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第51話 魔剣レーヴァテイン
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少女が奥の部屋の扉を開けると、そこには瀕死状態の男性がいた。
彼の全身には紫がかった痣のようなものがたくさんある。
「…ベル、この症状はいつごろから?」
「3日前からだよ。」
これは以前読んだ難病一覧に載っていた生命失調症という病気だ。
原因は未だ不明で、症状としては10日ほどかけて衰弱死する。
”鑑定”をしてみると、やはり生命失調症で間違いなかった。
より深く”鑑定”してみると、”生命力失調症S”と記載されていた。
『これは病気というより状態異常の一種なのか…?』
俺は光属性魔法S”パーフェクトキュア”を行使した。
「これで一安心だろう。」
「本当?」
「ああ。あとはたくさん栄養を摂って安静にしていたら大丈夫だ。」
一応光属性魔法S”パーフェクトヒール”も行使した。
すると、彼は突然起き上がってきた。
「誰だお前は!!!!まさかベルに何かしたのか!!!」
男性はすぐに臨戦態勢になった。
戦闘経験者なのだろうか、猛者のオーラを感じる。
「違うよお父さん!!ダグラスさんがお父さんの体調を治してくれたの!!!」
「確かに治ってる…教会の人でも治せなかったのにな…」
「俺が治した。」
「…早とちりしてしまってすまない。俺はハワードだ。治してくれてありがとう。」
「俺はダグラスだ。それより、そこにある魔剣のことで話がある。」
「…っ!!魔剣だと分かったのか…!?」
「ああ。まあ”鑑定”スキルのおかげだがな。」
「そうか…」
「今まで店で見た中で1番の業物だ。単刀直入に言う。この魔剣を売ってくれないか?」
「魔剣を手にするってことは…分かってるんだよな?」
「ああ。」
魔剣には魔剣保持者を乗っ取ろうとする性質がある。
乗っ取られた人は死ぬまで目に映った生物すべてを殺し続けるそうだ。
レーヴァテインほどの業物はその性質がより強い。
しかし、俺は”状態異常耐性S”を習得しているうえに最悪乗っ取られそうになっても”光属性魔法S”で何とかなるはずだ。
「そうか…あれは俺の思い出の品なんだ。
俺は元々冒険者でな、高レベルパーティーを組んでダンジョン探索をしてた。
順調に力がついてきていつもより高ランクの層に足を運んだある日、リーダーが隠し部屋を見つけたんだ。
そこは何かの研究室みたいな場所で、宝箱がポツンと1つ真ん中に置いてあったんだ。」
「…それがレーヴァテインか?」
「ああ。リーダーがレーヴァテインを手に取った瞬間乗っ取られ、パーティーメンバーを次々殺していったんだ。
残った仲間たちと何とかリーダーを殺してその暴走は止まった。その後近くに封印効果のある箱を見つけてな。
それに封印したのがこれだ。」
「…そのあとパーティーはどうなったんだ?」
「…ああ。生き残ったのは3人で、1人はリーダーの恋人で後を追ったよ。もう1人は世界のどこかで旅を続けてる。」
「すまない。つらいことを思い出させた。」
「気にするな。もう気持ちの整理はとっくの昔についてる。それで、ダグラスは本当に乗っ取られないのか?」
「そのはずだ。」
「根拠はなんだ?」
「俺は”状態異常耐性S”と”光属性魔法S”のスキルを習得している。
魔剣による乗っ取りは”洗脳”という形の状態異常に分類されるらしいからな。」
「本当か?」
「ああ。”鑑定”で見ていいぞ。」
俺はこの2つ以外を”偽装”して見えなくしておいた。
「本当のようだな…まずはダグラスの実力がレーヴァテインを扱うに相応しいか試したい。地下室についてきてくれ。」
梯子を下りると、そこは結界で覆われていた。
壁の材質もアダマンタイトという非常に硬い物質でできている。
「…この部屋の結界はいったい誰が?」
「気づいたか。元仲間の世界中を旅してる奴だ。あいつは”結界師”なんだ。」
「なるほど…」
”結界師”とは結界魔法を得意とする職業で、普通の魔法が使えない分強力かつ多種類の結界を展開できる。
「ダグラスの得意なスタイルはなんだ?」
「色々あるが1番は片手剣と盾だ。」
「そうか。今から模擬戦を始める!」
ハワードは俺に魔道具を渡してきた。
「それは1度だけ命に関わる強力な一撃を肩代わりしてくれるものだ。俺の魔道具の効果が発動して壊れたらレーヴァテインは譲ろう。」
ハワードのステータスを”鑑定”してみた。
名前 ハワード 種族 人族 性別 男 Lv.162
装備
アダマンタイトの装備S シュタルアックスA
ステータス
HP 172110/172110 MP 165110/165110 TP 196710/196710
スキル
・魔法
火属性魔法B 土属性魔法A 光属性魔法B
・武技
斧S 棍棒B 体術S
・職業スキル
斧使いS 棍棒使いB 武闘家S 鍛冶師S 付与師エンチャンターS
・行動スキル
デバフ耐性B 気配察知A 忍耐C 鍛冶S 付与S
ユニークスキル
鑑定
称号
斧使いの極意 体術の極意 鍛冶師の極意 付与師エンチャンターの極意 屈強な戦士
高レベルパーティーを組んでいただけあって強い。
師匠たちを除いてSランクスキル所持者と戦うのは初めてだ。
一見習得しているSランクスキルが多い俺の方が強いように感じるが、実際はわからない。
俺には強者との戦いの経験というものが不足しているのだ。
それに対し、ハワードは習得しているSランクスキルは少ないもののすべて極められており、戦闘経験も豊富だ。
