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第32話 マイホーム
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翌朝、俺は朝早く起きて支度をしていた。
ここで一度欲しい家の条件について整理する。
1.最低10人が住める
2.立地はダンジョンやフィールドからそれほど離れていない
3.奴隷購入のお金を残しておくめ、予定金額は金貨300枚
4. 改築・増築可
5.幽霊屋敷や事故物件なども可
6.条件を満たしていれば安ければ安いほど良い
といった感じだ。
正直どんなに汚くてもぼろぼろでも”リペア”などの生活魔法を使えばきれいになるのでぼろぼろでも買うつもりだ。
俺は早速商会に向かった。
大きい商会の中でいろいろな商会の分野ごとに分類されており、ニック武器商会は不動産商会の隣だった。
「いらっしゃいませ。」
「すみません、家を買いたいんですけど…」
「少々お待ちください。」
数分後
「こちらへどうぞ。」
商会の人についていくと、そこは個室できれいな女性が座っていた。
「担当になりました、不動産商会所属カーミラです。よろしくお願いします。」
「ダグラスです。よろしくお願いします。」
「ご希望の家はどういったものでしょうか?」
俺は事細かに説明した。
「分かりました。探してくるので少々お待ちください。」
数分後、
「この5件が見つかりました。まずはどうぞごゆっくり目をお通しください。」
「ありがとうございます。」
どれも良さげな家ばかりで決めあぐねていたので、俺は金額で比較した。
すると、1軒金貨75枚の家があった。
「あの、この家はどうしてこんなに安いんですか?」
「そこはもともと貴族の屋敷だったんですけど、快楽殺人犯に殺されてから取り憑かれているみたいなんです。
それからここに住んだ人は皆3ヶ月以内に精神を病んで自殺している、いわゆる事故物件です。」
「なるほど…ここを見させてもらってもいいですか?」
「はい。ではこの後すぐでもよろしいでしょうか?」
「はい。お願いします。」
事故物件でも大丈夫な根拠は二つある。
それは、”状態異常耐性S”と”光属性魔法S”のスキルを持っていることだ。
前者のおかげでSランクの状態異常以外にはならず、後者のおかげでそのSランクの状態異常も回復できる。
また、事故の原因がゴーストBなどの魔物でも後者のおかげで討伐できる。
俺とカーミラさんはすぐに事故物件に向かった。
「着きました。ここです。」
そこはアイザック家よりは少し小さく汚れているものの、十分に豪華な屋敷だった。
「中に入ることはできますか?」
「ええ。あ、あの。ダグラス様!」
「どうしたんですか?」
カーミラさんが震えていた。
「私はその、幽霊とかそういうのは得意ではないのでここで待っててもいいでしょうか?」
「分かりました。それじゃあ行ってきます。」
「くれぐれもお気をつけて!」
カーミラさんがは大人の女性といった容姿で凛々しいが、可愛いいところもあるようだ。
俺はそのギャップに惹かれたが、そんなことより屋敷だ。
さっきから”状態異常耐性S”で防いでいるが、瘴気が蔓延しており空気が悪い。
”エリアヒール”を行使すると、瘴気が一瞬消えたがまたすぐに戻ってきた。
『瘴気鬱陶しいな…もういっそ瘴気が発生してる根源を消すか。』
そう思い”魔力探知”で発生源を特定すると、発生源は屋敷の地下だった。
『この屋敷地下まであるのか…ますます気に入った!』
俺は”エリアヒール”で自分の周辺を浄化しながら順調に発生源へと近づいていった。
そして、ついに地下への階段の前にたどり着いた。
『ここから瘴気が一段と濃いな…”気配察知S”スキルを常時行使しておくか。』
地下に進むと、そこには台座に刺さった剣があり、その刺さっている隙間から瘴気が漏れ出していた。
