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5.それぞれの音
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「~~~」
聴き馴染みのないはずなのに、どこか懐かしい。そんな印象を覚えた。それがこの楽曲の第一印象だった。
私を養子にすると言った人の方を見て見ると、少しだけ顔に曇りが見える。
「~~~~~___。」
ボーカルの女性が歌を中断する。
「どうしたの南」
ドラムの女性が南と呼ばれたボーカルの女性に、駆け寄り、声をかける。
「ねぇ、そんなに私の言ったことで迷うのなら、また、別の日にしない?」
そんな言葉を投げかける。
すると、そんな言葉を投げかけられたであろう人は、突然ギターを肩から下げたまま私の手を取って、少し乱暴にスタジオを離れるその人に私は唖然とし、
「急にどうしたんですか?」
私の言葉に返事を返さない。
「私は___」
そんな消え入りそうな声を発する人は、私の手を少し強く握りしめる。
「いっ、、、」
「あっ、ごめん。雪ちゃん」
手をぱっと離される。
「私は大丈夫です。貴方は大丈夫なんですか?」
私がそう答えると、俯き、返事が返ってくることは無い。
静寂。気まずさを感じ、それを解消するため、私は、言葉を紡いだ。
「いつまでも『貴方』っていうわけにはいかないので、名前を教えていただいてもいいですか?」
その言葉に目元を赤く染め、いつ、その涙のダムが崩壊してもおかしくない顔を私に見せた人は、
「五十嵐 御幸」
そう答える。
「御幸さん。何で飛び出したかは聞きません。ただ南さんたちと仲直りだけはすると、約束してください」
私がそういうと、
「雪ちゃん、、、でも、私、、、」
言葉に詰まったようなそぶりをしながらも、彼女は言葉を喉の奥から、とても、何かに嫌悪するかのように、
「私、とても酷いことをしてしまった」
そんな姿を見て、私は、
「一緒に戻りましょう。大丈夫です」
そう声をかけるのだった。
聴き馴染みのないはずなのに、どこか懐かしい。そんな印象を覚えた。それがこの楽曲の第一印象だった。
私を養子にすると言った人の方を見て見ると、少しだけ顔に曇りが見える。
「~~~~~___。」
ボーカルの女性が歌を中断する。
「どうしたの南」
ドラムの女性が南と呼ばれたボーカルの女性に、駆け寄り、声をかける。
「ねぇ、そんなに私の言ったことで迷うのなら、また、別の日にしない?」
そんな言葉を投げかける。
すると、そんな言葉を投げかけられたであろう人は、突然ギターを肩から下げたまま私の手を取って、少し乱暴にスタジオを離れるその人に私は唖然とし、
「急にどうしたんですか?」
私の言葉に返事を返さない。
「私は___」
そんな消え入りそうな声を発する人は、私の手を少し強く握りしめる。
「いっ、、、」
「あっ、ごめん。雪ちゃん」
手をぱっと離される。
「私は大丈夫です。貴方は大丈夫なんですか?」
私がそう答えると、俯き、返事が返ってくることは無い。
静寂。気まずさを感じ、それを解消するため、私は、言葉を紡いだ。
「いつまでも『貴方』っていうわけにはいかないので、名前を教えていただいてもいいですか?」
その言葉に目元を赤く染め、いつ、その涙のダムが崩壊してもおかしくない顔を私に見せた人は、
「五十嵐 御幸」
そう答える。
「御幸さん。何で飛び出したかは聞きません。ただ南さんたちと仲直りだけはすると、約束してください」
私がそういうと、
「雪ちゃん、、、でも、私、、、」
言葉に詰まったようなそぶりをしながらも、彼女は言葉を喉の奥から、とても、何かに嫌悪するかのように、
「私、とても酷いことをしてしまった」
そんな姿を見て、私は、
「一緒に戻りましょう。大丈夫です」
そう声をかけるのだった。
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