隙が全く無いため攻撃が当たる気がしない…
「…行くぞ!!」
彼の全身には紫がかった痣のようなものがたくさんある。
「…ベル、この症状はいつごろから?」
「3日前からだよ。」
これは以前読んだ難病一覧に載っていた生命失調症という病気だ。
原因は未だ不明で、症状としては10日ほどかけて衰弱死する。
”鑑定”をしてみると、やはり生命失調症で間違いなかった。
より深く”鑑定”してみると、”生命力失調症S”と記載されていた。
『これは病気というより状態異常の一種なのか…?』
俺は光属性魔法S”パーフェクトキュア”を行使した。
「これで一安心だろう。」
「本当?」
「ああ。あとはたくさん栄養を摂って安静にしていたら大丈夫だ。」
一応光属性魔法S”パーフェクトヒール”も行使した。
すると、彼は突然起き上がってきた。
「誰だお前は!!!!まさかベルに何かしたのか!!!」
男性はすぐに臨戦態勢になった。
戦闘経験者なのだろうか、猛者のオーラを感じる。
「違うよお父さん!!ダグラスさんがお父さんの体調を治してくれたの!!!」
「確かに治ってる…教会の人でも治せなかったのにな…」
「俺が治した。」
「…早とちりしてしまってすまない。俺はハワードだ。治してくれてありがとう。」
「俺はダグラスだ。それより、そこにある魔剣のことで話がある。」
「…っ!!魔剣だと分かったのか…!?」
「ああ。まあ”鑑定”スキルのおかげだがな。」
「そうか…」
「今まで店で見た中で1番の業物だ。単刀直入に言う。この魔剣を売ってくれないか?」
「魔剣を手にするってことは…分かってるんだよな?」
「ああ。」
魔剣には魔剣保持者を乗っ取ろうとする性質がある。
乗っ取られた人は死ぬまで目に映った生物すべてを殺し続けるそうだ。
レーヴァテインほどの業物はその性質がより強い。
しかし、俺は”状態異常耐性S”を習得しているうえに最悪乗っ取られそうになっても”光属性魔法S”で何とかなるはずだ。
「そうか…あれは俺の思い出の品なんだ。
俺は元々冒険者でな、高レベルパーティーを組んでダンジョン探索をしてた。
順調に力がついてきていつもより高ランクの層に足を運んだある日、リーダーが隠し部屋を見つけたんだ。
そこは何かの研究室みたいな場所で、宝箱がポツンと1つ真ん中に置いてあったんだ。」
「…それがレーヴァテインか?」
「ああ。リーダーがレーヴァテインを手に取った瞬間乗っ取られ、パーティーメンバーを次々殺していったんだ。
残った仲間たちと何とかリーダーを殺してその暴走は止まった。その後近くに封印効果のある箱を見つけてな。
それに封印したのがこれだ。」
「…そのあとパーティーはどうなったんだ?」
「…ああ。生き残ったのは3人で、1人はリーダーの恋人で後を追ったよ。もう1人は世界のどこかで旅を続けてる。」
「すまない。つらいことを思い出させた。」
「気にするな。もう気持ちの整理はとっくの昔についてる。それで、ダグラスは本当に乗っ取られないのか?」
「そのはずだ。」
「根拠はなんだ?」
「俺は”状態異常耐性S”と”光属性魔法S”のスキルを習得している。
魔剣による乗っ取りは”洗脳”という形の状態異常に分類されるらしいからな。」
「本当か?」
「ああ。”鑑定”で見ていいぞ。」
俺はこの2つ以外を”偽装”して見えなくしておいた。
「本当のようだな…まずはダグラスの実力がレーヴァテインを扱うに相応しいか試したい。地下室についてきてくれ。」
梯子を下りると、そこは結界で覆われていた。
壁の材質もアダマンタイトという非常に硬い物質でできている。
「…この部屋の結界はいったい誰が?」
「気づいたか。元仲間の世界中を旅してる奴だ。あいつは”結界師”なんだ。」
「なるほど…」
”結界師”とは結界魔法を得意とする職業で、普通の魔法が使えない分強力かつ多種類の結界を展開できる。
「ダグラスの得意なスタイルはなんだ?」
「色々あるが1番は片手剣と盾だ。」
「そうか。今から模擬戦を始める!」
ハワードは俺に魔道具を渡してきた。
「それは1度だけ命に関わる強力な一撃を肩代わりしてくれるものだ。俺の魔道具の効果が発動して壊れたらレーヴァテインは譲ろう。」
ハワードのステータスを”鑑定”してみた。
名前 ハワード 種族 人族 性別 男 Lv.162
装備
アダマンタイトの装備S シュタルアックスA
ステータス
HP 172110/172110 MP 165110/165110 TP 196710/196710
スキル
・魔法
火属性魔法B 土属性魔法A 光属性魔法B
・武技
斧S 棍棒B 体術S
・職業スキル
斧使いS 棍棒使いB 武闘家S 鍛冶師S 付与師エンチャンターS
・行動スキル
デバフ耐性B 気配察知A 忍耐C 鍛冶S 付与S
ユニークスキル
鑑定
称号
斧使いの極意 体術の極意 鍛冶師の極意 付与師エンチャンターの極意 屈強な戦士
高レベルパーティーを組んでいただけあって強い。
師匠たちを除いてSランクスキル所持者と戦うのは初めてだ。
一見習得しているSランクスキルが多い俺の方が強いように感じるが、実際はわからない。
俺には強者との戦いの経験というものが不足しているのだ。
それに対し、ハワードは習得しているSランクスキルは少ないもののすべて極められており、戦闘経験も豊富だ。
隙が全く無いため攻撃が当たる気がしない…
「…行くぞ!!」
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