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第五章
木の国の都
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じいさんの裏切りがばれていないのは好都合。おかげで、すんなりと木の国に入れた。
馬車の中をじっくり調べられても、じいさんの私物以外は俺の身体を変形させた物ばかりで、怪しい物は何もないけど、二つだけ調べられると厄介なのがある。
じいさん一人では怪しまれると思って、俺の人型分体を馬車の中に乗せてあるが厄介というのはそれではない。
湖の本体から馬車まで伸びている糸状体と、途中の中継体も見つかれば厄介だが、カメレオン能力で見えなくしてあるので、見つかる心配はあまりない。
「ランドール殿。上手くいきましたな」
俺の人型分体にそう話しかけた男こそ、その厄介なものその一だ。
親衛隊長レジナルド。クマのような印象はないが、馬車の中で俺の分体と迎え合わせに座っている。
もちろん、彼はウドウ王子から指名手配されている身なので、できれば連れてきたくはなかったのだが、本人が強く希望したので強引に押し切られた。
「隊長。まだ安心できません」
レジナルドの横でそう言ったのが、厄介なものその二。
レジナルドの部下で女戦士レンゲ。当然指名手配されている。レジナルドだけも厄介なのに……
もちろん、この二人は変装している。俺の分体を顔に張り付け、造形能力で別人の顔になっていたのだ。
そうでもしなければ、いくらぞんざいな検査でもばれていただろう。
ちなみに設定上は、俺たちは森の民……森の中に住む国に属さない人達……の家族という事で、レジナルドが長男、俺が次男、サクヤが長女でレジナルドの妹で俺の姉。
森の中を彷徨っていたじいさんを助けたので、じいさんがそのお礼に俺達を木の国の都に連れてきたという筋書きになっていた。
それにしても……
窓の外を流れる景色に目をやった。
俺が転生して、二度目に見るこの世界の文明。
異世界と言うから、中世ヨーロッパ風の町を想像していたが、目に前にある景色はまるで違っていた。
木の国と言うだけあって、木造建築ばかり。江戸時代の日本を思わせる街並み。
ただし、窓は紙ではなくガラスが使われている。
「やはり人通りが少ないですね」
レンゲが呟くように言った言葉に、レジナルドは一言「うむ」と頷く。
確かに通りに人の姿をあまり見かけない。昼だと言うのに……
「普段は、もっと人通りが多いのか?」
俺の質問にレンゲが答える。
「いつもはもっと、賑やかな町です。原因はあれでしょう」
赤い鎧を纏った兵士達を指差す。ウドウ王子の私兵か。
時々、この私兵に馬車が呼び止められるが、関所で発行された書類を見せるとすんなりと通行できた。
「まるで戒厳令下の町だな」
「ランドール殿。まるでではなく、事実戒厳令が敷かれているのです」
「そうなの?」
「まだ、一部の国軍兵士が潜伏して抵抗を続けているのですよ。今回我々がランドール殿に同行を申し出たのは、彼らの状況を見るためです」
「なるほど」
そうこうしている内に、馬車は一軒の家に入っていった。
馬車の中をじっくり調べられても、じいさんの私物以外は俺の身体を変形させた物ばかりで、怪しい物は何もないけど、二つだけ調べられると厄介なのがある。
じいさん一人では怪しまれると思って、俺の人型分体を馬車の中に乗せてあるが厄介というのはそれではない。
湖の本体から馬車まで伸びている糸状体と、途中の中継体も見つかれば厄介だが、カメレオン能力で見えなくしてあるので、見つかる心配はあまりない。
「ランドール殿。上手くいきましたな」
俺の人型分体にそう話しかけた男こそ、その厄介なものその一だ。
親衛隊長レジナルド。クマのような印象はないが、馬車の中で俺の分体と迎え合わせに座っている。
もちろん、彼はウドウ王子から指名手配されている身なので、できれば連れてきたくはなかったのだが、本人が強く希望したので強引に押し切られた。
「隊長。まだ安心できません」
レジナルドの横でそう言ったのが、厄介なものその二。
レジナルドの部下で女戦士レンゲ。当然指名手配されている。レジナルドだけも厄介なのに……
もちろん、この二人は変装している。俺の分体を顔に張り付け、造形能力で別人の顔になっていたのだ。
そうでもしなければ、いくらぞんざいな検査でもばれていただろう。
ちなみに設定上は、俺たちは森の民……森の中に住む国に属さない人達……の家族という事で、レジナルドが長男、俺が次男、サクヤが長女でレジナルドの妹で俺の姉。
森の中を彷徨っていたじいさんを助けたので、じいさんがそのお礼に俺達を木の国の都に連れてきたという筋書きになっていた。
それにしても……
窓の外を流れる景色に目をやった。
俺が転生して、二度目に見るこの世界の文明。
異世界と言うから、中世ヨーロッパ風の町を想像していたが、目に前にある景色はまるで違っていた。
木の国と言うだけあって、木造建築ばかり。江戸時代の日本を思わせる街並み。
ただし、窓は紙ではなくガラスが使われている。
「やはり人通りが少ないですね」
レンゲが呟くように言った言葉に、レジナルドは一言「うむ」と頷く。
確かに通りに人の姿をあまり見かけない。昼だと言うのに……
「普段は、もっと人通りが多いのか?」
俺の質問にレンゲが答える。
「いつもはもっと、賑やかな町です。原因はあれでしょう」
赤い鎧を纏った兵士達を指差す。ウドウ王子の私兵か。
時々、この私兵に馬車が呼び止められるが、関所で発行された書類を見せるとすんなりと通行できた。
「まるで戒厳令下の町だな」
「ランドール殿。まるでではなく、事実戒厳令が敷かれているのです」
「そうなの?」
「まだ、一部の国軍兵士が潜伏して抵抗を続けているのですよ。今回我々がランドール殿に同行を申し出たのは、彼らの状況を見るためです」
「なるほど」
そうこうしている内に、馬車は一軒の家に入っていった。
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「死神幼女に勧誘されて異世界のスライムに転生。早く人間になりたい!」エロ要素を抜いてこちらのサイトに載せてみました。よろしければブックマークなどの応援お願いします。
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