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第59話 討伐大会 緊張の4日目

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翌日、約束の時間がやってきた。

そして門前には俺だけが待機していた。



数分後、激しく波をたてながら海龍が現れた。



「…貴様がこの街1番の強者か?」



「ああ。」



そう言った瞬間”危険察知”スキルの警鐘が激しく鳴った。



「…そうか!!確かに以前感じた強い波動と同じだ!!」



海龍が目覚めたのはもしかしたら俺の波動とやらのせいなのかもしれない。

少し皆に申し訳なくなってしまった。



「質問をしてもいいか?」



「良いぞ!我は器が広いからな!!」



「どうしてお前は強者を探しているんだ?」



「…我を殺してくれる相手を探しているのだ。我は昔、”タロウ”という主に仕えていた。」



…ん?

日本人の名前ではないか。



「でもタロウはある日、元の世界に帰ると言って消えた。そして我は孤独になった。」



「それは…寂しかったのか?」



「…そうかもしれん。我はあの充実した日々を忘れる前に死にたいのだ。」



「ならもう一度充実した日々を送ればいいじゃないか。」



「…タロウがいないのにどうすればいいと言うんだ!!!!」



海龍は激しく咆哮し、強い衝撃波が来た。



「俺がそのタロウさんの代わりにお前を楽しませてやるよ!!」



俺はその衝撃波に耐えて言った。



「我は自分より弱い奴と慣れあう気はないわ!!!」



「なら俺はお前より強いと証明すればいいんだろう?」



「ほう…なら早速戦おうではないか!!」



「っ!?待て!!」



「…今度はなんだ?」



「ここで戦うと街に被害が出る。それを気にして俺は全力を出せない。」



「…そうか。ならついてこい。」



海龍についていくと、何もない海のど真ん中に着いた。



「ここなら容赦なく全力で戦えるだろう?」



「ああ。ありがとう。」



果たして俺は大口をたたいたが海竜に勝てるだろうか。

海龍を”鑑定”してみた。




名前 海龍 種族 神龍 Lv.451 



ステータス

HP 688410/688410 MP 673610/673610 TP 655610/655610 



スキル

・魔法

水属性魔法S 光属性魔法S 氷属性魔法S 古代魔法S  



・魔物

ドラゴンブレスS



称号

水属性魔法の極意 光属性魔法の極意 氷属性魔法の極意 古代魔法の極意 

海の王 伝説の魔物 




Lvははるかに海龍の方が高いが、俺は”魔石吸収”のおかげでステータスは互角くらいだ。

ただ、対龍戦の経験がないので油断はできない。



『古代魔法はなんだか嫌な予感がするな…』



賢者の石と”鑑定”スキルで調べても”今はもう失われた古代の魔法”ということしかわからない。

仕方ないので古代魔法について調べるのは諦め、戦闘準備をした。



「貴様。準備はできたか?」



「ああ。」



「では貴様の方からかかってこい!!」



「行くぞ!!!!!」



俺は最初から殺すつもりで海龍の周りに結界魔法”絶対不可侵結界”を展開し、その結界内に火属性から順番にそれぞれの”メテオ系”を”転移”して攻撃した。



『どうだ…?』



”鑑定”をしてみるとHPは全然減っていなかった。



「なっ…!?」



これはどうやら”伝説の魔物”という称号の影響のようだ。

全身に”物理攻撃耐性結界”と”魔法攻撃耐性結界”が展開されていた。



俺が使っている結界魔法” 物理遮断シールド”と”魔法遮断シールド”などと同じ感じだろう。



「この程度か…?」



「まだまだ…!!」



一番HPが消費した火属性魔法”ファイヤーメテオ”を行使しまくった。

順調にHPは減ってきているが、100発行使して2割しか減っていない。



『…やっぱり手強いな!!でも”絶対不可侵結界”で閉じ込めているから大丈夫だろう。』



そう思った次の瞬間、その結界が破壊された。



『っ!?どうして…!?』



どうやら称号”伝説の魔物”によるもので、行く手を塞ぐものすべてを無効化するようだ。



『それはチートすぎないか!?』



「次は我から行くぞ!!」



そう言って海龍は”ドラゴンブレス”を放ってきた。

これは水属性かつ氷属性のようで、”魔法遮断シールド”で防御してみるとブレスに触れた部分から凍結した。



これは古代魔法の効果で、複数の属性を合成できるようだ。



「ほう…今の攻撃を無傷で凌いだか。この程度できなくては話にならん。」



「もちろんだ。まだまだ余裕だぞ?」



大見得を張っているものの、海龍が習得している属性が少なくてよかった。

”ドラゴンブレス”を防御するためだけに俺が展開した結界が20枚砕かれたのだ。



俺は攻撃に意識を向けられるよう、自分の周りに”物理遮断シールド 魔法遮断シールド 魔法スキル遮断結界 スキル遮断結界 不可侵結界 絶対不可侵結界”をそれぞれ100枚ずつ計600枚展開した。

今度は魔剣レーヴァテインで切り刻みに行くので、多少の被弾は覚悟の上だ。



「行くぞ!!」



俺は海竜の背後に”転移”し、片手剣S”レイドストリーム”を行使して強い13連撃を食らわせた。

HPは2%くらいしか減らなかったが、海龍の全身に張り巡らされた”物理攻撃耐性結界”を破壊できたようだ。



「ぐぁぁ!!!我の防御を貫いたか…そう来なくてはな!!!」



海龍は大きく尾を振り回して攻撃してきた。

動きが早くて回避しきれず、直撃してしまった。



「くっ!!」



この1撃だけで周りに張った結界が50枚砕けた。



『この調子なら…やれるか…?』
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