『もしかしてこれは何かの封印か…?』
剣を押し込んで再封印しようとしたが、びくともしなかった。
剣を抜いて封印を解き、瘴気の原因を倒すという方法もあるがもし俺の手に負えない敵だった場合王都が危ない。
『面倒くさいなぁ…』
一度カーミラさんのところに戻ろうとしたが、突然ひらめいた。
『瘴気が漏れ出しているってことは隙間があるから、こっちからも多少なり干渉できるのではないか…?』
俺はその封印の隙間をめがけて”パーフェクトヒール”を行使した。
すると、以前よりも瘴気が薄くなった。
『これは勝ちゲーだな…!』
”パーフェクトヒール”を繰り返すこと9回、瘴気が漏れなくなった。
同時に、台座が消滅し剣だけが残った。
剣を”鑑定”してみた。
名前 天魔の剣つるぎ ランク SSS
詳細
古代アーティファクトで、この剣は天を切り裂き魔を滅ぼすことができる。
エンチャント
天魔特攻 全ステータス+20%
『…っ!!ランクSSS…!?古代アーティファクト!?しかもエンチャントがえぐい…!!!』
混乱したが、その剣には呪いや代償がないので手に取ってみた。
その瞬間、力が沸き上がった。
『思わぬ収穫を得たな…それにしてもランクSSSか…今度アルガンに聞いてみるか。』
天魔の剣を”アイテムボックス”に収納した後屋敷をじっくり見て回り、俺はカーミラさんのところに戻った。
「どうでしたか?」
「ここにします!!」
「本当に大丈夫ですか…?」
「はい!!!」
「…分かりました。それでは一度商会に戻りましょう。」
商会に着き、俺は契約書を書いて金貨75枚を支払った。
ついでに1年の税金である金貨15枚も支払った。
「ではこれであの屋敷は正式にダグラスさん様のものとなりました。…本当に大丈夫ですか?」
「はい!!さっき自殺を促す瘴気を完全に消滅させましたので!!」
「そうだったんですね…もしかしてダグラス様は高名な魔法使いですか?」
「いえ!ではお世話になりました!!」
「これからもどうぞごひいきに。」
熊の子亭の宿泊期間は今日までなので、その後クエストをして宿で眠りについた。
ここで一度欲しい家の条件について整理する。
1.最低10人が住める
2.立地はダンジョンやフィールドからそれほど離れていない
3.奴隷購入のお金を残しておくめ、予定金額は金貨300枚
4. 改築・増築可
5.幽霊屋敷や事故物件なども可
6.条件を満たしていれば安ければ安いほど良い
といった感じだ。
正直どんなに汚くてもぼろぼろでも”リペア”などの生活魔法を使えばきれいになるのでぼろぼろでも買うつもりだ。
俺は早速商会に向かった。
大きい商会の中でいろいろな商会の分野ごとに分類されており、ニック武器商会は不動産商会の隣だった。
「いらっしゃいませ。」
「すみません、家を買いたいんですけど…」
「少々お待ちください。」
数分後
「こちらへどうぞ。」
商会の人についていくと、そこは個室できれいな女性が座っていた。
「担当になりました、不動産商会所属カーミラです。よろしくお願いします。」
「ダグラスです。よろしくお願いします。」
「ご希望の家はどういったものでしょうか?」
俺は事細かに説明した。
「分かりました。探してくるので少々お待ちください。」
数分後、
「この5件が見つかりました。まずはどうぞごゆっくり目をお通しください。」
「ありがとうございます。」
どれも良さげな家ばかりで決めあぐねていたので、俺は金額で比較した。
すると、1軒金貨75枚の家があった。
「あの、この家はどうしてこんなに安いんですか?」
「そこはもともと貴族の屋敷だったんですけど、快楽殺人犯に殺されてから取り憑かれているみたいなんです。
それからここに住んだ人は皆3ヶ月以内に精神を病んで自殺している、いわゆる事故物件です。」
「なるほど…ここを見させてもらってもいいですか?」
「はい。ではこの後すぐでもよろしいでしょうか?」
