒したはずだが黒い霧になって消えた…」



「それでいい!!よくやった!!!」



「どういうことだ?」



「悪魔についてダグラスが戦ってる間に調べたんだが、悪魔は死なないが封印されるんだ。

黒い霧は封印されるときの現象だ。」



「そうか…よかった。」



「それにしてもまさか悪魔まで倒すとは…やるなぁおい!!」



「あいつは悪魔の中で最弱らしいぞ。」



「それでもだ!!」



「ありがとう。」



それから鉱山都市の無事を祝って宴が開かれた。



「それにしてもダグラス、お前何者だ?」



「…ポール、どういう意味だ?」



「インプだけじゃなくて悪魔まで倒すなんて…まるで古の時代の人の生まれ変わりじゃないか!!!ワッハッハッハ!!!」



そういう意味か。

転生者だと気づかれたわけではなくてよかった。



「言い過ぎだ。俺なんて多分古の時代の人の足元にも及ばないさ。」



「そうか…?まあそういうことにしておくか!ワッハッハッハ!!!」



酒に酔うとポールはダルがらみをする人だったらしい。

正直面倒くさい。



「俺は疲れたからもう帰る。またな。」



「ああ。」



安心しきってほんわかしている街の人々を背に俺は屋敷に帰った。



翌朝、報酬を受け取りにまずはアッシンのところに向かった。



「アッシン、報酬の件だが…」



「ああ、ちゃんと準備しているぞ!!ちょっと待ってろよ!!」



数分後、誰かを連れて戻ってきた。



「この度は仲間を助けてくださり本当にありがとうございました。私は採掘ギルドのギルマスです。」



「採掘ギルド…?」



初めて聞くギルド名だ。



「といってもこの街の、しかも数十人しかいないですがね。」



「そうなんですね。」



「それで、こちらをどうぞ!」



妙な魔力反応があるピッケルを受け取った。



「これは…?」



「ピッケルです!」



「それはそうなんだが…どこで手に入れたんだ?」



「実はですね…鉱山の奥から出土した物なんです!なんでもアーティファクトだとかなんとか…」



「ありがたく受け取らせてもらう。」



”鑑定”してみると、”古代の両手剣■”と出てきた。



『ランクがわからないだと…?まあデバフとかはかかってないようだから今は気にしなくていいか。』



次に、ポールのところに向かった。



「おうダグラス!やっと来たか!!」



「報酬は…?」



「そんなに心配しなくても用意してあるぞ!!ついてきな!!」



すると、ギルドの奥にある倉庫のようなところに案内された。



「これだ!!」



妙な魔力反応がある槍と弓、斧をもらった。



『またこの魔力反応か…』



”鑑定”してみると、やはり”古代の槍■”、”古代の弓■”、”古代の斧■”と出てきた。



「なぁポール、これらはどこで手に入れたんだ…?」



「実はな…俺が採掘してるときに出てきたんだ!なんでもアーティファクトらしくてな!」



鉱山都市はアーティファクトが出土しやすいのだろうか。

もしかすると古の時代、ここで街が栄えていたのかもしれない。



「ありがたく受け取らせてもらう。」



「ああ!!」



せっかくアーティファクトの武器を手に入れたので、それぞれのスキルを限界突破させようと思う。

鉱山都市での戦闘は両手剣と槍だけしか使わないようにしよう。



『一応マルコのところに行ってこのアーティファクトを”鑑定”してもらうか。』



結果としては、マルコの”鑑定SSS”でもランクを特定できなかった。



『もしかして何かに役立つのか…?まあそのうちわかるだろ!』



ひとまずは”アイテムボックス”に放置しておこうと思う。
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