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玖
取り調べ2
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女は、部屋に入ってきた俺とキララ=中野刑事を見つめた。
「あたい、これからどうなるの?」
俺に代わって刑事が答える。
「それは、あなたの協力次第よ。悪くて禁固刑、よければ保護観察処分」
「タバコ吸っていい?」
「私の質問にきちんと答えたら、吸っていいわ」
「ふうん。で、何を聞きたいの?」
「まず、あなたの名前は?」
「猿橋紅葉。言っておくけど、あいつらの事は、あたいもよく知らないよ。ただ……」
女は俺の方を見た。
「あんたが、殺したのは、あいつらのほんの一部。まだ大勢いるから、あんた復讐されるよ」
やはり、窃盗団か?
「それで、猿橋さん。あなたは、あいつらの仲間じゃないの?」
「仲間だよ。でも、最初から仲間だったわけじゃない。ミサイルが落ちてきたあの日、あたいは近所の親父さんに誘われてシェルターに入ったんだ。その親父さんの奥さんは、どっかに出かけていて間に合わなかったって」
「じゃあ、あなたは最初そのシェルターで暮らしていたのね。では、なぜそこを出たの? その親父さんから何か酷いことでも?」
「いんや。親父さんはいい人だったよ。あたいの他にも近所の女が二人いたけど、別にあたいらを抱こうとかしなかった。シェルターに小さな女の子連れ込んで、エロいことしまくっている奴がいるって聞いた事あるけど、あの親父さんはそんな事はしない紳士だったね」
ギク! 小さな女の子連れ込んでエロいことしまくってるって……俺の事噂になっていたのか?
「たださ、死んだと思っていた奥さんが生きていて、地下道通って帰ってきちゃったんだな。それから、修羅場になって、あたいらはシェルターから追い出された。で、その後地下道を彷徨っているうちに、あいつらと出会って、仲間になったってわけ」
「それで、あいつらは、どのシェルターを根城にしているの?」
「知らない。あたいは、あの休憩所にずっといたから。ただ、あいつら日本人じゃないよ」
「日本人じゃない?」
「ああ。あいつら、時々あたいに分からない外国語を喋っていた。あれは、北の国の言葉だね」
「北の国?」
竜二の入っていたのは外国人の窃盗団と聞いていたが、その祖国は北の国だったのか?
「あたい、これからどうなるの?」
俺に代わって刑事が答える。
「それは、あなたの協力次第よ。悪くて禁固刑、よければ保護観察処分」
「タバコ吸っていい?」
「私の質問にきちんと答えたら、吸っていいわ」
「ふうん。で、何を聞きたいの?」
「まず、あなたの名前は?」
「猿橋紅葉。言っておくけど、あいつらの事は、あたいもよく知らないよ。ただ……」
女は俺の方を見た。
「あんたが、殺したのは、あいつらのほんの一部。まだ大勢いるから、あんた復讐されるよ」
やはり、窃盗団か?
「それで、猿橋さん。あなたは、あいつらの仲間じゃないの?」
「仲間だよ。でも、最初から仲間だったわけじゃない。ミサイルが落ちてきたあの日、あたいは近所の親父さんに誘われてシェルターに入ったんだ。その親父さんの奥さんは、どっかに出かけていて間に合わなかったって」
「じゃあ、あなたは最初そのシェルターで暮らしていたのね。では、なぜそこを出たの? その親父さんから何か酷いことでも?」
「いんや。親父さんはいい人だったよ。あたいの他にも近所の女が二人いたけど、別にあたいらを抱こうとかしなかった。シェルターに小さな女の子連れ込んで、エロいことしまくっている奴がいるって聞いた事あるけど、あの親父さんはそんな事はしない紳士だったね」
ギク! 小さな女の子連れ込んでエロいことしまくってるって……俺の事噂になっていたのか?
「たださ、死んだと思っていた奥さんが生きていて、地下道通って帰ってきちゃったんだな。それから、修羅場になって、あたいらはシェルターから追い出された。で、その後地下道を彷徨っているうちに、あいつらと出会って、仲間になったってわけ」
「それで、あいつらは、どのシェルターを根城にしているの?」
「知らない。あたいは、あの休憩所にずっといたから。ただ、あいつら日本人じゃないよ」
「日本人じゃない?」
「ああ。あいつら、時々あたいに分からない外国語を喋っていた。あれは、北の国の言葉だね」
「北の国?」
竜二の入っていたのは外国人の窃盗団と聞いていたが、その祖国は北の国だったのか?
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