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怒れるマーガレット(マーガレット視点)

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マーガレットは納得できなかった。

「なぜですの?ロイドだって身分差別で苦しんだって話だったんじゃないですの!」

「…その時代は本当に辛かったけど、俺はその後なるべき身分になった。
ジョニーは伯爵家の息子になった途端にヘコヘコしてきた」

「それではロイドは自分のことしか考えてないように聞こえますけど?自分は貴族になったから他の平民はどうでも良いってこと?」

「そうじゃない!俺みたいに優秀な平民はどんどん出世するべきだ」

それを聞いてマーガレットは恐る恐る尋ねた。

「…私が平民だったらロイドは好きになった?」

「もちろん。マーガレットは誰よりもエレガントだから」

(でもこの所作はお妃教育のために身につけたもの…)

マーガレットは仮に平民でも好きになったと即答してくれたことは嬉しかったが、ロイドは王室に作られた自分を好きになったのではないか、と複雑な気持ちになった。

「それでは、マロンさんがこれから私みたいな雰囲気になったらロイドはマロンさんを好きになりますか?」

「まぁ…ならないだろう。マーガレットは伯爵家の娘だからそういう所作が似合うが、平民で生まれ育った奴が同じことをやっても痛々しくなるだろうからね」

ロイドの本音を聞いてマーガレットは急に正気になった。

「ロイドがやってることはあの日のジョニーと一緒じゃない!!」

「!?」

マーガレットが怒鳴りつけたのでロイドは驚いた。

「『平民で生まれ育った奴が同じことをやっても痛々しくなるだろうからね』だなんて、貴族という身分から見下しているだけじゃない!」

「マーガレット!?落ち着いてくれ…。マーガレットはそんな物言いをする子じゃないじゃないか…」

それを聞いてマーガレットはさらにカチンときた。

「喧嘩のときまでお淑やかさを求めないでよ!思ったんだけど、ロイドはただのお嬢様フェチなんじゃないの?」

「そんなことあるわけがない!」

ロイドはマーガレットを抱きしめた。

「落ち着いてくれ…」

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