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2人のやりとり(アランとヘンリー)

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「アランお前に話がある!出てこい!」

息を切らしながらヘンリーは三年生の教室に突入した。

それを見たアランは冷静な態度だ。

「もう少しで授業が始まるだろう?後にしてくれないか?」

「今すぐ聞きたいことがあるんだ!」

アランはため息をつきながら隣の男子に「先生にこの授業は休むと言っといて」と伝言を依頼して、教室の外に出た。

「ここだと先生が来たら授業に出るように言われるから場所を移動しよう。俺も話したいことがあるしね」

ーー

2人はアランの寮のアランの部屋に入った。

「それで、用件はなんだい?」

「遊牧民への侵攻を中止するってどういうことだ?」

「なんだ、ロイドからもう聞いたのか。ロイドにも説明したが、確認したいことがあるからだ」

「リーダーがフレア・ジョーカーの息子だということをか?」

ヘンリーは強い口調で問うた。

「ああ、もし本当に伯爵家の息子だったらそんなに簡単に滅ぼすわけにはいかないだろう」

「もしフレア・ジョーカーの息子だったらロクサネおばあさまの敵なんだぞ!」

アランは呆れた表情になった。

「ヘンリー…こんなことは言いたくないんだが、ロクサネ様の方がフレア様から正妻の座を奪ったんだろう?
離縁後フレア様はどれだけ辛酸を舐めたか想像するだけで辛くなるよ。
フレア様の息子だってどれだけ苦労してきただろうか?」

「お前は…っ!敵の味方をするのか?」

「一般論として話しているだけだ。まあヘンリーの周りの人は君の手前フレア様を悪く言うだろうけどな」

「この…っ!」

ヘンリーが怒りでわなわな震えていると、アランは話が終わったと思って自分の聞きたいことを話し出した。

「話はそれだけか?それでは俺の相談だが、マロンはもう地下牢から出してもいいのではないか?」

「なぜだ?」

「そもそもお前に不吉な予言をでっち上げた罪で取り調べを受けてるのだろう?あれから本当に遊牧民が来たんだからでっち上げたわけではなくなったではないか?」

「あ…、それもそうかもな」

ヘンリーは自分のプライドを傷つけられたので咄嗟に牢に閉じ込めるように言ったのでその経緯を忘れていた。

「じゃあ釈放するように手続きを取ってもいいかい?」

「ああ」

ヘンリーはぶっきらぼうに同意した。

「それで相談なんだが…、ヘンリーがマロンと別れたのであれば、俺がマロンと付き合ってもいいかい?」

「!?」

「彼女のことを好きになってしまった」

「駄目だ!」

ヘンリーは自分と付き合っていた女がすぐに違う男を付き合うことがおもしろくなかった。

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