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第五章
偵察用ウッド・ゴーレム
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じいさんの屋敷に待機させていた鳥分体に意識を移すと、丁度アヤメが帰っていく後姿が見えた。
さっそく、馬車に糸状体を繋ぎ直す。
よし! 再接続成功。馬車も馬もまったく問題なかった。
続いて屋敷のソファで寝そべっている人型分体に接続。
機能に問題なし。
目を開いて起き上がると、ちょうどじいさんと目が合った。
「おお! ランドール殿。おかえりなさいませ」
「じいさん、守備はどうだった?」
「アヤメ君は何も見つけることはできず、帰っていきました」
「そうか。レオナルドとレンゲは? 二人の変装用分体も再接続しないと」
「アヤメ君を見送りに行きました。というより、アヤメ君が何かを良からぬことをしていないかと、見張りにいったのです」
ちょうど、その時、二人がリビングに戻ってきた。変装用分体への再接続も問題なく済む。
「アルベルト殿。あの娘、帰るときに庭にこんな物を投げ込んでいきました」
レジナルドは木製の人形のような物を差し出した。
「う! これは!?」
じいさんは人形を受け取り調べ始めた。しばらくして、じいさんは俺の方をふり向く。
「ランドール殿。先ほど本体の方に戻られて、フィリスから精気を抜き取りませんでしたか?」
「なぜ分かった?」
「やはり。これは小型のウッド・ゴーレムですよ。魔力を送り込んで遠隔操作するタイプです。フィリスは式神を中継してこれを操ることができます」
「という事は、これはドローンのような物か?」
「そうです」
「では、ここで起きている事は奴に見られているのか?」
「そうなるはずでした。これがちゃんと動いていれば」
「動いていないのか?」
「はい。今のところ操作用の魔力は送り込まれておりませんでしたが、どうやら送り込めなくなったようですな」
「つまり、俺がフィリスから精気を抜き取った直後なので、フィリスは操作できないと」
「そういう事です」
危なかった。
「一時間ほど休めば、これを操作できるぐらいまで回復するはずです。それまでに手を打ちましょう」
さっそく、馬車に糸状体を繋ぎ直す。
よし! 再接続成功。馬車も馬もまったく問題なかった。
続いて屋敷のソファで寝そべっている人型分体に接続。
機能に問題なし。
目を開いて起き上がると、ちょうどじいさんと目が合った。
「おお! ランドール殿。おかえりなさいませ」
「じいさん、守備はどうだった?」
「アヤメ君は何も見つけることはできず、帰っていきました」
「そうか。レオナルドとレンゲは? 二人の変装用分体も再接続しないと」
「アヤメ君を見送りに行きました。というより、アヤメ君が何かを良からぬことをしていないかと、見張りにいったのです」
ちょうど、その時、二人がリビングに戻ってきた。変装用分体への再接続も問題なく済む。
「アルベルト殿。あの娘、帰るときに庭にこんな物を投げ込んでいきました」
レジナルドは木製の人形のような物を差し出した。
「う! これは!?」
じいさんは人形を受け取り調べ始めた。しばらくして、じいさんは俺の方をふり向く。
「ランドール殿。先ほど本体の方に戻られて、フィリスから精気を抜き取りませんでしたか?」
「なぜ分かった?」
「やはり。これは小型のウッド・ゴーレムですよ。魔力を送り込んで遠隔操作するタイプです。フィリスは式神を中継してこれを操ることができます」
「という事は、これはドローンのような物か?」
「そうです」
「では、ここで起きている事は奴に見られているのか?」
「そうなるはずでした。これがちゃんと動いていれば」
「動いていないのか?」
「はい。今のところ操作用の魔力は送り込まれておりませんでしたが、どうやら送り込めなくなったようですな」
「つまり、俺がフィリスから精気を抜き取った直後なので、フィリスは操作できないと」
「そういう事です」
危なかった。
「一時間ほど休めば、これを操作できるぐらいまで回復するはずです。それまでに手を打ちましょう」
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「死神幼女に勧誘されて異世界のスライムに転生。早く人間になりたい!」エロ要素を抜いてこちらのサイトに載せてみました。よろしければブックマークなどの応援お願いします。
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