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第54話 討伐大会 前日

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その後も順調にパーティークエストをこなしていき、5日後ついにAランク昇格試験受験必須条件の10回を達成した。



「今までありがとうございました。」



「こちらこそありがとう。楽しかったよ。」



「また今度会ったときは一緒にクエストやろうな!」



「はい!」



正直”疾風迅雷”はかなり強かった。

特にリーダーの雷属性魔法と皆の連携がうまかった。



「あ、ダグラス君!ちょっと来て!」



「分かりました。」



「どうしたんですか?」



「ダグラス君のことだからパーティークエストに夢中になって討伐大会の申し込み忘れてたでしょ?」



「…あっ!!忘れてました…もしかしてもう締め切られてますか…」



「うん。でも大丈夫!私がとっておいたわ!!」



「…っ!!ありがとうございます!!!」



「気にしないで!それよりどんな大会だか知ってる?」



「いえ…討伐したポイントで競うことぐらいしか…」



「じゃあ説明してあげるわ。まず討伐大会は…」



まとめると、

1.1~5人のパーティーで行う

2.大会会場は海中と砂浜フィールドのみ

3.大会期間は5日間で、昼夜を問わない

4.参加者は合計300人で、上位30人に特別報酬がある

5.特別報酬のほかにギルドでの素材売却やクエスト達成報酬がもらえる

6.討伐ポイントは魔物のランクで分かれており、それぞれD1pt、C10pt、B50pt、A100pt、S1000pt

7.禁止行為は注意書き要チェックで、行った場合は罰が下される



といった感じだ。

禁止行為は他者からの強奪など、法に抵触することだったのであまり関係しないだろう。



「ありがとうございます。ところで、俺は1人参加ってことでいいんですよね。」



「そうなんだけど…ごめん誰かと参加したかった?」



「いえ。1人の方が気楽なのでよかったです。」



「そう!ならよかったわ!じゃあ明日頑張ってね!!」



「ありがとうございます!」



まだ正午手前だが、今日はもうクエストを受けずに明日の準備をしようと思う。

俺は一度海鮮亭に戻り、昼食をとった。



「ダグラス、明日の討伐大会は出場するのか?」



「はい。店主は?」



「俺は流石に参加しないさ!何よりこの大会の時期は繁盛するからな!!」



「確かに!」



「ワッハッハ!!」



商魂がたくましくいいことだ。

確かに最近海鮮亭の客が増えたな。



その後、俺は大会会場となる海中フィールドと砂浜フィールドに下見に来た。

いつもよりも人が多かった。



『やっぱりみんな下見には来るよな…』



人込みはあまり好きではないので人が少ない方に行った。

軽く走って数十分、完全に人がいないところまで来た。



『ちょっと街から離れすぎたか…?まあいいか!』



俺は早速”水中呼吸 水中行動”のスキルを行使して海に入った。

すると、海の中にナイフフィッシュの姿が1体しか見られなかった。



『そういえば砂浜でサンドクラブに遭遇してないな…ここは安全地帯なのか?』



とりあえず襲ってきたナイフフィッシュ1体を倒すと、”気配察知”スキルに反応があった。

それも猛スピードでこちらに向かってくる。



『なっ…!!なんだ…!?』



俺は急いで全バフをかけ、臨戦態勢になった。

すると、大量のハンマーシャークCが襲ってきた。



『なるほど…ここはハンマーシャークの生息地で血に反応して襲い掛かってくるのか。』



今襲ってきたハンマーシャークは大体70体くらいだったので、これで700ptだ。

明日の大会で使えそうな手段だ。



ダンジョンで戦ったときはギルマスの目の前だったため”鑑定&略奪”ができなかったので1体だけやってみた。

すると、”衝撃F”を習得した。

これは攻撃に衝撃を含むことができる。



『体術スキルを使うときにちょうどいいな!今度スキルランクを上げよう!』



そういえばフィールドでBランク以上の魔物と遭遇していない。

大会でptが高いから生息地を探すことにした。



”威圧”スキルを行使して戦闘を避けながら海の深くへと進んでいった。

泳ぎ始めて数十分、”気配察知”でたくさんの強い反応がある場所を見つけた。



『よし、行ってみるか!』



着くと、そこはデビルスターBの生息地だった。

こいつもダンジョンで”鑑定&略奪”ができなかったので1体だけやってみた。

すると、”再生F”を習得した。



『…っ!!再生”ってあの腕とかが落ちてもまた生えてくるあの再生…!?すごいな…』



確かにヒトデは一部分が切れても再生するという話を聞いたことがあるような気がする。

そのまま俺はより強い魔物を見つけようと探索を続けた。



泳ぎ始めて数時間、深海の手前にやってきた。

ここは非常に暗く、”気配察知”が頼りである。



『”暗視”スキルとかないかなぁ…』



そう思い、周囲を警戒しながらスキルを探した。

そして”暗視S”と”夜行性生物S”を習得した。(SP-1980)

早速行使してみると、まるで昼間のように視界がクリアになった。



『これはいいな…夜に戦うことになってもいけそうだ。』



このスキルを駆使して大会で夜通し戦えそうだ。

そんなことを思っていると、”気配察知”に反応があった。



『来たか…!』



深海から大きな影が迫ってきた。

”鑑定”をすると、”水竜A”だった。



『…”竜”か。”龍”じゃないのか。』



”竜”は知性がなく暴れる危険な魔物で、対する”龍”は知性がありすべての種類がSランク以上に指定されている。



水竜を倒して”鑑定&略奪”をすると、”暴走F”を習得した。

これは短時間知性を下げることで攻撃力が上がる効果なのだが、自我が保てないそうなので要らない。



そろそろ夕方に近づいてきたので俺は海鮮亭に帰った。

明日はスキルの熟練度上げを兼ねて頑張ろうと思う。
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