「はい。お願いします。」
事故物件でも大丈夫な根拠は二つある。
それは、”状態異常耐性S”と”光属性魔法S”のスキルを持っていることだ。
前者のおかげでSランクの状態異常以外にはならず、後者のおかげでそのSランクの状態異常も回復できる。
また、事故の原因がゴーストBなどの魔物でも後者のおかげで討伐できる。
俺とカーミラさんはすぐに事故物件に向かった。
「着きました。ここです。」
そこはアイザック家よりは少し小さく汚れているものの、十分に豪華な屋敷だった。
「中に入ることはできますか?」
「ええ。あ、あの。ダグラス様!」
「どうしたんですか?」
カーミラさんが震えていた。
「私はその、幽霊とかそういうのは得意ではないのでここで待っててもいいでしょうか?」
「分かりました。それじゃあ行ってきます。」
「くれぐれもお気をつけて!」
カーミラさんがは大人の女性といった容姿で凛々しいが、可愛いいところもあるようだ。
俺はそのギャップに惹かれたが、そんなことより屋敷だ。
さっきから”状態異常耐性S”で防いでいるが、瘴気が蔓延しており空気が悪い。
”エリアヒール”を行使すると、瘴気が一瞬消えたがまたすぐに戻ってきた。
『瘴気鬱陶しいな…もういっそ瘴気が発生してる根源を消すか。』
そう思い”魔力探知”で発生源を特定すると、発生源は屋敷の地下だった。
『この屋敷地下まであるのか…ますます気に入った!』
俺は”エリアヒール”で自分の周辺を浄化しながら順調に発生源へと近づいていった。
そして、ついに地下への階段の前にたどり着いた。
『ここから瘴気が一段と濃いな…”気配察知S”スキルを常時行使しておくか。』
地下に進むと、そこには台座に刺さった剣があり、その刺さっている隙間から瘴気が漏れ出していた。
『もしかしてこれは何かの封印か…?』
剣を押し込んで再封印しようとしたが、びくともしなかった。
剣を抜いて封印を解き、瘴気の原因を倒すという方法もあるがもし俺の手に負えない敵だった場合王都が危ない。
『面倒くさいなぁ…』
一度カーミラさんのところに戻ろうとしたが、突然ひらめいた。
『瘴気が漏れ出しているってことは隙間があるから、こっちからも多少なり干渉できるのではないか…?』
俺はその封印の隙間をめがけて”パーフェクトヒール”を行使した。
すると、以前よりも瘴気が薄くなった。
『これは勝ちゲーだな…!』
”パーフェクトヒール”を繰り返すこと9回、瘴気が漏れなくなった。
同時に、台座が消滅し剣だけが残った。
剣を”鑑定”してみた。
名前 天魔の剣つるぎ ランク SSS
詳細
古代アーティファクトで、この剣は天を切り裂き魔を滅ぼすことができる。
エンチャント
天魔特攻 全ステータス+20%
『…っ!!ランクSSS…!?古代アーティファクト!?しかもエンチャントがえぐい…!!!』
混乱したが、その剣には呪いや代償がないので手に取ってみた。
その瞬間、力が沸き上がった。
『思わぬ収穫を得たな…それにしてもランクSSSか…今度アルガンに聞いてみるか。』
天魔の剣を”アイテムボックス”に収納した後屋敷をじっくり見て回り、俺はカーミラさんのところに戻った。
「どうでしたか?」
「ここにします!!」
「本当に大丈夫ですか…?」
「はい!!!」
「…分かりました。それでは一度商会に戻りましょう。」
商会に着き、俺は契約書を書いて金貨75枚を支払った。
ついでに1年の税金である金貨15枚も支払った。
「ではこれであの屋敷は正式にダグラスさん様のものとなりました。…本当に大丈夫ですか?」
「はい!!さっき自殺を促す瘴気を完全に消滅させましたので!!」
「そうだったんですね…もしかしてダグラス様は高名な魔法使いですか?」
「いえ!ではお世話になりました!!」
「これからもどうぞごひいきに。」
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