63 / 68
怒れるマーガレット(マーガレット視点)
しおりを挟む
マーガレットは納得できなかった。
「なぜですの?ロイドだって身分差別で苦しんだって話だったんじゃないですの!」
「…その時代は本当に辛かったけど、俺はその後なるべき身分になった。
ジョニーは伯爵家の息子になった途端にヘコヘコしてきた」
「それではロイドは自分のことしか考えてないように聞こえますけど?自分は貴族になったから他の平民はどうでも良いってこと?」
「そうじゃない!俺みたいに優秀な平民はどんどん出世するべきだ」
それを聞いてマーガレットは恐る恐る尋ねた。
「…私が平民だったらロイドは好きになった?」
「もちろん。マーガレットは誰よりもエレガントだから」
(でもこの所作はお妃教育のために身につけたもの…)
マーガレットは仮に平民でも好きになったと即答してくれたことは嬉しかったが、ロイドは王室に作られた自分を好きになったのではないか、と複雑な気持ちになった。
「それでは、マロンさんがこれから私みたいな雰囲気になったらロイドはマロンさんを好きになりますか?」
「まぁ…ならないだろう。マーガレットは伯爵家の娘だからそういう所作が似合うが、平民で生まれ育った奴が同じことをやっても痛々しくなるだろうからね」
ロイドの本音を聞いてマーガレットは急に正気になった。
「ロイドがやってることはあの日のジョニーと一緒じゃない!!」
「!?」
マーガレットが怒鳴りつけたのでロイドは驚いた。
「『平民で生まれ育った奴が同じことをやっても痛々しくなるだろうからね』だなんて、貴族という身分から見下しているだけじゃない!」
「マーガレット!?落ち着いてくれ…。マーガレットはそんな物言いをする子じゃないじゃないか…」
それを聞いてマーガレットはさらにカチンときた。
「喧嘩のときまでお淑やかさを求めないでよ!思ったんだけど、ロイドはただのお嬢様フェチなんじゃないの?」
「そんなことあるわけがない!」
ロイドはマーガレットを抱きしめた。
「落ち着いてくれ…」
「なぜですの?ロイドだって身分差別で苦しんだって話だったんじゃないですの!」
「…その時代は本当に辛かったけど、俺はその後なるべき身分になった。
ジョニーは伯爵家の息子になった途端にヘコヘコしてきた」
「それではロイドは自分のことしか考えてないように聞こえますけど?自分は貴族になったから他の平民はどうでも良いってこと?」
「そうじゃない!俺みたいに優秀な平民はどんどん出世するべきだ」
それを聞いてマーガレットは恐る恐る尋ねた。
「…私が平民だったらロイドは好きになった?」
「もちろん。マーガレットは誰よりもエレガントだから」
(でもこの所作はお妃教育のために身につけたもの…)
マーガレットは仮に平民でも好きになったと即答してくれたことは嬉しかったが、ロイドは王室に作られた自分を好きになったのではないか、と複雑な気持ちになった。
「それでは、マロンさんがこれから私みたいな雰囲気になったらロイドはマロンさんを好きになりますか?」
「まぁ…ならないだろう。マーガレットは伯爵家の娘だからそういう所作が似合うが、平民で生まれ育った奴が同じことをやっても痛々しくなるだろうからね」
ロイドの本音を聞いてマーガレットは急に正気になった。
「ロイドがやってることはあの日のジョニーと一緒じゃない!!」
「!?」
マーガレットが怒鳴りつけたのでロイドは驚いた。
「『平民で生まれ育った奴が同じことをやっても痛々しくなるだろうからね』だなんて、貴族という身分から見下しているだけじゃない!」
「マーガレット!?落ち着いてくれ…。マーガレットはそんな物言いをする子じゃないじゃないか…」
それを聞いてマーガレットはさらにカチンときた。
「喧嘩のときまでお淑やかさを求めないでよ!思ったんだけど、ロイドはただのお嬢様フェチなんじゃないの?」
「そんなことあるわけがない!」
ロイドはマーガレットを抱きしめた。
「落ち着いてくれ…」
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした
カレイ
恋愛
「平凡なお前ではなくカレンが姉だったらどんなに良かったか」
それが両親の口癖でした。
ええ、ええ、確かに私は容姿も学力も裁縫もダンスも全て人並み程度のただの凡人です。体は弱いが何でも器用にこなす美しい妹と比べるとその差は歴然。
ただ少しばかり先に生まれただけなのに、王太子の婚約者にもなってしまうし。彼も妹の方が良かったといつも嘆いております。
ですから私決めました!
王太子の婚約者という席を妹に譲ることを。
一目ぼれした小3美少女が、ゲテモノ好き変態思考者だと、僕はまだ知らない
草笛あたる(乱暴)
恋愛
《視点・山柿》
大学入試を目前にしていた山柿が、一目惚れしたのは黒髪ロングの美少女、岩田愛里。
その子はよりにもよって親友岩田の妹で、しかも小学3年生!!
《視点・愛里》
兄さんの親友だと思っていた人は、恐ろしい顔をしていた。
だけどその怖顔が、なんだろう素敵! そして偶然が重なってしまい禁断の合体!
あーれーっ、それだめ、いやいや、でもくせになりそうっ!
身体が恋したってことなのかしら……っ?
男女双方の視点から読むラブコメ。
タイトル変更しました!!
前タイトル《 恐怖顔男が惚れたのは、変態思考美少女でした 》
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。
髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は…
悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。
そしてこの髪の奥のお顔は…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドで世界を変えますよ?
**********************
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
転生侍女シリーズ第二弾です。
短編全4話で、投稿予約済みです。
よろしくお願いします。
帝国に奪われた聖女様は帝国の皇太子に溺愛されてます
りり
恋愛
王国に聖女として生まれたエルサ・ラ・エリサエル。
しかし、宰相の裏切りによりエルサは、おってから必死に逃げていた。
そんななか、騎士団長であるアレクドリスに助けられる。
実は……彼の正体はかつての同級生であり隣国ラーサル帝国の皇太子だった。
この物語は二人が様々な困難を超え結婚する話。
本編完結
番外編更新中
拝啓、私を追い出した皆様 いかがお過ごしですか?私はとても幸せです。
香木あかり
恋愛
拝啓、懐かしのお父様、お母様、妹のアニー
私を追い出してから、一年が経ちましたね。いかがお過ごしでしょうか。私は元気です。
治癒の能力を持つローザは、家業に全く役に立たないという理由で家族に疎まれていた。妹アニーの占いで、ローザを追い出せば家業が上手くいくという結果が出たため、家族に家から追い出されてしまう。
隣国で暮らし始めたローザは、実家の商売敵であるフランツの病気を治癒し、それがきっかけで結婚する。フランツに溺愛されながら幸せに暮らすローザは、実家にある手紙を送るのだった。
※複数サイトにて掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる