異世界転生録~死と隣り合わせのこの世界で死なないため、力を付けます!!~

島津穂高

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第24話 旅立ち

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その後何事もなく平和に過ごし、12歳の誕生日かつ成人する日が訪れた。



「ダグラス、12歳と成人おめでとう!」



「ありがとう父さん。」



「寂しくなるわね…」



「大丈夫だよ母さん。たびたび帰ってくるから。」



「ダグラス、元気でね。」



「ありがとうアドルフ兄さん。領主の仕事頑張ってね!」



「ありがとう。父さんみたいに良い領主になれるように頑張るよ!」



「良い領主って照れるなぁ…」



「冒険者として活動していくんだよね?頑張って!」



「ダグラスならSランクにだってなれるわ!」



「ありがとう!Sランク目指して頑張ろうかな…?テュール兄さんとノンナ姉さんも、騎士団と魔法騎士団で頑張ってね!」



「ありがとう。」



「ダグラス様がついに出家するんですね…」



「セシリア、今まで俺の世話をしてきてくれてありがとう。」



「ええ。元気でね。」



「みんなも体にはを付けてね。」



一通りの挨拶を終えた。

明日から夢の冒険者生活が始まるのに、俺は悩んでいた。



『俺が前世の記憶を持ってることや力を隠していることを言うか…?でも言わなくても…いや、隠し事はだめだ!言おう!』



俺は覚悟を決めた。



「みんな、話があるんだ。」



「どうしたんだ?」



「実は…俺は前世の記憶を持ってるんだ。」



「…本当か?」



「それだけじゃない。俺は女神様に転生させられていて、授かった力を隠してるんだ。」



「…実はダグラスがなにか隠してるんじゃないかって薄々気が付いていたよ。

1歳でまだ言語も知らないはずなのに魔導書を読み始めたりしてたしね。」



「私もよ。訓練で倒れた時、寝言で知らない言語を話してたしね。」



「そうだったんだ…今まで隠しててごめんなさい。」



「気にするな。ダグラスは何があってもダグラス、俺の子供だ。」



「そうだよ!姉さんもびっくりはしたけど弟に変わりないよ!」



「ありがとう…俺の本当のステータスを見てもらってもいいかな?」



「ああ」



俺はステータスウィンドウを開いた。




名前 ダグラス=アイザック 種族 人族 性別 男 Lv.186 EXP 5460



装備

部屋着 賢者の石 



ステータス

HP 143200/143200 MP 166400/166400 TP 137500/137500 



スキル

・魔法

 火属性魔法S 水属性魔法A 風属性魔法S 土属性魔法A 光属性魔法S 闇属性魔法S

氷属性魔法A 無属性魔法S 空間魔法S 生活魔法A


・武技

 片手剣S 両手剣C 細剣C 短剣A 斧D 槍B 弓C 棍棒D 盾S 体術S


・その他 

 デバフ耐性S 危険察知S 忍耐S 気配遮断A MP回復速度上昇 無詠唱  


・魔物

 物理耐性S 器用S 眷属化 アンデッド生成



ユニークスキル

鑑定 アイテムボックス スキル略奪 全魔法適正 限界突破 偽装 獲得経験値10倍



称号

異世界転生者 火属性魔法の極意 風属性魔法の極意 光属性魔法の極意 闇属性魔法の極意

無属性魔法の極意 空間魔法の極意 スライムの天敵 ゴブリンの天敵 アンデッドの天敵




「なっ…!!」



家族は皆絶句した。



「…もしかして先のアンデッドとの戦いの最中に発生した光はダグラスのものだったのか?」



「うん。エリアヒールで殲滅したときの光。」



「…そうか。ありがとう…あの時負傷者が少なく済んだのはダグラスのおかげだ。」



俺を受け入れてくれたことが何よりも嬉しくて涙を流した。



そして旅立ちの日がやってきた。

皆忙しいので見送りに来たのは父さんと母さん、セシリアだけだった。



「ダグラス、準備は万端か?」



「万端だよ!ありがとう。」



「体に気を付けて過ごすのよ。」



「ありがとう。母さんも健康でね。」



「ダグラス様、いつでも帰ってきてくださいね。」



「ありがとうセシリア。それじゃあ行ってきます!」



「行ってらっしゃい!」



俺は決して後ろを振り向かずに街へと走っていった。

別れの挨拶をするために俺はギルドに向かった。



「あ、ダグラス君!こんにちは。」



「こんにちは。」



彼女はいつもクエスト報告を担当してくれていたラウラさんだ。



「今日で成人しました!」



「おめでとう!」



「それで、これからダンジョンのある王都を拠点にしていこうと思っていて…」



「そうなのね…寂しくなるわ。ダグラス君の討伐数毎日多いから楽しみにしてたのよ。」



「そうだったんですね。今までお世話になりました!」



「こちらこそ今までありがとね。体に気をつけて頑張るのよ?」



「はい!ラウラさんもお気をつけて!」



俺はギルドを出て、早速王都までの街道に入った。

お世話になった人はラウラさんくらいなのだ。



「まあ王都ではもっと多くの人と親しくなる予定だし…?」



って何を言い訳しているんだ俺は。



それはさておき、王都までこのまま街道沿いに進んで馬車で1週間。



『…馬車で1週間か。”瞬間転移”を使えば一瞬で着くけど旅を楽しみたいからなぁ…乗せてくれる馬車を探すか。』



「ねえ君、どうしたの?」



そう思っていると、後ろから話しかけられた。



「あ、ああ。王都まで載せていってくれる馬車を探しててね…」



「ちょうどよかった!私の名前はメリル。商人よ。私の馬車に乗っていかない?」



「俺はダグラス。冒険者だ。いいのか?」



「ええ。ダグラスは腕が立つって聞いてるからね。」



「…ん?それ誰から聞いたんだ?」



「ギルド職員のラウラよ。私とラウラは幼馴染なの。」



「そうなんだ。じゃあお言葉に甘えて乗らせてもらおうかな。代金とかは?」



「護衛をしてくれるだけでいいわ。」



「了解。ありがとう。」



「じゃあ行きましょうか!」



「ああ。」



俺は初めての旅に胸を躍らせていた。
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